ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、主に藤村女子中学・高等学校の運営を行っている学校法人井之頭学園にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同法人で働く魅力をご紹介します。
同法人には民間企業出身で教職未経験の教員が多数在籍しており、ITスキルや海外勤務といった前職での経験を活かして活躍しています。また、フロントオフィスにおいては民間企業で培ったCRM(顧客関係管理)スキルを生徒募集に活用し、新たな取り組みを提案・実現している職員もいるなど、他の業種や職種で得た知識や経験を存分に発揮できる環境です。
今回は、学校法人井之頭学園における未経験での活躍事例や組織の特徴について、教頭の三井さんと募集戦略室の坪内さんにお話を聞かせていただきました。
組織の多様性:約半数の教員が未経験で入職、民間経験を活かして躍動
編集部
学校法人井之頭学園が運営する藤村女子中学・高等学校では、約半数の先生方が学校業界以外からの転職者と伺っています。具体的にはどのような経歴の方々が活躍されているのか教えてください。
三井さん
IT企業やキャリア関連企業、海外企業、ベンチャー企業など多種多様です。さらに、教育業界出身者の中には海外の日本人学校での勤務経験があるなど、ユニークなキャリアを持つ者もいますね。
私自身はずっと教育現場で働いてきましたが、民間企業経験者の方々から学ぶことが非常に多いと感じています。例えば、仕事の進め方や目標数値の設定の仕方などの面で、学校現場ではあまりみられない新鮮な発想や手法を見せてくれるんです。そのため、民間経験者が学年会議や定例会議に1〜2名参加するだけでも大きな刺激があり、私はもちろん他の教員にとっても良い学びの機会となっています。
編集部
民間企業からの転職者の方々は、どのような分野で経験を活かせるのでしょうか。
三井さん
特に活躍が目立っているのが、ICT教育やDX化の分野です。本校では2024年度から「Notion」や「Slack」といったコミュニケーションツールを使用しているのですが、民間企業でこれらのツールを日常的に使用していた教員が他の教員のサポートを行ったり、授業改善のアイデアを出してくれたりしています。
また、実装はこれからではあるものの、生徒の進路サポートにおいても民間での経験が活きると思います。例年、高校3年生の秋に「高校卒業後に何をしたら良いか、自分自身が何をしたいのかがわからない」といった漠然とした不安を抱える生徒が多いのですが、民間企業出身の教員なら業界事情や働き方、キャリアプランなど、経験に基づいた有益なアドバイスができると考えています。
編集部
他業界でのご経験は、普段の授業でも活用されているのでしょうか。
三井さん
例えば海外での勤務経験がある英語教員の場合、ビジネスシーンでの海外文化について教えたり、「このくらいの英語で伝わるよ」とアドバイスしたりと、独自の強みを活かした授業を展開しています。教科の知識だけでなく、実践的な経験に基づいた話ができるため、深みと面白さが加わった魅力的な授業になっていると感じますね。
ちなみに、新任教員は通常であれば1年目から担任を持ち、20コマほどの授業と部活動の顧問を担当するのが一般的ですが、本校では「その教員の強みを最大限に活かせるかどうか」を重視して勤務スタイルを決定しています。そのため、授業のコマ数をあえて少なく設定し、授業のない時間で民間での経験を活かせる業務に注力してもらっているケースもあります。
フロントオフィスでも民間企業出身者が活躍:CRMの導入・活用をサポート
編集部
坪内さんも民間企業のご出身で、職員としてフロントオフィスを担当されているそうですね。前職でのご経験をどのように活かしていらっしゃるのでしょうか。
坪内さん
特にCRM(顧客関係管理システム)の導入・活用において、民間での経験が活きていると感じます。
私は生徒募集や入学に向けた様々な施策を企画・実行している募集戦略室に所属しているのですが、私が入職する少し前にこのCRMシステムが導入されました。ちょうど前職で使用していたツールだったということもあり、入職して早々に生徒募集に繋がるシステム基盤の構築に貢献できて嬉しかったですね。今後は、生徒一人一人のバックグラウンドから学習過程、卒業後の進路などをデータベース化することで教育目標をより良く達成していくことを目指しています。
なお、一般的な学校ではこのような専門部署ではなく、教員が入試広報や広報部として兼任で担当することが多いと思います。しかし、本校では「教員には教育に専念してもらいたい」といった想いから、私のような民間企業での経験を活かせる人材を採用し、業務を分業している形です。
編集部
募集戦略室でのお仕事におけるやりがいについても教えていただけますか?
坪内さん
新しい取り組みにチャレンジできる機会が豊富にあることでしょうか。
本校では、従来の入学試験の枠組みにとらわれない選抜方式にも取り組んでいるのですが、その一環で募集戦略室が提案した「ダンス選抜(※)」が中学入試において実現し、多くの方に受験していただきました。ダンス選抜に限らず入試の企画から設計まで携わらせてもらえて、大きなやりがいを感じました。学校の方向性に関わるような大きな仕事を勤務年数ではなく意欲と能力に応じて任せてもらえる、魅力的な職場環境だと思います。
(※)藤村女子中学校が2025年度の入試から始めた選抜方法。ダンスパフォーマンスと面接のみで行う入試方法で、学科試験は実施しない。
若手活躍:20代・30代がプロジェクトマネージャーになれる環境
編集部
学校法人井之頭学園での、若手の方々の活躍についても教えていただけますか。
三井さん
20代から30代の若手教員にプロジェクトマネージャーを任せるなど、年齢に関係なく活躍の機会を提供しています。具体的には、近年注力している「新しい学校づくり」に関連する英語教育プロジェクトやICT教育プロジェクト、キャリア教育プロジェクトといった新規プロジェクトにおいて、多くの若手がリーダーを担っています。
坪内さん
私が所属する募集戦略室では、20代の女性職員がインサイドセールスにおいて活躍してくれています。
インサイドセールスでは多くの人に本校を知ってもらい、興味を持ってもらうための営業活動がメインの仕事となるのですが、彼女は元々小学校の教員だったこともあってコミュニケーション能力が非常に高いんです。興味を持ってくれた方にタイムリーにお電話したり、来校してくださった保護者や子どもたちと接したりすることが得意で、これまでの経験がしっかりと活かされていると感じます。
若手にも責任ある仕事を任せることでそれぞれが自分の役割を認識し、責任を果たすために奮闘してくれる。そういった体制が根付いている組織だからこそ、若手がのびのびと活躍できているのだと思います。
ちなみに、彼女は本校の生徒たちからも人気が高く、職員で一緒に歩いているとみんな彼女のほうに話しかけに行くんです(笑)。職員なので授業を行っているわけではないのに、やっぱり親しみやすいキャラクターが伝わるんだろうなと。そういうところも「すごいな」と日々感じています。
資格取得支援や予備校講師による指導などで若手の成長をサポート
編集部
若手の活躍をサポートする取り組みがあれば教えてください。
三井さん
生徒の進路指導時などに役立つ「キャリアコンサルタント」などの資格取得をサポートしています。取得費用を支援するほか、講習受講時の授業調整や休暇取得にも配慮しています。
また、2024年度は外部との連携による若手育成にも力を入れており、例えば外部予備校の講師を招いて塾の観点や教え方などを学ぶ機会を設けています。教員として非常に勉強になりますし、学んだことを生徒にも還元できて、大変有意義な取り組みになっていると思います。
雰囲気:メリハリがあり、新しいチャレンジを歓迎する風土
編集部
職場の雰囲気についてはいかがでしょうか。
坪内さん
私が所属する募集戦略室は8人程度のチームですが、非常に良い雰囲気の中で働くことができています。メリハリをつけながら、時にはワイワイと、時には一人で集中して仕事を進められる環境です。業務は分業制ですが、「自分の担当だけをこなせばいい」といった考えの職員は一人もおらず、協力し合って業務を進めています。
また、新しい取り組みに対して非常に寛容な環境だと感じますね。前例のない取り組みに対して「本当に効果があるのか」「今のままでも良いのではないか」と保守的になる学校も多い中、本校では根拠をしっかりと示せば積極的に採用してくれる雰囲気があります。
三井さん
私も同感です。年齢や経歴に関係なく意見や提案がしやすい雰囲気があるからこそ、「今までどおり」ではなく、「失敗を恐れずに新しいことに挑戦しよう」という風土が根付いていると感じます。
柔軟な働き方や充実の福利厚生でワークライフバランスをとりやすい
編集部
働き方の面で、特徴的な取り組みがあれば教えてください。
三井さん
リモートワークを推進しており、生徒の登校日ではない日や、授業研究・準備などオンラインで済む業務の際に活用できます。通勤時間を短縮できるなど、効率的な働き方を実現できていますね。これからは、さらに教師の働き方改革を進め、多様な人材が教育の世界に飛び込める環境を整えていきたいです。異業種からも「教師になりたい」と思う人が増える未来を願っています。
坪内さん
募集戦略室でも週に1、2回程度はリモートワークを行っており、それが当たり前の働き方として定着している印象です。
編集部
福利厚生面で、ワークライフバランスに関する特徴的な制度はありますか。
坪内さん
「リフレッシュ休暇制度」があることが特徴的ですね。毎年、長期休暇中に3日間休暇を取得できるという内容で、教育現場以外では珍しい制度だと思います。
求める人材像:高い熱量と改革意識のある方を歓迎
編集部
最後に、学校法人井之頭学園においてどのような人材を求めていらっしゃるのか、また、どのような方が活躍できる環境なのかお聞かせください。
三井さん
求める人材としては、大きく二つの要素があると考えています。一つは「高い熱量がある方」で、これは生徒募集においても重視している点です。教育に対する強い情熱を持ち、自ら考え、行動できる方を求めています。
もう一つは、「既存の枠にとらわれず挑戦し続けられる方」です。現在、学校改革の最中にあるため、ゼロから創り上げていくことに喜びを感じ、積極的に関わってくれる方にとっては、非常にやりがいのある職場だと思います。
坪内さん
学校としてこれから大きく生まれ変わろうとしている、そのターニングポイントにポジティブに関わってくださる方を歓迎します。
私自身、入職してまだ4ヶ月ほどですが、新しい仕組みづくりなど様々なチャレンジをさせていただいています。今ある枠組みに満足せずに、自ら「新しい仕組みを創りませんか?」と意欲的に取り組める方であれば、非常に魅力的な職場環境だと思います。
編集部
本日はありがとうございました!
編集後記
この記事のまとめ
キャリアバックグラウンド |
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経験を活かせる環境 |
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働き方の特徴 |
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組織風土 |
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求める人物像 |
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学校法人井之頭学園の基本情報
法人名 | 学校法人井之頭学園 |
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住所 | 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-16-3 |
設立 | 1932年3月 |
働き方 | ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク) |
公式ページ | https://fujimura.ed.jp/(藤村女子中学・高等学校トップページ) https://fujimura.ed.jp/unlock/(学校改革特集ページ) |
採用ページ | https://www.wantedly.com/companies/ company_4716350/post_articles/911987 |
募集職種 | ・教員(教員免許必須) ・バックオフィス ※学歴不問 |