圧倒的な技術力でDXを推進するエムシーデジタル。若手が活躍するカルチャーとは

いま注目されている企業の取り組みや働き方をお伝えしていくこの企画。今回は「技術と社会の進歩を加速させる」というスローガンのもと、三菱商事株式会社の100%子会社として設立されたテクノロジーカンパニー、エムシーデジタル株式会社を取材させていただきました。

エムシーデジタル株式会社とは

エムシーデジタル株式会社は、デジタル化に伴う変化に悩む企業に寄り添い、テクノロジーの力で課題を解決しています。三菱商事関連の全ての産業をメインフィールドとして、さまざまなデジタルプラットフォームを構築している企業です。

また、エムシーデジタルは三菱商事だけではなく、幅広い企業のビジネスをサポートしています。設立以来、社員数も売上も右肩上がりとなっており、市場からも今後さらに成長し続けると予測されています。

会社名 エムシーデジタル株式会社
住所 東京都千代田区丸の内2-6-1 丸の内パークビルディング 27F
事業内容 デジタルトランスフォーメーション(DX)の研究、開発、推進
設立 2019年9月12日
公式ページ https://www.mcdigital.jp/
働き方 リモート(ハイブリッド勤務含む)

今回は企業の成長と若手社員の活躍について、エムシーデジタル株式会社の代表取締役CEOである河内さんと、データサイエンス部門(兼)経営企画室・データサイエンティストの横山さん、コーポレート部門・人事担当の新井さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
エムシーデジタル株式会社の河内さん

エムシーデジタル株式会社
代表取締役 / CEO

河内 伸学さん

エムシーデジタル株式会社の横山さん

エムシーデジタル株式会社
データサイエンス部門(兼)経営企画室 / データサイエンティスト

横山 遼さん

エムシーデジタル株式会社の新井さん

エムシーデジタル株式会社
コーポレート部門 / 人事担当

新井 一平さん

三菱商事の100%子会社。DX事業を軸に企業の課題を解決

エムシーデジタル株式会社の企業概要
▲「リアルとデジタルが融合した未来へアップデートする」という理念を掲げている(公式サイトより引用)

編集部

最初に、エムシーデジタルさんの事業概要についてお教えいただけますか?

河内さん

エムシーデジタルは、三菱商事の100%子会社として誕生しました。三菱商事の競争力を高め、その根幹を改善していくために、デジタルトランスフォーメーション(DX)の内製化を推進する目的で2019年に設立されたという経緯があります。

三菱商事ではもともとDXの必要性は認識していたものの、いわゆる「商社マン」のプロフェッショナルが集まっているわけですから、彼らだけで専門的なIT関連の業務を担っていくのは難しかったんですね。

そこで、DXの戦略立案などは三菱商事が担当し、変革によりどんな効果が生まれるかという検証や、機械学習の活用・アルゴリズム開発などで実際に「モノづくり」の部分を進めるのがエムシーデジタルという分担となりました。現在、エンジニアを中心に70名ほどの規模で事業を進めています。

編集部

具体的にはどのようなことをされているのでしょうか。

河内さん

まず、クライアントの事業のDXを実現するために、産業構造自体がどのようになっているのか、どのようなところに課題があるのかといったところを見つけ出すコンサルティングをしています。

そうして見つけた課題をもとにアルゴリズムの研究・開発を実施し、社内のエンジニアとプロジェクトマネージャー、コンサルタント、データサイエンティストが連携して、明確な成果を出していくための仕組みを実装していくというのが、私たちの事業ということになります。

幅広いクライアントのビジネスモデルをアップデート

編集部

エムシーデジタルさんのクライアントは、三菱商事さんだけなのでしょうか。

河内さん

いえ、私たちは三菱商事のグループの中だけの仕事をしているわけではありません。三菱商事グループの案件をいろいろな産業への接点としながら、積み重ねたナレッジをノウハウ化し、他社様に展開しています。

編集部

手がけておられるフィールドがすごく幅広いと思うのですが、具体的な事例がありましたらぜひ伺いたいです。

河内さん

食品流通において需要予測のモデルを作成してフードロスを減らしたり、鉄鋼産業のオペレーション最適化だったりと、おっしゃるとおりジャンルは多岐にわたるのですが、最近の事例だと「脱炭素社会の実現」に向けた取り組みをいろいろな形でやっています。

たとえば、洋上風力や太陽光といった再生可能エネルギーによる発電の場合、天候によって発電量が左右されてしまうので、電力供給と需要のバランスを取ることが難しいという課題があります。そこで、気象情報やその他さまざまな情報をもとにして、発電量を予測する仕組みを作ったりしています。こういった取り組みを通して、再生可能エネルギーの普及に貢献していきたいと考えています。

編集部

エムシーデジタルさんは「テクノロジーでビジネスモデルをアップデートする」というミッションを掲げておられますが、それをまさに実行されていることがわかりました。高い技術力を生かして、三菱商事さんや他社様の事業をアップデートしているということなんですね。

DX需要が高まるなか、継続的に案件を受注し成長を継続

エムシーデジタル株式会社のオフィス懇親会で多くの社員が集まっている様子

編集部

エムシーデジタルさんが設立された2019年以降、ご存知の通り社会情勢は大きく変化してきました。大変な期間だったかと思うのですが、その中でどのように成長されてきたか伺えますでしょうか。

河内さん

ありがたいことに設立以来、人数規模も売上もずっと右肩上がりで成長を続けてこられました。ゼロからスタートした会社ではありますが、現在70名規模にまで組織が大きくなっているのは、メンバーのおかげかなと考えています。

編集部

成長を続けることができたポイントは、どのあたりにあると思われますか?

河内さん

DXに対する各企業の関心が非常に高かったということが大きいのではないでしょうか。その上で、エムシーデジタルには非常に良いメンバーが揃っているので、きっちりと成果が出せていることが継続的な案件に繋がっている理由だと思います。

たとえば、食品流通業界での改善例をもとに、自動車部品の業界から「同じような点で課題を抱えているので協力いただけないか」とお声がけいただくこともあります。相談件数もかなり増えてきていますね。

そういった好循環が生まれてご相談の件数も増えているので、当初思い描いていた以上のスピードで事業を拡大できているというのが、率直な感想です。

編集部

伸びていく市場の中で実績を残し、評価をいただいて、継続的に案件を受注できているのが成長の要因なんですね。優秀なメンバーの方々も「エムシーデジタルなら自分のやりたいことができる。自分の能力を発揮できる」と感じて、集まってきておられるのではと思いました。

最先端技術を柔軟に取り入れる

編集部

急激な事業拡大の中で多くの課題を解決するために、エムシーデジタルさんも常に幅広くアンテナを張っておられると思います。最近ではどのようなことに注目していますか?

河内さん

もともとAIやデータサイエンスを強みとしていますが、最近は特にChatGPTのようなGenerative AI周りの関心が高まって幅広い層にも浸透してきているので、我々も顧客企業への導入支援を開始しています。従来の取り組みと新たな技術の組み合わせにより、お客様に提供できる価値が大きく拡大することがあるので、先端技術を挑戦的に取り入れていきたいです。

特に日本は今後労働者人口が減っていくことが目に見えています。その中で、うまくAIを活用していけたら、社会全体にとってもメリットが大きいですよね。「AIと人間のどちらが上手に仕事をできるか?」ということではなく、「減少する労働力をカバーするためにAIはどのような支援ができるか?何を置き換えられるか?」ということが論点であろうと考えています。日本の産業発展に貢献し、またそれをグローバルに展開していくことが我々のミッションだと考えています。

こういった大きな課題もあるので、エムシーデジタルが取り組んでいくプロジェクトは今後も増え続けていくであろうと考えています。

国際的なコンペでも活躍。トップレベルの技術力を持つメンバーが揃う

エムシーデジタル株式会社の新井さん(左)横山さん(中央)河内さん(右)が並んで座っている写真

編集部

先ほど「非常に良いメンバーが揃っている」とおっしゃっていましたが、エムシーデジタルの皆様にどんな特徴があるのか、お教えいただけますか?

横山さん

弊社の一番の特徴というと、やはり高い技術力が挙げられると思います。エムシーデジタルには、競技プログラミングやデータサイエンスの分野で世界トップクラスの社員が複数在籍しているんです。

例えば、国際科学オリンピックのメダリストや、Kaggle(※)のコンペティションの受賞者も多いです。Kaggleでは、社内で組んだチームが世界のチームと戦って金メダルを取ったりしていて、我が社のことながらレベルの高さを実感しました。
(※)Kaggle:世界最大のデータサイエンス向けコンペティションサービスプラットフォーム。世界中の企業や研究機関がさまざまなコンペを開催している。

一方で、ビジネスサイドにいる人間もまた、レベルが高い人材が揃っています。

編集部

技術面のことは各メディアでも拝見しているのですが、ビジネスサイドの話は初耳です。詳しく教えていただけますか?

横山さん

はい。ここでいうビジネスサイドとは、プロジェクトマネージャーやコンサルタントを指しています。ビジネスサイドは30代で外資コンサルティングファームから転職してきた者などが特に多く活躍中です。

彼らは「ビジネスサイドだから技術は知らない」ではなく、技術に対する好奇心や理解レベルも非常に高いのが特徴です。技術者としての私の目線ではありますが、ビジネス職の社員は技術を理解した上でビジネスを進めてくれており、また技術職も顧客価値を考えて開発を進めています。双方にとって、非常に仕事をしやすい環境になっていると思います。

編集部

業務の中でいろいろと意見を出し合い、発展させていける環境が整っているということでしょうか。

横山さん

そうですね。やはり優れた技術で優れたものが作れたとしても、それをちゃんとお客様の業務の中に根付かせ、活用してもらって、利益を出してもらうことが重要です。

そのためには、お客様業務の何を最適化するのか、業務フローをどう変えて、どう運用していくか、我々が構築した技術をどう理解してもらうかといった幅広い視点が必要です。その面で信頼できるメンバーが揃っているというのが、素直な感想ですね。

若手でもチャンスを掴んで活躍できる環境が整っている

エムシーデジタル株式会社のオフィスの風景

編集部

横山さんは、2020年4月にエムシーデジタルさんに入社されてから、三菱商事の社長さんがおられるような大きな場所など大きなプレゼンを経験されていると伺いました。入社してからのご自身の成長について、お聞かせいただけますでしょうか。

横山さん

私が入社したのはエムシーデジタル設立の4〜5ヶ月後で、社員も全部で10人程度の規模でした。そんな中、入社した翌月からコーポレート系データ分析プロジェクトの主担当者を任されることになったんです。最初からほとんど自分1人でプロジェクトを回すことになり、とても驚いたのを覚えています。

編集部

それは大役ですね!

横山さん

そうなんです。その後、食品のサプライチェーン最適化プロジェクトで、データサイエンティスト兼プロジェクトマネージャーのような形で参画することになりました。

顧客企業の本部長や役員レベルの方々に対していきなりプレゼンをすることになり、ちょっとプレッシャーを感じたのも事実です。しかし、責任ある立場を信頼して任せていただいたことが、今につながる良い経験になったと思います。

編集部

では、今も大きなプロジェクトをメインで担当されているということでしょうか。

横山さん

はい。今年でエムシーデジタルに入社して4年目になりますが、先月から社内で新たに立ち上げた「経営企画室」で全社の組織設計や制度設計を任せていただいています。

「ボードゲーム会」の開催でチームに好影響あり

エムシーデジタル株式会社のボードゲーム大会で勝負をしている様子
▲毎月恒例のボードゲーム大会。新しいメンバーも河内代表も混じって楽しんでいる

編集部

「エムシーデジタルさんならでは」というイベントや取り組みなどはありますか?

河内さん

他社でもやられているかもしれませんが、毎月ボードゲーム大会を開催しています。単に私がボードゲームが好きで始まったイベントなのですが、実はほとんど勝てていません(笑)。やはり理系のトップクラスが集まっているので、ゲームのレベルもとてつもなく高いですね。

もちろん楽しいから開催しているのですが、副次的な効果として、普段一緒に仕事をしないメンバーや物静かなタイプのメンバーとも、活発にコミュニケーションが発生することが挙げられます。意外な人となりが見えたりすることもあるので、とても有益な機会だと思いますね。

あと、ゲームの種類にもよりますが、思考力を競うのではなくチームメンバーの心理を読むことが結果に繋がるようなものもあります。そういう意味で、チームワークを高める効果も大きいのかもしれません。

編集部

さまざまな効果が得られて、しかも楽しいというのは素敵なことですね。横山さんも参加されるのですか?

横山さん

私は、たまに参加しています。代表である河内さんが、新卒1年目のメンバーと一緒になってボードゲームをやっているのは、なかなか面白い光景だなと感じていますね。

オフィスにはNintendo Switchが設置されていたり、フリースナックやフリードリンクコーナーがあってそこから会話が始まったりもするので、コミュニケーションをとる機会は多いと思います。

エムシーデジタル株式会社のフリースナック・フリードリンクコーナー
▲オフィスのフリースナック、フリードリンクコーナー。それぞれ無料で提供されている

スタートアップのマインドとカルチャーフィットが採用のポイント

エムシーデジタル株式会社のオフィスエントランス風景

編集部

今後会社の規模がますます大きくなっていく中で、どのような人がエムシーデジタルさんにフィットするのかを伺いたいです。まずは横山さんからお願いいたします。

横山さん

私は現場の人間なので、現在のチームを考えて「こういう人がほしい」という観点でお話ししようと思います。

まずデータサイエンティストは、お客さんが抱える課題を解決するという部分が非常に大事です。ビジネスとして成立させながら、アルゴリズムやデータサイエンス領域の知識、知見を持って、ちゃんとリードしていける人が向いていると思います。

ソフトウェアエンジニアであれば、レベルの高いコードや品質の高いコードが書けて、高品質なシステムを開発し、プロダクトを作っていける人が望ましいです。プロジェクトマネージャーやビジネスコンサルタントは、顧客ビジネスを理解して顧客の信頼を得て、正しい問題設定は何かを考え抜き、検証し、解決していける人が活躍できると思っています。

編集部

人事のご担当である、新井さんはいかがでしょうか。

新井さん

三菱商事という大きな資本が入っているとはいえ、私たちは設立してまだ数年というフェーズです。そのため、現時点でのエムシーデジタルは、よりよい働き方を目指すために「こんな制度を作ろう」といったコミュニケーションが日々発生するような形で成長過程にある組織なんです。

だから、どのポジションでもどのレイヤーでも、大手というより「スタートアップとしてのマインドセット」を持っていただいたほうが、ジョインされた後にギャップを感じることが少ないと思います。

タスクが決まった中で全員で同じようにミッションをこなすというより、少しハミ出してやらないといけないような仕事も発生してくるのが、スタートアップの楽しさです。このマインドを忘れずに楽しめる方が、フィットするのではないかなと思っています。

エムシーデジタル株式会社のバリュー
▲5つのバリューが組織に浸透している(公式サイトより引用)

編集部

最後に、河内代表のお言葉をいただければと思います。

河内さん

エムシーデジタルとして優秀な方にたくさん来ていただきたいというのは、当然のことです。しかし、とても良いカルチャーが社内で構築されてきているので、そういったところに共感していただけるというところを重視していきたいと思ってます。

ホームページにも掲げている弊社のバリューを常に意識してくれたり、賛同してくれたりする方とは、お互いをリスペクトしながら助け合っていきたいです。

こうした文化がエムシーデジタルの一番の強みになってきていると思いますので、少しでも共感してもらえるなら、ぜひ一度ご連絡いただきたいです。

編集部

お互いを信頼しリスペクトする「Earn Trust and Respect」のバリューなどに共感してくれるかどうかを重視されているということですね。お三方それぞれの立場から、どんな方がエムシーデジタルさんにフィットするのかがよくわかりました。本日は、ありがとうございました。

■取材協力
エムシーデジタル株式会社:https://www.mcdigital.jp/
採用ページ:https://www.mcdigital.jp/careers/