【建設・福祉分野のシェアビジネス】株式会社ニシケンで若手が成長する理由と採用方針に迫る

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社ニシケンにインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

株式会社ニシケンは、福岡県に本社を置く建設機材レンタル会社のパイオニア企業です。建設機械のレンタルと福祉用具や介護用品のレンタル・販売を主軸に多事業展開をしており、2016年には東証プライム市場上場の株式会社カナモトと業務提携。コロナ禍でも業績を伸ばし、安定した経営基盤のもとで成長を続けています。

組織の平均年齢は約40歳とベテラン社員が多く在籍していますが、2016年のカナモトとの業務提携以降、組織の若返りを目指して若手の採用に注力。「お客様に必要とされているものを届ける」というやりがいを感じながら働く若手社員が多く在籍し、20代で所長に就任した事例もあるなど、実力主義の評価制度が導入されています。

なお、2025年2月時点では営業職と整備職(建設機械レンタル)の2つの職種を積極的に募集中。建設事業部の拠点は九州のみですが、福祉事業部は関西・関東などにも展開しているため、さまざまなエリアでの就業機会があります。

今回は、株式会社ニシケンで若手が活躍している背景や採用方針について、人事の桒本さんと原嶋さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方

桒本 恵さん

株式会社ニシケン 総務部人事課 課長。2005年に同社へ入社し、経営企画室、総務課など管理部門に配属。その後、営業部門などでの経験を経て2017年に人事課へ再配属され、現在は主に中途採用を担当。

原嶋 のり賀さん

株式会社ニシケン 総務部人事課所属。2017年に同社へ新卒入社し、人事課に配属。現在は新卒採用をメインで担当。

更新履歴

2025年5月26日

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ニシケンの組織:「建設」と「福祉」の事業領域で若手が多数活躍!

株式会社ニシケンがレンタル提供している建設機械
▲ニシケンがレンタル提供している建設機械

編集部

ニシケンでは、2017年頃から新卒採用を本格的に開始し、若手の育成に力を入れていらっしゃるそうですね。若手社員の活躍事例について教えていただけますか。

桒本さん

福祉事業部では、20代で所長に就任している社員が数名います。また、会社全体として新卒入社4~5年目で主任に昇進するケースも増えてきており、年功序列ではなく実力主義の評価制度が定着しつつありますね。

編集部

若手社員の方々はどのようなやりがいを感じているのでしょうか。

原嶋さん

建設事業部の若手社員たちは、まちづくりの最前線で仕事ができることにやりがいを感じていますね。私たちの仕事は現場で作業される方々に機械を貸し出すことで、直接工事をするわけではありませんが、「自分が担当した現場」と誇りを持っている社員が多いようです。

先日も物流センターや30階建てのマンションの現場に納入したと話していたのを聞きましたし、数千万円クラスなど規模の大きい案件に携わって売上アップを目指していけることも建設事業部の面白みだと感じます。

株式会社ニシケンがレンタル提供している福祉用具
▲ニシケンがレンタル提供している福祉用具

原嶋さん

一方、福祉事業部においては建設事業部よりもさらに多くのアイテム数を扱っているため、豊富な商品知識が必要になるのですが、それだけ専門性を身につけられる点にやりがいを感じている社員が多い印象ですね。

その知識を活かし、福祉用具について家族や親戚にアドバイスをしたり、あるときには街中でサイズが合っていない杖を使用している方に声をかけて調整してあげたりと、人々の生活に直接関わって役に立てることも働きがいにつながっています。

桒本さん

建設事業部と福祉事業部は事業内容としては異なりますが、「必要とされているものを届ける仕事」という点では共通しています。どちらの部署においてもお客様から「ありがとう」といった感謝の言葉をいただける機会が多く、その点も魅力に感じているようです。

社長を筆頭に若手社員の意見や提案に耳を傾ける風土がある

株式会社ニシケンの展覧会の様子
▲展覧会に出展した際の様子。右端にいるのは代表取締役社長の田中誠一さん

編集部

若手の皆さんがやりがいを持って働ける環境だと感じたのですが、新しい提案や意見は受け入れられやすい環境なのでしょうか。

桒本さん

はい。当社では若手人材の自主性をとても大切にしており、社長の田中もよく「若手の意見を吸い上げてあげて」と口癖のように言っています。そのため、「若手だから」といった制限を設けない文化が根付いており、若手社員からの提案も積極的に採用していますね。

例えば、営業所での価格設定に関しては、お客様のニーズと会社の利益のバランスを考慮しながら、現場の裁量で決められる仕組みになっています。

ちなみに、社長は2020年に就任した際に全社員と1対1の面談を始めたほか、合併時にも新しく入社された社員全員と面談をしており、若手も含めてしっかりと対話する姿勢を持っているんです。そういった風土があることも、若手の活躍を促していると感じますね。

原嶋さん

実際に若手社員の意見が採用された事例として、「3世代交流会」があります。新入社員と入社2年目・3年目の社員が集まって交流を深めるイベントで、「配属先が異なる若手社員同士の交流の場を作りたい」という若手社員の声から生まれました。

新卒入社して半年後のフォロー研修との抱き合わせで実施しており、仕事の進め方や所長の体験談といった実践的な経験も共有できる貴重な場となっていますね。4年目の社員が「自分も参加したい」と言うほど好評です。

入社後の充実したフォロー体制あり。焦らずスキルアップを目指せる

株式会社ニシケンでの福祉用具の納品作業風景

編集部

ニシケンに入社後の成長支援について、具体的な仕組みやサポート体制を教えていただけますか。

原嶋さん

新入社員は北海道でのグループ会社合同の入社式に出席した後すぐに福岡に移動し、新入社員研修を受けた後に各営業所に配属されます。9月か10月にフォロー研修を行い、半年間の試用期間は人事も関わりながらしっかりフォローをします。

その後は各配属先での研修を含むOJTで、営業職だと先輩社員との同行を通じて学んでいきます。すぐに営業に出るのではなく、仕事の流れや商品を覚えるために社内業務を経験してから外に出ることになります。ノルマなどはなく、焦らず着実にスキルを身につけていける環境です。

なお、新卒社員に対しては試用期間中のフォローシート制度があり、丁寧なケアによって成長をサポートしています。具体的には上司と一緒に目標を設定し、毎月振り返りを行い、人事課からもコメントを返している形です。

試用期間後も人事課が継続的にフォローを行っており、いつでも相談できる体制を整えています。もちろん中途入社の方も、気軽に相談していただける環境です。

また、2025年からは従業員のウェルビーイングの実現のためにパルスサーベイシステムを導入しました。定期的に満足度調査を実施することによって、特に若手社員の適性について上司がしっかりと把握し、適切なフォローができる仕組みを整備しているところです。

編集部

職場の雰囲気についても教えていただけますか?

原嶋さん

とてもフランクで明るい社風で、初対面でも自然と会話が生まれるなど交流も活発です。どの部署でも気持ちの良い対応をしてくれる社員が多く、和やかな雰囲気の中で仕事ができています。

桒本さん

一見厳しそうに見える社員でも、実際には優しく協力的な方が多いですね。2016年に株式会社カナモトとの業務提携後はコンプライアンスなど制度面での整備も進み、適度な緊張感も生まれましたが、アットホームな雰囲気はそのまま残っています。

ニシケンの採用方針:未経験OK&学歴不問。人柄と意欲を重視

株式会社ニシケンの桒本さんと若手社員たち
▲桒本さんと若手社員の皆さん

編集部

続いて、ニシケンの採用についてお話を伺っていきます。未経験OKや学歴不問という方針を取られている理由や、求める人材像についてお聞かせください。

桒本さん

建設機械のレンタルというBtoB事業のため、業界的にニッチで知名度も高くないこともあり、中途採用においても未経験者を積極的に受け入れています。

2025年2月時点では営業職と整備職の採用に注力しており、営業職であればアルバイトも含めて人と接する仕事の経験があり、コミュニケーションが好きな方であれば大歓迎です。適性テストも実施していますが、どちらかというと面接を重視して採用を決めていますね。

整備職の場合も、20代の若手であれば未経験でも大丈夫です。必要な資格は入社後に会社が費用を全額負担して取得していただきます。40代以上となると経験は必須ですが、若手であれば経験は不問としています。

編集部

整備職の場合、技術系の学校を卒業しているなどの条件はありますか?

桒本さん

そういった条件も特にありません。例えば「機械いじりが好き」「車が好き」といった興味や関心があれば問題なく、そういった方のほうが定着率も良いんです。実際に、情報システム系を学んでいた新卒の方が「バイクが好きだから近いと感じた」という理由で入社し、整備職として活躍している例もあります。このように、学歴や専門性よりも、個人の興味や意欲を重視していますね。

編集部

異業界からの転職者も多いのでしょうか?

原嶋さん

社内ではそういった意識があまりないほど、異業界からの転職者が自然に溶け込んでいます。むしろ、前職での経験を活かして新しい視点を持ち込んでくれることは高く評価されていますね。

編集部

配属される事業部はどのように決まるのでしょうか。

原嶋さん

建設事業部と福祉事業部は完全に分かれて運営されているため、ご自身の適性や興味に合わせて事業部を選択していただけます。ご自身の性格や強みを考慮して、どちらの事業が合っているかを見極めていただくことが重要ですね。

私たちも面談を通じて、応募者の方に合った事業部をアドバイスさせていただいています。

ニシケンから転職希望者へのメッセージ

株式会社ニシケンの女性社員たちの交流風景
▲桒本さん・原嶋さんと人事課の皆さん

編集部

最後に、ニシケンへの転職を検討されている方へメッセージをお願いできますか。

原嶋さん

私自身、入社してから特に感じているのは「新人でも多くのことを任せてもらえる環境がある」ということです。もちろん、責任が伴う分、大変なこともありますが、それ以上にやりがいと面白さを感じられる仕事です。

生活に密着した事業を展開している企業なので、社会貢献を実感できる仕事に携わりたい方にぜひお越しいただきたいですね。

桒本さん

当社の強みは、建設機械と福祉用具という全く異なるジャンルの主軸事業を展開していることです。この2軸展開により、どちらかの事業が調子を崩しても、もう一方でカバーできる安定した経営基盤があり、コロナ禍でも増収増益を達成できました。

このような強い基盤があるからこそ、社員一人ひとりがチャレンジできる環境があります。業界や事業に面白みを感じていただける方であれば経験は問いませんので、ぜひ当社でチャレンジしていただけたら嬉しいです。

編集部

本日はありがとうございました!

編集後記

取材を実施して印象に残ったのが、お二方の温かなご対応とサービス精神です。インタビューでも「社員同士は初対面でも仲良く話している」とおっしゃっていましたが、まさにそのとおりでした。九州に地盤を置くという地域性が関係しているかはわかりませんが、新入社員も安心して仕事に慣れていけそうだと感じました!

株式会社ニシケンの働き方のまとめ

若手の活躍
  • 20代で所長就任の実績あり
  • 入社4~5年目で主任昇進の事例
  • 数千万円規模の大型案件も担当
採用方針
  • 未経験者も積極採用
  • 学歴不問が当たり前の文化
  • 意欲・コミュニケーション重視
  • 入社後の資格取得支援あり
社風
  • フランクで明るい社風
  • 若手の裁量権が大きい
  • 若手発案の交流会を定例化
事業の特徴
  • 建設機械レンタルと福祉レンタル・販売の2軸展開
  • 全国に就業機会あり
  • 社会貢献度の高い仕事
求める人材
  • コミュニケーション力がある人
  • 機械への興味がある人
  • 社会貢献に意欲的な人

株式会社ニシケンの基本情報

企業名 株式会社ニシケン
住所 福岡県久留米市宮ノ陣町若松1番地の9
事業内容 ■建設事業
・土木建設機械のレンタル
・仮設資材のレンタル
・基礎機械のレンタル
・解体機械のレンタル
・特機レンタル
・情報化施工
・環境商品

■福祉事業
・福祉用具のレンタル卸・販売卸
・メディカル商品のレンタル・販売

■産業開発事業
・グラフィック課
インクジェット出力サービス・各種サイン制作・車両ラッピング
・ペットリレーション課
「アコルくんのペットショップ」展開
・コインランドリー
設立 1960年11月
公式ページ https://www.r-nishiken.co.jp/
採用ページ https://www.r-nishiken.co.jp/career/(中途採用)
募集職種 ・営業職
・整備職(建設機械のレンタル事業)
※高卒以上の若手人材
取材・編集
大滝雄介のプロフィール写真

ミライのお仕事
編集部

大滝 雄介

企業の採用や働き方に関する取材を担当し、これまでに三井物産株式会社やヤマハ発動機株式会社、サイボウズ株式会社など、約650件の取材実績あり。編集歴は15年にわたり、出版社勤務時代には官公庁や健康保険組合の機関誌・パンフレットなどを企画段階から多数制作。