ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、ブロックチェーン技術をはじめとした先端技術を活用して、グローバルな金融インフラの構築を目指す株式会社Progmat(Progmat, Inc.)にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
三菱UFJグループ等の3メガバンクや、業界を代表する金融機関/ソフトウェア企業を出資者として設立された同社では、技術力と金融知識を併せ持つエンジニアがパフォーマンスを発揮できる業務/環境構築に注力。フルリモート/フルフレックスの環境下で、新技術への挑戦を推奨する柔軟な環境と、最先端の専門知識を習得できる充実した成長機会を提供しています。
今回は創立者である齊藤さんに、技術と金融の専門性を併せ持つエンジニアの成長機会、特徴的な会社のカルチャーについてお話を伺いました。
Progmatの成長環境:AI全盛の時代に市場価値の高いエンジニアを目指せる
▲取材にご対応いただいた代表取締役の齊藤さん
編集部
御社のエンジニアだから叶うスキルアップ、成長機会について教えてください。
齊藤さん
当社では技術力と金融知識を併せ持つ、市場価値の高いエンジニアを目指せる環境を提供しています。これはソフトウェア提供だけでなく、最先端の金融ビジネスにまつわる希少なナレッジも持ち合わせた当社だからこそ身に付けられるスキルです。
社内勉強会や様々なプロジェクトでは、技術的な内容だけでなく、デジタル通貨やデジタル証券の最新トレンドといった金融分野の知見も会得し、プロダクトとして実践する機会が豊富にあります。実際に金融商品や税制など、金融機関でも詳しい人が少ない分野の専門知識を持つメンバーも多く、希少価値の高いエンジニアとして成長していくことが可能です。
単純な実装面はAIによる補完/代替が進む時代のなかで、構想/設計に必要なナレッジと経験を獲得することは、個人の市場価値を高めるうえでも非常に重要だと考えています。
金融機関ではなくディープテックのスタートアップとして挑戦を推奨
編集部
金融機関はセキュリティや承認プロセスの問題から新技術への挑戦が難しいイメージがありますが、御社ではいかがでしょうか?
齊藤さん
前提として、私たちはあくまでプラットフォームを提供する立場のため、顧客データにアクセスして金融サービスを提供する金融機関自身ではありません。そのため、金融機関にありがちな制約がありません。
むしろディープテックのスタートアップとして、新たな技術へのチャレンジを推奨しており、意欲さえあれば自由に技術検証し、スキルアップできる環境があるのが特徴です。様々なブロックチェーン技術はもちろん、開発プロセスへの最新のAIモデル活用や、最新ツール導入での効率化等、分野は問いません。
また、私たちは目指す業務環境の1つに“責任ある自由”を掲げており、箸の上げ下げに都度承認が必要といったことは一切なく、承認が必要な場合もLayerX社が提供する「バクラクシリーズ」で速攻で手続きは完了しています。
本部企画を含めて、銀行に10年以上勤めた経験から、組織運営上で良い面は再現しつつ、反面教師とすべき点は全く採り入れていません。設立の経緯や錚々たる株主構成から連想されるイメージとは真逆のため、採用面接でポジティブサプライズとして感じていただくことが非常に多いですね。
企業文化:大切にしているのは“徳”を重視する価値観
▲フルリモートとフレキシブルオフィス『WeWork』を併用。WeWorkは各拠点に定期的に移動しており、フレキシブルに働く場所を選べる
編集部
会社全体で大切にされている価値観があれば教えてください。
齊藤さん
私たちが大切にしているバリューは「徳」「野性」「実動」の3つです。特に「徳」は、私たちの組織の根底にある価値観として全社に浸透しています。
半年に1回実施する1on1でも多くのメンバーが「徳の高さ」に言及しており、価値観の浸透を実感しています。ちなみにこれは取締役にもなっていただいている福島(良典)さんが代表を務めるLayerX社のバリューでもあり、私が独立前にLayerXのメンバーと一緒に働いたときの気持ちのよい経験から、予め同社に快諾いただいて採り入れたものです。
編集部
「徳」の価値観が反映されていると感じる社内カルチャーはありますか?
齊藤さん
“際(キワ)”に落ちそうな業務を積極的に拾う、ふとした疑問など困っているメンバーを自然にフォローするなど、日々の業務から「徳を積むこと」を意識して行動しているメンバーが多いです。
フルリモート環境下のためSlack(チャット)での連絡を取り合う機会も多いのですが、冷たく感じられないよう絵文字やリアクションを多くする等、丁寧なやり取りが心がけられており、円滑なコミュニケーションが実現しています。
コミュニケーションにおいては透明性を重視。月1回の全社集会も開催
▲月1回の全社集会の“夜の部”では会社負担でお酒を酌み交わして歓談も。社内にはクラフトビール好きが多いとのこと
編集部
会社として実施しているコミュニケーション施策はありますか?
齊藤さん
とにかく「情報の透明性」を徹底しています。Slackはパブリックチャンネル運用(ダイレクトメール原則禁止)、Slackチャンネル/ファイルサーバー/Notion構成の体系化、経営会議議事録は即日で全体共有、週次で私から市場/事業/会社の概況を全社に共有する等々です。
これにより、一人ひとりが会社全体の方向性を理解した上で必要な情報に随時アクセスし、主体的に仕事を推進できる状態にするのが目的です。
加えて、One Teamとしての連帯感を強めることを目的に、「All Hands(Monthly Update)」という全社集会を毎月行っています。
半年に一回、全メンバーと私で1on1を実施しているのですが、そこで抽出した課題の解決は有志による「PT(Project Team)活動」が率先して取り組んでおり、この取り組みも「All Hands PT」がドライブしてくれています。“夜の部”として、会社負担での懇親会付きです。
学生インターン:高い専門性を持ち、実践で活躍する大学生も
編集部
御社では学生インターンも受け入れているのでしょうか。
齊藤さん
はい、一緒に働くメンバーに属性等の制約はありません。希望があった場合には状況に応じてインターンの受け入れもしています。実際に会社設立の初日から参画している大学生のメンバーもいます。
このメンバーは新しい金融システムに強い関心があり、高校生のときから設立前のProgmatをフォローしてくれたという、非常に高い意欲を持つメンバーです。インターンでは最初はリサーチ業務から始まりましたが、現在では企画提案や公式アカウントの運用まで一人で担当するなど、大きく成長して活躍してくれています。
編集部
今後もインターン受け入れの予定はありますか。
齊藤さん
はい。業務委託など、働き方の形態は柔軟に対応可能です。やりたい仕事と私たちのニーズが合致すれば、いつでも受け入れる用意があります。学生の皆さんがアクセスできる情報の質/量の両面で、得るものは大きいと思います。
事業目的:金融を中心に社会インフラを自動化するインパクト大のビジョン
編集部
御社の事業目的を教えてください。
齊藤さん
Progmatは、ブロックチェーン等を活用したプログラマブルなネットワークを世界中に拡げることで、あらゆる価値のデジタル化に取り組んでいます。社名の『Progmat』は“Programmable(プログマブル)”と“Trust”(トラスト)を合わせた造語で、信頼性と利便性を高いレベルで両立した社会インフラを構築するのがProgmatの存在理由です。
金融というのは長年の歴史と人の努力による「信頼」を基盤に成り立つサービスですが、この「信頼」と「自動化」が上手く両立できていないというのが現状の課題です。具体的には外部システムからの銀行口座更新やクロスボーダーの送金、非上場有価証券に関する権利情報更新(譲渡)などはアナログなプロセスが残存しています。
生産人口の減少が止まらない日本では、AI Agentのポテンシャルを開放することが“Must”だと考えています。AI Agentはプログラムのため、プロセスの始まりから終わりまでプログラマブルに完結できるとポテンシャルを開放できます。様々なビジネスと金融は一体不可分なので、金融システムをプログラマブルな形に進化させることもまた“Must”です。
我々が金融を中心に自動化できていない領域をプログラマブル、つまり自動で処理可能なインフラとして構築することによるデジタル金融の面的な進化(デジタル金融立国)、これを基礎としたAI Agentによるビジネスの進化(AI立国)、これが日本が人口減少を乗り越えて停滞感を打破するためのビジョンであり、Progmatの事業目的です。
世界に照準を定めた「日本発の新たな金融インフラ」の構築を目指す
編集部
Progmatの今後の展望を教えていただけますか?
齊藤さん
国内のIT企業と金融機関が一体となって共闘し「日本発で新しい金融インフラのグローバルスタンダードを築く」ことも展望しています。
伝統的な金融分野では、J.P.MorganやBlack Rockといった海外の金融機関がグローバルスタンダードをつくってきた歴史がありますが、デジタル金融の分野では日本が先んじて規制を整備し、マスリテール(一般投資家)層向けのトークン化商品市場が伸びている(2025年末には6,500億円規模の成長予測)というアドバンテージがあります。
日本のトークン化商品市場の黎明期からProgmatはトップシェアを堅持しており、2025年には海外アセットのトークン化も開始見込みです。決済分野でも国際機関であるSwiftと連携し、ステーブルコインを用いたクロスボーダー送金網の構築を進めている等、世界展開に向けた施策はすでに着々と進んでいます。
まずは国内でナショナルインフラとして、最終的にグローバルなインフラに進化していくために、非常に重要な点が運営組織の中立性です。市場黎明期は国内最大の金融機関である三菱UFJ内の新規事業として探索、国内市場の標準化を進めるべき時期に独立会社化し、他のメガバンクグループや取引所等を株主として迎え、取締役構成も特定の企業に偏らない設計にした理由にあたります。
市場拡大にあわせてステークホルダーが国内外で多様化していく中で、出資者構成も“社会の公器”に相応しいものであるべきと考えています。こうした観点から、通過点として株式上場も当然に想定しています。
Progmatから転職希望者へのメッセージ
編集部
最後に、御社に興味を持たれた方へのメッセージをお願いできますか。
齊藤さん
Progmatが挑戦する市場は、トークン化商品だけで2,400兆円/2030年、クロスボーダー決済においては2京8,000兆円/2022年という、莫大な大きさです。これは今の日本のスタートアップ/ソフトウェア企業に残された数少ないグローバルなポテンシャルを持つ分野の1つです。
Progmatの独立にあたり、私も三菱UFJからの出向ではなく希望退職したうえでフルコミットしています。Progmatが大企業出向者で組織されるJV(ジョイントベンチャー)ではなく、スタートアップとして志を同じくするメンバーを積極的に採用していくうえで、代表が出向者ではダサすぎると考えたためです。スタートアップですから、一定のリスクに見合ったリターンもメンバーの皆さんと分かち合いたく、上場を前提としたストックオプションも全員に付与します。
もちろん金融分野や国際分野はさまざまな参入障壁があり、スタートアップではなかなか勝負しづらいのが一般的です。その点、出自や株主構成、国内外のリレーションといった観点で、当社は各種競争条件を整えた状態でスタートできている点が、代替困難な何よりの強みです。
私たちと一緒にこの巨大な市場で千載一遇の機会を存分に活かし、皆さんの人生としても得難い経験の獲得とスキルの発揮を目指す“徳の高い”方をお待ちしています。
編集部
齊藤さん、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!
編集後記
この記事のまとめ
企業の特徴と事業領域 |
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働き方の特徴 |
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キャリア開発機会 |
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組織文化 |
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求める人物像 |
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株式会社Progmat(Progmat, Inc.)の基本情報
企業名 | 株式会社Progmat(Progmat, Inc.) |
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住所 | 東京都千代田区丸の内1-6-5丸の内北口ビルディング9階(WeWork内) |
事業内容 | デジタルアセット事業 |
設立 | 2023年10月 |
働き方 | フルリモートワーク |
公式ページ | https://progmat.co.jp/ |
採用ページ | https://progmat.co.jp/recruitment/ |
募集職種 | エンジニア |