若手や女性が活躍できる環境を整え、成長を続けている企業にインタビューする本企画。今回は、総合人材サービス事業を展開するランスタッド株式会社にお話を伺いました。
総合人材サービス事業を展開するランスタッド株式会社
オランダで1960年に設立された後、日本を含め39カ国に拠点を置き、世界トップクラスの総合人材サービス事業を展開しているのが「randstad(ランスタッド)」です。
日本法人であるランスタッド株式会社は1980年に設立され、オフィスワークや工場現場、エンジニアなど幅広い職種の人材採用に関するソリューションを提供しています。
会社名 | ランスタッド株式会社 |
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住所 | 東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート21F |
事業内容 | 人材派遣サービス、人材紹介サービス、テクノロジーサービス、アウトソーシング事業、人事サービス |
設立 | 1980年8月 |
公式ページ | https://www.randstad.co.jp/ |
同社には業界未経験で入社しても活躍できるサポート体制があります。また、子育て世代のコミュニティ「ワーキングペアレンツコミュニティ」が設けられているなど、若手や女性の活躍を後押しする環境が整えられているのです。
同社の若手の活躍ぶりや働く環境について、randstad technologies事業本部エンジニア事業部営業3課の伊藤瑛莉華さんにお話を伺いました。
働く人の潜在能力を引き出す「human forward」という思い
▲「guidance」「transparent」「proactive」という3つの「human forward プロミス」を大切にしている
編集部
初めに、ランスタッドさんの事業内容について伺わせてください。
伊藤さん
ランスタッドは主に人材派遣、人材紹介、テクノロジーサービス、インハウス、人事サービスの5つの分野で事業を展開する総合人材サービス会社です。
人材派遣に関しては、事務系や物流、エンジニアなどの専門職を扱っています。人材紹介は、ミドルクラスからトップエグゼクティブなどミドル層以上のハイクラス人材を扱っているのが特徴的です。
テクノロジーサービス(エンジニア事業部)では、専門の採用チームを設置し技術力・人柄・意欲を十分精査した上で人材を派遣します。スキルアップ支援なども充実しており、エンジニアに対してもそれぞれに合ったキャリアプランを提案しています。
ランスタッドでお客様専任のチームを作り、派遣スタッフの採用から定着、スタッフのキャリア形成についてワンストップで請け負うのがインハウス事業です。弊社独自のサービスで、お客様のことを熟知しているからこそできるサービスとなっています。
編集部
人材採用において世界中で業界をリードし続けているランスタッドさんですが、なぜここまでお客様に信頼されるのでしょうか?
伊藤さん
ランスタッドがお客様から信頼される要因の一つとして、弊社が掲げている基本姿勢「human forward」が挙げられます。私たちは働く人の潜在能力を引き出し、誰もが成長できる世の中を作ることを目指しているのです。
弊社は「guidance」「transparent」「proactive」という3つの「human forward プロミス」を大切にしています。お客様に寄り添うこと、透明性を持って情報を伝えること、そしてお客様に先んじてサポートすることを心掛けています。
編集部
世界中の社員さんが同じ方向を向いてお客様に対応しているという事実がお客様の信頼につながるのですね。
未経験で入社も周囲のサポートによりスムーズに業務を遂行
▲業界未経験で入社したという伊藤さん。周囲のサポートもあり未経験者でも業務を進められた
編集部
事業内容から業界を熟知した方が入社されるイメージがあるのですが、伊藤さんも人材採用業界のご出身なのでしょうか?
伊藤さん
実は前職は人材採用業界ではなく、接客販売のお仕事をしていました。転職を考えていたとき、ちょうどコロナ禍だったこともあり転職活動が難航したのです。そんな事情もあり、「何か専門的なスキルを身に付けたい」という思いが生まれ、エンジニアに興味が出ました。
結果、まずはエンジニアとしてランスタッドに入社することになりましたが、充実した研修があると聞いていたため、未経験の身からするとありがたかったですね。
編集部
研修ではどんなことが実施されたのでしょうか?
伊藤さん
研修は1日3時間、1カ月実施されました。私のように未経験で入社しても、「基礎から教えてサポートしていく」という姿勢がランスタッドにはあります。
編集部
研修の後は実際に現場に配属されることになると思うのですが、未経験ということで苦労することも多かったのではないでしょうか?
伊藤さん
配属先に入ってからは仕事をこなしていきながら身に付けていくということだったのでとても大変でしたね。
ただ、周りのサポートはとても手厚かったことを覚えています。私が所属していた構築のプロジェクトはフルリモートでしたが、常にスピーカーがオンの状態でオンラインミーティングがつながっていて、質問があればすぐにマイクをオンにして投げかけられる状態でした。
リモートではあるものの、誰かが隣にいるという感覚だったのでありがたかったですね。
編集部
未経験の方でも活躍できる背景には充実したサポート体制があるのですね。
挫折も経験しながら営業担当になった最初の期で営業成績1位を獲得
▲エンジニアから研修講師を経て営業担当となった伊藤さん
編集部
現在はコンサルタントとして営業を担当されている伊藤さんですが、エンジニアからコンサルタントになった経緯についてお聞かせください。
伊藤さん
ランスタッドに入社して3カ月はエンジニアとして働いていましたが、所属していたプロジェクトの終了が近づくにつれて規模が縮小されていきました。
そのタイミングで次の配属先について決めるとなったときに、弊社のコンサルタントと話しているなかで名古屋の拠点の研修の講師がお辞めになるという話があったのです。
自分のキャリアビジョンについてその社員さんが親身になって聞いてくれるなかで、私が大学時代に教育について学んでいたというというお話しをさせていただいたことで、研修の講師を務めることになったのです。
編集部
エンジニアからコンサルタントになる間に研修の講師を務められていたということですね。
伊藤さん
そうですね。講師を務めたのは半年ほどだったのですが、その間にコンサルタントのお仕事を見る機会もありました。次第に自分も営業をやってみたいという気持ちが芽生え、コンサルタントになれるよう希望を出し今に至ります。
今はクライアントであるIT企業を中心にエンジニアを派遣するというのが担当業務です。クライアントの要望を伺ったうえで、お仕事を探しているエンジニアを繋ぐのが私の役割です。
編集部
コンサルタントとして勤務をしてから印象に残っていることは何でしょうか?
伊藤さん
私がコンサルタントになって先輩社員からクライアントを引き継いで2~3カ月ぐらいのときの話ですが、お客様が求めている人材像とマッチしないエンジニアを紹介してしまうということが続いてしまっていました。
私の前任の先輩はクライアントと信頼を築いていましたし、その先輩の水準に私が追い付いていないという現実があったのです。
そんなとき、クライアントに「伊藤さんが派遣する人材を選ぶ基準は何ですか」「なんでこの方を紹介したのですか」という質問をいただきました。この質問はかなりショックでしたね。自分の思いがどうすればクライアントに伝わるのだろうと考えさせられました。
そこで、なぜこの候補者がクライアントにマッチしているのか資料を作成しクライアントに丁寧に説明をするように取り組みました。そこからクライアントとの関係構築が進んだのかなと思います。
編集部
大きな挫折を感じられたと思いますが、その後はどのような成果が生まれているのでしょうか?
伊藤さん
そのクライアントについては、弊社へ依頼をいただくエンジニアの人数を2倍にすることができました。
とはいえ、エンジニアの方が増えても辞めてしまっては意味がないので、エンジニアの方が安心して働ける環境を作るために派遣したスタッフの声を聞き、それをクライアントにフィードバックして環境を整備していくことは心がけています。
長期で同じ場所で働いた方がエンジニアの方もスキルを身に付けられると思いますし、採用する側からしても良いことのはずです。ですので、クライアントの現場の要望は大切にしています。
いろいろと試行錯誤も続けながら、ありがたいことにコンサルタントになり初めの期で事業部のなかで営業成績1位を獲得することができました。
編集部
まさにランスタッドさんの基本姿勢「human forward」を体現されていると感じました。
「クライアントとエンジニアはどちらも大切」、先輩社員の姿から仕事を学ぶ
▲先輩の姿から仕事を学んだという伊藤さん
編集部
未経験からエンジニアとして入社し、コンサルタントになった後からもめざましいご活躍をされている伊藤さんですが、ここまで成長できた要因としては何が挙げられるでしょうか?
伊藤さん
ここまで成長できている要因としては、まずはいろいろ教えてくださった先輩や上司のおかげが大きいですね。また、担当させていただいたクライアントにも感謝したいです。
何か特別なことをやったというわけではないのです。地道に毎日、クライアントとの関係づくりに努めてきました。
編集部
先輩や上司の方はどのように業務を教えてくれたのでしょうか?
伊藤さん
先輩や上司からは言葉というよりも、一緒にクライアント訪問についてきてくれて、実際にクライアントに対応する姿を見せてくれましたね。先ほどのクライアントについても、最初の1カ月は前任の先輩社員がついてくれました。
そのなかでも、「クライアントと派遣するエンジニアの方どちらも大切な存在なので、どちらかに寄らないように」というアドバイスは心に残っています。
両方に配慮するのが私たちの仕事ですので、実際のコミュニケーションの取り方を見せてくれたというのは、私の仕事の基礎を作るうえで大きな要素になっています。
編集部
やはりコミュニケーションの部分がお仕事で大切なポイントとなるのですね。
伊藤さん
エンジニアと一口にいっても、一人ひとり違う背景を持っていますし、性格もそれぞれ異なります。ですので、「エンジニアには基本的にこのように対応すれば良い」ではなく、その人に寄り添ったコミュニケーションを取ることが重要だと思いますね。
ですので、時間を見てエンジニアの方が働くオフィスに顔を見せて少しお話ししますし、困っていることがないか聞いています。そんなやり方も先輩が実際に見せてくれましたので、とても勉強になりました。
編集部
先輩の社員さんの姿が今の伊藤さんの仕事のスタイルを作っているのですね。
モチベーション高く仕事に向き合える環境がある
編集部
ランスタッドさんで働くなかで、伊藤さんが魅力に感じている部分は何でしょうか?
伊藤さん
ランスタッドの魅力は人間関係が良く、そしてモチベーションを上げてくれる環境にあることです。営業の社員は数字に貪欲ですし、みんながんばっているのが伝わってくるので必然と自分もがんばりたいと思えます。
同僚とは「自分のモチベーションをどこに置くか」という話をよくします。自分のモチベーションの原動力は何なのかという部分については、やはり一人ひとり違っているのです。
私の場合は派遣するエンジニアの皆さんが原動力となっているのですが、「お客さまのために何でもできるような営業になりたい」と話す同僚もいて、そういった言葉に日々刺激を受けていますね。
編集部
日常的にそのような会話があるということで、活気にあふれた職場だということが伝わります。日々の会話以外にも自分の考えや思いを話す機会はあるのでしょうか?
伊藤さん
ランスタッドは、マネージャーとメンバーで個人の目標やキャリアイメージなどについて定期的に語り合う「グレートカンバセーション」という仕組みを導入しています。
ただ、上司と1on1をする機会は日々設けられており、業務について質問したりアドバイスをいただいたりということは気軽に行える環境です。
私は週に1度30分定例で上司と話していますね。ときには、自分の成長にフォーカスして会話をすることもあります。
編集部
気軽に上司に相談できる環境があるということですね。
伊藤さん
そうですね。もちろんタイミングもありますが、質問してくれたことについてはその日のうちに返ってくることが多いですし、もしその日に返せなくても改めて説明する場を設けてくれます。
「自分のキャリアは自分で開発していく」という姿勢が表れている社内公募制度
編集部
先ほど自分のキャリアイメージを発信する場が設けられているというお話がありましたが、自分のキャリアについての希望が叶う環境にあるのでしょうか?
伊藤さん
ランスタッドは社内公募制度を採用しております。募集しているポジションについて全社員に公開したうえで、もし自分の希望するポジションであれば自由に応募できます。応募に当たって上司の許可は必要ありません。
応募後は面接などを受けてもらいます。通過した場合、希望のポジションに就くことになるのです。毎年、キャリアアップをしたい、気持ちを新たにしたいという想いを持ち、約200名以上の社員が応募しています。
編集部
社内公募制度は組織や社員にどのようなメリットを生んでいるでしょうか?
伊藤さん
例えば社内公募制度がない会社だと、自分のやりたいポジションがあっても社内で実現できないという状況になることで転職の大きな理由となってしまうでしょう。
しかし、「これからマーケティング部門に挑戦していきたい」という思いがあれば、弊社にはマーケティング部門もあるので希望を出して面接を通過すれば転職せずに希望のキャリアを実現できます。
ランスタッドは基本的に辞令による異動や配置転換などがない会社です。自分のキャリアは自分で開発していくという姿勢でいるためです。年代ごとに希望のキャリアは変わってくるでしょうし、自分の手でキャリアを開発していけるというのは大きなメリットだと思います。
編集部
日常的に自分のキャリアについて考え、希望のキャリアを実現できる環境がランスタッドさんにはあるのですね。
キャリアに連動して用意されている豊富な研修、eラーニングでいつでも受講可能
編集部
社員さんのキャリアアップを支援する制度や仕組みはございますでしょうか?
伊藤さん
ランスタッドは研修が充実しています。先ほどお話しした入社時研修をはじめ、チームマネージャーにこれからなる社員向けの研修も実施されているのです。
チームマネージャー向けの研修ではマネージャーになることで付与される権限に関することや、チームマネジメントについて学んでいます。
さらに上の立場になると、グループ規模のグローバルな研修を受けてもらうこともあるようです。
編集部
さまざまな種類の研修が実施されているのですね。
伊藤さん
研修については人事が実施するものもありますが、法律周りの研修も用意されています。私たちの仕事は法律に関係することも多いためです。これらの研修はeラーニングでいつでも受けられる環境にあるのです。
最近受けた研修で印象に残っているのは、個人情報の取り扱いに関する研修です。クライアントから「個人情報に関する研修を実施しているか」と聞かれる機会もありますので、個人情報の取り扱いについて自信を持って答えられるようになりました。
編集部
研修を受けたことが実際の業務にも活かされているのですね。
女性の管理職も、子育てコミュニティなどで自分の課題を共有
編集部
ランスタッドさんで多くの女性の社員さんが活躍されていると伺いましたが、その点についても伺わせてください。
伊藤さん
私が所属しているエンジニア事業部は女性の割合が多く、管理職に就いている女性社員もいます。産休から復帰して営業として活躍している女性社員もいますし、男女関係なくチャンスが与えられる環境です。
編集部
子育て中の社員さんの働き方をサポートする仕組みはございますでしょうか?
伊藤さん
弊社はコアタイムなしのフレックス勤務制を採用しています。ですので、業務を中抜けしてお子さんのお迎えに行ったり、夕飯の準備をして仕事に戻ったりというように柔軟に働くことが可能です。また、時短で勤務している社員もいます。
編集部
それぞれの事情に合わせて働ける環境にあるのですね。
伊藤さん
ランスタッドでは、社員が抱えている課題を解決していこうというコミュニティが日本法人だけでなく世界中のグループ会社で発足しています。女性活躍という文脈はもちろんですが、障がい者の方や介護中の社員の働き方を考えるコミュニティもあるのです。
コミュニティの一つに、ワーキングペアレンツコミュニティというのもあります。子育て中の社員が定期的に集まって課題について話し合ったり、ゲストの方をお呼びしてお話を聞く場を設けたりしていますね。
弊社には200名規模の拠点もあれば4~5人で運営している拠点もあります。少人数の拠点だと自分の課題について共有するのが難しいこともありますので、拠点同士でオンラインでつながって情報共有をしながら、より良い職場環境を作っているのです。
編集部
働く上で障壁となりそうな課題について社員同士で解決を目指す動きがあるのですね。
中途入社でも安心できる環境、自分の成長に貪欲な人材を歓迎
▲「ランスタッドには互いに助け合うという雰囲気がある」と話す伊藤さん
編集部
ランスタッドさんには中途入社の社員も多いのでしょうか?
伊藤さん
ランスタッドに在籍しているのは、ほとんどが中途入社の社員です。中途で入社したときのわからないことや悩みなどは皆さん経験していますので、メンバー同士で助け合うという雰囲気がありますね。
入社後3カ月はメンターが付きますし、中途の方も安心して入社いただければと思います。
編集部
最後に、ランスタッドさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。
伊藤さん
私たちは総合人材サービスを手掛けていますので、人とコミュニケーションを取ることが好きな方は向いていると思います。また、自分の成長に貪欲な方にとっても魅力的な職場でしょう。
ランスタッドの上司はもちろん業務について丁寧に教えてくれますが、何よりもこれからどう成長していきたいかということにフォーカスしてくれます。組織としてそのような文化にありますので、ビジネスパーソンとして成長したいという思いを強く持っている方を歓迎したいです。
編集部
成長したいという姿勢を大切にし、またその思いに応える環境がランスタッドさんにはあるのだと感じました。本日はありがとうございました。
■取材協力
ランスタッド株式会社:https://www.randstad.co.jp/
採用ページ:https://www.randstad.co.jp/recruit/