成長著しい企業を支える独自性のある事業展開や、女性活躍にスポットを当て、その魅力を探るこの企画。今回は社内コミュニケーションを促進するWeb社内報アプリ「SOLANOWA(ソラノワ)」を展開する株式会社スカイアークを取材しました。同社の革新的な取り組みと、社内における女性の活躍について詳しく聞いていきます。
シェアNo.1 Web社内報アプリ「SOLANOWA」の誕生と成長
株式会社スカイアークは、80万人以上のユーザーが利用するシェアNo.1のWeb社内報アプリ「SOLANOWA」を提供する企業です。
企業コミュニケーションの課題をITで解決し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する同社は、大企業向けのWEBアプリケーション開発、コンテンツ管理システム(CMS)導入ソリューションを中心に実績を積み重ねています。特に、CMSの「Movable Type」導入実績は日本でトップレベルを誇ります。
会社名 | 株式会社スカイアーク |
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住所 | 東京都千代田区丸の内3-2-2 丸の内二重橋ビル |
事業内容 | プロダクト事業 ソリューション事業 |
設立 | 2004年9月 |
公式ページ | https://www.skyarc.co.jp/ |
働き方 | ハイブリッド勤務(週1回出社+リモートワーク) フレックスタイム制度(コアタイムなし) |
株式会社スカイアークが提供するWeb社内報アプリサービス「SOLANOWA」は、1人あたり40〜60円でアカウント発行ができる圧倒的な低コストが特徴です。創業時より顧客の声をもとに開発してきた豊富な機能や、総務省が定めるクラウド情報開示指針に沿った堅牢なセキュリティ設計などが高く評価され、現在では80万人のユーザーが利用する人気サービスへと成長しました。
今回は、株式会社スカイアークの成長要因を探るべく、SOLANOWAのサービス設計を手掛け、現在の成長軌道に乗せた事業開発本部本部長の柴田将之さんと、さらなるシェア拡大に挑む事業開発本部プロダクトセールスの須賀美生さんにお話を伺いました。
「SOLANOWA」開発の背景と社内コミュニケーション革新への挑戦
編集部
はじめに、スカイアークさんの基幹事業であるWeb社内報アプリ「SOLANOWA」の開発のきっかけについてお聞かせください。
柴田さん
私たちは創業から約20年間、企業の個別ニーズに合わせたソリューション事業を主軸としてきました。その中で、約10年前から社内コミュニケーションの活性化を目的としたWeb社内報の開発依頼が増加し始めました。次第に、Web社内報の開発が当社の業務の半数近くを占めるようになりました。
しかし、個別開発は要件定義から完成まで数ヶ月かかり、高額な費用も必要となるため、導入を断念する企業も多くありました。
そこで、これまでの開発ノウハウを活かし、低コストで迅速に導入できるよう、Web社内報アプリをパッケージ化しました。2018年に「SOLANOWA」として提供を開始し、より多くの企業が導入しやすい形で展開しています。
“社内コミュニケーションの促進”が組織の原動力に
編集部
Web社内報アプリ「SOLANOWA」の成長の背景にはどのような要因があると思われますか?
柴田さん
「SOLANOWA」の導入は、コロナ禍で一気に加速しました。当時、リモートワークに伴うコミュニケーションの希薄化が、多くの組織で共通の大きな課題となっていたためです。
コミュニケーションを取りづらい状況下で、従業員同士が不満を抱えたまま業務を続けることで、従業員満足度の低下という問題が発生しました。そこで、SOLANOWAのようなウェブ上で交流ができるツールで状況を改善しようとする企業が増えたと考えています。
従来の社内報は、経営陣からの一方向の情報発信というイメージが強かったかもしれません。しかし、私たちはSOLANOWAを「交流の場」と位置付け、社内コミュニケーションを活性化させることで、エンゲージメントの高い組織をつくるための原動力になることを目指しています。
柴田さん
現在は、社内報が一方向の情報発信ツールではなく、社内コミュニケーションを図る交流サイトのような役割を担うイメージが深く浸透してきています。SOLANOWAの利用実績を見ても、そのような活用をされる企業は半数以上になってきています。
「SOLANOWA」によって社員のマインドが“自分ごと化”に変化
編集部
Web社内報アプリ「SOLANOWA」を導入した企業からはどのような声が寄せられているのでしょうか。
柴田さん
SOLANOWAの活用を通じ、従業員同士が積極的にコミュニケーションを取る自立型コミュニティが構築されてきたという声を多くお寄せいただいています。従業員の皆さんが組織全体を"自分ごと"として捉えられるようになってきているのです。
経営陣がどんなに想いを込めてメッセージを発信しても、一方的と捉えられてしまうと心の距離を縮めることは難しく、その想いを"自分ごと"として捉えるのは容易ではありません。
しかし、一人ひとりが自ら発信することで「自分の記事は読まれているか」といった反応を気にするところから始まり、経営陣や仲間が発信する内容にも関心を持つようになります。また、これまであまり気にかけてこなかった社内報運営担当者の大変さを理解することにもつながります。そこから、賞賛・賛美の声が生まれ、一緒に文化を構築していくための相互扶助の関係が育まれていきます。導入いただいている企業の多くは、このような関係性の構築を第一のゴールとされているケースが多いです。
「SOLANOWA」による家族とのコミュニケーション促進効果
編集部
須賀さんは入社4ヶ月とのことですが、Web社内報アプリ「SOLANOWA」を実際に使用して感じた率直な感想をお聞かせください。
須賀さん
自社の社内報もSOLANOWAを使用しているのですが、入社当時、フォトコンテストを通じて社内イベントの様子を知り、「この会社はとても面白そうだ」というのが第一印象でした。また、「社員図鑑」という社員の趣味などを紹介するコーナーがあり、これが同僚との会話のきっかけになるので非常に役立っています。
SOLANOWAはスマートフォン用のアプリもあるので、帰宅後に子供たちに「こんな人が新しく入社したんだよ」、「会社ではこんなことをやっているんだよ」など、仕事の話をする機会が増えました。これによって、家族とのコミュニケーションも深まっています。
企業の成長段階に応じたコミュニケーション環境の提供
編集部
Web社内報アプリ「SOLANOWA」の開発にあたって、スカイアークさんが特に注力した機能はありますか?
柴田さん
長年変わらない課題として、組織の現状に適した場を提供することがあります。
パンケーキ店「Bills」で有名なトランジットジェネラルオフィス様の事例が非常にわかりやすいです。同社では従業員の帰属意識が高く、自社で働くことに誇りを持つ方が多いため、当初からSNSのようなオープンな場を用意したところ、すぐに活発なコミュニケーションが行われました。これはSOLANOWAが目指す理想的な姿と一致しており、まさに成功事例といえるでしょう。
しかし、オープンな場では不満の声も可視化されるため、諸刃の剣となります。そのため、それらの管理に必要な運用リソースを懸念する声や、最終的に相互発信を断念するケースも多く見られます。組織の状態は企業によって様々です。そこで私たちは、各社が自社の現状に合わせて、「オープン」「部分的にオープン」「クローズド」のいずれかを選択できる仕様にこだわりました。
編集部
企業によっては必ずしもオープンにすることがベストではなく、状況に合わせて設定できる機能があることで、幅広い企業のニーズに対応できるのですね。
「みんなが会社のファンになる」世界の実現に向けた取り組み
編集部
さまざまな企業に導入実績があるWeb社内報アプリ「SOLANOWA」ですが、スカイアークさんの今後の展望についてお聞かせください。
柴田さん
SOLANOWAには「みんなが会社のファンになる」というコンセプトがあります。
この「みんな」というのは従業員と経営陣だけを指しているのではありません。「五方良し」という考え方に基づき、従業員の家族、お客様、パートナー企業、投資家、そして地域社会といった組織を取り巻く全ての人々が会社のファンになり、さらにお互いがお互いのファンになるような世界の実現を目指しています。
そのため、より多くの組織のエンゲージメント向上に貢献できるよう、横への展開に最も注力しています。しかし、単にそれらを促すツールに留まるのではなく、今後はコンサルティングなども含め、ツールだけでは改善できない縦の領域へも積極的に展開していきたいと考えています。
編集部
スカイアークさんでは便宜上、「SOLANOWA」をWeb社内報と呼んでいますが、さらにオープンにしていくことで「五方良し」の世界を目指していることがよくわかりました。
機能拡充とデータ可視化によるサービス価値向上への取り組み
編集部
コロナ禍が収束しつつある昨今、リモートワークから出社勤務へと移行する企業が増えています。このような状況の中で、「SOLANOWA」が果たす役割やフィールドも変化していくと思われます。そのような状況を見据えた上での短期、または中長期的なビジョンについてお聞かせいただけますでしょうか。
柴田さん
コロナ禍がコミュニケーション課題の露呈や、デジタル化促進のきっかけになったとは思いますが、強い組織を構築するために企業文化の醸成が大切であるという根幹は変わらないと考えています。
例えば、事業が好調で採用も順調に進むと、今度はオフィスのフロアや拠点拡張により、他部署の人の顔と名前が一致しないという新たな課題が生まれるかもしれません。グローバル化に伴う問題も同様です。
そのため、引き続き「交流の場」として仲間がいつでも集まれる仕掛けや、それらを運営側からも斡旋しやすくなるよう人事データの解析など「見える化」にも注力することが短期的な目標です。そして、中・長期的には先ほど述べたようなコンサルティング領域の展開なども視野に入れています。
スカイアークの成長戦略:150名規模への組織拡大と事業集中
編集部
柴田さんは2013年にスカイアークさんに入社されたとのことですが、当時と現在の会社規模について比較してお聞かせいただけますでしょうか。
柴田さん
私がスカイアークへ入社した当時は、従業員数30名ほどの規模で、その中で管理業務もすべて自社で行っていました。
2021年に株式会社フューチャースピリッツグループに加わり、現在はグループ全体で約150名規模の組織になっております。そして、人事、法務、経理などの管理業務をすべて親会社に委託することで、我々は事業に集中できる環境を整えることができました。
週1出社とリモートワークで実現するワークライフバランス
編集部
続いて、スカイアークさんの働き方について伺います。御社では子育て世代の方も活躍されていると伺っておりますが、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)への取り組みについてお聞かせください。
須賀さん
基本はテレワークですが、週に1回のオフィスデイがあり、勤務形態はコアタイムなしのスーパーフレックスとなっています。これは、出勤時間や退勤時間を自由に決められる柔軟な勤務形態です。
私も含め、働く母親が2割を超える当社には、時短勤務の他、子供が急病になった時に保育園のお迎えなどに活用できる中抜け制度があり、子育て世代にとって働きやすい環境が整っていると感じます。時短勤務と中抜け制度を組み合わせながら、その日の状況に合わせて勤務時間を選択できるのが特徴です。
編集部
働き方の自由度がかなり高いことが伺えます。スカイアークさんのワークライフバランスへの取り組みが、子育てするうえで役立っていると実感したエピソードなどがあればぜひ、お聞かせください。
須賀さん
子供が2人いると、面談など学校行事も2人分あるため、前職ではその都度、休暇申請が必要でしたし、何より休暇申請が続くと後ろめたさを感じることも度々ありました。当社は時短勤務や中抜け制度などがあるので、後ろめたさを感じることなく、家庭と仕事を両立することができています。
前職では子供がインフルエンザに罹患すると有給休暇をそこで使い果たしてしまうことがあったのですが、当社にはそのような心配がないので心にゆとりを持ちながら働いています。子育て中の社員への配慮が行き届いていると実感しています。
子育てと仕事の両立を支える効率的な時間管理
編集部
子育てと仕事を両立するにあたって、スカイアークさんの子育て世代のメンバーはどのような働き方を心がけていると思われますか?
須賀さん
かなりメリハリをつけて働いているメンバーが多いと感じます。子供のお迎えの時間を考慮し、中抜けまでに終わらせるべきタスク、戻ったら終えるタスクといったように、仕事に対して計画性を持つことで気持ちに余裕が生まれ、結果的に効率化につながっているように思われます。
私の場合は、お客様や同席する上司のスケジュールを考慮しながら、アポイントやミーティングの時間を自分で調節しています。また、仕事を時間単位で計画しているので、基本的には仕事を残したまま中抜けをしたり、切り上げることはありません。もし子供のお迎えの時間になってしまった時は、「この仕事が今終わっていないので、連絡がきた時は返事をお願いします」と協力を得られることも、働きやすさにつながっています。
編集部
勤務時間やテレワークなど、社員によって働き方が異なる環境のなか、スカイアークさんではコミュニケーションはどのように取っているのでしょう。
須賀さん
フルリモートという働き方が初めての私にとって、まさにそこが一番不安でした。ところが、入社してみるととても風通しがよく、リモートワークで上司や同僚の業務状況が見えず、今質問して良いものかと悩んでいると、「大丈夫そう?」など定期的に声をかけてくれる方が多いです。
また、都度チャットから細かいことを聞いてもすぐにレスポンスがあるので、最初に感じた不安は杞憂でしかなかったと今では実感しています。
加えて、定期的なオンライン勉強会によりメンバー間での認識統一がしやすく、この点はむしろ今までのオフラインでのやり方よりも円滑かもしれません。
▲株式会社スカイアークでは、コミュニケーションの一環として、オンラインによる定期チーム勉強会を開催している
女性従業員60%以上:ママ社員の活躍を支える職場環境
編集部
須賀さんのお話をお聞きし、スカイアークさんにはお互いをサポートするカルチャーが根付いていると感じました。このような取り組みの背景には、どのような思いがあるのでしょう。
柴田さん
当社の女性従業員比率は6割以上なのですが、その中のさらに半数近くが働くお母さんです。そのため、育児と仕事を両立できる制度や仕組みづくりには積極的に取り組んできました。
キャリア入社の須賀も、前職でスーパーフレックスや中抜け制度を経験していないため、最初は積極的に活用していいものか遠慮があったと思います。
しかし、多くの先輩ママさんたちが上手に制度を活用し、自分らしく働いている姿を間近で見ることで、すぐに自分にとっての働きやすさを確立できたようです。
編集部
ママとして働く先輩の姿を見ることで、子育てをしながらでも無理なく働くことができ、結果としてWLBの充実につながっているのですね。
ティータイム制度とピクニック部:独自のコミュニケーション促進策
▲株式会社スカイアークには、グループ会社混同の「部活制度」があり、時短従業員を中心にピクニック部が一番人気
編集部
スカイアークさんがコミュニケーションを大切にされていることは、これまでのお話からも十分に感じています。業務以外での交流など、御社独自の制度があればお聞かせください。
柴田さん
コミュニケーションを目的に「ティータイム制度」を設けています。この制度では、雑談と相談を合わせた「雑相(ざっそう)」を大切にしており、毎週水・木・金曜日の14時から30分間、出社しているメンバーが集まってお茶を楽しみながら他愛もない会話をしています。
また、グループ会社混同による多数の「部活制度」もあります。時短勤務の従業員が多いため、就業時間後の食事会が難しく、代わりにピクニック部が非常に人気です。中抜け制度を活用して半日ほど近くの公園でピクニックをし、各自がお弁当のおかずを持ち寄って楽しい時間を過ごしています。
須賀さん
出社する日は必ず仕事の手を休め、ティータイムに参加します。マネージャーからのお菓子の差し入れを食べながら、部署の垣根を超えたコミュニケーションが図られています。
ピクニックも大好きなイベントの一つです。皇居前は芝生がきれいに整備されており、オフィスから徒歩1分で行けるため、ピクニックに最適な場所です。
共感重視の採用方針:ビジョンと製品コンセプトへの理解
編集部
スカイアークさんが目指す「五方良し」の世界観や、ワークライフバランスへの取り組みなどに感銘を受けた読者は多いと思います。最後に、転職を検討している方に向けて、採用に関するメッセージをお願いします。
柴田さん
当社のビジョン「"はたらき"から、笑顔を」や、SOLANOWAのコンセプト「みんなが会社のファンになる」に共感いただける方を歓迎します。
採用ポリシーとしては、自身のスキルを活かせるかどうかだけではなく、当社の価値観や目指す世界観を"自分ごと"として捉えられることをスキル以上に大切にしたいと考えています。
須賀さん
育児と仕事の両立に不安な方は多いと思いますが、当社のようにワークライフバランスへの取り組みが積極的に行われていたり、風通しの良い会社なら、出産や子育てによって諦めていた仕事に就くことができます。
残業ができないことを理由に職種が限定されるお母さんも多いと思いますが、当社は営業職でもテレワークを選択でき、勤務時間も自由に設定することができます。心に余裕を持ちながら、子育ても仕事も自分らしく働きたい方を応援したいと思っています。
私自身、これまでは「おかえり。お腹すいた」と言われる側だったのですが、当社に入社し、テレワークをすることで初めて子供に「おかえり」を言うことができました。働くお母さんにとってとても素敵な経験だと思うので、ぜひ、子育て中の方にもご応募いただけたら幸いです。
編集部
スカイアークさんの成長や働くママを応援する制度の背景には、御社の企業理念である「"はたらき"から、笑顔を」という思いが根付いていることを、今回の取材を通して感じました。そのカルチャーは、多くの転職希望者の心にも響くと思います。
本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社スカイアーク:https://www.skyarc.co.jp/
採用ページ:https://www.wantedly.com/companies/skyarc2/projects