魅力的な事業の内容や、若手の成長・活躍をインタビューする本企画。今回は、子ども一人ひとりに最適な学習体験を届けるための「ICT教材」を企画・開発する、株式会社すららネットにお話を伺いました。
社会課題を解決!「新しい学習の仕組み」をつくる株式会社すららネット
株式会社すららネットは、AIなど最先端の技術を活用したデジタル教材「すらら」「すららドリル」「ピタドリ」などを企画・開発し、学習塾・学校等の各種教育機関、自治体、放課後等デイサービスへの販売・導入、コンサルティングや家庭へのサービス提供を行っている会社です。
子どもたちが「生きる力、応用力、自己肯定感、自己効力感」を身につけられる学習体験を届けることをミッションに、基礎学力を高めるためのアプリやサービスを開発するほか、サービス導入先での環境づくり・仕組みづくりのフォローアップを行っています。
同社の事業は「暮らしている地域や環境、貧困、障がい、低学力などの理由で十分な教育を受けられない子どもがいる」という社会課題の解決に直結しています。
株式会社すららネットのサービスは、国内の大手から個人経営まで、様々な規模の学習塾での導入や、私立・公立の小中学校、高校等で使用されており、各自治体、教育委員会とも連携して事業を展開しています。
また、個人の家庭学習でも利用されており、利用者の約6割が不登校や発達障がいの児童生徒たちです。さらにスリランカ、インドネシアなどの発展途上国では、海外小学生向けのICT教材「Surala Ninja!」を提供し、教育の機会に恵まれない家庭の子どもたちに向けた算数教室などを支援しています。
■「すらら」など株式会社すららネットが提供するICT教材のラインナップ
https://surala.co.jp/service/product/lineup/
会社名 | 株式会社すららネット |
---|---|
住所 | 東京都千代田区内神田1-14-10 PMO内神田7階 |
事業内容 | ・e-ラーニングによる教育サービスの提供 ・教育サービスの運用コンサルティング ・教育サービスのマーケティングプロモーション ・ホームページの運営 |
設立 | 2008年8月29日 |
公式ページ | https://surala.co.jp/ |
今回は、展開するサービスの特徴や若手メンバーの育成について、人財戦略室のマネージャーを務める坪田未歩さん、マーケティンググループ学校チームでチーフを務める川嶋紗世子さん、マーケティンググループ学校チームでチーフを務める増永梨奈さんにお話を伺いました。
教育環境を変革する事業が、持続可能な社会の実現につながる
▲マーケティンググループで学校チームに在籍するメンバーが集まって行ったミーティング
編集部
すららネットさんが提供している教材やサービスについて、特徴的なところをお聞かせください。
坪田さん
弊社の事業そのものが社会貢献につながるものとなっています。子ども一人ひとりの置かれる環境や理解に応じて、最適な方法で学習が進められるICT教材の企画・開発をしています。
私たちの教材は「誰でもゼロからわかる」ということをコンセプトにつくられています。例えば、不登校の子どもや離島など遠隔地の学校に通っている子ども、海外で教育の機会が持てない子どもたちに対して、質の高い教育を届けられていることを自負しています。
編集部
どのような学習方法なのでしょうか。
坪田さん
まずは国・数・英・理・社といった基礎科目について、基礎学力がつけられることに重点を置いています。それぞれの教材は、誰でもスモールステップを踏みながら、ちょっとずつ「自分でもわかった、できた」という成功体験を積み重ねられる仕組みになっています。
勉強の領域において成功体験がなく、自己肯定感の低かった子どもが、「すらら」で勉強すれば「自分でもやればできる」というマインドセットを得られるようになっています。
「やればできる」というマインドセットは、勉強以外の領域でも必ず応用されるものだと思います。勉強において「やればできる」と思えた子どもは、部活動や習い事など暮らしの中でも様々なチャレンジをしてさらなる成功体験を得ていきます。そのような経験を重ねて、社会的に自立していく子どもたちが増えていったらいいなと思います。
編集部
学校での勉強にうまくついていけないなど、子ども一人ひとりの状況に合わせて支援ができるサービスなのですね。成功体験の大切さが分かりました。
新しい学びの環境づくりは、国内でも、海外でも
編集部
すららネットさんのサービスを使っている学校や子どもたちから、どのような声が届いているのかお教えいただけますか。
増永さん
近くに塾がない離島の子どもたちが使ってくれている事例で「どんどん興味があることを勉強できる」という声をいただきました。島の子どもたちは植物や生物などの自然に興味を持つことが多く「理科の勉強を頑張ろう」と自発的に勉強を進めているそうです。
「すらら」の教材は、端末があれば学校以外でも勉強できますので、自分の自由な時間に、好きなことを調べたり、探求したりできるんですよね。
編集部
なるほど。子どもたちは、離島という環境では手に入りにくい資料や情報を、オンラインで手軽にキャッチできるわけですね。すべての子どもが、興味を持っている領域について学べるような、環境をつくっていらっしゃるのですね。
坪田さん
「子どもが楽しんで学べる環境をつくりたい」という思いは、設立当初からずっと受け継がれているものです。
デジタルの教育がほとんど導入されていなかった時代に開発した「すらら」の英語教材で学習した子どもが「初めて英語が楽しいと思った」と言ってくれた。これが弊社が設立されたきっかけなんですよ。
編集部
海外では、どのようにすららネットさんのサービスが楽しまれているのでしょうか。
坪田さん
海外の子どもたちには「Surala Ninja!」という算数の教材を楽しんでもらっています。Ninjaのキャラクターは、海外の子どもにすごく人気だそうです。
海外では、学びの環境を提供することも支援していて、スリランカで算数教室「Surala JUKU」を展開するほか、現地のNGOやNPOと連携しながら、教育支援活動に参画しています。
途上国では算数の力が生きる力に直結しています。そのような地域では、買い物のお釣りを暗算することも当たり前ではありません。私たちが算数教育に重点を置いているのは、算数の力が、将来より良い仕事に就けるなど、子どもたちの可能性を大きく広げることにつながっているからです。
編集部
すごいですね。2014年から取り組んでいらっしゃいますから、たくさんの実績があるのではないでしょうか。
坪田さん
簡単な計算でも指を折って数えなければ分からなかった子どもたちが、「Surala Ninja!」の導入後、計算に指を使わず、暗算ができるようになっています。現地の女性たちを雇用し、学び場のファシリテーター(教員)として積極的に活用しているのですが、これは女性の雇用促進の文脈でも評価いただきますよ。
コロナ禍の中でも、スリランカの子どもたちが自宅でオンライン学習を続けられたことが評価され、スリランカ国内でさらに導入が進んでいるほか、インドネシアでの事業拡大も行っています。海外マーケットでは53校で導入実績があります(2023年12月時点)。
教育を支える成長中の事業に携わるやりがい
編集部
すららネットさんのサービスは、どのようにして導入の拡大が進んでいるのでしょうか。
増永さん
子どもひとりに1台の端末が支給されるGIGAスクール構想以降、ICT教育を拡充させる取り組みとして、新しいアプリやサービスの導入を考える学校や自治体にマーケットが広がっています。
国の施策としても、私たちの事業としても、現在はまだ走りはじめた段階で、学校や自治体にとって「ICTを使った学び」は新しいものです。私たちが教育委員会などのお客様にサービスを提案する際には「どのような子どもを育てたいのか」というようなところから一緒に相談をして「そのためにICTツールをこんな風に使えたらいいよね」という話をしています。
お客様と相談しながら、まだ正解のない課題解決を目指していけるのが、この仕事のやりがいだと思います。
■GIGAスクール構想について
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_0001111.htm
編集部
これからつくり上げられる事業に関わりながら、感じられていることをお聞かせください。
川嶋さん
私は様々な学校や自治体へ伺い、営業活動や導入後のサポートなどをしています。幅広い業務に携われることがやりがいです。
また、すららネットのサービス導入に対して「勉強が苦手な子どもをなんとかしてやりたい」や「新しい才能を見つけてあげたい」「卒業後に困らないような生きる力を身につけてあげたい」というビジョンを持っていらっしゃる先生や担当者の方にお会いできるのが、とても嬉しいです。
編集部
予算を消化するためではなく、子ども本位でツールを導入しようと考えている先生がたくさんいらっしゃるのですね。
「レビュー文化」で育成。若手にも大プロジェクトが任せられる環境
▲社員表彰式ではメンバーも思わず笑みがこぼれる
編集部
すららネットさんにはどのような年代のメンバーの方がいらっしゃいますか。
坪田さん
弊社メンバーの年齢層は幅広く、平均年齢は36~7歳くらいです。20代から30代の子育て世代くらいの比率が高いです。
編集部
若手の方の活躍についてお聞かせいただけますか。
増永さん
新卒で入社して2年目に、「公教育」という新しいフィールドの拡大を狙う自治体チームへの所属が決まりました。自分で企画、実行、評価、改善まで責任を持って進められる環境ですし入社前から公教育の領域に携わりたかったので、とてもやりがいを感じています。
編集部
プロジェクトを進めるにあたって、周りからのサポートなどはあったのでしょうか。
増永さん
すららネットには、プロジェクトの各タイミングに上司や先輩に進捗報告や相談ができる「レビュー文化」があります。「これやってみようかな」ということが気軽に相談できるので、そのたびに自信を持って実行できたり、別の視点からフィードバックをもらって振り返ったりできました。
坪田さん
弊社は年齢や社歴に関係なく、誰でも活躍できる環境です。新卒で入社するメンバーが参加する内定者研修では、プロジェクトを1人で回していくイロハを学べます。また、自分で「やりたい」と手を挙げたメンバーには、裁量の大きい仕事を任せる風土があります。
内定者研修は特徴的で、事業内容の理解とプロジェクトの進め方を学ぶことを目的としています。プロジェクト型の研修で、月ごとに「学校チームの仕事を経験してみよう」「教材開発の仕事を経験してみよう」など、違う内容の研修を行います。
目的とゴールを設定して、そこからどのようなステップで進めていくのかプロセスを設計し、周りの人を巻き込んでいくコミュニケーションを習得します。入社する頃には、何かプロジェクトを任されても、自分で進めていけるような力がついているんですよ。
編集部
周りからのサポートや充実した研修があり、社歴の浅い方、若い方が活躍できる環境なのですね。
未経験・中途入社でもスムーズに馴染めるよう設計された育成制度あり
▲2020年に中途入社した川嶋さん。短期間で成長し2023年にセールスオブ・ザ・イヤーを受賞
編集部
すららネットさんの若手に向けた研修は、ほかにもございますか。
川嶋さん
内定者研修を受けていない中途入社のメンバーが、スムーズに会社や仕事になじめるようなOJT体系を設計しました。きちんと学校チームのメンバーとしてひとり立ちするのに必要な知識を体系的にインプットできるようにし、
ロープレなどのアウトプットの機会も複数回入れて、吸収した知識が記憶に残るように考えました。いざ現場に出て「あれ何だったっけ」とならないように、研修でしっかりチェックできるようにしました。
坪田さん
中途で入社したばかりでも、色々な部門のメンバーと触れ合えるようにしています。配属先の先輩たちからの手厚いサポートはもちろんのこと、弊社には「メンター制度」があり、別の部門の先輩が1人ついて、定期的に面談をしています。メンターは、入社した方のちょっとした戸惑い、困りごとなどを親身にサポートします。社内でのつながりをタテヨコに増やし、早くなじんでもらいたいなと思っています。
編集部
手厚いメンター制度ですね。メンターを担当する先輩社員の方にとっても、良い経験になるのでしょうね。
川嶋さん
私はメンターも経験したことがあります。自分が関わっていないプロジェクトや、その部門の日常業務についても、深く聞くことができたので、とても勉強になりました。
編集部
新卒の方も、中途入社の方も、研修で復習や再考を繰り返しながら、ぐんぐん成長できるのですね。
OJTさながらの実践的な業務が経験できるインターンシップ
▲研修中のランチはこんな感じで和気あいあい
編集部
すららネットさんでは、インターンシップの受け入れをされているのでしょうか。
坪田さん
夏休みの期間に約3ヶ月間、採用を目的とした長期インターンシップの受け入れを行っています。参加者は、実際にマーケティンググループの仕事を経験しながら、プロジェクトを進めていく力を身につけられます。「社会人には、こういう力が必要なんだな」ということが、理解できる内容になっています。
編集部
インターンシップを経験した学生の皆様は、相当成長されるのではないでしょうか。
坪田さん
3ヶ月のインターンシップに参加して、プログラムを終えて卒業するときには、課題発見力や論理的思考力、プロセス設計能力が大きく成長しています。参加者の中には、そのまま新卒で弊社に入社してくれる方もいます。
編集部
実践的なインターンシップは、学生の皆様にとって、とても有益なものですね。
「挑戦」を楽しめる方、教育に熱い想いを持つ方と働きたい
▲一緒に働きたい人の人物像について語ってくれた増永さん、坪田さん、川嶋さん
編集部
すららネットさんが、採用の際に重視しているポイントをお教えください。
増永さん
教育に対して、熱い想いを持っている方がいいですね。「変えたい」「実現したい」というような教育への想いがある方は、ぜひご応募ください。すららネットでなら、きっとそれらに挑戦できますよ。
川嶋さん
会社全体を見て思うことなのですが、みんな性格はバラバラだけど、いい人ばかりで個性や強みを活かせる環境です。成果を出せる自信がある人はもちろん「初めての転職で不安」という人にも、安心してご応募いただける環境だと思います。
坪田さん
すららネットが実現したいことは、まだ誰もやっていないことや、正解がないことが多いので、そのような状況を「だからこそ自分が思うようにやっていいんですよね!」と楽しめる方は、すごく弊社にマッチすると思います。
やりたいことを実現していくために、どうやって周りを巻き込むか、プロジェクトを進めていくかということは、社内で身に付けられる土壌があります。やったことがないこと、裁量を与えられることに気後れしないで、仕事を楽しみたいという方に、ぜひご応募いただけたらなと思います。
編集部
社会人として必要な意識や力が、研修で身につけられることがよく分かりました。社会貢献につながる教育の領域に携わりながら、挑戦することで自分を成長させたい方には、ピッタリの職場ですね。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社すららネット:
https://surala.co.jp/
採用ページ:
https://surala.co.jp/recruit/