世界を元気にするTANPACの「美味しい高たんぱく低カロリー料理」

注目企業の成長の秘密や若手の活躍などについて企業インタビューをしていく本企画。今回は、「高タンパク低カロリー料理」を提供する「筋肉食堂」の運営を軸として、食にまつわるソリューションを手がけるTANPAC株式会社にお話を伺いました。

TANPAC株式会社とは

TANPAC株式会社は、「食で世界を元気にする」という経営理念のもと、「美味しい高たんぱく低カロリー低糖質料理」を提供し、人々の健康なカラダ作りに貢献しています。グリルダイニング「筋肉食堂」の運営、冷凍弁当通販サービス「筋肉食堂DELI」、法人向け社食福利厚生サービス「筋肉食堂Office」などを手がけ、成長を続けています。

会社名 TANPAC株式会社
住所 東京都渋谷区道玄坂1-18-6 秀峰ビル4F
事業内容 外食事業/中食事業/宅食通販事業/アスリートサポート事業
設立 2015年6月
公式ページ http://kinnikushokudo.jp/

今回は、人事マネージャーの中上さんと法人営業本部統括マネージャーの二上さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
TANPAC株式会社経営管理本部人事マネージャーの中上歩さん

TANPAC株式会社
経営管理本部人事マネージャー

中上歩さん

TANPAC株式会社法人営業本部統括マネージャーの二上達成さん

TANPAC株式会社
法人営業本部統括マネージャー

二上達成さん

「高たんぱく低カロリー料理」で健康なカラダ作りに貢献

編集部

まず最初に、御社の事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか?

中上さん

TANPACでは、外食事業、中食事業、アスリートサポート事業の3つの事業がございます。まず、外食事業ではグリルダイニング「筋肉食堂」の運営をしています。

TANPAC株式会社の「筋肉食堂」イメージ
▲グリルダイニング「筋肉食堂」では「高たんぱく低カロリー低糖質料理」が提供されている(公式サイトから引用)

中食事業は、高たんぱく低カロリー冷凍弁当の通販サービス「筋肉食堂DELI」やテイクアウト店の運営、弁当を作る自社工場の運営、アスリートのチームへのお弁当の提供といった事業を行っています。

また、二上が担当している、企業様の福利厚生サービスとして「筋肉食堂DELI」のお弁当をご活用いただく「筋肉食堂Office」を運営しているのも中食事業部です。

TANPAC株式会社の「筋肉食堂DELI」イメージ
▲「筋肉食堂DELI」イメージ。筋肉食堂のオンライン通販サービスで購入できる(公式サイトから引用)

3つめのアスリートサポート事業では、学生やプロのアスリートの食事サポート、寮食受託をして、弊社の管理栄養士が献立を作成し調理まで承っております。

コロナ禍でも右肩上がりで成長できた理由とは

TANPAC株式会社の冷凍弁当の試食会
▲冷凍弁当の試食会

編集部

TANPACさんは2015年設立とのことですが、事業規模の成長について伺えますか?

中上さん

2015年の設立から現在まで、毎年右肩上がりで成長してきております。弊社は飲食店の運営からスタートしたのですが、コロナ禍でも売上を大きく下げることはなく、2022年には過去最高の売り上げを達成しています。

編集部

これまでの成長につながった強みや他社との違いはどんなところにあるのでしょうか?

中上さん

TANPACの強みは3つあると考えています。まず1つめは、「食事」を楽しむための嗜好品としてだけではなく、機能品として提供していることです。食べて美味しい、見た目が美しい、だけでなく、食べることできちんとカラダが変わるという機能としての食事をアピールしています。

2つめは食事の栄養成分を全メニューに明示していることです。カロリー何kcal・たんぱく質何g、糖質何gというように全て記載しています。食事管理をされている方にとっては外せない情報ですので、お客様からご評価いただいています。

3つめは「美味しくてボリュームたっぷりな食事」を提供していることで、この点が弊社の一番大事なところだと思っています。

「ダイエット食にしては美味しいね」「健康のための食事にしては美味しいね」というレベルではなく、誰が食べても美味しい、一口目から感動するような美味しさ、「ダイエット中でもこんなにたくさん食べていいんだ!」という驚きが、TANPACの料理の一番の価値であり、他社と差別化できている点だと考えております。「体は鍛えていないけど料理が美味しいから来ている」と言ってくださるお客様も多くいらっしゃいます。

そして、それらを支えているのは弊社の料理人たちです。弊社の商品の特長上、使う食材や調味料に制限がある中で、研究熱心に美味しい商品を開発・調理してくれる料理人に、心から尊敬と感謝をしています。

TANPAC株式会社の料理人メンバー
▲料理人メンバー

編集部

私もプロテインなどを飲むことがあるのですが、健康に特化しているものは美味しいとは言えないものも多いと感じていましたので、「機能的でかつ普通の料理としても美味しい」という点は素晴らしいと思いました。

中上さん

ありがとうございます。

編集部

飲食店を軸としていながら、コロナ禍でも売上を落とさなかった理由はなんでしょうか?

中上さん

1つは通販事業を2か月でローンチしたことによるものです。冷凍弁当の販売はもう少し先の計画だったのですが、当初の予定を前倒ししてスピード感を持って取り組んだところ、レストランの知名度があったこともあり、ローンチ直後から良い滑り出しができました。レストランのブランド力を感じた一件でした。

また、私たちのサービスがお客様にとって「あったらいいもの」ではなく「なくてはならないもの」だったことも理由のひとつです。カラダ作りをしている方々は、高たんぱく低カロリー料理を「食べたい」を超えて「食べなきゃいけない」と思っている方が多いです。ですので、コロナ禍にあってもリピートして来店してくださるお客様が多く、支えられたというところがあります。

今後は高齢者や子どものカラダ作りの支援事業を展開予定

編集部

これからのビジョンについてはいかがでしょう。今後どのように成長していく予定でしょうか?

中上さん

日本のフィットネス人口が約3%と言われている中で、「高たんばく低カロリー」な食事自体は、焼肉やラーメンのようにみんなが好きなものではないと思っています。ですので、レストランの出店を多くしようとは考えておりません。

ただ、レストランには「筋肉食堂」というブランド作り、ファン作りという役割があり、ランドマークとして大切な存在ですので、健康意識の高い方が多い地域や、ジムのある地域には何店舗か出店する予定です。

また、そこで得たブランド力・知名度を横展開していきたいと考えています。現在のところはお弁当やアスリートの支援を中心とした展開をしていますが、今後はカラダを鍛えている方だけでなく、高齢者や子どものカラダ作りをサポートできる事業を展開していく予定です。

裁量が大きく、若手でも新しく事業を立ち上げられる

TANPAC株式会社の管理栄養士と料理人の開発会議
▲管理栄養士と料理人の開発会議

編集部

次に、若手活躍についてお伺いします。二上さんは法人営業本部で統括マネージャーをされているとのことですが、前職ではどんなことをされていたのですか?また、体格がとてもしっかりしてらっしゃるように見受けられるのですが、何かスポーツをされているのでしょうか?

二上さん

これまでは化粧品メーカーやAIのコンサルティング会社、広告代理店などにおり、業種業界関わらず大手やベンチャー企業でいろいろな経験をしてきた中で、これまでの経験を活かせると考え、1年ほど前にTANPACにジョインしました。プライベートでは現役でアメリカンフットボールをしております。

編集部

そうすると、ご入社の動機としては、これまでの仕事のキャリアも生かせるし、趣味を通じて体力作りやカラダ作りへの関心も高かったということで、TANPACさんの事業への共感があったというところだったのでしょうか?

二上さん

そうですね。自身の経験を生かせるということが大きいですが、自分の興味のあることに携われるという点も入社動機の1つではあります。

編集部

TANPACさんでご自分が成長できるポイントはどんなところにあるとお考えですか?

二上さん

営業の立場にいながら、さまざまな業務に携われるのがポイントだと思っております。飲食業ではありますが、toCのお客様に限らず大手企業の役員クラスの方や現役プロスポーツ選手など本当にさまざまな方々とお付き合いさせていただいています。また、弊社ではそのときのニーズに合わせた商品作りをしているので、マーケティングの知識や柔軟な対応力などを幅広く学べると感じています。

それから、TANPACでは個人の裁量が非常に大きく、新しい事業を立ち上げることも可能です。

編集部

そうなんですね。実際に取り組まれたことや新サービスの立ち上げについて具体的にお伺いできますか?

二上さん

一つは、今までアスリートのサポートとして体育会学生の食事管理やスポットでプロアスリートの食事補助を行っていたのですが、各プロジェクトごとの役割やマネタイズのポイントが定まっておりませんでした。

そこで各事業部の協力を仰ぎ、各事業部ごとの役割の設定やサポート方法の仕組み化を実行し、アスリートサポートにおいて選手の皆様をサポートをしっかりしながらもPRによるブランド価値向上とマネタイズできるスキームを確立いたしました。

編集部

部署の垣根を超えて携わっている案件なのですね。調整が大変そうですが、同時にやりがいも大きそうです。

TANPAC株式会社のお弁当の出店の様子
▲クラブスポンサー契約をしているFC東京のホームゲームにてお弁当を出店

サービス立ち上げから6か月で50社が導入。成功の理由は

編集部

もう1つ、二上さんが立ち上げられた企業の福利厚生のサービス「筋肉食堂Office」は、今何社くらいが利用しているのでしょうか?

二上さん

2022年の年末にサービスを立ち上げて、今では50社を超える企業様にご利用いただいています。

編集部

半年で50社というのは素晴らしいですね。成功の秘訣はなんだったのでしょうか?

二上さん

スピードと人材が成功の理由だと考えております。現在のメンバーは、新規事業の立ち上げ経験のあるものが揃っており、柔軟に個々の役割を理解してサポートしてくれたおかけで、スピーディに対応することができ、サービス立ち上げから1か月で1社目の導入を完了しました。

また、導入後のアフターケアでも、臨機応変に対応し、サービスをブラッシュアップしていくことができた点はTANPACの強みと言えると思います。

編集部

具体的にはどのような支えがあったのでしょうか?

二上さん

BtoCで販売していたお弁当をBtoBに移行するにあたり、toCで利用しているシステムや配送の仕組みをそのまま転用することはできなかったものですから、BtoB向けのシステム開発や製造側のバックアップ、配送の変更などを事業部を跨いで行う必要があり、その調整などのサポートをしてくれました。これらをスピード感を持って行えたことが早期受注に繋がったと思っています。

編集部

新しい事業に対し、全社的にスピーディでシームレスに取り組む姿勢が、成功を引き寄せたのですね。

独立など将来の選択肢が広がりやすい社内カルチャー

TANPAC株式会社のキックオフMTG
▲半期に一度のキックオフMTGでは全社員が集合し、各事業部の報告会を行う

編集部

社内カルチャーについてはいかがでしょうか。社内はどんな雰囲気ですか?

二上さん

TANPACでは、意思決定の判断がすごく早いと感じます。「少しでも可能性があるならチャレンジしてみればいい」という雰囲気で、挑戦できる環境が整っていると思います。

編集部

中上さんはいかがですか?

中上さん

先ほど二上の話に上がった営業部のメンバーや、社長の中崎が、マクロミルというマーケティング・リサーチ会社の創業メンバーだったので、飲食の現場においても、「美味しさだけを追求する」という感じはなく、現場メンバーにもきちんとマーケティングの観点からものを考えることが求められます。中途入社のメンバーからは、よく「良い意味で飲食現場っぽくない」と言われることが多いです。

ですので、料理人も職人としてのキャリアだけを歩むというよりは、店舗開発や商品開発、人材育成などを経験でき、将来独立して店を開くなどキャリアの幅が広がりやすい環境だと思います。実際に独立していったメンバーもおり、今でも良い関係を築いています。

編集部

経営者の視点を学べるくらい、マーケティングをはじめいろいろなことを学んでいける環境ということですね。

中上さん

そうですね。どちらかというとボトムアップな組織だと思っています。

大きなキャリアチェンジも可能。採用のポイントは「ブランド作り」への共感

TANPAC株式会社の「筋肉食堂」公式サイトのトップページ
▲「筋肉食堂」公式サイトのトップページ(公式サイトから引用)

編集部

最後に採用についてお伺いしたいのですが、TANPACさんでは元アスリートの方や、二上さんのようにスポーツをしている方が多いのでしょうか?

中上さん

多いです。意識してスポーツ経験者の方を集めているわけではなく、集まったメンバーがたまたま似た属性の人が多かった...という感じです。私と創業メンバーの1人は前職がスポーツトレーナーだったのですが、そのときのお客さんが、社長の中崎なんです。

編集部

社長の中崎さんにトレーナーとして付いてらっしゃったということですね。

中上さん

そうですね。トレーナーとお客さんの関係でした。中崎が「いいカラダを作りたい」と言うと、トレーナーとしては「では、お肉やお魚を多く食べてタンパク質は○g、炭水化物はこれくらい、脂質は摂りすぎないようにしてください」等とアドバイスしますよね。

そうしたら「いや、そんな食事どこで食べられるんだよ。そんな外食ないじゃん」という話になって、「ないなら作る?同じように困ってる人がいるんじゃない?」というところから創業した会社です。

また、中崎は元々スポーツやスポーツ観戦が大好きでした。長年、日本のアスリートはフィジカルに課題があると言われていましたが、正しい食事方法を学んで実行している人はごくわずか。例えば部活動を行う学生さんは練習後に菓子パンを食べたりお米だけをひたすら食べていたり。

このような現状を少しでも変えるべく、食の新しい価値観を世に広めるためにまずは六本木のレストランからスタートしました。様々な構想を描きつつ....。

編集部

そうなんですね。現在中上さんは人事マネージャーをされていますが、レストランにも立っていたのでしょうか。

中上さん

はい。元々はレストランで店長をしていました。他にも、元料理人が事業部長になったり、レストランのホールで活躍していた子が、現在はSNSマーケティングやECのカスタマーサポートを担当したり、大きなキャリアチェンジが起きています。

それは社長や役員のようにきちんとビジネスをしてきた人たちの指導があるからこそ成り立っているのですが、社員やこれから入社する方にとっては魅力的なところではないかなと思っています。

編集部

二上さんが先ほどおっしゃったように、挑戦させてくれる環境だと感じます。「やりたい」という気持ちがあれば未経験でも挑戦させてくれて支えてくれる、TANPAC独特のカルチャーがあるということで、未知のチャレンジをしたい人にとってはとても魅力的な職場ですね。

中上さん

そのとおりです。また、TANPACでは「食で日本を強くする」をテーマに、2028年までに売上100億円を目指しています。先ほども述べたとおり、これまで「日本人はフィジカルが弱い」と言われてきましたが、正しい食事管理をすれば決してそんなことは無いと思うんです。最適なタイミングで最適な食事を摂る。このサポートを通して日本人のカラダを一回り大きくしたいです。

これはアスリートに限った話ではなく、仕事や家事育児など日常生活において「もう一踏ん張り頑張ろう」とか、「趣味に没頭しよう」、「家族とどこかに出かけよう」など、活気ある豊かな生活を送るには健康なカラダがあってこそだと思います。心身ともに強く健康な日本人が世界で活躍できるよう、食事の面で貢献していきたいと思います。

ですので、大人になってからカラダづくりを意識するのではなく、もっと若いうちから弊社の提供する料理を食べてカラダづくりに取り組んでほしいと考えています。そのため、先ほどお話したような、ブランド力を、子どもや様々な層の方向けに横展開していく予定です。

編集部

多くの人が「カラダ作り=筋肉食堂」と想起するようなブランドを作りたいということですね。

中上さん

はい。数年後にアスリートが「小さいときは筋肉食堂のごはんを食べてカラダを大きくしたんだよね」と語ってくれるような世界にできたら嬉しいです。こうしたブランド作りに共感してくれる方をTANPACは歓迎したいと思っています。

編集部

ところで、レストランの立地からお客さまは外国の方も多いのかなと思ったのですが、英語の基本的なスキルは必要なのでしょうか?

中上さん

偶然ですが、各店2人ぐらいは帰国子女や留学経験があるなどでネイティブレベルで対応できるメンバーがいます。ただ、会社の仕組みとして英語ができる方を集めているとか、教育しているということはありません。

編集部

それは周辺の大学に通われてる学生さんがアルバイトで働いているという感じでしょうか?

中上さん

そうです。そして、アルバイトも動機がしっかりしているメンバーが多いです。お金を稼ぎたいということだけではなくて、社会経験をしっかり積みたいとか、短期間で成長を遂げている会社で勉強したいとか、視点がちょっと高いと感じます。

編集部

なるほど。レストランの現場でも「どうしたらこの商品がお客さんに喜んでもらえるのか売れるのか」などとマーケティングの観点からものを考える企業姿勢が、自然と優秀なメンバーを集めているのかもしれませんね。本日はありがとうございました。

■取材協力
TANPAC株式会社:http://kinnikushokudo.jp/
採用ページ:https://recruit.kinnikushokudo.jp/