社会に変革をもたらすスタートアップ・ベンチャー企業を紹介する本企画。今回は、トリニティ・テクノロジー株式会社にインタビューしました。
トリニティ・テクノロジー株式会社は「超高齢社会の課題を解決し、ずっと安心の世界を作る」というミッションに掲げ、高齢化が進む日本社会において多くの人々が直面する課題や不安に対し、解決策を提供しています。
同社での働き方は、キャリア成長と社会貢献を両立できることが特徴です。積極的な昇進制度やフラットな組織構造により、若手社員も早期から重要な役割を担えます。また、顧客の悩みを解決するコンサルティング業務を通じて、使命感を持って働ける環境が整っています。
今回は、トリニティ・テクノロジー株式会社のお仕事の魅力について、取締役COO兼CTOの大谷真史さんにお話を聞かせていただきました。
高齢社会に安心を届けるミッションを担うトリニティ・テクノロジー
編集部
はじめに、トリニティ・テクノロジーさんの企業理念についてお聞かせいただけますか?
大谷さん
トリニティ・テクノロジー株式会社は、「超高齢社会の課題を解決し、ずっと安心の世界を作る」というミッションを掲げ、事業を展開しています。高齢化は日本における最大の社会課題であり、それに伴う様々な問題に直面する人々が増加しています。
当社は、高齢化に関連して生じた課題の解決に取り組んでいます。同時に、提供するサービスを通して、これまで多くの方々が感じていた不安を、安心という状態に変えていくことを目標にしています。
一般的には、会社を設立してから企業理念を考えるケースも少なくないと思うのですが、私たちはこのミッションを実現したくて会社をつくったんです。
編集部
超高齢社会における課題解決と安心の提供というミッションが、御社の事業の核になっているのですね。どんなサービスの提供を通して、ミッションを実現させていこうと考えているのでしょうか?
大谷さん
代表的なサービスとして、「家族信託」があります。これは、認知症による資産凍結を防ぐサービスです。
認知症により、判断能力が低下すると、ご本人の意思や判断能力が低下し、預金の引き出しやご自宅の売却などあらゆる財産を動かすことができなくなってしまいます。
この問題は昔から存在していましたが、日本社会の高齢化により近年さらに浮き彫りになってきています。悩みを抱える方々が何百万人もいらっしゃる状況です。今後人口減少が進むにつれ、この悩みを抱える人たちはさらに増えていくと予想されます。
私たちは「家族信託」を普及させることで、こういった問題で困る人をなくしていくことを目指しています。悩みの根深さと市場の広さという観点からも、この事業には高い社会的意義があると考えています。
採用で重視しているのは、ミッションや「顧客ファースト」のバリューへの共感
編集部
ミッションを非常に大切にされているトリニティ・テクノロジーさんですが、社員の方々とミッションを共有するための工夫があれば教えていただけますか?
大谷さん
採用の段階から、私たちのミッションや大切にしていることをしっかりと説明しています。なぜこのような事業を始めたのか、実際やってみてどうなのか、といったことなどですね。
また、バリューについても丁寧にお伝えします。例えば、私たちには「顧客ファースト」というバリューがあり、お客様視点でとらえることをすべての起点としています。これらを説明した上で、「私たちはミッションやバリューを本当に大事にしていますが、あなたもこれに共感いただけますか?」と確認し、共感していただける方にのみ入社していただいています。
入社後も、評価制度に「バリューをどれくらい体現できているか」を組み込むなど、言葉や会社のWebページ上で理念を発信するだけでなく、ミッションやバリューに基づいて会社を経営しているんです。
編集部
社員の皆さんがミッションやバリューに共感しているのですね。
大谷さん
はい。また、年末に「トリニティ・アワード」という社員を表彰するイベントがあるのですが、ここでは売上などの数字だけでなく、「今年一番このバリューを体現した人は誰か」といった基準で表彰をしています。
▲バリューを体現した社員が表彰される「トリニティ・アワード」
大谷さん
表彰者は社員全員の投票によって決まります。社員同士でも「なぜこれをやっているの?」「顧客ファーストだからです」といった具合に、バリューを意識したやり取りが日常的にあるので、毎年、みんなが納得する人が選ばれている印象がありますね。
商品販売ありきではなく、顧客に最適な提案ができることが仕事のやりがい
編集部
トリニティ・テクノロジーさんの社員の方々は、仕事にどんなやりがいを感じていらっしゃるのですか?
大谷さん
やはり、常に「顧客ファースト」の提案ができることですね。
例えば「家族信託」のコンサルタントは、元々銀行や保険業界、証券会社で個人営業をしていた社員が多いのですが、彼らの中には前職で「商品販売ありき」の仕事をしていて、そこに違和感を感じていた人も少なくありません。
一方で、私たちの仕事の目的は、特定の商品を売ることではなく、お客様の課題を解決することです。ですから、お客様を第一に考えて働きたいと思っている人にはぴったりの仕事だと感じます。
編集部
顧客にとって最適な提案が、仕事の成果に直結するのですね。御社のコンサルタント業務の特徴としては「ゼロからスキームを考えて提案していく」ことがあるそうですが、これは具体的にどういうことなのですか?
大谷さん
「家族信託」は既製のパッケージ商品ではありません。お客様のご家族の状況、関係、構成、将来の相続の問題など様々な事情に応じて、どの財産を資産凍結から守るべきかを個別に考えていかなければいけないのです。
ですから私たちは、ご家族と深い対話を繰り返し、「このご家族にとって、どれが一番正しい形なのだろう」と一緒に考えていきます。その上でコンサルタントが提案をします。間違いは許されませんし責任も重大ですが、そこにやりがいを感じて仕事に取り組んでいる社員が多いと思います。
顧客満足度の高さが社員のモチベーションに。涙ながらに感謝されることも
編集部
他にもトリニティ・テクノロジーさんの社員の方々が、仕事のモチベーションとしていることがあれば教えてください。
大谷さん
社員がよく口にするのは、お客様から本当に喜んでいただいているということです。「家族信託」の仕事であれば、資産が動かせなくなるかもしれないという不安の状態から、家族に託すことができる安心の状態へと、ビフォーアフターでお客様の感情が明確に変化します。
実際、「家族信託」のお客様の96%からは、サービスに対し「大変満足」または「満足」とお答えいただいています。つまり、仕事を通じて「人のため、社会のため」になっているという実感が強く得られるんです。
編集部
お客様の満足度の高さが、社員の方々のモチベーションになっているのですね。皆さんがお客様と接してきた中で、印象的なエピソードがあれば教えていただけますか?
大谷さん
私たちの最初のお客様の話が印象的です。当時、「家族信託」を始めたばかりの私たちは手探りの状態でした。お客様に対し、サービスをどのように提供するのが良いのか。代表の磨和寛は三日三晩寝ずに調べ、何をすべきかリストアップし、なんとか提案を形にしたんです。
最終的にご提案ができたとき、お客様が目に涙を浮かべて「ありがとうございました。皆さんのご協力がなければ、うちの家庭は本当に大変なことになっていたかもしれません」と感謝の言葉を口にされたそうです。
このお客様の反応に、磨は衝撃を受け「お客様の抱える悩みがこれほど深いものなのか」と実感しました。そして、この仕事はビジネスとしての可能性はもちろん、社会課題の解決として大きな存在意義があるのではないかと考えました。
こういった体験は濃淡こそあれど、どの社員も経験していると思います。
若手が活躍。「入社1年の管理職」「20代の事業責任者」も
編集部
トリニティ・テクノロジーでは多くの若手社員が活躍されているそうですね。若手の方々のご活躍を示す事例があれば教えてください。
大谷さん
多くの社員が入社から1年、2年でマネジメントポジションに就いています。20代で事業の責任者を務めている社員もいるんですよ。
また昇進に関しては、内部昇格が全体の6割から7割ほどを占めています。外部から役職者を採用するのではなく、肩書きのない、いちメンバーとして入社した方が昇格してマネジメントポジションに就くケースが多いんです。
編集部
事業の責任者というと、どの程度の規模の事業を任されているのでしょうか?
大谷さん
私たちの会社には現在(2024年10月現在)、事業が4つあります。その中の一つを任される事になるので、会社の売上のおおよそ1/4ほどを占める事業の責任者ということになりますね。
編集部
若手の方々にも早々に大きな責任が与えられているのですね。
大谷さん
そうですね。トリニティ・テクノロジーは2020年10月に20名程度でスタートし、現在は130名ほど社員がいます。今、私たちは300名規模の組織を目指しているところなので、必然的にマネジメントポジションがどんどん空いていくんです。
ですので、活躍した人には積極的に次のステージを提供しています。これを私たちは「引き上げ文化」と呼んでいます。
一般社員が経営会議に同席し、マネジメント層の考え方を学んで成長する
編集部
若手の方々の成長を促すような取り組みや工夫はございますか?
大谷さん
一般的な事業における研修はもちろん行っていますが、マネジメント研修にも力を入れています。将来マネジメント職に就きたい、どんどん昇格・昇給していきたいという人には、マネージャーたちが集まるマネジメント会議に同席してもらっています。
マネジメント層の考え方を肌で感じることで、昇格に必要な覚悟と責任感を自然と身につけてもらうことが狙いです。
編集部
社員の方々にとって、少し先のキャリアビジョンが描きやすくなりそうですね。
大谷さん
そうだと思います。さらに、マネジメントになるための要件も公開し、キャリアパスを明確に示しています。
また、私たちの組織は階層が少なく、基本的に役員、マネージャー、リーダー、メンバーという4階層しかありません。ですから、望む人はどんどんキャリアアップしていける環境です。
編集部
若手の方々は、一緒に仕事をしている周囲のメンバーから学べることも多いのでしょうか?
大谷さん
はい。私たちのサービスは専門性が高いのですが、長く働いているメンバーはその領域におけるプロフェッショナルと言えるだけの知識やスキルを備えています。その上で、トリニティ・テクノロジーには周囲に相談しやすい環境もあります。
弊社はフラットな組織を心がけていて、役職があるから偉いというわけではなく、役職はあくまで役割でしかないと考えています。私自身も取締役COO兼CTOという肩書きこそありますが、若手の方にも敬語で話しますし、話しにくい雰囲気や壁はつくらないように気をつけています。
また、弊社には社長室のような特別な部屋もありません。
編集部
フラットな組織文化が相談のしやすさにつながり、それが社員の方々の成長にも寄与しているのですね。
社員の平均年齢は30代半ば。落ち着きとバイタリティが共存するカルチャー
編集部
他にもトリニティ・テクノロジーさんのカルチャーについて特徴がございましたら、お聞かせください。
大谷さん
弊社の社員の平均年齢は35歳ほどで、役員の平均年齢も37歳くらいと、一般的なスタートアップより少し高めです。これを私たちは「落ち着いた若さ」「大人のスタートアップ」と称しています。
このことが、経験を持った社員がバイタリティを持って働く、調和のとれた社風を生んでいると感じます。しっかりとした戦略に基づきつつも、決して型にはまることはなく勢いと情熱を伴って仕事に取り組んでいるんです。
また、中途採用で入社される方にとっては、先輩も後輩もいて、バランスも良く感じるのではないかと思います。
加えて、離職率が数%程度と、一桁台を維持しています。スタートアップ業界は人の出入りが激しいイメージがあると思いますが、弊社では金融機関や士業などスタートアップとは無縁の業界から入社する人がほとんどです。それもあってか、高い確率で定着をしています。
編集部
新しい人材の受け入れと定着の両立ができているのですね。社員の定着率が高い理由として、他に考えられることはありますか?
大谷さん
やはり、自分たちの仕事が本質的にお客様のためになっているという実感が大きいと感じますね。また、会社の成長に対する期待も大きいと思います。「この先、この会社なら何かできるんじゃないか」と社員に思ってもらえているのも理由の一つではないでしょうか。
トリニティ・テクノロジーは高齢社会の課題を解決したい人材を募集
編集部
最後に、トリニティ・テクノロジーさんで活躍できる人材像について教えていただけますか?
大谷さん
繰り返しにはなりますが、私たちには「超高齢社会の課題を解決し、ずっと安心の世界を作る」というミッションがあります。
このミッションが全くピンとこない方は、無理にうちのことを考えていただく必要はありませんが、少しでも「いいな」と思っていただける方には、ぜひお会いしたいと考えています。
また、私たちの組織は急速に成長しているので、様々なポジションで活躍の機会があります。コンサルティングはもちろん、マーケティング、エンジニア、事務、採用など、多岐にわたる職種があります。
ですので、まずはミッションをベースに会社を見ていただき、少しでも興味を持っていただけたら、ぜひご応募いただければと思います。きっと、あなたの力を活かせる場所が見つかるはずです。
編集部
ミッションに共感できる方にとって、魅力的な職場だということがよく分かりました。本日は貴重なお話をありがとうございました!
トリニティ・テクノロジー株式会社の基本情報
住所 | 東京本社:東京都港区新橋2-1-1山口ビルディング1階 |
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事業内容 | ・認知症による資産凍結から親を守る「おやとこ」 ・家族信託・相続などの専門家コミュニティ「TRINITY LABO.」 ・相続手続きサービス「スマホde相続」 ・おひとりの高齢者に家族の代わりにずっと寄り添う「おひさぽ」 |
設立 | 2020年10⽉30⽇ |
公式ページ | https://trinity-tech.co.jp/ |
採用ページ | https://trinity-tech.co.jp/recruit/ |
募集職種 | コンサルタント |