入社1年の責任者も。インバウンド市場で急成長する「WAmazing」

WAmazing株式会社のリモートワーク革命:グローバル人材が活躍するインバウンド企業

※2024年8月時点では、新規の採用をストップしております

様々な企業の取り組みや新しい働き方をお伝えするこの企画。今回は、インバウンド業界において急成長し注目を集めているスタートアップ企業、WAmazing株式会社(ワメイジング)にお話を伺いました。同社は、訪日外国人旅行者向けに多様なサービスを提供しており、日本の観光産業に新たな風を吹き込んでいます。

WAmazing株式会社の事業概要:インバウンド市場におけるトータルサービス

WAmazing株式会社のビジョン
▲「日本中を楽しみ尽くす、Amazingな人生に。」というビジョンを掲げている

WAmazing株式会社は、「日本中を楽しみ尽くす、Amazingな人生に。」をビジョンに掲げ、訪日旅行者向けの総合的なプラットフォームサービスを提供しています。このサービスでは、情報収集から宿泊予約、免税オンラインショッピング、交通・各種アクティビティの予約、決済までをワンストップで行うことができます。主に台湾・香港・中国などの中華圏からの訪日旅行者を対象としており、2017年のサービス開始以来、利用者数は急速に増加しています。

会社名 WAmazing株式会社
住所 東京都台東区三筋1-17-12長沼ビル201
事業内容 訪日個人旅行者向けオンライン旅行予約プラットフォーム運営
創業 2016年7月
公式ページ https://corp.wamazing.com/
働き方 原則フルリモート
フレックス制(コアタイムあり)

今回は、WAmazing株式会社の広報担当である横山さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
WAmazing株式会社 広報の横山さん

WAmazing株式会社
広報

横山さん

3つの事業軸:OTA、地域観光DX、訪日マーケティング

WAmazing株式会社のOTA事業の概要画像

編集部

WAmazing株式会社さんは今後さらなる成長が期待されるインバウンド市場で事業展開をされていますね。まず御社の事業内容について、ご説明をお願いいたします。

横山さん

WAmazingは大きく3つの事業を展開しています。主軸となる「OTA(オンライン・トラベル・エージェント)事業」では、海外の方、特に台湾・香港・中国を中心とした中華圏からの訪日旅行客向けに旅行予約サービス「WAmazing」を運営しています。

このサービスを中心に、日本旅行における五大消費である宿泊、日本国内での交通(航空券を除く)、体験、買い物、飲食に関するサービスを提供しています。また、訪日観光客向けの多言語観光ガイド「WAmazing Discovery」を通じた観光情報の配信や、日本旅行中の通信環境改善のため、国際空港での無料SIMカード提供も行なっています。

さらに、国や自治体向けに地域観光の支援をする「地域観光DX事業」、企業向けにインバウンドマーケティングの支援を行う「訪日マーケティングパートナー事業」も展開しています。

当社の強みは、「WAmazing」の運営で培ったノウハウの活用に加え、外国籍のスタッフや旅行業界に精通した実績豊富なスタッフの多様な視点を活かした企画立案能力です。これらを活用して地域や企業の支援を行っています。

WAmazing株式会社が空港に設置しているSIM受け取り端末
▲日本の主要空港に設置している端末から、SIMカードを無料で受け取ることができる。

グローバル人材戦略:フルリモートで実現する多様性

WAmazing株式会社のバーチャルオフィスの画像
▲WAmazing株式会社のバーチャルオフィス。

編集部

御社ではリモート勤務を導入されているとのことですが、こちらの運用についてお伺いできますでしょうか?

横山さん

原則フルリモート勤務で、全社員にフレックスタイム制を導入しています。現在約170名の従業員が在籍しており、そのうち国内では23都道府県からジョインいただいています。シェアオフィス(サテライトオフィス)も東京では本社とは別に3ヶ所、そのほか大阪・秋田・福岡・沖縄にもあるので、こちらを利用いただいても、ご自宅から勤務いただいても問題ありません。

弊社は訪日外国人旅行客向けにビジネスを展開していることもあり、全体の4割ほどが外国籍のメンバーです。日本の時間に合わせて働くという条件つきではありますが、外国に住んでいる社員もいます。例えば、7時間ほど時差があるヨルダンで早起きをして働いているエンジニアや、以前日本にいましたが現在は地元に帰って働いている方などがいらっしゃいます。

以前は出社できることを前提としていたため、日本(実質東京周辺)にいらっしゃる方のみを採用していました。しかし、社会情勢の変化に合わせて原則フルリモート勤務としてからは、地方や海外に住まれている方の採用も進んでいます。

編集部

リモートワークを導入されたことで、住んでいる地域に限定されずに採用ができるようになったのですね。一方でコミュニケーションがとりづらい等の問題もあるかと思うのですが、こちらについてはどのように対応されているのでしょうか?

横山さん

普段のコミュニケーションはSlackでのチャットがベースです。また、バーチャルオフィスも導入しており、こちらを積極的に活用している部署もあります。

簡単なミーティングであればバーチャルオフィスで話しかけたり、Slackのハドルミーティング機能を使っています。また、Googleカレンダーでスケジュール管理しているので、そこからGoogle Meetを設定したりと、各々の方法で口頭でのコミュニケーションも行っています。

会社全体としてはオンラインの全体ミーティングを週に1回行い、事業の進捗やプロジェクトの報告など全社員へ情報共有をしています。新しく入社したメンバーについても、このタイミングで自己紹介をしてもらっています。

WAmazing株式会社の銀座オフィスの画像
▲東京の銀座にあるサテライトオフィス。出社時のワークスペースも確保されている。

社内コミュニケーション:「陽口ワーク」で培う信頼関係

WAmazing株式会社社員のオンラインMTGの様子
▲オンラインミーティング中の社員の皆さん。

編集部

コミュニケーションに関して1on1ミーティングを行っているとサイトで拝見しました。このほかに何か工夫されていることなどはあるのでしょうか?

横山さん

一部の部署では「陽口(ひなたぐち)ワーク」を実践しています。陽口とは、陰口の逆で相手のいないところでほめることです。当人が聞いていない体でいいところをどんどん言っていく活動を行っています。

グループやプロジェクト単位では、週の定例報告の時間を工夫している部署が多いですね。例えば私が前にいた部署では、アイスブレイク的に1分間スピーチをしていました。トピックを決めてそれぞれが自由な切り口から考えを発表するのですが、これによってメンバーの相互理解が進んだり、新しい学びを得られたりしていて面白い取り組みでした。こうした業務以外のコミュニケーションの場も積極的に設けるようにしていました。

他にも、業務委託のメンバーが多い組織では360度フィードバックを実施しているようです。また、オンライン会議ツールなどで何人かで集まって30分間褒めあってみたり、チャット上の付箋に業務でよかったところを書いて渡したりしているチームもあります。

部署内で一緒に仕事することがない部署もあるので、全ての部署でこうしたことをしているわけではありませんが、連携が多い組織だとさまざまな取り組みをしている様子が見受けられます。

ハイブリッド型交流:オンラインとリアルを融合した社員間コミュニケーション

WAmazing株式会社の社員集合写真
▲全社キックオフイベント時の集合写真。

編集部

原則リモート勤務で、サテライトオフィスも利用可能とのことですが、社員同士の対面でのコミュニケーションはどのように行われているのでしょうか?特に、新しく入社される方が増えている中で、気になるところです。

横山さん

弊社では地方採用も行っているため、年に1回から半年に1回の頻度で全社的なキックオフイベントを開催しています。社員の交通費は原則会社負担とし、リアルで会える場を提供しています。

直近の2023年1月のイベントには115名のメンバーが参加しました。内容は歓談だけでなく、社長からのビデオレター視聴、部署横断的なチーム編成での会社クイズ、役員によるマジックショーなど、多彩な企画で2時間半ほど交流を楽しみました。社員数が急速に増えているため、このイベントで初めて他の社員と対面する人も少なくありません。

編集部

新入社員の方にとって、他の社員と会う機会を自ら作るのは難しいと思います。会社がそういった機会を提供してくれるのは心強いですね。

横山さん

その通りです。フルリモート勤務への移行後は特に、対面でのコミュニケーションの機会が重要になっています。

ただし、日常的にはオンラインミーティングや研修を実施しているので、情報共有は滞りなく行われています。また、会社として積極的に交流の場を設けているため、過去のアンケートではリモートワークに対するネガティブな回答は少なかったです。

編集部

リモートワークが基本でありながら、部署を超えた交流の機会を会社が積極的に設けているのですね。対面での交流の場があることで、新入社員も既存社員も、コミュニケーションを深め、業務をより円滑に進められそうです。

WAmazing株式会社の評価制度:実力主義に基づく若手・女性の登用

WAmazing株式会社社員の仕事中の様子
▲以前のオフィスでの仕事風景。現在は原則フルリモート勤務となっており、このオフィスは解約されています。

編集部

御社の特徴についてお伺いできればと思います。外国籍の方が4割いらっしゃるということですが、他社とは異なる特徴などございますか?

横山さん

弊社は多様性を大切にしていますが、「外国籍だから優先して採用する」ということはありません。ネイティブの方でないと対応できない業務もありますが、基本的には「WAmazing」という会社にフィットする人材を採用しています。

特徴としては、女性社員の割合が6割ほどと非常に高いことが挙げられます。観光業のサービスを展開しており、この業界全体で女性の従事者が多いことや、地方採用やフルリモートの導入により、ワーキングママの活躍も増えています。代表も女性で、マネージャーや部長といった責任者・管理職の比率も女性が多い会社です。

また、若い世代が活躍する機会が多いことも特徴です。30歳前後のメンバーが大きなチームのリーダーを務めているケースもあり、年齢に関係なく実績に基づいて正当な評価がされている会社だと考えています。

若手育成:30代の活躍と早期責任者登用の実例

編集部

若手が活躍できる文化があるとのことですが、詳しく伺えますでしょうか。

横山さん

弊社はスタートアップ企業ですが、一般的なイメージとは異なり、20代の社員が特に多いわけではありません。むしろ「大人ベンチャー」と呼ばれることもあります。

社員の平均年齢は30歳を超えており、役員陣も平均40歳以上です。中途入社の方も20代後半から40代半ばの方が多く、弊社では30代半ばまでを若手と捉えています。

編集部

若手の方が活躍されているエピソードがあれば、教えていただけますか?

横山さん

OTA事業の事業開発担当(事業責任者)のポジションで、入社から1年で活躍している30歳前後のメンバーがいます。そのポジションの多くが30代後半から40代半ばの中で、比較的若い立場で責任者を務めています。

この方は開発ではなく仕入れや事業折衝を担当しています。旅行会社出身で、以前は事業開発業務を専業としていませんでしたが、その経験を強みとして活かしています。失敗を恐れず挑戦を続け、着実に事業開発責任者として成果を上げています。

キャリア開発:チャレンジ精神と実行力が生む成長機会

WAmazing株式会社のオフィス写真
▲サテライトオフィスへの出社時には対面でミーティングを実施することも。

編集部

入社1年ほどで責任ある立場を任され、チャレンジして成果を上げている方もいらっしゃるそうですね。そういった方々や、早くから活躍されている方が抜擢される理由や、求められている要素について教えていただけますか?

横山さん

チャレンジする機会を与えられたときに「やります」と言えるスタンスが大切だと考えています。

もちろん、チャレンジするかしないかは個人の自由です。チャレンジしないことで不利益を被ることはありません。ただ、チャレンジし続ける人の方が新たな機会に恵まれる可能性は高いと思います。

また、待ちの姿勢や「やりたい」という思いだけでなく、具体的な実行プランを考えて実行できる人が求められます。自分のアイデアを積極的に発信すれば、役員も「やってみよう」と後押ししてくれるので、自分の考えを実現できる環境があります。

実際に、新規領域でやりたいことがあると話していたメンバーが、担当領域を超えてプロジェクトリーダーに抜擢されたケースもありました。ベンチャー企業だからといって自動的にチャンスが与えられるわけではなく、機会を掴み、それを成果につなげられる人が活躍しているのだと思います。

編集部

評価制度についても伺いたいのですが、人事評価はグレード制を採用されていて、実績とプロセスで評価されるのでしょうか?

横山さん

はい、その通りです。半年ごとにグレードに応じたミッションを設定しています。グレードが上がるにつれて、ミッションの中で定量評価の占める割合が大きくなり、内容も個人の成果から組織全体の成果を重視するようになります。

仕事の役割は半期の評価によって変わり、それに応じて給与も変化します。また、半期の成果に応じて賞与(当社の場合はストックオプション)の額が変わります。与えられた役割で確実に成果を出している人、自分のグレード相当またはそれ以上の役割を果たしている人が高く評価され、さらなるチャンスが巡ってきます。

編集部

積極的にチャレンジし、アイデアを実行に移せる方が評価され、新たな機会に恵まれる環境なのですね。新しいことに挑戦したい方にとっては魅力的な職場だと感じました。

WAmazing株式会社の採用方針:ビジョン共感と当事者意識を重視した人材獲得

編集部

採用についてお伺いしていきたいと思います。御社で働くにあたって大事なことはなんでしょうか?

横山さん

当事者意識を持って自分の仕事の先を想像し、プロフェッショナリズムを持つことが大事だと考えています。

弊社の事業には様々なお客様がいらっしゃいます。例えばマーケティング部門なら訪日旅行者、旅行商品の仕入れ担当なら地域のホテルや体験事業者などがお客様にあたります。プロダクトを作る際や商品を仕入れる際には、誰に向けて提供するのかを常に意識することが重要です。そうでないと、本当に求められているものを提供できません。

OTA事業で言えば、単に会員数を増やすだけでは事業者の利益に繋がりませんし、ユーザーのニーズにも合致しません。事業者と旅行者の両方のことを考えなければ、事業は成立しないのです。

自分の仕事にプライドを持ち、その先の影響まで想像しながら仕事をすることで、全ての関係者が満足できる結果を生み出せると考えています。単に自分の考えるお客様のためだけでなく、事業全体の目標を見据えてアクションすることが大切です。

編集部

それでは最後に、御社に興味を持っていただいた方にメッセージをお願いします。

横山さん

弊社が挑むインバウンド市場は、2030年に「訪日外国人旅行消費額15兆円」と予想されており、自動車産業を抜くNo.1外貨獲得産業だといわれています。一番大きい市場に対してチャレンジをしている国内プレイヤーで、組織自体まだまだこれから大きくなるような会社です。事業拡大のフェーズに入社できることは、多くの方にとって魅力的な機会だと思います。

また、我々はOTA事業だけでなく、地方創生のような形で自治体や国内企業向けの事業も展開しています。地方創生や世界と日本の架け橋になるような仕事に興味がある方にとって、幅広い可能性を提供できる企業だと自負しています。

我々は「日本中を楽しみ尽くす、Amazingな人生に。」というビジョンを掲げ、世界に誇るべき多様性を持つ日本を多くの方に楽しんでもらい、地域や産業を活性化させたいと考えています。このビジョンに共感できる方であれば、必ず自分に合った仕事が見つかる組織だと確信しています。

編集部

本日はありがとうございました。

■取材協力
WAmazing株式会社:https://corp.wamazing.com/