EV充電サービス分野で成長し続けるユビ電のシームレスな働き方

EV充電サービス分野で成長し続けるユビ電のシームレスな働き方

企業の新しい働き方や特徴的なカルチャーについて取材し、お伝えしていくこの企画。今回は電気自動車(EV)充電サービスの構築や管理・運営をおこなっているユビ電株式会社にインタビューをさせていただきました。

ユビ電株式会社とは

ユビ電株式会社は、2019年4月設立のEV充電サービス「WeCharge」を運営する企業です。

ソフトバンク株式会社からカーブアウト(※)をして誕生したユビ電は「電気の未来を描くんだ。」をミッションに掲げ、電気エネルギーを“いつ、どこで、誰が、何に、どのぐらい使ったか”を明確にするという、これまでになかった切り口で、いつでもどこでも「じぶんのでんき」を自由に利用できるようなエネルギーの未来を創造する事業を展開しています。
(※)カーブアウト:企業がひとつの事業部を切り離して、新しい会社として独立させること。

そのメイン事業として立ち上げたのが近年、急成長を遂げているEV向け充電サービスです。同社が提携する充電設備の対応コンセントにケーブルを接続したあと、スマホアプリを使ってかんたんに充電を行い、電気代は登録したクレジットカードを介して支払う画期的なシステムになっています。

会社名 ユビ電株式会社
住所 東京都港区三田一丁目1番14号 Bizflex麻布十番4階
事業内容 充電サービスの管理・運営
環境価値創出事業
設立 2019年4月19日
公式ページ https://www.ubiden.com/
働き方 ハイブリッド(エンジニアはフルリモート)
フレックス

EVの充電サービスを皮切りに、電気をもっと自由に使える世界を創造するユビ電。今回は事業同様、自由な働き方を実現する同社の社風、成長著しいEVに関連する業界で働くことの意義などについて、取締役の大西さんとコーポレートの片岡さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
ユビ電株式会社取締役の大西さん

ユビ電株式会社
取締役

大西さん

ユビ電株式会社コーポレート 片岡さん

ユビ電株式会社
コーポレート

片岡さん

電気自動車充電サービス「WeCharge」誕生の背景と特徴

ユビ電株式会社が掲げる「電気の未来を描くんだ。」というミッション
▲ユビ電株式会社は「電気の未来を描くんだ。」というミッションを掲げている(公式サイトから引用)

編集部

最初に、ユビ電さんがEV充電サービスに参入した背景からお聞かせください。

大西さん

電気をはじめとするエネルギーは、“誰が作って誰が運ぶか”までしか把握できていないのが現状です。

当社は“いつ、どこで、誰が、何に、どれくらいのエネルギーを使っているか”という事実に着目し、自分で使う電気を使う分だけ取り出す仕組みを構築することで、エネルギーの未来を変えることができると考え、事業を立ち上げました。

その皮切りとして取り組んだのがEV向け充電サービス「WeCharge」の環境構築です。これまで戸建てや企業といった単位で提供されていた電気ですが、近い将来もっとパーソナライズされていくことが予想されます。

その象徴のひとつが電気自動車(EV)です。大容量のバッテリーを搭載するEVが自由に動き回るという新しい世界観は、“自分で使う電気を使う分だけ取り出す仕組み”を体現していると言えます。

当社では一連のエネルギー利用を「エネルギー利用トランザクション」と捉え、先ほど述べた“いつ、どこで、誰が、何に、どのぐらい使ったか”という情報を元に、さまざまなビジネスに発展させていきたいと考えています。

編集部

現在はEVの分野に注力されているかと思いますが、将来的には「電気の未来を描くんだ。」というミッションからわかるように電気の使用状況等をパーソナル化することで社会を変えていこうとされているんですね。

携帯電話ビジネスのノウハウを注ぎ込み、パーソナルな充電設備を構築

個人向け電気自動車充電サービス「 WeCharge」のスマホアプリ画面
▲EVコンセントを有効活用した電気自動車充電サービス「 WeCharge」。脱炭素社会へ向けて必要な充電インフラをシンプルなアプローチで解決(公式サイトから引用)

編集部

EVの普及により、大型商業施設や駐車場、高速道路のサービスエリアでも充電設備が見られるようになりました。EV充電サービス「WeCharge」の特徴や優位性はどのあたりにあるのでしょう。

大西さん

WeChargeは当社が提携する充電設備の対応コンセントから充電し、電気代はスマホアプリで精算できるというサービスです。充電設備にあるQRコードをアプリで読み取ると充電が開始され、電気代は登録したクレジットカードを介して支払います。

料金プランは複数ご用意していて、基本的にはサブスクリプション型となっています。月間のおおよその走行距離にあわせてプランを選択でき、決められた使用量以内であれば定額料金のみお支払いいただく形です。

このように、EV充電サービスは、携帯電話ビジネスと考え方がよく似ているんです。かつて、電話は固定されたものでしたが、携帯電話の普及によっていつ、どこで、誰が誰にどのぐらい電話したかを切り取って課金する携帯ビジネスが確立されましたよね。

当社の前身、ソフトバンクが携帯電話ビジネスで培ったノウハウを注ぎ込んだのがWeChargeです。利用者は携帯電話使用料の支払いや課金に慣れてるため、抵抗なくWeChargeが利用できるというわけです。

編集部

ユビ電さんが提携する充電設備はどのような場所に設置されていますか?

大西さん

現在は、主にマンションや宿泊施設などに設置しています。当社ではマンションの全ての車室、駐車場への充電環境設置を提案しています。

マンションなどの集合住宅に充電設備を設置する場合、1〜2つ程度を住民で譲り合いながら使用するのが一般的です。昨今の電気自走車の急速な普及を鑑みると、将来的に足りなくなることは明らかです。

充電設備が十分でないが故に、ガソリン車からEVへの切り替えに踏み切れない方が一定数いるのも事実です。全ての車室に充電設備があれば自分のタイミングで充電ができ、EV購入の壁を取り除くことができます。

また、充電設備をシンプルにすることで設置費用を抑え、決済システムや料金プランを携帯電話のようにわかりやすくしているのもWeChargeの特徴と言えるでしょう。

法人・団体向けサービスも展開。SDGs関連の取り組みに貢献

編集部

EVにおける“自分で使う電気を使う分だけ取り出す”という考えは、脱炭素やSDGsへの取り組み、持続可能なライフスタイルなどにも繋がっていきますね。そういった部分は事業にも関係するのでしょうか?

大西さん

当社では、多数の社用車・公用車を保有している、またはマイカー通勤車両の多い企業や自治体に向けて、従来のWeChargeを機能拡充した法人・公的機関向けのサービスを展開しています。SDGsなど先進的な取り組みをされている法人・団体には非常に興味を持っていただいており、導入されたケースも複数あります。

サービスを通して、「社用車・公用車のEV充電環境に悩んでいる」「カーボンニュートラル貢献のためにEVを積極的に導入したいが効果が可視化できない」「社用車・公用車の電動化を進めたいが充電をどうして良いか分からない」といった課題解決をサポートしています。

また、WeChargeで自社の充電の管理を一元化することで、業務の省力化も期待できます。

電気自動車向け充電サービスWeChargeのインターフェイス
▲法人・団体向けWeChargeのイメージ(公式サイトから引用)

柔軟性のある働き方で個々のスキルアップを目指す

机を並べてオフィスで作業するユビ電株式会社の社員

編集部

東京・麻布にオフィスを構えるユビ電さんは現在、フレックス制度を採用されているとのことですが、実際にはどのような働き方をされている方が多いのでしょうか?

片岡さん

職種によって勤務形態は異なります。エンジニアは基本的にフルリモートです。充電設備導入の業務を担う、いわゆる営業職はコアタイムを11時から14時とし、週に3日ほど出勤、あとはリモートでの業務となります。

また、その他の職種のメンバーは、業務上の必要に応じて出勤とリモートを組み合わせた働き方をしています。社会情勢の影響もあり、オフィスへの出勤は必要最低限に留め、柔軟な働き方を推奨しています。

編集部

フルリモートと出勤のように、勤務形態が混在する場合、社員間のコミュニケーションはどのように図られているのでしょう。

片岡さん

コミュニケーションツールとしてはSlackを使用し、タスク管理や業務連絡、進捗状況の確認などをおこなっています。ただし、Slackはどうしてもテキストベースになるので、場合によっては細かい部分が伝わらないことがあります。

この課題を解決するため、オフィスで会ったときは積極的に会話をしたり、定期的にキックオフミーティングを開催しています。加えて、Web会議ツール(Google Meet)を利用した定例会議や、上長との月1回の1on1、Slackのハドルミーティングなども利用しており、円滑なコミュニケーションを図る工夫をしています。

働く場所や時間を選べる利点があるリモートワークですが、コミュニケーションの観点から見ると課題は残されています。当社としても柔軟な働き方を取り入れつつ、解決に向けて取り組んでいるところです。

ライフスタイルに合わせた働き方ができ、与えられた裁量で時間調整も可能

編集部

フレックスタイムについてもう少し詳しくお聞きしたいのですが、コアタイム以外の時間であれば、業務から離れ、後日時間調整をして働くことも可能ですか?

片岡さん

可能です。例えば、お子さんの送り迎えや通院などで業務を離れたとしても、自分の裁量で業務の調整ができます。また、「この働き方ならもっとパフォーマンスを出せる」といった場合、勤務時間や勤務場所を選べるようにしています。

エンジニア職についてはフルリモートが可能なので、勤務地は問いません。ただし、当社のEV向け充電サービス事業は、今のところ都市部のマンション等をメインターゲットにしているので、営業職に関しては都市部に近い場所が望ましい面もあります。

とはいえ、基本的には勤務地や居住地に縛りを設けず、シームレスに活躍できる環境で働いてほしいと考えています。

編集部

首都圏以外の勤務でも、しっかりとした研修制度やフォローがあれば、シームレスな働き方ができることがわかりました。それぞれにとってのベストな働き方でスキルを磨くことは、自己成長にも繋がりますね。

バッテリー容量に応じた電気自動車購入の補助制度

編集部

EV充電サービス事業を展開するユビ電さんですが、社員がEVを購入する際の補助制度はありますか?

大西さん

はい、あります。特定のEV(BEV)を新たに購入した場合、上限3万円、3年間を条件に購入補助というかたちで毎月の給料にプラスして手当を支給しています。

ちょっと珍しいのが、購入価格ではなくバッテリーの容量に応じて金額を決めていることです。車の購入額は車種やグレードによっても変わりますよね。そこで調整するより、バッテリー容量で見たほうが計算しやすいことが理由です。

編集部

社員さんの中にはEVの雄、テスラに乗っている方もいらっしゃるとのことですが、営業職の方はEVに乗ることで、営業がしやすいといったメリットがありそうですね。

大西さん

お客様とお話しする際、EVに乗っていることはとても重要で、WeChargeを提案する上でも説得力があります。そういった意味でも補助制度を整備し、社員がEVに切り替えるきっかけになればと考えています。

さまざまなバックグラウンドを持った社員が活躍

ユビ電株式会社の社員の仕事風景

編集部

2019年にソフトバンクからカーブアウトして誕生したユビ電さんですが、メンバーはソフトバンク出身の方が多いのでしょうか。

大西さん

設立当初は代表の山口をはじめ、当社の前進であるソフトバンクの事業だった時代からユビ電に関わりがあるメンバーが中心でした。現在は派遣社員を含め23名ほどのスタッフで運営していますが、その大半は求人募集のサイトから応募された方なので、さまざまなバックグラウンドを持った方が一緒に働いています。

編集部

EV向け充電サービスは、専門的な知識が必要な分野になるかと思われます。車に詳しくない方でも活躍できるチャンスはありますか?

片岡さん

はい、もちろんです。実は私自身も、車にそれほど詳しいわけではないんです。まったく車に関心がない方だと厳しいかもしれませんが、EV関連の専門的な知識は入社後に学んでいけますので、当社が掲げる「電気の未来を描くんだ」というビジョンに共感できることがより重要と考えています。

とはいえ、車という特性上、やはり車が好きなメンバーが多いです。高いスキルを持ったベテラン社員は仕事以外にもさまざまな経験をしているので、なんでも相談できる環境だと感じています。良い意味で個性的な方が多いことも刺激になっています。

また、エンジニア、営業職、バックオフィスといった職種で区別されない点も当社の特徴です。異なる業務でも議論ができたり、相談できるフラットな社風は、働きやすさにも繋がっていると感じます。

編集部

なるほど。経験豊富なベテラン社員は個性がありつつも、心を開いてざっくばらんに話せる環境ということですね。若手の意見だからと否定されることはなく、共に成長していこうとする気概は、成長著しいEV業界と通じるものがあると感じます。

大西さん

当社はベンチャー企業なので、自分たちで会社を作りあげていくといった、チャレンジ精神と向上心を持ったスタッフが多いのも特徴です。そこにはベテランや若手といった垣根はなく、自らの力で切り拓くことで成長する環境があります。この思いを持って、電気の未来、さらには社会の未来に貢献できる企業でありたいと考えます。

若手育成に向けた環境づくりへの取り組み

開放的な雰囲気の東京・麻布にあるユビ電株式会社のオフィス
▲東京・麻布にある明るい雰囲気のオフィス。営業職はコアタイムを11時から14時とし、週に3日ほど出勤している

編集部

頼りになるベテラン社員が多く所属するユビ電さんですが、若手社員の育成にはどのように取り組んでいますか?

大西さん

OJT制度を採用し、東京・麻布のオフィスで集中的な研修を行なっています。現在、関西への販路拡大を視野に入れ大阪在住の方が営業職で活躍していますが、入社後数ヶ月間は麻布のオフィスでしっかり研修を受け、当社の理念や事業を理解した上で業務に取り組んでいます。

昨今は研修が全てリモートだったり、配布資料を読んで自分で学ぶといった企業が多いようですが、当社は経験豊富なベテラン社員が業務のことはもちろん、社会人として身につけるべきスキルなどに関しても細かくサポートします。

設立から4年を迎えた当社ですが、1期目が4月から12月なので、実質的には3年となります。2022年3月まではスタッフ6名で運営し、徐々に採用人数を増やしていった経緯があります。スタートアップということもあり未整備の部分がありますが、社内制度を含めどんどん改善し、ベテラン社員も若手社員も働きやすい企業にしていく方針です。

変化を恐れず、共に未来を創造できる方を歓迎

コーヒーを片手にテラスで談笑するユビ電株式会社の男性社員

編集部

EVの充電サービスという、新しいビジネスに挑戦し続けるユビ電さんですが、御社で働くことの意義についてお聞かせください。

大西さん

EVおよび、当社が手掛ける充電サービスのマーケットは今後、確実に成長していく分野です。その過程に携わることこそが、当社で働く意義だと思います。

新しい分野へのチャレンジなので、そこには現実と理想のギャップといったような、酸いも甘いも噛み分ける経験も含まれています。それを自身の糧とし、キャリアへと繋げていけるのが当社の強みです

編集部

ユビ電さんが求める人物像、共に働きたいと考える人材はどのような方でしょう。

大西さん

既存のビジネスではなく、これまで世の中になかったビジネスを展開する当社のスピードは早く、変化も大きいでしょう。その変化ごと楽しめる方と一緒に、電気の未来を作っていけたら嬉しいですね。

また、さまざまな価値観、発想力を持った方がいることで組織は強くなります。弊社は比較的ベテランの男性が多い構成になっていますが、若い世代の方や女性など、多様性のある人材で会社を盛り上げていきたいです。

編集部

片岡さんからはぜひ、若い方に向けてのメッセージをお願いしたいのですが、いかがでしょうか。

片岡さん

企業として、利益を追求することは大切なミッションです。加えて、電気の未来を作る当社のミッションは、社会的意義と捉えることができます。

自由な働き方ができる環境の中で、どうしたらより良いサービスを提供できるだろう、電気、ひいては社会の未来を変えることができるだろうといったことを考え、実行したいと思える方はぜひ、仲間になっていただきたいです。自分が描いた未来を実現した時の達成感は、かけがえのない財産になりますよ。

編集部

裁量を持ちながら自由な発想でチャレンジできる環境は、やりがいと働きやすさの両面を実現できることがわかりました。

本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

■取材協力
ユビ電株式会社:https://www.ubiden.com/
採用ページ:https://www.ubiden.com/recruit