株式会社はてなベースのオフィスの様子

20代が活躍する「はてなベース株式会社」。インターンに機会を与えることで事業も成長

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、はてなベース株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

2023年に設立されたはてなベース株式会社は、税理士事務所や中小企業向けの業務改善支援、会計・経理業務の効率化支援、研修事業などを展開しています。20代の若手や学生インターンが中心となって活躍しているのが特徴で、インターンにプロジェクトマネジメントを委ねるなど、事業を通して若手人材の成長にも取り組んでいます。

今回は、代表取締役の世戸口さんから、「好奇心」を原動力に急成長を遂げる同社の働き方やカルチャー、若手の成長事例、そして採用に関するメッセージなど、お話をうかがいました。

本日お話を伺った方
はてなベース株式会社の代表取締役の世戸口逸人さん

はてなベース株式会社
代表取締役

世戸口 逸人さん

代表は大学在学中に会計士試験合格。起業のきっかけは「好奇心」

はてなベース株式会社のオフィスの様子

編集部

まず、はてなベース株式会社を起業された経緯を教えてください。

世戸口さん

私は大学在学中に公認会計士の試験に合格し、卒業後は監査法人に就職して金融監査を担当していました。2年ほど勤務した後、飲食店の経営を支援するベンチャー企業に転職し、バックオフィス業務を手掛けたことをきっかけに、2023年2月にはてなベースを起業しました。

起業を選択したのは、もともと好奇心が旺盛な性格ということが大きいと思います。好奇心を満たすとともに、新しい景色を見るにはどうすればいいか。その解はビジネスを始めることであると考え、起業に至っています。

編集部

数あるビジネスの中から現在の事業を選ばれたのは、そのときの経験が影響しているのでしょうか。

世戸口さん

はい。会計士の資格を持っていることはもちろん、ベンチャーにいたときは採用、資金調達のサポート、会計ソフトを使った代行業務などいろいろな仕事をやっていたため、コーポレート系全般に強みを持っていました。なので、できることから始めたというイメージですね。

はてなベースの組織:「超優秀」な学生インターンが中心

編集部

現在、どのようなメンバーで業務を行っているのでしょうか。

世戸口さん

今は約40名が勤務していて、フルコミットしてくれているのは7人ほどです(2024年10月取材時点)。その他にはインターンや業務委託という立場で参画してくれているメンバーが多いですね。

組織としては、バックオフィスを除くと会計士やその受験予定者など専門的な知識を持った「会計士チーム」、データ分析やCRM(顧客関係管理)ツールの開発などを行う「開発チーム」、そして「クリエイティブチーム」で構成されています。

クリエイティブチームがあるのは、少し意外と思われるかもしれないですね。このチームは当社が作っている研修コンテンツを制作していて、他チームが作った骨子に基づき、動画などの形に資料化する役目を担っています。

編集部

それぞれのチームには、どんな特徴がありますか?

世戸口さん

まず全チームについて言えることとして、年齢層が非常に若いことが挙げられます。インターン生がかなりの割合を占めていますね。

その中で会計チームは、基本的に大学2年生以上なのですが、全員が簿記1級以上のスキルを持っています。会計関連の業務スピードはめちゃくちゃ速いですよ。

開発チームに関しては、データサイエンスの分野で活躍しているCTOがリファラルで優秀なメンバーを招き入れているため、かなりレベルが高いです。主にPythonやデータ分析系の言語を使っていて、業務ではしっかりと教えているので、もともと成長意欲がある学生たちがさらに伸びているという感じです。

また、クリエイティブチームでも大学生インターンが頑張っています。早稲田大学の広告研究会の出身者が多く、イラストや動画編集、デザインなどに長けている人材が揃っています。この領域は学生も社会人も関係なくて、むしろ学生の方が強いと思っているくらいなので、一人前のデザイナーとして扱っていますね。

インターンに成長機会を提供したいという想いが強い

はてなベース株式会社のオフィスの様子

編集部

はてなベースではインターンの大学生が活躍する場面が多いとのことですが、学生を戦力ととらえ、活躍の場を提供している理由を教えてください。

世戸口さん

これは、社会人になってすぐの私の経験に基づいています。学生の頃は会計士試験勉強とアルバイトに明け暮れ、晴れて社会人になりましたが、職場で自分は全く使い物にならなかったのですね。

この時痛感したのは、もっと大学生の時にいろいろな経験をしておくべきだったということです。

例えば、ベンチャー企業でインターンとして地道な営業活動に携わるなど泥臭い仕事を経験したり、プログラミングをはじめとしたエンジニアリングを学んでいたりしたら、より強い武器になったかもしれません。身をもって、学生時代の経験が大変貴重であることを知りました。

そこで、学生に参画してもらい、一から事業を立ち上げる、起業に直結する経験を積むなど、学生が成長できる機会を提供したいと考えました。

編集部

成長の機会を設ければ、優秀な学生が集まってくるというメリットがあるわけですね。

世戸口さん

そうですね。当社としてはこうした優秀な力によって事業展開がしやすくなりますし、さらには人材確保という面でも、そのままはてなベースに就職してくれる可能性も出てきます。実際に、ジョインしてくれた学生も現時点で2人いるんです。

私は学生と当社が互いにWin-Winになれればと考えていますし、学生の雇用と教育にここまで力を入れているベンチャーは珍しいと思います。

インターンの活躍事例:裁量を持たせることで、短期間で圧倒的に成長

編集部

若手の活躍について、「はてなベースの環境だからこそ、このように成長できた」という具体的な事例を教えてください。

世戸口さん

印象に残っている二つの事例をご紹介します。

1人は会計士を志望している大学3年生で、2023年に「なんでもやりたい」という強い意志で当社に加わってくれました。

当初は、クラウド会計ソフトのfreee(フリー)の使い方を教えるところから始めたのですが、伸びしろが見込まれたため、さらにプログラミング言語のPython(パイソン)を指導しました。

この学生は非常に飲み込みが速く、プロジェクトのマネジメントを委ねたところ、大学生ながら100万円規模の案件を1人で回せるようになりました。利益率の管理から学生メンバーのマネジメントまで、報・連・相(報告・連絡・相談)を怠らず自身でしっかりとこなしています。

その上、気がつけば開発ノウハウも身につけていて、会計、プロジェクトマネジメント、プログラミング開発という3つのスキルを約半年で身につけてしまいました。彼については、営業力さえあれば、明日起業してもうまくいくと確信しています。

編集部

学生一人ひとりの素質や特性を見ながら、本人に合った仕事の機会を提供し、実際に活躍につなげているのですね。

世戸口さん

もう一人の例は、税理士試験の受験を検討して、当社に参画した女子大学生です。前述の学生と同様、当初はfreeeの使い方を学んでいたのですが、150万円規模の案件を任せてみました。

そうすると、彼女は「1人でやらせてください」と試行錯誤しながら、3か月ほどでfreeeを活用した業務効率化策を実質的に自力で仕上げたのです。現在、本人は会計士事務所への就職を目指しているのですが、freeeを使う事務所であれば、すぐにでもマネージャーレベルの仕事ができるのではないかと思います。

2人に共通するのは、こちらの提案やノウハウをまず受け入れる「素直さ」があり、それで終わりではなく、応用して提案する力があることだと思います。会計ソフトの導入であれば、マニュアルの内容を理解したうえで、「こうした方が近道では」と改善策を検討する、という面です。

編集部

学生も大きな仕事を任されることで、社会に出てもさらに活躍できそうですね。

世戸口さん

はい。私自身が社会に出て困った経験がありますので、本当に活躍してもらいたいと思っていますし、当社で頑張ってくれれば、絶対活躍できると確信しています。

当社のインターンを通して、ビジネススキルはもちろんですが、EQ(Emotional Intelligence Quotient、感情知性)が養われると考えています。ビジネスの相手の発言の意図を考えたり、先読みしてアクションしたりと、高度なコミュニケーション能力が身につくので、どんな職場でも本領を発揮できるのではないかと思います。

1on1や試験勉強会などを実施。学生の側に立ち、成長を促す取り組みにも注力

はてなベース株式会社の社員がパソコンを操作している様子

編集部

様々なプロジェクトを学生に任せるうえで、どのようにサポートしているのでしょうか。

世戸口さん

学生が改善策を提案してきた場合など、私などのマネジメント側はさらに学生が成長できるよう、きちんとフィードバックしたり、相談に乗ったりすることに努めています。特に、仕事を通して悩みを抱える学生もいますので、折に触れて1on1(個別面談)も行うようにしています。

加えて、当社は「得意なこと1つを極め、社会において決定的な役割を果たす」というクレド(行動指針)を掲げているので、やりたい仕事、やりたくない仕事を把握することにも気をかけています。

例えば、公認会計士を志望しているからといって必ずしも、会計に関する業務が好きというわけではありません。「そもそも、どんなことをやりたいのか」「何が得意か」などの本音をしっかり聞いたうえで、学生の才能を発掘していくのも我々の責務だと考えています。

編集部

公認会計士や税理士を目指す学生が多いことから、勉強会も開催しているそうですね。

世戸口さん

はい。土日の朝に受験生向けの勉強会を開いています。先日は、「朝8時から12時まで絶対に一言も喋らない」というルールを設け、集中して勉強していましたね。その後みんなでランチを食べたりと、リフレッシュの機会にもなっています。

はてなベースの風土:「自分ごと」として働けるよう数字を共有

はてなベース株式会社のオフィスで仕事に取り組む社員の様子

編集部

若いメンバーがモチベーション高く業務に取り組むために、はてなベースが実施している施策はあるでしょうか。

世戸口さん

当社の方針として経営の透明度を高めるということは意識しているので、経営状況についてしっかりと共有しているのは特徴的かもしれません。

私たちは月初めにすぐ資産・売上など業績に関するデータをまとめ、学生インターンを含めた社員にすべて開示しています。皆の努力でどの程度利益が上がり、それをどこに投じているのかもすべてつまびらかにしているんです。私の交際費の内訳までも、全て会議で共有しているほどです(笑)。

こうすることで会社への信頼感が生まれますし、数字が把握できるため「自分も一緒にベンチャーを経営している」という意識をもって、業務に当たってくれるようになります。

編集部

その他の取り組みがあれば教えてください。

世戸口さん

個々のプロジェクトに対して、インセンティブを設定しています。ある案件が完了して利益がしっかりと出たのであれば、会社が費用を負担して「良いご飯を食べておいで」と伝えることも多いです。

このような食事会や飲み会の機会は多くて、当社では「20時以降はお酒を飲んでOK」と明言しています。私自身お酒が好きなこともあるのですが、これを理由に入社を決めた人もいるほどです。

あとは、お酒のほかにも「仕事後は近くの公園でモルックをし放題」といった遊び心のある条件も提示しています。リラックスした雰囲気に惹かれて入社を決める方も多いですね。

はてなベースの求める人材像:「とにかく動く人」を歓迎

はてなベース株式会社代表取締役の世戸口さん

編集部

最後に、はてなベースに関心を寄せた読者の皆様にメッセージをお願いします。

世戸口さん

ベンチャー企業を志望する人の多くが、「短期間で成長したい」「何者かになりたい」という思いを持っていると思います。

そのような方々に伝えたいのは、考えるより手足が先に動く人、将来何をやりたいか決まっていなくても、現状に焦りを感じて「とにかく動きます」という人こそ、ベンチャーにやってくるべきということです。私はそういう場所を提供する立場でありたいと考えています。

最近の若い世代は大企業志向がだんだん薄れていっている印象です。とはいえ、20代でいきなり起業するのではなく、1年か2年、事業会社で「修行期間」を経験したほうがよいでしょう。その経験を積むのに、ベンチャーでのインターンは最適だと思います。

また、特に高学歴の学生には、ある種の「泥臭さ」を経験してほしいと思います。若いうちにビジネスの実態を知ることで、その後、例えば起業したり、転職したりする場合も、自分のスタートラインが大きく変わってくるはずです。

当社ではいま申し上げたような経験をすることができますし、大きく成長する機会も提供でき、若い皆さんには最適な場所だと考えています。即戦力としての専門人材はもちろん大歓迎ですが、そうではない学生や若手にもぜひ来ていただきたいです。

しいて条件を挙げるとすれば、先ほどご紹介したクレドにもありますが、その道を極めようとする意思がある方が望ましいです。例えばエンジニアリングを全くやったことがなくても、「頑張って週5で出社します」と言うような情熱のある方なら、しっかり育成していく覚悟はありますし、大歓迎です。

ぜひ、はてなベースに関心をもっていただければうれしいです。

編集部

はてなベースは、学生のうちから、責任あるプロジェクトを任されるなど、成長の場、自己実現の場となる企業であることが、インタビューからよく理解できました。本日は貴重な時間をいただき、ありがとうございました。

この記事のまとめ

はてなベース株式会社の事業 ・税理士事務所や中小企業向けの業務改善支援、会計・経理効率化支援、研修事業を展開
メンバー構成 ・従業員約40名(うちフルタイム7名)、20代の若手や学生インターンが中心
・会計士チーム、開発チーム、クリエイティブチームに分かれており、専門性のあるメンバーが揃う
組織文化 ・学生に成長機会を提供し、Win-Winの関係構築を目指す
・経営の透明性重視(業績データを全社員に開示)
・プロジェクト完了時のインセンティブあり(食事会など)
採用方針 ・「とにかく動く人」を重視
・専門性よりも成長意欲を重視
・特定分野を極める意思がある人材を歓迎

はてなベース株式会社の基本情報

はてなベース株式会社のオフィスに飾られた証明書や置物

住所 東京都新宿区愛住町23-1 woody21 6階
事業内容 ・kintone(キントーン)導入支援事業
・バックオフィス業務改善事業
・教育研修事業
設立 2023年2月
公式ページ https://hatenabase.jp/
採用ページ https://hatenabase.jp/recruit/
募集職種 ・研修事業のプロジェクトマネージャー(クリエイティブの基礎知識がある人を歓迎)
・バックオフィス(経理・総務・法務・採用)