ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社大松運輸(だいまつうんゆ)にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
1980年に設立された株式会社大松運輸は、神奈川県内を中心にキッチン・トイレ・洗面台をはじめとする住宅建材の運搬を手掛けています。2006年には二代目の仲松秀樹さんが代表取締役に就任し、自らの現場経験を基に「休みを取りやすい」「仲間意識を強める」といった労働環境の改善をスタート。
その結果、当時20人ほどだった社員数は120人以上に増え、日曜・祝日の完全定休や残業の削減、土曜の休暇取得などを実現しています。また、若手・未経験者の採用にも積極的で、独自の「検定」制度や運転免許取得サポート、アスリート採用といった取り組みも豊富です。
今回は、代表取締役の仲松さんから、同社の働き方や社員同士のつながりを重視するカルチャー、求める人物像などについて伺いました。
大松運輸の若手活躍:10代から30代までの社員が多い環境
編集部
大松運輸は若手を積極的に採用しているそうですね。社員の平均年齢は何歳ぐらいでしょうか?
仲松さん
平均年齢は37〜38歳です。40代・50代以上が主流といわれる運送業界では珍しく、高校を卒業して間もない10代や、大学を出たばかりの20代、30代前半の社員がたくさんいます。もちろん40代・50代以上のベテランも在籍し、先輩の姿を見ながら仕事を覚えられる環境です。
編集部
住宅建材を中心に運ばれているということですが、ドライバーの仕事内容についても教えていただけますか?
仲松さん
メインの仕事は、担当になったエリアの拠点から建材をトラックに載せ、お客さんが決めた現場に運ぶことです。高層マンションを指定された場合は、エレベーターに入らない建材を持って階段を上がることもあります。
移動が多い仕事なので、あっという間に勤務時間が終わるようです。運転が好きだったり、体を動かして働きたかったりする人は、きっとやりがいを感じていただけると思いますよ。
ほぼ全員が未経験からの採用。検定制度などで独り立ちをサポート
編集部
業界未経験で転職してきた方々には、どのようなサポートをしていますか?
仲松さん
段階を踏んで、仕事を覚えられるようにしています。弊社は未経験からスタートした社員がほとんどなので、「経験がないところから独り立ちするまでの流れ」が体系化されているんですね。
採用後はいきなりトラックに乗るのではなく、倉庫で荷物の検品を通して商品を覚えてもらいます。ある程度の荷物や商材を覚えたところで、先輩社員の現場に同行するんです。現場に立ち会い、先輩が働く姿を見ながらお客さんとのやり取りやトラブルへの対応などを学んでいきます。トラックに乗るようになっても、しばらくは責任者が同乗して「独り立ち」をサポートします。
編集部
どのような状態になったときに、独り立ちが認められるのでしょうか?
仲松さん
弊社が独自に設けた「検定」があり、そこではドライバーに必要となる能力を運転や現場対応などのチェック項目で分けているのですが、これに合格した段階で独り立ちしたと判断されます。個人差はありますが、免許のない方の場合は入社から1年ぐらいをかけて独り立ちを目指します。
編集部
自動車免許の取得に関するサポートはありますか?
仲松さん
もちろんです。普通自動車免許でトラックに乗ることは不可能なので、中型免許もしくは準中型免許を取得する必要がありますが、取得にかかる費用は弊社が全て負担します。もちろん給料から天引きするようなこともないので、安心していただきたいですね。
日曜・祝日は完全定休。残業が少ない環境で、メリハリをつけて働ける
▲各拠点に設けられた倉庫。ここから近隣地域へ配送するため移動の負担が少ない
編集部
若手社員の方々は、御社のどのような点に魅力を感じて入社するのでしょうか?
仲松さん
一昔前のトラックドライバーのイメージでありがちな「昼夜を問わずに運転し、荷物を届ける」という過酷な働き方ではなく、一般企業のように働く・休むのメリハリをつけられる点に魅力を感じてくれるようです。
弊社は日曜日と祝日が完全休みで、住宅建材を手掛ける仕事柄、基本的に8〜17時で仕事が終了します。住宅街で作業をするため、早朝や遅い時間になると近隣の方々にご迷惑をおかけしてしまうためです。
また、2024年に物流の過酷な労働状況が問題視され、行政からも「月に80時間、年間で960時間以上の残業をさせないように」と通達がありました。お客さんには私たちのほうから事情を説明し、規定時間を超えない範囲での依頼をお願いしています。
編集部
土曜日も、平日と変わらない仕事量なのでしょうか?
仲松さん
土曜日が休みのお客さんも増えてきたため、仕事量はそれほど多くありません。家族や友人の予定に合わせて、土曜日に休暇を取ることも可能です。
現在は「湾岸エリア」「横浜・町田エリア」「湘南・厚木・平塚エリア」の3カ所に拠点を設け、建材のエリア配送を実現させました。初の試みでしたが、効率性が上がってお客さんからの注文数が増えましたね。配送エリアが絞られた分、社員の体力的な負担も減ったようです。
スペシャリストや営業・採用・配車担当など、さまざまなキャリアを描ける
編集部
ドライバーとして採用された後、管理職などを目指すこともできますか?
仲松さん
もちろんです。社員数の増加とともに、管理職以外に営業や採用、配車担当といったキャリアの選択も可能になっています。実際、今挙げたような職種の社員はすべて元ドライバーなんです。ドライバーとして経験を積み、本人が別の職種を目指すのであれば、適性などを見ながら会社としても応えていますね。
一方、ドライバーで稼ぎたい社員のために「スペシャリスト制度」も用意しています。ドライバーの経験年数やスキルを評価する制度で、職種を変えなくても給料が上がっていく仕組みです。
大松運輸ならでは!挑戦をバックアップするアスリート採用
▲アスリート社員の喜田奈南子さん(左)と中西修平さん(右)。どちらも陸上選手として活躍
編集部
大松運輸は、競技と仕事を両立して続けられる「アスリート採用」を積極的に実施しているそうですが、その背景を教えていただけますか?
仲松さん
スポーツに打ち込んでいるアスリートには体力や根性がある方が多く、弊社の仕事に向いていると思ったからです。また、有名選手にはスポンサードなどの声がかかることもありますが、今から結果を出していきたいという多くのアスリートは競技の継続と就職の問題に悩んでいると聞いたので、そこを手助けしたいという考えもあります。
弊社の仕事はある程度の勤務時間が決まっているので、競技と両立しやすいと考えました。もちろん一般の社員と同じ仕事量ではなく、午前中に配達して午後からは競技の練習に打ち込むというように配慮したサイクルになっています。
編集部
実際に、どのようなアスリートの方々が在籍しているのでしょうか?
仲松さん
アスリート社員では、喜田奈南子さんの活躍が目ざましいですね。陸上の100メートル・200メートルに取り組む喜田さんは、日本選手権(2024年)への出場まであと一歩だったようです。
彼女は日本選手権の基準タイムはクリアしていたものの、大会出場権は獲得できませんでした。彼女の頑張りはニュースの特集で取り上げられ、注目を浴びたんです。悔しさにも負けず、2028年のロサンゼルス五輪に向けた練習をスタートしています。
▲アスリート社員の柿沼芳さん(左)と黒木心貴さん(中)。トレーニングルーム(右)も使って日々練習に励んでいる
編集部
半日の勤務とのことですが、給料や福利厚生は変わるのでしょうか?
仲松さん
いいえ。弊社のユニフォームを着てもらうことで宣伝効果が期待できるため、新卒と同じ給料を支給しています。家賃の補助はもちろん、競技に参加する場合には「競技手当」も渡します。
さらに本社には15〜20畳ほどのトレーニングルームがあり、空いた時間で体を鍛えることが可能です。ちなみにトレーニングルームはアスリートに限らず、一般の社員たちも使えますよ。
編集部
そこまでのサポートがあると、思い切り競技に打ち込めますね。競技を引退した後、一般社員になることは可能ですか?
仲松さん
もちろん可能です。弊社としては、アスリートの方々のセカンドキャリアを応援したいと思っています。満足がいくまで競技に打ち込んだ後には、ぜひ社員になってもらいたいですね。
若手も馴染みやすい。大松運輸のアットホームな社風
編集部
働き方について伺ってきましたが、社員同士の雰囲気はいかがでしょうか?
仲松さん
運送会社に少し怖いイメージを持たれている人も多いかもしれませんが、弊社は例外です。40代以上のベテラン社員も気さくな人ばかりで、会うと向こうから「お疲れさま!」と声をかけてくれますよ。社内で実施したアンケートでも、「居心地の良さ」の項目が高く評価されています。
2024年は年度初めの総会で懇親会を含めたパーティーがあったのですが、10代から50代以上までがざっくばらんに話しながら大いに楽しんでいました。会社としては締まらない部分もあるのですが(笑)、若手社員にとって居心地の良い雰囲気は弊社の強みだと思っています。
▲社員が集った「総会」の様子。写真からも和やかな雰囲気が伝わってくる
社員旅行でメンバーの絆を深める。代表の故郷である沖縄も計画中
編集部
社員旅行など、社員同士の絆を深める機会はありますか?
仲松さん
はい。45周年を迎えた2024年は、神奈川県の湯河原で1泊する社員旅行を企画しました。また、2023年には私の故郷である沖縄県にも事業所が誕生して10名ほどの社員が在籍しているのですが、沖縄の社員には、宮古島への社員旅行を計画中です。
沖縄本島出身者はあまり離島には行かないので、離島に出向くプランを考えました。離島もさまざまあるのですが、「まずは会長が生まれ育った宮古島からスタートしよう」ということになりました。
神奈川の社員もこれまで沖縄に何度か行っているのですが、実は今度私と若手社員で沖縄に出向く予定です。「社長と一緒に沖縄旅行がしたいです!」と言ってくれたので、「ちゃんと旅費は出すんだぞ!」と釘を刺しておきました(笑)。
大松運輸が求めるのは「報告・連絡・相談」のコミュニケーション力
▲取材に対応いただいた、代表取締役の仲松秀樹さん
編集部
採用の際に、重視するスキルを教えていただけますか?
仲松さん
特に大切にしたいのは、報告・連絡・相談を要とする「コミュニケーション力」です。独り立ちした後にはトラックを1人で配送してもらうものの、お客さんや他の社員とのコミュニケーションを取りながら業務を進める必要があります。
弊社は建材の運搬から設置までのサポートをトータルで請け負うため、お客さんごとに要望が異なります。中には、指定された場所に鍵がなかったり、住所が間違っていたりするケースもあるんですね。その際に自分の判断だけで動かず、お客さんに連絡をして状況を説明し、解決する力が求められます。
編集部
最後に、転職を考えている方々に向けたメッセージをお願いします。
仲松さん
私自身、20代のころにトラックのドライバーをしていました。2024年問題で注目を浴びる前からずっと、「思うように休めない」「1人で責任を負う」物流の過酷な労働環境に限界を感じていたんです。
2006年に父から大松運輸の社長職を引き継いで以来、定休日があって社員同士のつながりが強い組織づくりに注力してきました。おかげさまで社員数も約20人から約120人に増え、1人ひとりが心にゆとりを持って業務にあたれるようになってきています。
日曜・祝日が完全に休みかつ残業も少ない環境なので、プライベートを大切にして働きたい方はぜひ応募してください。
編集部
本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
編集後記
記事のまとめ
事業の特徴 | ・住宅建材(トイレ・お風呂など)に特化 ・エリア配送制度を導入(神奈川県内に3拠点) ・顧客の希望を汲んだ対応に強み(指定場所への運び込みなど) |
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社員構成・採用の特徴 | ・若手中心の職場(平均年齢37~38歳) ・アスリート採用(競技と仕事の両立をサポート) ・学歴・経験不問(ほぼ全員が未経験からのスタート) |
教育・サポート体制 | ・免許取得費用は会社負担(全額) ・倉庫から現場へと段階を踏んだ研修 ・独自の検定制度(合格まで責任者が同行) ・約1年の育成期間を設定(未経験者の場合) |
働き方・福利厚生 | ・日曜・祝日は完全定休(土曜も仕事量が少ない) ・労働基準を順守(残業は月80時間・年960時間以内) ・沖縄などへの社員旅行 |
職場環境・社風 | ・アットホームな社風 ・「居心地の良さ」に満足する社員多数 ・本社にはトレーニングルームを完備 |
株式会社大松運輸の基本情報
住所 | 神奈川県横浜市金沢区幸浦2-14-2 |
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事業内容 | ・一般区域貨物自動車運送 ・倉庫保管 ・梱包包装 ・内装工事 ・産業廃棄物収集運搬 ・古物の売買 |
設立 | 1980年9月 |
公式ページ | https://www.t-daimatsu.com/ |
採用ページ | https://www.t-daimatsu.com/recruit/ |
募集職種 | ドライバー |