ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、トライアドジャパン株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
トライアドジャパン株式会社は、1995年の設立以来、「患者・医師・薬局が三位一体となった医療環境づくり」を理念に掲げ、地域医療の発展に貢献してきました。神奈川県を中心に「かもめ薬局」を展開する薬局事業、新薬開発の支援を行う治験・臨床研究事業、医療従事者向けコンテンツ制作を行うクリエイティブ事業など、多岐にわたる事業を展開しています。
精神科領域に強みを持つことから心理評価者派遣事業や被験者募集事業も手がけるなど、成長を続ける同社。その飛躍を支えているのが、事業部全体で8割以上を占める女性社員の活躍です。総合病院の看護師や児童福祉施設の心理士、出版社の編集者といった異業種からの転職により、新たなキャリアに挑戦している女性が多いことも大きな特徴です。
本取材では、治験・臨床研究事業で着実に実績を重ねている医薬開発本部の皆さんにインタビューを実施。同事業部は、SMO事業(※)として治験を実施する医療機関と契約し、治験の「調整役」となる治験コーディネーター(CRC:Clinical Research Coordinator)の派遣をはじめ、治験に関するさまざまな業務支援を行っています。
(※)SMO:Site Management Organization。治験施設支援機関の略
今回は、治験コーディネーターの三竹さんと半谷さん、被験者募集業務に携わる石黒さんに、トライアドジャパン株式会社の女性活躍事例や働きやすい職場環境などについてお話を聞かせていただきました。
女性活躍:前職で培った専門性やスキルを活かして新たなキャリアに挑戦
編集部
御社では、CRC、PROの業務において中途入社の女性が多数活躍されていると伺いました。まずは三竹さんと半谷さん、CRCのお仕事の特徴について教えてください。
三竹さん
CRCとは、Clinical Research Coordinatorの略で、治験コーディネーターとも呼ばれています。
「治験」というと、「なんだか怖い」「危なそう」といった印象を抱く方や「人体実験」と誤解されることもありますが、実際にはGCP省令という厚生労働省の定めた法令に則り、厳しいルールのもと、安全を第一に進められています。有効性と安全性が確認された新しい薬や医療機器を世の中に出すためには臨床試験(治験)が不可欠で、私たちCRCは治験におけるあらゆる「調整業務」を担っています。
CRCは医療行為を行うことはありませんが、医療知識は当然求められますし、有効性などが確立されていない「くすりのもと」を扱う分、医療機関の医師や看護師と密な連携を取り、患者さんの健康状態をしっかり管理しながら手厚くサポートする重要な業務です。
具体的な業務としては、私たちがSMOとして支援している医療機関に足を運び、医師や患者さん、製薬会社の間に立ち、治験がスムーズに進むように調整します。
例えば、治験の進め方について、製薬会社の要望と医師の考えが異なる際は、間に立って両者の意見を調整しますし、治験の厳しいルールを守りながらも円滑に進められるよう、業務を行うチーム内の調整も行います。
また、治験に参加してくださる患者さんのサポートも重要な仕事です。治験薬の服用状況の確認や、来院スケジュール管理など、患者さんが安心して治験に参加できるようにきめ細やかなサポートを心がけています。
▲トライアドジャパン株式会社におけるSMO事業部門のメンバー
半谷さん
私も三竹さんと同様にCRCとしてクリニックの治験業務を支援していますが、臨床心理士として心理評価も担当しています。治験ごとに決められている評価項目があり、例えば認知症の治験であれば認知機能に関わる評価を実施します。これが治験薬の効果を評価する主要な項目となるので、非常に重要な業務です。精神科や高齢者向けのクリニックなど、様々な医療機関で心理評価を行っています。
編集部
続いて、石黒さんが担当されているPROの業務内容についてもご紹介ください。
石黒さん
PROとは「Patient Recruitment Organization」の略で、医薬品開発における臨床試験(治験)の被験者募集活動のことです。新しい薬の安全性や効果を確認する「治験」では、参加してくださる方を集めることもとても重要です。私たちは、自社サービスサイト「トライアド治験ネット」を運営しながら、治験に参加いただける方を適切な方法で募集・管理し、医療機関にご紹介しています。
ちなみに、当事業部の中でも一番新しい事業体なので、成長の可能性もありますし、目標に向かってチームで努力して達成感を味わえるような環境ですね。
■お話に登場した「トライアド治験ネット」はこちら!
https://triad-chiken.net/
▲PROのミーティング風景
やりがい:「患者さんと深い関係を築ける」「主体的な行動が求められる」など
編集部
CRCとPROのお仕事のやりがいについても教えていただけますか。
三竹さん
患者さんとじっくりお話する機会が多く、深い関係性を築けることにやりがいを感じています。前職では総合病院のICUで勤務していたこともあり、患者さんと向き合う時間がなかなか取れませんでした。しかし、今は「三竹さん」と患者さんのほうから話しかけていただくことも多く、頼りにしていただけていることを肌で感じ、モチベーションにつながっています。
また、業務に慣れて一つの施設を任せてもらえるようになると、自分の裁量で仕事ができる点にも働きがいを感じます。基本的に治験は製薬会社が定めた条件の中での活動になりますが、例えば症例の組み入れについて、医療機関の了承を得られれば自分から提案することも可能です。また、上長に相談しながらではありますが、日々の業務を自分のやりやすい方法で進めることができ、主体的な行動を推進する文化がある会社だと感じています。
半谷さん
私も、主体的な行動を求められる点にやりがいを感じています。精神科から内科領域まで、規模や患者数も異なるさまざまな病院やクリニックを訪問し、医師やスタッフの方とコミュニケーションをとりながら治験の支援を進めていく必要があるため、常に主体的に動いていないと業務が回らないんですよね。
ただ、わからないことがあれば先輩方へ気軽に相談できる環境で、「そういう時はこうやればいいよ」と状況に応じたアドバイスをいただけるので非常に心強いです。主体的に動きながらも、必要なときはサポートを受けられる、そんな会社の仕組みや流れがあることで、高いモチベーションをもって業務に臨めています。
また、CRCとして薬の開発に携われることにも働きがいを感じます。実は前職の児童福祉施設においても、子どもたちが児童精神科系のお薬を服用することがありました。ただ、保護者や子どもたち自身が「精神科系のお薬は悪いもの」という意識を持っていることが多く、服薬に抵抗感を示されることが気になっていたんです。そういった経緯から「子どもも大人も安心して服用できる薬の開発に関わってみたい」と考えて当社への転職を志したため、今まさにその希望が達成できていることに喜びを感じています。
石黒さん
私の場合は、PRO事業の立ち上げに参加したり、当社が精神科領域に強みを持っている関係から、心理療法を行う対人支援の事業企画に関わったりと、編集者時代には想像していなかった、さまざまなチャレンジができることにやりがいを感じています。
また、業務における意思決定のスピードが速くて、上長へ新規の取り組みを提案した際に「やってみましょう!」と快く承認をいただけることが多く、失敗を恐れるあまり行動を起こさないよりも、まずは挑戦することの大切さを学びました。大変な時もありますが、主体的に動くことで、仕事自体がとても楽しくなりましたね。
▲トライアドジャパン株式会社では社員向けの研修も充実
働き方:ハイブリッドワーク&フレックス制度で自由度が高い
編集部
御社では、ワークライフバランス重視の働き方を推進されていると伺いました。具体的な取り組みについて教えていただけますか。
石黒さん
PROの業務においては、コロナ禍を経て「出社+リモートワーク」のハイブリッドワークが定着しており、特に育児と両立している社員から好評です。
出社日数に関する明確な規定はなく、業務に支障がなければ柔軟に働き方を選べる方針となっています。平均的には出社と在宅の比率が3:2ほどで勤務しているケースが多いです。
三竹さん
CRCは医療機関での業務がメインなので、「リモートワークをもう少し増やせたら嬉しい」といった要望を会社に伝えているところです(笑)。残務作業がある場合にリモートへと切り替えて行うこともできますが、CRCの業務特性上、現時点においては朝からすべての業務をリモートで行うことは難しい状況ですね。
編集部
リモートワーク以外に特徴的な働き方はありますか?
半谷さん
私の場合はフルフレックスでコアタイムもなく、勤務時間の自由度が高い柔軟な働き方を実現できています。被験者さんへの対応がない場合は土日祝日に休めますし、年末年始もしっかり休暇が取れて、とても働きやすい環境だと感じています。
三竹さん
私もフレックス制度のありがたさを実感しています。子どもの体調が悪くて午前中に病院を受診してから出勤したい時や、通院の関係で中抜けしたい時、子どもの学校行事で早めに帰りたい時などは、一カ月の規定勤務時間内で調整すれば問題ありません。極端な例ではありますが、規定労働時間が確保できれば30分だけ働いて帰ることもでき、子育てとの両立のしやすさを実感しています。
福利厚生:資格取得・維持のための支援制度あり
編集部
御社には資格に関する支援制度があるそうですが、具体的にどのようなサポートを受けられるのでしょうか。
半谷さん
医療系資格に対する取得手当があり、具体的には看護師・薬剤師・臨床心理士・臨床検査技師の4職種に対して資格に応じた手当が給与に組み込まれます。
さらに、資格維持のための奨励制度も設けられています。CRCや臨床心理士の資格に関しては、資格を維持するためには毎年学会に参加して資格取得のためのポイントを収集しなければならないのですが、そのための時間を勤務時間として計上できる仕組みです。学会参加費用の補助も受けられ、とても助かっています。
求める人材:協調性があり主体的に取り組める方、看護師経験者を歓迎
編集部
最後に、御社で求める人物像も含め、転職希望者へのメッセージをいただけますでしょうか。
石黒さん
当事業部として求める人材像としては、真面目に仕事に取り組める方、そして主体的に業務を積み重ねていける方でしょうか。PROは基本的にチームで動くため、個人のスキルを高めることも大事ですが、チームで協力しながら目標に向かって進んでいける方を歓迎します。
半谷さん
当社では未経験からの入社も多く、私自身もその一人でした。そういった環境なので、わからないことをきちんと質問でき、教えてもらったことを素直に受け取れる方が働きやすいと思います。「忙しそうだから質問を控えよう」と思ってしまうと、問題が解決されないまま時間が過ぎてしまい、後で取り返しがつかなくなることもあるためです。
わからないことを質問すれば必ず誰かが教えてくれる環境があるので、素直に質問し、それを実践していける方が向いていると思います。
三竹さん
CRCにおいては、特に看護師経験者の方を歓迎します。看護師はチームプレーの仕事なので、指示がなくても主体的に行動できたり、「誰かの役に立ちたい」という想いを持って働く方が多いと思います。そういった方にCRCの仕事は天職だと感じています。
また、治験に参加中の患者さんの変化を、近くで見守ることができるため、「患者さんとより深く関わりたい」と考えている看護師の方にも向いていると思います。また、CRCの場合は夜勤がないため、夜勤に疲れを感じている方にもおすすめです(笑)!
編集部
本日はありがとうございました!
編集後記
この記事のまとめ
働き方の特徴 |
|
---|---|
社風・カルチャー |
|
キャリアの特徴 |
|
仕事の魅力 |
|
福利厚生 |
|
トライアドジャパン株式会社の基本情報
住所 | 東京オフィス:東京都渋谷区千駄ケ谷4丁目26番11号 本社:神奈川県相模原市南区相模大野3丁目14番20号 |
---|---|
事業内容 | 【保険薬局事業】 ・保険薬局の展開(高機能薬局、健康サポート薬局、地域密着型薬局など) ・在宅医療支援 【治験・臨床研究事業】 ・新薬開発及び支援(SMO) 【クリエイティブ事業】 ・医療従事者向けコンテンツの企画・編集 【その他】 ・各種セミナーの開催、薬剤師教育、医薬部外品・化粧品・健康食品の製造・販売 ・独立支援 |
設立 | 1995年12月 |
働き方 | ・フルフレックス制 ・リモートワークとオフィスワークのハイブリッド勤務が可能(部署による) |
公式ページ | https://www.triad-j.co.jp/ |
採用ページ | https://www.triad-j.co.jp/recruit/ https://www.triad-iyaku.com/ (SMOの採用ページ) |
募集職種 | ・治験コーディネーター(CRC) →看護師、薬剤師、臨床検査技師、臨床心理士などの医療系有資格者で、臨床経験1年以上の方 ・治験コーディネーター兼臨床心理士(CRCと臨床心理士兼任者) ・被験者募集業務スタッフ(PRO) →医療分野での業務経験(経験年数は不問)または医療系資格をお持ちの方 |