環境問題型企業の株式会社サティスファクトリー。地球にも人にもやさしい文化とは

独自のビジネスと女性の活躍で成長を続ける企業をインタビューする本企画。今回は、廃棄物マネジメントや環境コンサルティングなど、持続可能な社会の構築につながるビジネスを展開している株式会社サティスファクトリーにお話を伺いました。

株式会社サティスファクトリーとは

株式会社サティスファクトリーが掲げる理念「社会を100年先につなぐ」
▲「社会を100年先につなぐ」を使命に掲げ、環境問題の解決につながるビジネスを展開している(公式ページより)

「社会を100年先につなぐ」を理念として掲げる株式会社サティスファクトリーは、環境問題解決に結び付くビジネスを推進しています。

手掛けるビジネスは「廃棄物マネジメント事業」「環境コンサルティング事業」「再資源化プロダクト事業」「環境教育事業」です。企業や飲食店から出る廃棄物処理の一括手配のほか、独自の再生材を使ったオリジナル商品の開発などを手掛けています。

会社名 株式会社サティスファクトリー
住所 東京都中央区八丁堀三丁目12番8号HF八丁堀ビルディング8F
事業内容 廃棄物マネジメント事業、環境コンサルティング事業、再資源化プロダクト事業、環境教育事業
設立 1996年11月13日
公式ページ https://www.sfinter.com/

株式会社サティスファクトリーの特徴は、社員の7割が女性で、多くの女性社員が活躍していることです。女性活躍の要因や、事業がどのようにSDGs(持続可能な開発目標)に貢献しているのかについて、環境コンサルティング事業本部コミュニケーション戦略室の北澤晴美さん、梅田弘香さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社サティスファクトリーの北澤さん

株式会社サティスファクトリー
環境コンサルティング事業本部コミュニケーション戦略室

北澤 晴美さん

株式会社サティスファクトリーの梅田さん

株式会社サティスファクトリー
環境コンサルティング事業本部コミュニケーション戦略室

梅田 弘香さん

「社会を100年先につなぐ環境問題解決企業」にできること

株式会社サティスファクトリーの事業イメージ図
▲環境・エネルギー問題解決に結び付く4つの領域のビジネスを展開している(公式ページより)

編集部

初めに、サティスファクトリーさんの事業内容について教えてください。

北澤さん

サティスファクトリーは「社会を100年先につなぐ環境問題解決企業」として、廃棄物処理や資源循環に係る4つの事業を展開しています。

まず、全ての事業の柱となるのが、廃棄物マネジメント事業です。企業様や店舗様の廃棄物処理に関する管理業務を一括で担わせていただいております。お客様に代わり、サティスファクトリーが企業の廃棄物対策課になるというイメージです。

ゴミの収集手配から処理にかかるコストの適正化、リサイクルによる廃棄物の減量を支援するサービスを提供しています。

ここから派生して、近年ご相談が急増しているのが、環境コンサルティング事業であり、企業の経営企画部やCSR部、広報部向けにサスティナビリティ戦略支援を展開しております。今や多くの企業がSDGsやESGの目標達成を目指す中で、資源循環や脱炭素は欠かせない施策になりつつあります。

サティスファクトリーは「SDGsの取り組みについてまず何をすれば良いか分からない」という段階から「サステナビリティを伴った分野で新しい事業を創出したい」といった幅広いお悩みについて、解決策を提案しております。

編集部

環境に関連する分野について幅広くコンサルティングサービスを提供しているのですね。再資源化プロダクト事業、環境教育事業についてもお教えください。

北澤さん

再資源化プロダクト事業では、「資源をどのように回収し、どのような価値ある商品に形を変えるか」という一連の流れを構築するお手伝いをさせていただいております。加えて、その取り組みによる環境効果の算出や情報発信も実施しています。

環境教育事業で実施しているのは、環境ワークショップやサステナブル研修などのプログラム提供です。そのほか、企業様から不要になったサンプル品などの資源を提供いただき、環境を学ぶ工作教材として小学校などに提供する取り組みも進めています。

子どもだけでなく、大人にも環境問題解決の意識を高めてもらうことが、「社会を100年先につなぐ」の実現に結び付くと考えています。

編集部

持続可能な社会の実現のため、企業だけでなく個人の意識を高める取り組みも行われているのですね。

あらゆる企業を巻き込んだ再資源化プロジェクト

株式会社サティスファクトリーが開発した99%再生材ゴミ袋の「FUROSHIKI」
▲サティスファクトリーさんが開発した99%再生材ゴミ袋「FUROSHIKI」

編集部

サティスファクトリーさんの事業は全てSDGsに結び付くものですが、その中でも主軸になっている取り組みは何でしょうか?

北澤さん

サティスファクトリーではSDGs達成に向けて、「資源利用の見直し」というところに力を入れています。

日本は国土が狭いこともあり、8割のゴミが焼却処分されています。焼却処分では大量のCO2が排出されますが、リサイクルに努めることでゴミの量を減らすことができ、CO2排出削減=地球温暖化の防止につながるのです。

そのため、「企業の廃棄物を何に生まれ変わらせることができるか」というところに焦点を当て、資源循環や再資源化を提案させていただいております。例の一つが、サティスファクトリーが開発した99%再生材のゴミ袋「FUROSHIKI」です。企業から出る廃プラスチックを回収し、ゴミ袋として生まれ変わらせています。

企業様の廃プラスチックの処理方法を焼却処理から再生処理に切り替えていただくこと、そしてFUROSHIKIを実際に導入いただくことで、ゴミ処理のコストやCO2の排出量を削減できるのです。

この一連の取り組みは「CO2 5000t削減プロジェクト」と題して、10,000事業所を超える企業様との協創を進めております。

編集部

独自で開発したプロダクトを活用して、いろいろな企業を巻き込みながらSDGs達成を目指しているのですね。ほかに取り組まれているプロジェクトはございますでしょうか?

北澤さん

サティスファクトリーでは、成田空港様と共同で、空港から出る廃棄物を再資源化するプロジェクトに取り組んでいます。このプロジェクトでは、JAL様やANA様にご参加いただき、空港で発生する廃プラスチックなどの回収をサティスファクトリーが手配し、FUROSHIKIや輸送用資材に再生しています。今後は、さらに航空業界の企業様を巻き込み、資源循環の輪を広げていく予定です。

編集部

サティスファクトリーさん単体でというよりは、多くの企業を巻き込んでいこうという姿勢が見られますね。

北澤さん

1社だけの取り組みでは、なかなか再資源化の効率化には結びつきません。しかし、再資源化についてどの企業様も同じ悩みを持っています。ですので、参加しやすく始めやすい枠組みを作ることが大切なのです。サティスファクトリーはそんな土台作りができる会社だと思います。

廃棄物に関するルールを網羅していることが信頼の理由

株式会社サティスファクトリーの社員の営業の様子

編集部

協創プロジェクトではさまざまな企業の協力が必要不可欠だと思います。多くの企業から信頼を得ている要因としては何が挙げられるでしょうか?

北澤さん

サティスファクトリーの強みとしては、全ての地域のゴミに関するルールや慣習に対応できる体制があることが挙げられます。ゴミの処理については市区町村レベルでルールが違いますよね。そのルールについての現場での運用に長けている会社というのは、ほかにないのではないでしょうか。

リサイクルに関する取り組みを始めたいという企業様のなかには、全国に拠点を持っている大規模の企業様もいらっしゃいます。ですので、全ての拠点のルールに対応していないと、現場が動かせないのです。

そうしたこともあり、「全国対応できる」「どの処理方法、どの品目も任せられる」ということで、サティスファクトリーにお声がけいただけているのかなと思います。

編集部

企業のゴミの処理というのは、想像以上に難しい問題なのですね。

北澤さん

企業は物を捨てるということに対し、私たちが想像する以上のコストをかけているものです。

コスト削減の対象として挙げられやすいのは、光熱費などの固定費です。ゴミ処理も同様に必要不可欠なインフラなのですが、どうすれば改善できるか条件がわかりづらく、交渉が難しいと思われているのです。ゴミ処理に関しては体系化された情報が少ないからこそ、これを熟知してお客様に代わって対応できるプロがいることに意義があると考えています。

編集部

廃棄物業界ならではの事情があるのですね。

多くの女性が理念に共感し入社。女性社員は7割

商談に臨む株式会社サティスファクトリーの女性社員たち

編集部

サティスファクトリーさんは多くの女性社員が活躍されているそうですが、社員の男女比はどのようになっているのでしょうか?

北澤さん

サティスファクトリーは7割の社員が女性です。廃棄物業界は一般的に「男性の職場」というイメージを持たれがちなので、この数字はよく驚かれます。新卒で入社する社員も、女性が多いですね。

編集部

多くの女性社員が入社する要因としては何が挙げられるでしょうか?

北澤さん

サティスファクトリーのビジネスは廃棄物処理というよりも、環境に関わる仕事というイメージが強いです。そのように捉えると、女性が興味をもちやすい会社なのかなと思います。

ただ、前提としてサティスファクトリーでは性別を意識して採用している訳ではありません。私たちの理念に共感できるかという点を重視した結果、たまたま女性が多かったという結果になりましたね。

産休育休後も同じ役職で復帰した女性社員が執行役員に昇進

株式会社サティスファクトリーのオフィス入口

編集部

実際に活躍している女性社員の事例について教えてください。

北澤さん

私がサティスファクトリーに内定したころから慕っている方がいらっしゃるのですが、その方は妊娠中に部長に昇進されて、現在は執行役員となっています。子育てなどのライフステージが変化する中でも活躍し続けている方です。

編集部

その社員さんは産休に入られたと思うのですが、復帰後も同じ役職で活躍できていたということでしょうか?

北澤さん

この方は産休育休を経た後も、同じ役職で復帰しています。産休に入る際、社長に「同じ役職で復帰する」と直談判されたそうです。社長もその思いに応えて、産休に入る前に今後の会社のビジョンや事業展開、戦略について話した上で背中を押されたと聞いています。

編集部

子育て中の社員を応援する雰囲気がサティスファクトリーさんにはあるのですね。

北澤さん

この方は、復帰への熱意であったりサティスファクトリーへの愛であったり、仕事への思いがとても強い方です。その思いを周りにも伝えていて、周囲のサポートもしっかりしていたというのはあると思います。自身が産休に入られた後もチームが回るように、事前にマニュアルを見直して細部まで更新しそれを丁寧に周囲と共有していました。

そして何よりも、上司や社長との距離が近いので、自分の思いを伝えやすい環境にあるというのがサティスファクトリーの特徴です。

編集部

社長に自分の思いを素直に打ち明けられる環境にあるからこそ、女性が伸び伸びと働くことができているのですね。

スイーツガチャやリフレクソロジー、ネイルケアなどの独自の福利厚生制度

株式会社サティスファクトリーの福利厚生制度の一つ「スイーツガチャ」で使用される箱
▲社員がおすすめしたスイーツが社内で配られる「スイーツガチャ」

編集部

女性が多いからこそ存在する福利厚生制度はあるでしょうか?

北澤さん

特徴的な福利厚生制度としては、「スイーツガチャ」が挙げられます。社員がそれぞれおすすめスイーツを紙に書いて、再利用のカプセルに入れます。カプセルは箱に入れられ、隔週で抽選を行い、当選したスイーツを社内で無料配布しています。社員にとってちょっとした楽しみになっていますね。

編集部

スイーツ配布とは珍しい制度ですね。社員同士のコミュニケーションにも結び付きそうです。ほかに特徴的な制度はあるでしょうか?

梅田さん

サティスファクトリーでは、就業時間中に社内でリフレクソロジーやネイルケアを受けることができます。毎週プロのネイリストやセラピストの方にお越しいただくため、社内で本格的な施術が提供されます。

私もリフレクソロジーを利用するのですが、肩から上など部位を指定してマッサージをしてもらいますね。マッサージ後は頭がすっきりして、仕事がはかどります。毎週予約が満席になるほどの人気のある制度なんですよ。

リフレクソロジーを受ける株式会社サティスファクトリーの社員
▲就業時間中にリフレクソロジーを受けられる

ネイルケアを受ける株式会社サティスファクトリーの社員たち
▲隔週でプロのネイリストによるネイルケアも受けられる

編集部

ユニークな福利厚生制度がたくさんあるのですね。現時点でも働きやすい職場にするための制度が充実していると思いますが、今後制度設計で力を入れていきたいことは何でしょうか?

北澤さん

サティスファクトリーとして今後力を入れていきたいのは、社員の評価制度です。実は新しい評価制度が始まったばかりで、今どのように働きたいかということだけでなく、将来どのようなキャリアを描きたいかを会社と社員一人ひとりが共有する方向で進めています。

サティスファクトリーは、社内に顔の知らない相手がいない、風通しの良い企業です。そのため自然と人間関係が作られ、それぞれの事情に合わせて時短勤務やリモートワークなど働き方を多様化してきました。そのうえで、キャリアのステップを明確にするという社内の仕組み強化を考えたのです。

まだ始まったばかりですが、社員一人ひとりが自分の役割や果たしたいことについて、より自ら提案しやすい環境になってきているのではないかと思います。上層部と社員の距離が近い会社ですので、社員たちの声を聞いて、より制度を発展させていきたいと考えています。

編集部

現状に満足するのではなく、さらに良い環境を作っていこうとするサティスファクトリーさんの姿勢が伝わってきました。

社員の行動についてポジティブな見方をするカルチャー

中庭で過ごすサティスファクトリーの社員たち

編集部

サティスファクトリーさんの社員はどんな方が多いでしょうか?

北澤さん

サティスファクトリーの社員はたくさん話を聞いてくれる、話しやすい社員が多いと思います。相談がしやすい雰囲気ですね。

サティスファクトリーが大切にしているのは、社員本人の思いを聞いて、話し合うことです。ですので、互いにとって働く上で良い方法を選択していける関係にあるといえます。私は「心穏やかに仕事をしたい」という思いを持っているのですが、そのことを上司に伝えると「いいね、応援するよ」と言ってもらえましたね。さらに、どうしたらそれが実現できるか、方法まで一緒に考えてもらえてうれしかったです。

編集部

それぞれの思いを尊重する文化が根付いているのですね。

梅田さん

サティスファクトリーの社員はそれぞれが目的意識を持って働いています。自分の業務目的や会社の事業目的が明確なので、意味もなく小言を並べるような方はいないですね。さっぱりとした方が多いというイメージがあります。

編集部

お二人のお話から、サティスファクトリーさんは心理的安全性が高い職場だと感じます。そのような実感はありますか?

北澤さん

そうですね、サティスファクトリーは基本的に社員に対してポジティブな見方をすると感じています。

ある社員が一度断られてしまった先に営業を重ねた結果、お客様からクレームが来てしまったことがあったんです。もちろんお客様に謝罪はしますし、改善点を社員と話し合います。ただ、頭ごなしに「なんでそんなことをしてしまったのか」と怒るようなことはありません。

この社員を「しつこい」と見ることはできますが、「粘り強い」という見方もできますよね。これらは表裏一体なところがあるのかなと思います。このように物事の捉え方が前向きな社員が多いですね。

編集部

性悪説というよりも、性善説で社員を見るという姿勢が伺えますね。

100年先の未来を作るおもしろさに共感してほしい

株式会社サティスファクトリーの北澤さん
▲「自分たちの仕事で未来を作れるというところがおもしろい」と話す北澤さん

編集部

最後に、サティスファクトリーさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。

北澤さん

サティスファクトリーは社会を100年先につなぐ環境問題解決企業であり続けようと本気で考えています。環境問題解決についてボランティアではなくビジネスでアプローチしていくというのは、なかなかなじみがない方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、サティスファクトリーのビジネスは未来では当たり前になっていると思います。社会が変化する先駆けとなって、これまで当たり前じゃなかったことが当たり前になることを実感できる、サティスファクトリーはそんな会社です。

私は入社して4年目になりますが、この4年の間でも脱炭素、SDGsに対する企業の関心が高まっていくのを感じました。社長の言葉を借りますが、私たちがソリューションを作ることで、社会が進むのです。

自分たちの仕事で社会の未来を作れるというのは、とてもおもしろいことですよね。サティスファクトリーのビジネスのおもしろさに共感した方に、ぜひ入社いただきたいと思います。

編集部

理念にもあるように、サティスファクトリーさんは未来の社会を作っていく存在だと感じました。本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社サティスファクトリー:https://www.sfinter.com/
採用ページ:https://www.sfinter.com/recruit/