独自のカルチャーを持ち、業界をリードする企業を特集するこの企画。今回は、自社スタジオでの家族写真の撮影や、提携式場での結婚式の出張撮影を行う株式会社クッポグラフィーにインタビューを行いました。
写真業界で成長を続ける株式会社クッポグラフィーとは
株式会社クッポグラフィーは、ウェディングフォトの出張撮影やフォトスタジオの運営を行う企業です。東京・横浜・福岡・沖縄の4か所で展開するフォトスタジオにはカフェスペースが併設(※)されてあり、フラワーの販売も行っているなど、写真撮影をするだけでなく、気軽に立ち寄ることができる街に開かれたフォトスタジオとなっています。
(※)沖縄スタジオのカフェは休業中。
株式会社クッポグラフィーは2018年の設立以来成長を続けており、自社の撮影数は年々増加しています。また全国のプロフォトグラファー向けにワークショップを開催すると即満席になってしまうなど、写真業界からも注目を集める存在となっています。
会社名 | 株式会社クッポグラフィー |
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住所 | 神奈川県横浜市都筑区高山10-5 |
事業内容 | ・フォトスタジオの運営 ・ウェディングフォトの撮影 ・カフェの運営 ・フラワーの販売 |
設立 | 2018年1月 |
公式ページ | https://www.kuppography.co.jp/ |
今回は、株式会社クッポグラフィーが成長を続ける理由や、その根底にあるミッションやビジョンなどについて、経営企画室室長の池尻さんにお話を聞かせていただきました。
2年で撮影組数は2倍に。急成長を支える“写真の質の高さ”
▲撮影組数はウェディング・スタジオ撮影ともに右肩上がりで推移を続けている
編集部
クッポグラフィーさんは2018年の創業以来成長を続けていらっしゃいますが、成長を裏付ける具体的な数字などがあれば教えていただけますか?
池尻さん
ありがたいことに、ウェディング撮影組数もスタジオ撮影組数も右肩上がりで推移しており、2020年から2022年にかけて約2倍に増加しています。他にも、具体的な数字というわけではありませんが、ウェディング会社の研修を担当されている方に「参考になるウェディング写真」としてクッポグラフィーの写真を選んでいただくなど、業界の中でも知名度が高まっているなと感じています。
編集部
この成長を支える要因はどこにあるとお考えでしょうか。
池尻さん
成長を続ける要因は、手前味噌にはなってしまいますが、やはり写真撮影のレベルが高いことにあるのではないでしょうか。
写真スタジオさんは世の中に多数ありますし、カメラの性能も進化しているため、一般の方でも良いカメラを使えばそれなりの写真を撮ることができます。そことの差別化を図ることができる質の高い作品を提供し、リピーターを獲得できていることが、クッポグラフィーが成長を続ける大きな要因の一つだと考えています。
先日も七五三の撮影のために、わざわざ神戸から駒沢公園スタジオまで来てくださった方がいらっしゃいました。その方は3回目のご利用で、初めてクッポグラフィーでお子様の撮影をした際は駒沢公園スタジオのご近所にお住まいだったのですが、その後神戸にお引越しをされたんです。
きっと今のお住まいの近くにも写真スタジオはたくさんあると思いますが、それでもお子様が七五三を迎えるにあたり「クッポグラフィーで撮影をしてほしい」ということで、旅行がてら神戸から来ていただきました。
クッポグラフィーでまた撮ってほしいと思っていただき、そのために遠くからでも足を運んでいただける。そんな満足度の高いサービスを提供できていることが、今の成長につながっているのではないかと思います。
「心の支えになる写真」のミッションを胸に、スタッフ全員が努力を重ねる
▲クッポグラフィーさんの根底にあるミッション「すべての人が心の支えになる写真を持っている世の中をつくる」(公式サイトから引用)
編集部
多くの方がリピートしてくださるくらい質の高い写真を撮る秘訣は何なのでしょうか。
池尻さん
クッポグラフィーの掲げるミッション「すべての人が心の支えになる写真を持っている世の中をつくる」がすべての根底にあります。代表の久保はもちろんのこと、1年目のスタッフも、現場のフォトグラファーやヘアメイクアーティストも、バックオフィスのメンバーも、すべてのスタッフがこのミッションに強く共感し、常に意識しながら仕事に向かっています。
ミッション実現のために、すべてのスタッフが成長意欲を持ち日々努力を重ねていることが、お客様に満足してリピートいただける質の高い写真撮影につながっているのではないでしょうか。
編集部
なるほど。具体的に、皆さんどのような努力を重ねられているのでしょうか。
池尻さん
クッポグラフィーでは2週間に一度、写真レビュー会を行っています。一応参加は任意なのですが、デビューを控えているアシスタントから、デビューしたてのフォトグラファー、マネージャークラスのフォトグラファーまで、皆が自分の写真を提出し、それに対して意見を出し合っています。先日は外部の方にも参加していただき、写真に対する意見やアドバイスをいただきました。
また、既に最前線で活躍してくれているウェディング専門のフォトグラファーのスタッフで、プライベートの時間を使って苦手な撮影練習をしている者もいます。そのように自発的に努力を重ねる文化が社内にあることが、クッポグラフィーの質の高い写真を支えています。そしてその根底にあるのが、ミッションに対する共感です。
編集部
「心の支えになる写真」というミッションが、スタッフの方全員に浸透し、行動原理になっているんですね。だからこそ自然と努力する行動が生まれ、それが会社の成長にもつながっているのだということが良く分かりました。
ミッションを浸透させる秘訣は「手を変え品を変え、繰り返し伝え続ける」こと
編集部
会社のミッションを社員の一人ひとりに浸透させるために、どのような取り組みを行っているのでしょうか。
池尻さん
大前提として、ミッションに共感した方が集まっているということはあります。それでも日々の業務の中でミッションが形骸化してしまう企業様も多いものですが、クッポグラフィーではとにかく何度もミッションを繰り返し伝え、常に忘れずに業務を進められるようにしています。
例えば新卒採用の説明会の場では、学生だけでなくそこに同席するスタッフに向けても、ミッションや込められた想いを改めて伝えられるよう意識しています。それ以外にも、月1回の社員ミーティングや日々の振り返りミーティングの中では、必ずミッションに立ち返るようにしています。
日常的なミーティングの場で、会社説明会など会社以外の人に向けた説明の場で、それこそ手を変え品を変えながら何度も何度もミッションを伝え、浸透させ続けています。
「お客様と繋がり続ける」ビジョンが会社全体の価値観をつくる
▲家族の変化、お子様の成長のストーリーに寄り添い撮影をするクッポグラフィーさん(公式サイトから引用)
編集部
クッポグラフィーさんは4か所でスタジオを運営されていますが、皆さんに共通する価値観やカルチャーがあれば教えてください。
池尻さん
今お話したミッションはクッポグラフィーの根幹をなす考えとなっていますが、それと同等以上にクッポグラフィーでは「日本で一番お客様と繋がり続けるフォトスタジオになる」というビジョンをとても大切にしています。それがクッポグラフィーならではの価値観、カルチャ―を形成しています。
例えばウェディングは一生に一度の晴れ舞台のお手伝いができるとても素敵なお仕事ですが、結婚式の日が終わればお客様との関係はそこで途切れてしまいますよね。しかしクッポグラフィーではウェディング撮影をさせていただいたお客様にお子様が生まれた際、そのお子様の撮影をスタジオで行うことがあります。逆にスタジオで撮影したカップルが結婚するとなったとき、そのウェディングをお手伝いすることもあります。一度ご縁があったお客様の物語を、その先も一緒に見ることができる環境があるのです。
クッポグラフィーで七五三の撮影をした子どもが、3歳のときは着物が苦しくてずっと泣いていたのに、7歳の撮影のときには最初から最後まで笑顔でいることができた、そんな瞬間を見ることもあります。お客様と繋がり、物語を見てきたクッポグラフィーだからこそ撮れる写真があるのではないかと思っています。
スタジオ内にカフェを作ったり、そこでフラワーの販売をしているのも「繋がり続ける」ための一環です。基本的にスタジオに撮影に行くのは、年に数回の記念日のタイミングしかありません。しかしカフェがある、フラワー販売をしていることで、コーヒーを飲みに、お花を買いにスタジオに立ち寄ることができるのです。
「誕生日のお友達のために花束を作ってくれませんか」「子どもがワッフルを食べたいと言ったから」という理由でスタジオに来ていただき、そのついでに以前撮影をしたフォトグラファーと顔を合わせることもできます。
そうやって緩やかに日常と記念日をつなぎ、お客様と繋がり続けるのが、我々がビジョンに掲げ目指しているところです。そのビジョンを社員全員がミッションと同じくらい強く意識し、業務に向かっています。
▲カフェスペースやフラワー販売により、日常と記念日を緩やかに繋いでいく(公式サイトから引用)
お客様に寄り添う姿勢が、その瞬間にしか撮れない写真を生む
▲フォトグラファーとのコミュニケーションにより引き出した感情を写し取るというクッポグラフィーさん(公式サイトから引用)
編集部
今のお話を聞いていて、技術的な部分だけでなく、撮影に関わるスタッフの皆様のお人柄、姿勢も含めお客様から信頼を得ているのではないかと感じたのですが、その点はいかがでしょうか。
池尻さん
おっしゃる通りです。写真を撮るのが上手いというのは当たり前の話で、技術以上にコミュニケーション能力や人となりが優れているスタッフが社内にたくさんいるのがクッポグラフィーの強みだと感じています。
プロが写真を撮るということは、大きく2種類に分かれます。1つはフォトグラファーが気配を消して被写体の自然な姿を撮るというもの。そしてもう1つはフォトグラファーが働きかけたからこそ生まれる感情を撮るというものです。クッポグラフィーでは感情を引き出すコミュニケーションをとても大切にしています。
編集部
クッポグラフィーのフォトグラファーさんが被写体の方とどのようにコミュニケーションを取られているのかが分かるエピソードがあれば教えてください。
池尻さん
先日4歳くらいの男の子と両親が、「もうすぐパパが海外赴任に行ってしまうため、今の家族の形を写真に残したい」ということで写真撮影に来てくださいました。もちろん定番の家族写真の撮影も行っていましたが、後半盛り上がってきたところで、フォトグラファーからご両親に「もし良かったら、お互いに感謝の言葉をかけていただけませんか」とアプローチをしたんです。
普段だったら照れくさいことかもしれませんんが、撮影という場だったからこそお互いに感謝の言葉をかけあっていただけました。言葉をかけあいながらお二人ともポロポロと涙がこぼれてきて、それを4歳の男の子が一生懸命ふいてくれている、そんな瞬間を写真に残すことができました。きっとパパはその写真を持って、海外で頑張ろうと思っていただけたと思います。
編集部
まさに「心の支えになる写真」ですね。
池尻さん
本当にその通りです。もう一つ印象的だったのが、1歳の女の子の誕生日の撮影に、ご両親とおじいちゃんやおばあちゃん、親戚のお姉さんも含めた皆さんでいらしてくださったときのエピソードです。
そのおじいちゃんは車椅子を使用されている方だったのですが、健康上の問題から会話をすることが難しい方なんだな、ということが撮影を行う中で分かりました。そこで、予定にはなかったことですが、フォトグラファーから「おじいちゃんとおばあちゃんのツーショットも撮りましょう!」と提案を行ったんです。
おじいちゃんとおばあちゃんのツーショット撮影をする中で、フォトグラファーからおばあちゃんに「おじいちゃんはどのような存在ですか?」と伺いました。するとおばあちゃんが「この人は私の生きがいなんです」とおっしゃったんです。
おばあちゃんは撮影中もその場を盛り上げてくださるようなとても明るい方でしたが、きっとおじいちゃんを介護する中で困難もたくさん感じていらっしゃることだと思います。それでも「生きがい」だと言い切るというのは、本当にすごいことですよね。おじいちゃんは会話をすることはできないけれど、耳は聞こえているので、その言葉を耳元で聞いて本当に嬉しかったのではないかと思います。
お二人のそんな瞬間を写真に収めることができ、お二人も当然すごく喜んでくださいましたが、ご家族の皆さんも目を潤ませてお礼を伝えてくださいました。これこそが、フォトグラファーが働きかけたからこそ生まれた感情、瞬間なんだと思います。
ウェディングフォトもスタジオ撮影も、しっかりと研修をしてきちんとした人材を採用すればそれなりの写真を撮ること自体は難しいことではないでしょう。しかしそれは言い方を変えると、その人でなくても撮れる写真になってしまっているのかもしれません。
クッポグラフィーではお客様に本当に寄り添い、皆さんがびっくりするくらい被写体とコミュニケーションを取りながら撮影をしていきます。相手に興味を持ち、理解をし、共感をし、ありのままを写していきます。そんなコミュニケーションを取れる人が集まっているクッポグラフィーだからこそ、お客様との関係を築き、良い写真を残すことができているんだと思います。
編集部
お話を聞いていて、ウルっときてしまいました。クッポグラフィーさんのスタッフのお一人お一人が本当にミッション、ビジョンのもとお客様と真摯に向き合い、「写真を撮る」ということ以上の価値を提供されているんだなと感じました。
作り手精神とポジティブ思考を持つ方はぜひカジュアル面談に
▲クッポグラフィーさんの社員様の集合写真(採用サイトから引用)
編集部
記事をご覧になってクッポグラフィーさんに興味を持たれた方に向けて、メッセージをお願いします。
池尻さん
自分たちがつくった作品を見て感動している人を見て感動したい。そんな作り手精神がある方はクッポグラフィーにマッチすると思います。かつ、「できるわけない」ではなく「きっと出来るはず!」というポジティブ思考を持ってチャレンジできる方を歓迎します。
クッポグラフィーは今拡大期にあり、フォトグラファーやヘアメイクアーティストといった現場のプレイヤーだけでなく、多様な人材を必要としています。会社を大きくすることだけが目的ではありませんが、すべての人に心の支えになる1枚を届けようと思ったら、ある程度の規模感は必要です。クッポグラフィーはウェディング業界や写真業界では注目されていますが、もっと世の中的な知名度を上げていく必要があります。
作り手精神とポジティブ思考を持って、ミッション・ビジョンに向けて一緒に進んでいける方を、クッポグラフィーは強く求めています。興味を持った方は、ぜひ一度カジュアル面談にお越しいただければと思います。
編集部
今回のお話を聞いて、クッポグラフィーさんには写真撮影を通じてお客様の大切な人生に寄り添える、かけがえのない体験ができる環境があると感じました。
本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社クッポグラフィー:https://www.kuppography.co.jp/
採用ページ:https://www.kuppography.co.jp/recruit