日本のITを牽引する独立行政法人情報処理推進機構で若手の躍動が目覚ましい理由

独立行政法人情報処理推進機構で輝く若手社員:国のIT政策を担う職場の実態

日本の重要な分野をリードする企業や組織に焦点を当てるこの企画。今回は、国の情報技術(IT)推進政策の実施機関として中心的な役割を果たす独立行政法人情報処理推進機構(IPA)にお話を伺いました。IPAは、サイバーセキュリティの強化や、デジタル人材の育成など、日本のIT戦略において重要な取り組みを行っています。

独立行政法人情報処理推進機構の使命:安全で信頼できるIT社会の実現

独立行政法人情報処理推進機構の社内風景
▲漫画を使った啓発など、生活者に対する学習・啓発も積極的に推進

独立行政法人情報処理推進機構(以下「IPA」)は、経済産業省を所管官庁とする国の政策実施機関です。

Society5.0(※)実現に向けた「デジタル基盤の提供」、国家・経済の安全保障、組織・個人のセキュリティ対策支援を行う「サイバーセキュリティの確保」、DX・イノベーションを担う「デジタル⼈材の育成」の3つを事業の柱とし、国のIT国家戦略を技術面・人材面から支えています。
※Society5.0…サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)が融合した新たな社会を指す言葉。2016年1月22日に閣議決定された「第5期科学技術基本計画」において、日本が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された。

会社名 独立行政法人情報処理推進機構(Information-technology Promotion Agency, Japan)
住所 東京都文京区本駒込二丁目28番8号
文京グリーンコートセンターオフィス(総合受付13階)
事業内容 ・デジタル基盤の提供
・サイバーセキュリティの確保
・デジタル⼈材の育成
設立 2004年1月5日
公式ページ https://www.ipa.go.jp/index.html
働き方 ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク)
スライド勤務

IPAでは近年、採用を強化しており、中途採用に加え新卒採用も積極的に進めています。職員全体からボトムアップで意見を吸い上げ、職場カルチャーや働きやすい環境づくりに取り組んでいるのも特徴です。

今回は若手職員の活躍実態や職場環境について、公務員と独立行政法人の職員という異なる立場からIPAに中途入職した池元さんと寺江さんに、IPAの魅力や現在の業務内容、仕事のやりがいなどをお聞きしました。また、若手活躍を後押しするカルチャーやワークライフバランスへの取り組みについて、人事部採用グループグループリーダーの谷澤さんを中心にお話を伺いました。

本日お話を伺った方
独立行政法人情報処理推進機構の谷澤さん

独立行政法人情報処理推進機構
人事部採用グループグループリーダー

谷澤昭紀さん

独立行政法人情報処理推進機構の池元さん

独立行政法人情報処理推進機構
デジタルアーキテクチャ・デザインセンタープロジェクト推進部
インキュベーショングループ主任

池元貴哉さん

独立行政法人情報処理推進機構の寺江さん

独立行政法人情報処理推進機構
デジタル基盤センターイノベーション部
未踏実施グループ主任

寺江晴菜さん

転職理由:国のIT化推進を牽引する役割への共感

独立行政法人情報処理推進機構のインタビュー写真

編集部

早速ですが、IPAさんでの若手職員活躍のトピックについて伺っていきたいと思います。まずは池元さん、寺江さんのお二方にIPAさんにジョインしたきっかけや現在のお仕事の内容についてお聞きしたいのですが、池元さんからお願いできますか?

池元さん

私は新卒で中央省庁に入省し、3年半勤務しました。大学時代にプログラミングを学んでいたこともあり、本省の情報システムの管理や端末・ネットワークの切り替え等に携わりました。

その中で目の当たりにしたのが、省内でもITに詳しい職員が多くはないという現状です。公務員の仕事はルーティン化しているものも多いためシステム化や電子化との相性は良いはずなのですが、日々の業務に追われて手が回っていない状況があるんです。そういった現状を見ていくうちに、国全体のITリテラシーの底上げが必要だと感じるようになりました。

IPAについては中央省庁で勤務していた当時から仕事上での関わりがあり、存在を知っていました。実は、転職先の候補の1つとしてIPAが挙がったのではなく、最初からIPAで働きたくて転職をしたんですよ。転職1年前からIPAの募集要項を見ており、そのときには社会人経験が足りなかったので次の年にチャレンジしました。国のIT推進の中核を担うIPAで、この国全体のITの水準を上げていきたいという志を持ってIPAに入構をしました。

編集部

最初から一社に絞って転職をされるというのはなかなかないことだと思います。それだけIPAさんの業務がご自身の志と一致していたということだと思いますが、IPAさんのどういった部分に特に惹かれたのでしょうか?

池元さん

元々公務員になったのも、第三者的な中立の立場からこの国の未来、行く末を見ていきたいという思いがありました。だからこそこの国のITリテラシーを高めていきたいと思ったときに、IPAが独立行政法人という公共性のある立ち位置を取り、国全体のITを牽引する役割を担っていることに魅力を感じました。

またIPAが推進している取り組みは、この国の今後にとっても、世界的な視野でみても確実に必要になってくると思います。その将来性も惹かれたポイントです。

編集部

寺江さんがIPAさんに転職されたきっかけも教えていただけますでしょうか?

寺江さん

私は元々公共性のある、国の役に立てる仕事をしたいという思いを持っていたため、新卒でIPAとは別の独立行政法人に入構しました。そこでITの知識をつけるためにIPAの情報処理技術者試験を受けた際にIPAの存在を知り、「この試験を運営している組織も独立行政法人なんだ」と興味を持ったのがきっかけです。

前職でオンライン研修事業の立ち上げ・運営などに携わっていく中で、やはりこれからの日本の成長にITは必要だということを実感していました。IPAが取り組んでいる領域は今後必ずどんどん大きくなっていく分野だろうと思い、今後はそちらの面から政策に携われたらと考え転職を決めました。

編集部

お二人とも公共性の高いお仕事にもともと意識を高くもっていらっしゃった中で、その中でも「IT」という領域で国の中核を担っているIPAさんに魅力を感じられたんですね。

独立行政法人情報処理推進機構の取り組み:インキュベーションラボによる民間企業との協働

独立行政法人情報処理推進機構の池元貴哉さん

編集部

池元さんは現在、IPAでどのようなお仕事に携わっていらっしゃいますか?

池元さん

私は現在、デジタルアーキテクチャ・デザインセンタープロジェクト推進部インキュベーショングループと、デジタル基盤センターデジタルトランスフォーメーション部の2つの部署を併任しています。名刺に記載すると読めないほど長い名称ですね(笑)。

2019年にIPAに入構後、約4年間デジタル基盤センターでDXに関する仕事をしてきました。2023年からはデジタルアーキテクチャ・デザインセンター(DADC)を併任し、現在はこちらがメインの所属となっています。

DADCはSociety5.0実現のための法制度やルール、ハードやソフトの設計を含めた見取り図をつくる部署です。私は「インキュベーションラボ」という、社会全体のアーキテクチャ設計につながるアイディアを民間企業から募集する仕事を担当しています。

例えば、「マイナンバー認証の民間活用」というテーマがあります。金融機関や保険会社などの民間事業者からマイナンバーの活用拡大に関する提案を受け付けています。

これまでに3回テーマ募集を行い、2023年度は4回目の民間企業からの応募受付を担当しています。

編集部

池元さんが現在のお仕事でやりがいを感じる瞬間を教えてください。

池元さん

DADCの仕事を始めてまだ間もないですが、CEATEC(シーテック)2023というIT関係の展示会イベントでIPAのブースを出展したときにやりがいを感じました。4日間で約1,000人にインキュベーションラボの制度を紹介し、後日問い合わせをいただいた方もいて、この事業の必要性を改めて実感できました。

人材育成:未踏アドバンスト事業によるスタートアップ支援

独立行政法人情報処理推進機構の寺江晴菜さん

編集部

寺江さんは現在、IPAさんでどのようなお仕事をされているのでしょうか。

寺江さん

私は現在、デジタル基盤センターイノベーション部の未踏実施グループに所属しています。未踏事業というのはITのトップ人材を発掘し、育成していく事業で、2000年の開始からこれまでに多くの優秀な人材を輩出してきました。

未踏事業は、応募者の革新的なアイディアや技術を、プロジェクトマネージャーの審査によって採択し、開発や活動にかかる費用を支援します。つまり、自分のやりたいことを業界のトップランナーの指導や金銭的支援を受けながら実現に向けて進められる事業です。

未踏事業には、対象や目的によって「未踏IT人材発掘・育成事業」「未踏アドバンスト事業」「未踏ターゲット事業」があります。私が現在携わっている未踏アドバンスト事業は、そのIT技術を使ってビジネスをしたい、社会課題の解決につなげたいという人材を育成する事業です。政府の「スタートアップ育成5か年計画」にも位置付けられており、国としても重点的に取り組んでいます。

私の主な業務は、未踏アドバンスト事業の運営事務局として、公募から採択、育成までの一連のプロセスを進めることです。具体的には、公募内容の検討、審査書類の取りまとめ、採択者の進捗管理、報告会等の企画運営、支援金支払いの事務手続きなどを行っています。また、今後のスタートアップ支援強化に向けて、採択者を増やすための長期的な体制づくりの検討も行っています。

編集部

寺江さんが感じるIPAの未踏実施グループでのお仕事のやりがいはどういった点にありますか?

寺江さん

採択者、プロジェクトマネージャーの方と直接接することができるので、それはモチベーションになっています。未踏アドバンスト事業には年齢制限がなく、大学院生や社会人など、さまざまな背景を持つ方々が応募してきます。彼らがプロジェクトを進める中で直面する課題を目の当たりにすると、応援したい、サポートしたいという気持ちが湧いてきます。

また、未踏事業の成功は、採択者を指導するプロジェクトマネージャーの方々の貢献によるところが大きいです。プロジェクトマネージャーの皆さんは、未踏事業の意義に深く共感し、熱意を持って取り組んでくださっています。時には運営主体である我々以上の思いを感じることもあります。こうした熱意ある方々と共に事業を進められることが、私たち事務局のさらなる努力の原動力となっています。

新規事業立ち上げを通じた若手の成長

編集部

IPAで仕事をする中で、池元さん、寺江さんが成長を実感したエピソードがあれば教えてください。

池元さん

入構直後に配属されたデジタル基盤センターのデジタルトランスフォーメーション部の仕事で、転職1年目にして大きな成長を感じました。当時はDXという言葉がちょうど注目され始めた頃で、経済産業省からもIPAに対してDX推進のための事業を期待されていました。そのタイミングで入構し、DX部署の立ち上げから携わることができました。

予算や人員が限られている中で、他の組織からDXの仕事を受託する形で始まりました。日本の代表的な企業に直接訪問して出向者を募り、1年目には10数人の組織をつくることができました。事業実施のための委員会の立ち上げや有識者の選定など、多方面から組織の立ち上げに奔走しました。

これまで経験が少なかった組織の枠を超えた外部の人とのチーム仕事や委員会形式の仕事を通じて、様々な立場の人の意見を聞くことができました。自分の見識が広がり、相手の立場に立って考える重要性を実感しました。多くの学びを得て、大きな成長につながったと感じています。

独立行政法人情報処理推進機構の池元貴哉さん

寺江さん

私も入構直後の配属先での経験が印象に残っています。中小企業のセキュリティに関する部署に配属され、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」という、中小企業向けサイバーセキュリティ対策サポートの仕組み構築に向けた実証事業を行いました。

実証事業の知見をもとに、中小企業でも導入・運用しやすく、必要不可欠な機能を備えるサービスの基準を検討しました。セキュリティベンダー、中小企業団体、業界団体、学識者との議論を重ね、経済産業省と連携して「サイバーセキュリティお助け隊サービス」制度を立ち上げたことは、大きな成長につながりました

また、サプライチェーン全体のセキュリティ対策推進を目的とした「サプライチェーン・サイバーセキュリティ・コンソーシアム(SC3)」の立ち上げと運営にも関わりました。コンソーシアムの立ち上げには、運営委員会やワーキンググループの設置、委員の就任依頼など多くの調整が必要でした。前例が少なく経験も浅い中での挑戦でしたが、大きな学びとなりました。

入構直後にこのような重要な仕事に携わる機会を得たことは、大きな成長のきっかけとなりました。委員会やワーキンググループ運営のノウハウは、現在の業務でも非常に役立っています。現在担当している未踏事業は長い歴史がありますが、これまでの経験を活かして柔軟に対応できています。

IPAでは経済産業省と協力して制度や組織を立ち上げるという、前職とは異なる経験ができました。これは非常に面白く、成長につながりました。IPAの規模だからこそ、経済産業省の要請を取りまとめつつ、現場の意見も反映させながら事業を進められるのだと感じています。

独立行政法人情報処理推進機構の寺江晴菜さん

組織文化:ボトムアップによる意見反映の仕組み

独立行政法人情報処理推進機構の谷澤昭紀さん

編集部

池元さん、寺江さんのお話を伺うと、入構直後に重要な役割を任せてもらい、それが成長につながっていることが伺えます。若手職員の方の意見を積極的に取り入れたり、重要な役割を任せたりというのはIPAさんの方針としてあるのでしょうか?

谷澤さん

はい。若手職員に限らず職員全体の意見を積極的に取り入れるというのはIPAで重要視している方針です。その象徴的な例が、IPAが2022年に策定したミッション、ビジョン、バリューです。これらは約1年かけてIPA全員で検討を重ね、ボトムアップで作り上げたものです。

IPAは経済産業省が示すIT政策方針を遂行する政策実施機関ですが、単に目の前の仕事をこなすだけでは組織としての一体感が失われてしまいます。そこで、IPAとして最も大切にすべき指針として、ミッション、ビジョン、バリューを策定しました。全員で意見を出し合ってつくり上げたからこそ、IPAとして同じ方向を向いて進んでいくことができるものになったと考えています。

独立行政法人情報処理推進機構の事業案内パンフレット
▲約1年かけてつくりあげていったIPAのミッション・ビジョン・バリューは事業案内にもしっかりと掲載されている

谷澤さん

さまざまな職員の意見を取り入れることは、新しい仕事を展開する上でも重要です。IPAでは大規模な新提案は採用されにくい傾向がありますが、業務改善ツールやコミュニケーションツールの導入など、日常的な業務改善の提案も重視しています。ボトムアップで声を吸い上げ、組織としてそれを聞き入れて改善につなげていけるのがIPAの特徴です。

池元さん

私もDX担当として、IPA自身のDX推進のために職員の声を直接聞く窓口を設けています。「DXアイディアボックス」という形で、24時間365日受け付けています。フリーアドレスやリモートワーク対応など、そこでの職員の声が実際に反映されています。

谷澤さん

職員からの提案は、慎重に検討し、経営層と協議した上で実施を決定しています。例えば、このインタビュールームも職員の意見を反映して整備しました。外部との打ち合わせスペースとしての機能だけでなく、コロナ禍でのコミュニケーション不足を補う社内交流の場としても活用されています。社内イベントの際にも積極的に使用され、非常に有効な空間となっています。

働き方改革:リモートワークと柔軟な勤務体制

独立行政法人情報処理推進機構のオフィス

編集部

続いてIPAさんのワークライフバランスの取り組みについてもお伺いしていきます。今も少しお話の中に出てきましたが、IPAさんではリモートワークを導入されているんですよね。

谷澤さん

はい。ワークライフバランスの取り組みとしては、リモートワークの導入が大きな変化でした。コロナ禍を機に導入し、試行錯誤を経て今ではしっかりと制度化されています。

対面でのコミュニケーションも重要なので週に1回は皆で集まる日を設けていますが、それ以外はそれぞれの状況に応じた働き方を選択できるようになっています。仕事で使うPCやセキュリティ回線もすべてIPAで提供し、職員の負担がないように環境を整えています。

ワークライフバランスの取り組みとしてもう1つ特徴的な点は有給休暇の取得方法です。IPAでは1日、半日の有給休暇に加えて、1時間単位での取得も可能にしています。例えば、朝の1時間だけ取得する、PTA活動のために2時間だけ取得するなど、それぞれのライフスタイルに合わせて柔軟に取得できるので、大変好評な制度となっています。

さらに特徴的なのが、勤務時間の調整が可能なことです。IPAは9時半から18時15分が定時ですが、業務によっては朝早くから仕事をした方が良い場合や、夜に会議が入る場合もあります。そういった際に早出・残業で対処するのではなく、全体の勤務時間をシフトできるようにしています。フレックスタイム制とは少し異なりますが、早く出勤すれば早く退勤できる、遅く退勤することで出勤時間を後ろ倒しできるという、こちらも好評な制度です。

現在計画中の制度として、サテライトオフィスの設置があります。これにより、働く場所の選択肢がさらに広がります。自宅と本社オフィス以外の場所で仕事ができるようになれば、例えば外勤の際にちょうど通る場所で仕事をするなど、より自由度の高い働き方を実現できると考えています。

充実の制度や“転勤なし”のメリットで、働きやすさを実感

独立行政法人情報処理推進機構インタビュー写真

編集部

IPAさんが多様な角度から働きやすい制度を整備されていることがよく分かりました。実際に制度を利用された方の感想も伺いたいのですが、いかがでしょうか。

寺江さん

勤務時間をスライドさせられるのは、大変ありがたいですね。忙しい時期には朝早く業務を開始し、早く終われば夜早く退勤できます。私が携わっている未踏事業は、主に学生や社会人の方が対象なので、平日の夜にイベントを設定することが多いのですが、そういう時も出勤時間を遅くするなどで調整できるので、柔軟に活用しています。

谷澤さん

産休・育休制度も充実しており、取得しやすい環境が整っています。男性の育休取得実績もあります。

また、制度とは少し異なりますが、IPAには転勤がないことも、働きやすさにつながっていると考えています。中途採用の面接で転職のきっかけを聞くと、全国転勤のある会社で落ち着いて仕事ができないことを挙げる方も多いです。その点、IPAでは転勤がないので、大きなメリットになっていると思います。

職場環境:若手職員がもたらす活気ある組織文化

独立行政法人情報処理推進機構インタビュー写真

編集部

IPAさんは全体的に、どのような雰囲気のある職場環境なのでしょうか?

池元さん

IPAの職場の雰囲気はかなり良いなと感じます。優秀な人材が多く、チームワークも素晴らしいです。お互いに安心して仕事を任せられる環境があり、人間関係も良好で、トラブルも少なく、コミュニケーションが非常に取りやすい職場だと感じています。

谷澤さん

社内の雰囲気は、ここ数年で劇的に改善されました。コロナ禍でコミュニケーションの重要性を再認識したことに加え、同時期に採用を強化したことが大きな影響を与えていると考えています。

IPAは2004年の設立当初から国の政策実施機関として明確な役割がありました。そのため、外部の民間企業出身の即戦力人材に実務を任せ、IPAのプロパー職員は主に管理業務を担当していました。

しかし、この体制ではIPAとしての方向性を定めることが難しくなってきました。今後は管理業務だけでなく、IPAの職員が外部の人材としっかりと協力し、事業方針の策定にも関与する必要があります。そのため、正職員を採用し、IPAの理念や文化(IPAイズム)をしっかり育てていく必要性を感じるようになりました。

そこで、時間はかかっても自前の人材を育成する方針を打ち出し、中途採用や新卒採用を強化しました。過去5年間で50人近くのプロパー職員を新たに採用し、大幅に増員しています。これらの新入職員は、経験豊富な先輩たちの仕事ぶりを見て学びながら、着実にスキルを向上させています。

特に若い世代の新入職員は、IPAの職場の雰囲気づくりに大きく貢献しています。彼らは非常に活力があり、同世代の職員同士で良好な関係を築き、積極的にコミュニケーションを取っています。この若い世代の活気が、組織全体の雰囲気に良い影響を与えていると感じています。

編集部

新卒採用を含めた職員の増加により、IPAの組織力が強化されつつあることがわかりました。また、若手職員の活力が良好な職場環境の醸成に貢献していることもよく理解できました。

独立行政法人情報処理推進機構が求める人材像:公共とITの融合に挑戦する志

独立行政法人情報処理推進機構インタビュー写真

編集部

最後に、記事を読んでIPAさんに興味を持った読者の方に向けて、採用メッセージをお願いします。

池元さん

現在、世の中の環境変化が激しい時代に入っています。IPAは経済産業省の政策実行機関として、この激動の中でも最新の政策に携わる機会を数多く得られます。最先端の政策に携わりたい方は、ぜひIPAへお越しください。

寺江さん

IPAでは近年、新卒採用と中途採用を大幅に強化しています。また、出向者も多く在籍し、多様な経験や知見が集まっています。非常に刺激的で、互いに学び合える職場環境です。

自分の経験がIPAに合わないのではと心配される方もいるかもしれません。しかし、その経験は必ず役立つはずです。様々な経験を持つ方々とお会いしてお話できることを、私は楽しみにしています。

谷澤さん

IPAはIT・デジタルを通じて社会に貢献する公共機関です。そのため、「公共×IT」に興味を持つ方に活躍していただきたいと考えています。

必ずしも特定の専門技術が必要というわけではありませんが、現在活躍している社員を見ると、ITやデジタルに興味を持つ人が多いです。

IT業界は日々急速に変化しており、将来の展開も予測困難です。IPAではスキルだけでなく、好奇心を持ってIT領域に挑戦する精神を持った人を歓迎します。そういった方なら、必ず活躍の場を提供できると確信しています。ぜひ一度、IPAの門を叩いてみてください。

編集部

IPAには多様な知見を持つ人材が集まり、国の最先端政策を推進できる刺激的な環境があることがよくわかりました。

本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

■取材協力
独立行政法人情報処理推進機構:https://www.ipa.go.jp/index.html
採用ページ:https://www.ipa.go.jp/recruit/index.html