先進的な働き方や独自の企業文化を持つ会社に迫るこの企画。今回は複業プラットフォーム「複業クラウド」を運営し、新しい働き方の概念を発信する「株式会社Another works(アナザーワークス)」をご紹介します。
株式会社Another worksが運営する「複業クラウド」の概要
▲日本最大級の複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」
株式会社Another worksは、複業を希望する人材と企業や自治体をつなぐプラットフォーム「複業クラウド」を運営しています。
「複業クラウド」を利用することで、企業は必要なタイミングで適切な複業人材を獲得できます。成約手数料が無料で、直接複業希望者とつながれるため、高額な手数料や複雑な契約形態に悩む必要がありません。
一方、複業を希望する方は「複業クラウド」に登録することで、複業案件を自由に探索し、エントリーや企業へのメッセージ送信が可能になります。
少子高齢化による労働力不足が課題となる日本では、岸田内閣が2022年に、新しい職業に必要なスキルを習得する「リスキリング」支援として「人への投資」に5年間で1兆円を投じる方針を示しました。その柱の1つとして、転職や副業を受け入れる企業への支援を掲げています。こうした国の後押しや企業の副業推進の動きを背景に、Another worksは急成長し、副業・複業市場をリードしています。
(※)リスキリング:新しい職業に就くため、または現職で必要なスキルの変化に適応するため、学び直しをすること
会社名 | 株式会社Another works |
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住所 | 東京都港区虎ノ門5丁目13-1 虎ノ門40MTビル3階 |
事業内容 | 複業クラウドの企画・開発・運営・販売 |
設立 | 2019年5月7日 |
公式ページ | https://anotherworks.co.jp/ |
今回は、Another worksの事業成長を支える若手社員の活躍や、互いに支え合い成長し合う企業文化について、人事責任者の吉川さんにお話を伺いました。
累計1,000社以上が導入する「複業クラウド」の特徴と実績
▲「複業クラウド」では複業を探したい人も登録・利用料無料で、求人への直接エントリーができる
編集部
はじめに、Another worksさんが運営するサービスについて教えてください。
吉川さん
弊社は複業したい個人と企業や自治体を繋ぐ、総合型複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営する会社です。企業様は「複業クラウド」を使って、成約手数料無料で何名でも採用することができ、個人の方は登録・利用料無料で複業先の企業と出会うことができます。
複業を始める方の動機は「スキルアップにつなげたい」「地元への恩返しがしたい」「仕事を通して自己実現したい」などさまざまです。私たちは主に金銭報酬を目的とする「副業」とは区別して、複数の目的を持った「複業」という漢字を使っています。
編集部
「複業クラウド」はどのくらいの企業が使われているのでしょうか?
吉川さん
これまでに累計1,000社以上の企業に使っていただいています。首都圏の企業だけでなく、地方企業も人材不足において非常に大きな課題を抱えていらっしゃいます。
複業クラウドには累計5.5万名以上の登録者がおり、こうした人材とスキルを求める企業をつなぐ役割を果たしています。
「複業クラウド」には地方自治体向けやスポーツチーム向けに特化したプラットフォームもあり、複業人材と地方自治体やスポーツチームとの関係人口の創出を図っています。これまで75以上の自治体、30以上のスポーツチームに使っていただいています。
成約手数料不要のビジネスモデルが支える急成長
▲Another worksさんの会社沿革(同社会社資料より)
編集部
Another worksさんは2019年の創業ですが、これまでの事業の成長について教えてください。
吉川さん
私たちの市場は、政府の副業推進政策や社会情勢の変化による副業ニーズの増加など、さまざまな追い風要因により、創業以来順調に成長を続けています。現在、「複業クラウド」は複業市場で最大規模のサービスとなっています。
Another worksの組織としては、現在4期目を迎えており、2023年4月に新卒メンバー4名が入社し、従業員数は50名を超える規模にまで成長しました。
編集部
副業や複業に関するマッチングサービスが増える中、Another worksさんがここまで大きく伸びた背景を伺えますか?
吉川さん
「複業クラウド」が競合サービスと大きく異なる点は、「成約手数料や中間マージンが一切かからないビジネスモデル」を採用していることです。これが非常に大きな成長要因となっています。
一般的な人材紹介サービスでは、複業人材を採用する際に1人当たり50万円から100万円程度の紹介手数料がかかります。また、派遣形式の場合でも、約3割の中間マージンが発生します。多くのサービスがこのようなビジネスモデルで展開されています。
それに対し、弊社は企業様から月額の利用料のみをいただき、契約期間中(半年間や1年間)は5.5万名の即戦力となる複業人材を何名採用しても、成約手数料や中間マージンをいただかないビジネスモデルを展開しています。このアプローチが、当社の成長を支える大きな特徴となっています。
「挑戦する全ての人の機会を最大化する」企業ビジョンの背景
▲Another worksさんの企業ビジョン(同社ホームページより)
編集部
Another worksさんが月額制でサービスを展開する理由や背景を教えていただけますか?
吉川さん
これは弊社のサービス開始背景や想いに深く関わっています。
代表取締役の大林尚朝は元々、人材業界大手の企業に在籍しており、業務委託として顧問やフリーランス人材を企業に紹介する事業の立ち上げを行っていました。当時は1人当たり100万円程度の中間手数料をいただくビジネスモデルで、多くの企業様を支援することができました。
しかし、地方企業や新興のスタートアップ企業からは「手数料が非常に高い」「人材としては採用したいが、手数料の高さが障壁となって採用できない」といった声が多く聞かれました。このような手数料が課題となるケースを数多く目の当たりにしたことが、「複業クラウド」というビジネスの着想につながりました。
吉川さん
大林は大分県出身で、大学進学以来ずっと東京で暮らしていますが、地元の友人の中には東京への憧れを持ちながらも、家業の継承、家族、地元愛、仕事などの理由で地元を離れられない人もいます。しかし、複業が一般的になれば、転職や独立など大きな環境変化なしに新たな挑戦ができるようになります。
人の選択肢や可能性を制限するような社会ではなく、挑戦したいと思う人が挑戦できる社会をつくりたい。この思いから、企業ビジョンとして「挑戦する全ての人の機会を最大化する」を掲げています。弊社が基本的に手数料不要でビジネスを展開しているのは、このビジョンが根底にあるからです。
年次に関係なく挑戦を支援する「人を信じて任せる」カルチャー
▲Another worksでは若手メンバーが多数活躍している
編集部
続いて、Another worksで働くメンバーについてお聞きします。先ほど、2023年4月に新卒メンバーが4名入社したと伺いましたが、若手の方が多いのでしょうか?
吉川さん
はい、そうですね。新卒で入社したメンバーがもともと7名おり、さらに2023年春に4名入社しましたので、新卒で採用したメンバーは合計11名となります。スタートアップ企業としては珍しい環境だと思いますが、従業員の約25%が新卒プロパー社員となっています。
そのため、平均年齢は27歳前後で推移しています。もちろん子育てをしながら働いているメンバーもいますので、若手だけに絞って採用しているわけではありませんが、若いメンバーが多数在籍しているのは当社の特徴です。
編集部
新卒の方がAnother worksを選ぶ魅力はどこにあるとお考えですか?
吉川さん
年次に関係なく、人を信じて任せるカルチャーだと思っております。代表の大林がよく「失敗は"部分的成功"である」という言葉を社内に投げかけるのですが、これは、失敗をネガティブに捉えるのではなく、「できることと、できないことがわかった」とポジティブに変換をし、次に生かそうという意味です。
Another worksでは、メンバーの挑戦に対しては後押しし、たとえ失敗であったとしても責めるのではなく、また挑戦機会を与えるというカルチャーがあり、創業以来ずっと根付いています。こうした環境で、若手メンバーが大きく成長していくのです。
新卒1年目社員の提案が実現した事例:周囲のサポートの重要性
編集部
実際に若手メンバーの失敗を"部分的成功"ととらえて次に活かした事例があれば、教えていただけますか。
吉川さん
四半期に1回、メンバーから新規事業や社内のオフィス改善などの新規提案を募る場を設けています。昨年度の新卒メンバーが、会社の大きな意思決定に関わるような提案を持ってきて、社長や役員の前でプレゼンをしたことがありました。
当初の提案にはまだ改善の余地がありましたが、その後、直属のマネージャーや他部署のマネージャーがサポートに入り、内容をブラッシュアップしました。その結果、再度の提案で見事採用され、新卒1年目ながらプロジェクトオーナーとして活躍しています。
吉川さん
弊社は「挑戦する全ての人の機会を最大化する」を企業ビジョンに掲げており、これは社内外問わず大切にしています。社内でも、提案に手を挙げた人の挑戦を最大化したいと考えています。このように、若手の挑戦を支援し、失敗を次のステップにつなげる文化が根付いています。
若手エンジニア主導の毎月勉強会:「やりたい」を実現する環境
▲Another works社とSmartHR社が共催したエンジニアイベントの様子
編集部
他にも若手社員が挑戦的な取り組みをされた事例はありますか?
吉川さん
現在プロダクトマネージャーを務めている社員は、入社2年目のエンジニア出身ですが、入社以来毎月エンジニア向けのイベントを開催しています。
当初は社内勉強会として始まりましたが、回を重ねるにつれて社外の方を招いたり、一般参加を可能にしたりと発展していきました。形式もオンラインやオフライン(ピザを食べながらの交流会など)と多様化しています。
規模も拡大し、2023年3月には株式会社HRBrainと共同イベントを実施し、4月には株式会社SmartHRとフロントエンドエンジニア向けのミートアップを開催しました。
このように、社員が「何かやりたい」と思ったときに、それを実現できる環境があるというのは当社の魅力の1つだと考えています。
全社的な知識共有:メンバーのノウハウと成功体験の還元
▲Another worksさんのビジョン、ミッションと、9つのバリュー(同社会社資料より)
編集部
若手メンバーの挑戦のお話から、「挑戦する全ての人の機会を最大化する」という企業ビジョンが社内で浸透していることがわかりました。メンバーの皆さんの行動指針にも、そのような内容が明示されているのでしょうか?
吉川さん
はい。私たちは9つのバリューを定めて、全社で行動指針として掲げています。その中に、「ノウハウを全員のものに」というものがあります。これは「成功体験を全社に還元していこう」という意味で、会社としても知識や経験を共有する人を高く評価しています。
私たちはこのバリューに基づいて採用をしているので、社内にいるのは自分が経験したことやノウハウを積極的に開示する人ばかりです。そのため、挑戦したいと手を挙げたメンバーには、さまざまな角度からノウハウやサポートが集まるような組織になっているのだと思います。
■Another worksの9つのバリュー
#1 謙虚にして驕らず
#2 明日が今日を超える
#3 組織の代表として
#4 考え実現する
#5 ノウハウを全員のものに
#6 行動から変革を生む
#7 愛を持って接する
#8 相互理解・相互支援・相互成長
#9 感謝を伝える
編集部
バリューにある「愛を持って接する」「相互理解・相互支援・相互成長」「感謝を伝える」はチームに対する行動指針ですね。感謝を伝える機会も多いのでしょうか?
吉川さん
そうですね。感謝を伝え合う文化が深く根付いています。例えばセールスチームが受注を獲得したときには、チーム内だけではなくバックオフィスやエンジニアからも「ありがとう」の声が自然に聞かれます。
当社ではエンジニア、デザイナー、マーケターなどすべての職種を内製化していますので、それぞれが自分の持ち場で成果を出し、互いに「ありがとう」と自然に声を掛け合っています。この文化が、チーム全体の連携と成長を促進しています。
複業市場の未来を見据えた人材募集:挑戦者を支援する仲間を求めて
▲「ビジョン・ミッション・バリューに共感していただける方に会いたい」と話す吉川さん
編集部
最後に採用についてお伺いします。Another worksさんはエンジニアや営業職など幅広く募集されていますが、どんな思いをお持ちの方に会いたいですか?
吉川さん
一緒に働く仲間を選ぶにあたりもっとも大切にしているのは、Another worksのビジョン、ミッション、バリューへの共感です。ご自身と照らし合わせて、共感したり、一緒に実現したいと思ったりした方がいれば、ぜひお話をさせていただきたいと思っております。
これまでどんな成果を出してきたかももちろん大事ですが、私たちはそれ以上にこれから何をしたいかに興味があります。ご自身が描く未来を、Another worksという会社で一緒に実現できるかどうか、ぜひカジュアル面談でお話させていただければと思います。
編集部
先ほど、バリューに基づいて採用しているとうかがったのは、まさにこのことですね。記事を見てAnother worksさんに興味を持った方に、吉川さんからメッセージをいただけますか?
吉川さん
日本は労働力不足が課題となっており、生産年齢人働く人口が減っていくという問題を抱えています。この課題に対して、政府もリスキリング支援に投資するなど対策を講じていますが、私たちは「複業」がこの社会課題解決の決定打になると考えています。
「複業クラウド」の名前に使っている「複業」という言葉は、以前はあまり知られていませんでしたが、ここ数年で急速に浸透してきています。
この流れは今後も続き、複業市場は間違いなく成長するマーケットです。1人が1社だけではなく複数社で働くことによって雇用の流動化を促進し、国の生産性を向上させたいと考えています。
労働力不足という社会課題に関心がある方や、「複業が当たり前になる時代」を一緒に作っていきたいと考える方に、ぜひ私たちの想いが届いてほしいです。
編集部
吉川さん、本日はありがとうございました!
年次に関係なく、互いに支え合い成長し合う土壌があるAnother worksさんで成長したい、社会課題の解決に挑戦したい、と考える方は、吉川さんの熱いメッセージにぜひ反応していただきたいです。
また、Another worksさんのnoteでは、メンバー紹介記事も多数アップされています。ホームページとあわせてご覧ください。
■取材協力
株式会社Another works:https://anotherworks.co.jp/
採用ページ:https://company.aw-anotherworks.com/recruit
公式note:https://note.com/anotherworks/