先進的な働き方、社内のカルチャーが独創的かつ注目される企業について、魅力や社内制度の視点で紹介する本企画。今回は、個人・法人の両方を対象としたフィナンシャルパートナー事業を展開する、ブロードマインド株式会社にお話を伺いました。
ブロードマインド株式会社とは
ブロードマインド株式会社は、金融を通じた「フィナンシャルパートナー」として多くの人と人生を共に歩もうと考えている企業です。顧客の抱える保険や住宅ローン、資産運用や老後資産形成に関する悩みなどを、独自のサービス・プロダクトの提供により解決しています。
昨今は法人だけでなく、個人でも「お金のことを自分で考える」時代になりました。しかし、時代の変化と共に金融商品の多様化・複雑化が進み、知識の不十分な状態で最適な選択をするのが困難になっています。
ブロードマインド株式会社では「金融の力を解き放つ」のパーパスを掲げ、企業・個人それぞれが抱える「お金に関する価値観」を重視したコンサルティングを提供します。
会社名 | ブロードマインド株式会社 |
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住所 | 東京都渋谷区恵比寿南1-5-5 JR恵比寿ビル7F |
事業内容 | ■フィナンシャルパートナー事業 個人の方の保険、住宅ローン、資産運用、老後資産形成や、法人の財務対策等、ファイナンシャルプランニング(FP)にかかるコンサルティング業務 |
設立 | 2002年1月 |
公式ページ | https://www.b-minded.com/ |
今回は、ブロードマインド株式会社のビジネスストラテジー本部・人事総務部にてマネジャー(採用責任者)を務められている長谷川さんに、若手が活躍する秘訣や独自のカルチャーなどについてお話を聞かせていただきました。
多様な金融商品を取り扱うフィナンシャルパートナー
▲窓口を一括にし、顧客が抱えるさまざまなニーズをワンストップで解消するビジネスモデル
編集部
まず、ブロードマインドさんがどんな事業を展開されているかお教えいただけますか?
長谷川さん
私たちは、金融商品やそれに関連する各種チャネルを取り扱い、フィナンシャルパートナーとして顧客と伴走する形で事業を展開しています。
金融業界における従来のシステムでは、保険であれば保険会社、資産を運用するときは証券会社というように、それぞれ窓口が異なっていました。家計は同じなのに、窓口は別々であることから、最適な提案を総合的に選択することが困難だったのです。
弊社はこういった悩みを解消すべく、生命保険や損害保険、株式、住宅ローンなどの領域について、幅広いソリューションを一手に引き受けて取り扱うシステムを実現しています。それぞれの金融商品を取り扱うにはライセンスが必要なので、弊社のようなビジネスモデルを構築している企業は少ないと思います。
編集部
ライフプランを提案してもらうときも、ひとつではなく多くの手段があったほうが、顧客としても安心ですね。どのような背景のもとで、事業をスタートされたのでしょうか。
長谷川さん
代表の伊藤(代表取締役社長の伊藤清さん)は、もともとソニー生命でトップセールスとして活躍していました。その中で、金融業界特有の縦割り構造にジレンマを感じていたそうです。
例えば保険であれば、一社の専属契約によりその企業の保険しか使えないといった、お客様にとって本当に最適なものを提案できていない環境に疑問を抱いていたことが、弊社設立の背景としてあります。
編集部
創業者である伊藤さんの現場で感じていた想いが、事業内容にもあらわれているのですね。ひとつではなく各金融商品のライセンスを持っているというのも、フィナンシャルパートナーとしてすごく心強いと感じました。
社内に「教育部」あり。若手もすぐに現場で学べる環境
▲抱えている案件についてわからないことがあれば、すぐに相談できる環境
編集部
次に、ブロードマインドさんで若手の方が多く活躍されている点について伺ってまいります。社員の皆さんの平均年齢はどれくらいなのでしょうか。
長谷川さん
弊社の平均年齢は29.5歳と、比較的若い社員が活躍している環境です。
編集部
若手の方はどうしても経験が少ないため、業界のことやビジネスマナーなどから教えていく必要があるかと思います。社員教育においては、どのような工夫をされていますか?
長谷川さん
ブロードマインドでは育成に力を入れていて、新卒や未経験者に対して教えることを専門にしている「教育部」という部門を設けているんです。教育部では、新人に対して入社後最低半年間はしっかりと側について教えていくことを徹底しています。内容としては座学も当然ありますが、OJTを早い段階で始めるのは特徴といえるかもしれません。
「金融の仕事」と一口にいっても非常に幅広いのですが、まずはお客様にご迷惑がかからない程度の知識を1〜2ヶ月かけてインプットします。そして、一旦現場に出てもらうんです。当然上司が同席しますが、まずはお客様が何に興味や関心を抱いているかを肌で感じてもらいます。
実際のところ、その時点ではお客様の方が金融に詳しく、自分の無知を感じることも少なくありません。しかし、弊社ではその経験を非常に大切にしています。その経験を自分自身で振り返り、わからないことを調べたり、答えられなかった質問を上司に聞いてみたりと、いわゆる「リアルな目線」で知識を得られるためです。
ただ座学を進めるだけでは、本当に必要な知識の線引きはできません。一度現場を経験することで「この仕事に必要な知識は何か」「座学でなぜこれを学ぶのか」ということを自分で気づいてもらうような教育体制を構築しています。
編集部
教育のための部門があるというのは、ブロードマインドさんが社員の育成に力を入れていることの何よりの証拠ですね。また、実際のレクチャーにおいては、机の前で学ぶことと現場で学ぶことの相乗効果があらわれていると感じました。
教えられる側が、次の世代に教えていくという好循環が生まれている
編集部
ブロードマインドさんの充実した教育体制について伺いましたが、しっかりとフォローしていく半年間が経過したあとはどうなるのでしょうか?
長谷川さん
いわゆる独り立ちの形で、基本的には現場に配属され、お客様の対応を進めていってもらいます。とはいえ「あとは一人で頑張って」ということではなく、引き続き現場の先輩方に相談できる体制を整えていますね。
若手社員が、お客様の案件について先輩と1対1で相談する「案件相談」が社内のいたるところで行なわれています。制度として定めているわけではありませんが、先輩社員の業務に自然と組み込まれているので、後輩は遠慮せずに質問や相談をすることができます。
編集部
気軽に相談できるような雰囲気もあるのでしょうか?
長谷川さん
もちろんです。先輩社員も「過去に教えてもらった分、その恩を次の世代に送ろう」と考えていて、分かち合うことや教え合うことを大切にしているメンバーばかりなので、「今日は先輩が忙しそうだから相談はやめておこう」なんてことはまず起きないですね。
たとえば案件相談の際などは、先輩は必ず手を止めて話を聞いてくれます。後輩から相談されて「自分の仕事があるから」と片手間で対応するのではなく、しっかり向き合って一緒に解決してくれます。
先輩社員のスケジュールを見ていると「この時間は質問しにきていいよ」というメッセージも感じますね。顧客対応のない時間は予定を入れず、相談待ちをしているメンバーも多いです。また、後輩が先輩のスケジュールを見て「この時間に相談したいです」ということで予定を抑えてしまうこともあるんです(笑)。
編集部
後輩が先輩の予定を自分の判断で確保するというのが認められているというのは、すごく驚きました。それが許されるような組織であり、「成長のためなら力を貸すよ」という文化が定着しているんですね。
金融業界において高い社員定着率を誇る
編集部
ブロードマインドさんでは「教え合う文化」が浸透しているので、業務についていけなかったり、人間関係でうまくいかず退職してしまうようなケースが少ないと思ったのですが、いかがでしょうか?
長谷川さん
早期に退職する社員が少ないのはまさにおっしゃるとおりで、弊社は3年以内の定着率が92%あるんです。おそらく、金融業界では相当高い数字なのではないかと自負しています。
メンバーが定着してくれている理由としては、まず教育に力を入れていることがあります。きちんと教えていることで、社員一人ひとりに自発的な成長意欲が芽生えやすいことも定着率につながっているのではないでしょうか。
また、自分で言うのもおこがましいのですが、ブロードマインドという会社に対して信頼感を持っている人間が多いというのもあります。私たちは金融業界の中ではまだまだ小規模ですが、会社が目指している方向性やお客様に提供するサービスに対し、濁りのない気持ちで「良い」と感じているメンバーばかりだと感じています。
編集部
そのほかには、高い定着率につながっている要因はあるでしょうか。
長谷川さん
メンバーとのコミュニケーションを重視しているのも大きいと思います。コロナ禍により対面での交流が減ったのは弊社も他社様と同様なのですが、その中でも案件相談などで会話することによるコミュニケーションを重視しています。
対面からリモートという変化はあったものの、これまでと変わらず接し続けられる機会を設けることで、疑問や不安を即時解決できる環境を構築できています。日常的なコミュニケーションでモチベーションをキープできているのが、高い定着率につながる要因と考えています。
社会が大きく変わる中でも2倍以上の成長を遂げる
編集部
続いて、ブロードマインドさんが急速に成長してこられた経緯や現在の状況などについて伺えればと思います。設立は2002年ということで、もう20年以上ご活躍されているんですね。
長谷川さん
ありがとうございます。弊社は設立当初、現在の総合的なソリューションを提供する形ではなく、いわゆる保険代理店としてスタートしました。その後、おかげさまで規模を拡大し、全国に支社を開設したほか、2021年には東証マザーズ(現グロース)に上場しています。
また、ここ数年の売上高や営業利益などを見ても、順調に成長できていると思います。たとえば2019年度末と2022年度末の営業利益を比較すると、2倍以上伸びているんです。
編集部
その時期は社会情勢が大きく変わった環境だったと思うのですが、どうやって成長を継続できたのでしょうか。
長谷川さん
まず、私たちが提供するサービス・プロダクトはオンラインに対応しているものが多く、そういう意味では影響はそれほど大きくなかったんです。
また、新型コロナウイルスの流行による影響もあり、自分で自分の資産を守っていくという流れは加速していると感じています。そのような状況下で、弊社のサービスをお求めいただいたという見方はあるのかもしれません。
早期の立ち上がりを支える仕組みで圧倒的に高いMDRTの平均入会率
編集部
ブロードマインドさんが成長してこられたのは、人や組織の面でも特徴があるからだと感じたのですが、いかがでしょうか?
長谷川さん
早期の立ち上がりを支える仕組みがあることは大きな強みだと思います。
具体的には、金融知識がほぼ無い状態からコンサルタントとして価値提供できる水準にまで知識・スキルレベルを引き上げるため、保険商品に関する基礎知識のみならず、ライフプランニングに関するスキル・社会保障制度・税制度・年金制度、投資(証券分野)・住宅ローン・その他の金融経済知識等を網羅的にカバーする形で独自の教育コンテンツを作成し、プログラムとして体系化しながら実施しています。
ひとつの基準として、金融業界には保険・金融サービスの専門家が所属するMDRT(Million Dollar Round Table)というグローバルな組織があります。この分野における最高水準の人材が集まる団体として、世界中に認知されているんです。
当然ながら入会基準は厳しいのですが、弊社は新卒入社から3年目~5年目時点のMDRT平均入会率が76.1%と、同業他社様と比べても非常に高い水準を誇っています。中には、入社3年目の時点で入会基準の3倍以上の生命保険販売成績を有する会員資格を示す「COT(Court of the Table)」になる者もいます。
入社後の早い段階でパフォーマンスを向上させていく社員が多いので、顧客に対してもそれだけ高い価値を提供できているんです。このことも、弊社が成長を続けてこられている理由の一端になっていると思いますね。
編集部
国際的な金融サービスのプロが所属する組織に、新卒で入社してそれほど経っていない社員の方々が、それほどまでに多く入会されているんですね。顧客からしても、ブロードマインドさんには頼りになる専門家がたくさんいるとすぐにわかりますね。
部署や年次を問わず、交流を深められる組織。部活動も実施
▲部活動として毎月1回開催されているフットサルの様子
編集部
ここで少し質問を変えてまいります。ブロードマインドさんでは、社内でのメンバー同士のつながりも強いのでしょうか。
長谷川さん
そう思いますね。先輩後輩で教え合うのは当たり前というのはお伝えしましたが、入社2年目のメンバーが、同期と自主的に「現場で学んだことを共有する会」を開催していたというのも聞いています。また、拠点がある東京・大阪のメンバーも、オンラインで同様のイベントを開いていたようです。
地域ごとの特色やお客様の傾向を共有することで、普段の業務では得難い知識を会得できる環境を自発的に構築できているのは、非常にすばらしいと考えています。また、同期の絆も自然と深まっていますね。
編集部
そのほかに、交流を促進するような取り組みはされているのでしょうか。
長谷川さん
部活動として、現在は野球とフットサルを行っています。毎月1回くらい、月曜日の夜に有志で集まって開催しています。
部活は管理職レイヤーから新卒数年目のメンバーまで、幅広く活動しています。仕事とは関係のない部分でコミュニケーションを取れるので、異なるチームの人とも自然な形で仲良くなれるのが魅力ですね。
▲部活動で実施している野球のメンバー。年齢などは関係なく一緒に楽しめるのが魅力
伊藤社長の考え方が会社全体に広がっている
編集部
先ほど理念のところで少し伺いましたが、ブロードマインドさんの代表取締役社長である伊藤様はどのような人ですか?
長谷川さん
伊藤は、金融サービスを提供している弊社の事業について「非常に良い仕事だ」という強い信念を持っています。そのことは、社員にも深く浸透していると思います。
「金融は多くの人々の暮らしにとってポジティブな影響を与えられる」という考えを持っているのですが、一方で業界構造的に見込み客の発掘ができず退職する人を見てきたこともあり、金融の仕事をする人があきらめずに働き続けられるような環境を作りたいと言っていますね。
編集部
伊藤様と現場のメンバーが直接話すような機会もあるのでしょうか?
長谷川さん
ありますね。先輩社員ではなく、代表の伊藤に直接「案件相談」をするメンバーもいますよ。250人近く社員がいる中で、代表に直接相談できるという環境は、他社様ではなかなか難しいかもしれません。
伊藤はビジネスライクな印象を持たれるかもしれませんが、入社してしばらく経った人間の目線だと、あんなに社員のことを大切に扱う社長はあまりいないのではないかと思います。元気のない社員に直接声をかけたり、「彼は最近どう?」なんて様子を聞きにきたりということも結構あります。
編集部
ブロードマインドさんのお互いに支え合う文化や、未経験の方をていねいに教えていくという姿勢は、伊藤様のパーソナリティとも関係しているのでしょうね。
協力し合いながら成長し、責任あるポジションも任せられる文化
編集部
採用に関しては、ブロードマインドさんが設けている基準や考え方などはあるでしょうか。
長谷川さん
金融業界であり、営業を中心とする会社としてめずらしいと思うのは、私たちは「一匹狼」的な人をあまり採用しないんです。というより、明確な方針として決めているわけではなく、そういう性質の方が集まってこないという表現の方がしっくりくるかもしれません。
ブロードマインドは代表や先輩社員と深く関わりながら自身のレベルを上げていく社風なので、黙々と単独で頑張って成績を残したいという人にはフィットしないと思います。カルチャーについては説明会などでも触れているので、理解した上で面接に来てくれる方は「人と協力し合って成果を出したい」と考えてくれているのでしょうね。
編集部
入社後にどんなキャリアを歩まれるかという事例があれば、教えていただけますか?
長谷川さん
金融コンサルタントとして成長していくのがメインのキャリアステップなのですが、別の部門に異動したり、部署の立ち上げに携わるというケースも結構多いですね。たとえば弊社の特徴である「教育部」についても、新卒で入って7年目、30歳くらいのメンバーが立ち上げて責任者となっています。
そのほかにも、経営企画の新規事業開発でも同じ世代のメンバーを抜擢していましたし、30代前後で管理職になることは特別なことではありません。優秀な若手をどんどん重要なポストに登用するというのは、弊社のカルチャーといえると思います。
「個」ではなく「チーム」として成果を上げ、成長したい人を歓迎
編集部
最後に、記事をご覧になってブロードマインドさんに興味を持たれた方にメッセージをお願いします。
長谷川さん
弊社は、個で戦うのではなく、あくまでチームで戦う会社でいたいと考えています。
昨今は「個の時代」と呼ばれるほど、一人ひとりの思いや自主性が重視されています。その中で弊社は、個人としての思いを尊重しつつ、献身的なサポートを提供する環境を構築しています。
ブロードマインドは、チームとして活動し、チームとして功績をあげるといった考えを重視しているので、お互い協力し支え合いながら成長していきたい人は、ぜひ来ていただきたいですね。教育体制が非常に充実しているので、知識や経験に不安がある方でも、ぜひ応募いただければと思います。
編集部
もちろん本人に意欲があることや、チームで支え合うことに喜びを感じられる人であることは前提だと思いますが、未経験でも成長できる環境があることは、ブロードマインドさんの大きな魅力だと感じました。本日はありがとうございました!
■取材協力
ブロードマインド株式会社:https://www.b-minded.com/
採用ページ:https://www.b-minded.com/recruit/