独自のビジネスを展開し、自分たちのカルチャーを大切にしながら成長を続けている企業をインタビューする本企画。今回は、All-in-one顧客コミュニケーションツールを展開する株式会社Channel Corporationにお話を伺いました。
株式会社Channel Corporationが展開しているのは、独自のAll-in-one顧客コミュニケーションツール「チャネルトーク」です。
チャネルトークは2018年に日本と韓国で同時にリリースされ、日韓米14万社以上の企業が導入しています。設立からユーザー数は増え続け、5年連続で2倍以上の成長を実現しました。
株式会社Channel Corporationは、独自の3つのカルチャーを大切にしながら成長を続けています。
また、互いをイングリッシュネームで呼び合うなど、フラットでチームで本質に向き合う文化が特徴です。同社の成長の要因や働き方などについて日本CEOのJayさん、採用担当のSpicaさんにお話を伺いました。
事業紹介:顧客との絆を深める次世代CRMツール「チャネルトーク」
▲独自のAll-in-one顧客コミュニケーションツール「チャネルトーク」を展開している
編集部
初めに、Channel Corporationさんの事業内容についてお教えください。
Jayさん
Channel Corporationは「チャネルトーク」という独自に開発したチャットツールを、展開しています。さまざまなビジネスチャットツールが世に出ている中で、チャネルトークの特徴として挙げられるのはCRM(※)の機能が備わっている点です。
(※)Customer Relationship Management(カスタマー リレーションシップ マネジメント)の略語。日本語で「顧客関係マネジメント」という意味。顧客と良好な関係を築き、リピーターになってもらうためのあらゆる施策を指す。
チャネルトークには社内コミュニケーションのためのチャット機能も付いていますが、自社のECサイトを訪れた顧客とのWebチャット機能も搭載されております。また、連絡先など顧客情報を管理できる機能、チャットでの顧客からの問い合わせに対して自動対応できるサポートBot機能なども実装されています。
編集部
エンドユーザーをリピーターに育てる上で必要な施策をワンストップで提供しているのですね。エンドユーザー向けのWebチャット機能が備わっているとのことですが、エンドユーザーがチャットを利用する場合はエンドユーザー側もチャネルトークのアカウントを作らなければならないのでしょうか?
Jayさん
エンドユーザーは、アカウントを作らずに気軽に企業とコミュニケーションを取ることができます。そして、チャネルトークはLINEやInstagram、メール、電話(※)などあらゆるコミュニケーションツールと連携しております。なので、顧客側は自分が使っているコミュニケーションツールを通じても企業に問い合わせできます。
(※)電話機能は韓国ではリリース済み。日本では2023年の冬頃のリリースを予定。
企業側からすれば、顧客とのコミュニケーションを一つの窓口で実行できるということがメリットとして挙げられるでしょう。
編集部
コミュニケーションツールが無数にある現状からすると、企業側にとってもありがたい機能ですね。
急成長の秘訣:チャネルトークが実現する多角的な事業展開戦略
編集部
CRMと一体になったビジネスチャットツールということで大きな需要が生まれていると思います。Channel Corporationさんがどれだけ成長しているかわかる数字はございますでしょうか?
Jayさん
チャネルトークは現在、14万社以上の企業が導入しています。アジアだけでなく、アメリカの企業でも導入実績がありますね。98%という高いサービス継続率もあり、5年連続で2倍以上の成長を実現できています。
2018年のサービス立ち上げ時はチャネルトークに関わっている社員は20名ほどでしたが、現在は170名と8倍以上の増加です。コロナ禍を経て市況的に厳しい時代でも、採用については積極的に進めています。
編集部
ここまで継続的に成長できている要因としては何が挙げられるでしょうか?
Jayさん
成長要因としてまず挙げられるのは、日韓というアジアの2つのマーケットで同時に成長できたという点です。
Channel Corporationはグローバル企業ですが、チャネルトークは日韓同時で立ち上げたサービスです。一般的なグローバル企業のように1つのマーケットで成長して、次のマーケットに展開していくという流れではなく、2つのマーケットで同時にサービス開発を進めてこれたのです。
次に挙げられるのは、マーケティングとブランディングに力を入れていることです。チャネルトークを企業に導入してもらう際には売り上げだけを求めるのではなく、「どうすれば他の会社もチャネルトークを使いたくなるのか」ということまで考えています。
なので、チャネルトークを導入いただいた企業にはチャネルトークの機能を他の企業に自慢してほしいと思っています。なので、既存のお客様に向けたブランディングやマーケティングにも注力しているのです。
最後に、ECの事業者向けにサービスを展開している企業とのパートナーシップも成長要因として挙げられます。様々な企業様とパートナーシップを結び、成長を続けています。
カルチャー:3つの柱が支えるChannel Corporationの持続的成長
編集部
マーケットやパートナーシップなど戦略の部分で成長要因を挙げていただきましたが、カルチャーなど内的な要素での成長要因はございますでしょうか?
Jayさん
Channel Corporationは3つのコアカルチャーを掲げており、成長を続けている要因の一つとして挙げられます。
そして、チームスローガンとして「We make Future Classic Product」を掲げています。「未来の当たり前をつくる」という意味で、「10年後にも、20年後にも使われ続けるサービスを開発する」というChannel Corporationの姿勢が表れています。
なので、何か新機能を開発する際にも短期的な目線ではなく、10年後も使われ続けられる機能なのかということを議論しますし、戦略立案をする際にも、お客様の今後の成長に繋がるのかという点も重要視していますね。
そしてコアカルチャーの一つ目が「Customer Driven」です。「顧客中心文化」という意味ですね。ただし、「お客様は神様」ではなく、「お客様よりお客様を理解する存在である」という考え方が基となっています。
そのため、お客様の業種や業界に深い知識を持っていることはもちろん、事前準備などでお客様の状況も把握するといった、お客様を成功に導くための準備が重要だと考えています。
また、重視しているのは短期的な売り上げではなく、お客様の成長につながるアクションを取ることです。売り上げに貢献するとしても、お客様の成長につながらないような本質的ではない施策は採用していません。
二つ目は、「Think Fundamental」です。これは本質思考を意味しますが、スタートアップにはやらなければならない仕事がたくさんありますが、その中でも「これをやらなかったら会社が潰れてしまうこと」、そして「ビジネスを3倍以上成長させることが可能なこと」に集中することを意識しています。短期的な目標ばかりを求めるのではなく、長期的な視点に立って本質的に大切なことに集中しようという考えです。
編集部
Channel Corporationさんの顧客、仕事への向き合い方が表れているコアカルチャーですね。
小さな会話が大きな成果を生む:国境を越えた社内コミュニケーションの威力
▲成長に結び付いているカルチャー「Small Talk Big Results」はオフィスにも張り出されている
編集部
「スタートアップはやらなければならない仕事がたくさんある」と仰られていましたが、仕事の取捨選択をするためにはそれぞれがどんな案件を抱えていて、どういう進め方をしているのかといった情報を社内で共有する必要があると思います。
社内のコミュニケーションを活発にするため、Channel Corporationさんで工夫していることはあるでしょうか?
Jayさん
Channel Corporationが大切にしているカルチャーの三つ目に「Small Talk Big Results」というものがあります。このカルチャーも成長に結び付いていますね。
Channel Corporationは2人の共同創業者がいます。2人は一緒に12年間ビジネスを続けていますが、性格は全く違っていてかみ合わないこともあります。なので創業当初から毎日最低10分だけでも電話をしてコミュニケーションをするという習慣があり、これがカルチャーに結び付いています。
そして、新入社員、中途社員、代表者など立場に限らず気軽にコミュニケーションを取れる雰囲気があります。日韓米、国を超えて社員同士でコミュニケーションを取ることもよくありますね。
それぞれの国の成功事例について共有し合うことで、成長に結び付けているのです。
編集部
活発な社内コミュニケーションによって、ビジネス面ではどのような良い影響があったのでしょうか?
Jayさん
最近、日本で有名なアパレル会社さんがチャネルトークを導入しました。日本にいる私たちからすれば、その会社さんが韓国でも有名だとは知らなかったのです。
しかし、日韓の社員同士の雑談でこの会社さんの話をしたところ、「韓国でもとても有名だ」ということがわかりました。そこから、グローバル企業の私たちだからこそできるイベントとして、韓国に日本の会社さんをお招きし、セミナーを開催しました。やはり有名企業ですので、大きな集客効果がありましたし、グローバルでの交流も生まれて色々な相乗効果がありました。
編集部
まさに「Small Talk Big Results」を表すような事例ですね。
顧客の成長が自社の成長:全社一丸のカスタマーサポートが育む絆
編集部
先ほどの事例のように、日韓のお客様同士がつながるというケースは多いのでしょうか?
Spicaさん
お客様の成長のためにお客様同士をつなげるというのも、Channel Corporationの大切な業務の一つです。さきほどの事例は日本の企業が韓国を訪れていますが、逆のケースもあります。お客様同士の交流会といったイベントも積極的に開催しています。
編集部
単なるコミュニケーションツールを提供しているのではなく、お客様の成長が自社の成長だという信念を持ってサービスを展開されているのですね。
Spicaさん
そうですね。また、Channel Corporationでは、全員でカスタマーサポートの業務を担っています。もちろんサポート専門チームはありますが、そのほかのセールスチームやマーケティングチームもお客様から送られたチャットに対応したり、お客様の困りごとを聞いたりする時間が割り振られているのです。
編集部
コアカルチャーの「Customer Driven」が表れているエピソードだと感じました。
働き方:週に3日は出社、対面での会話を重視。新たにジョインするメンバーは本社出張も
編集部
Channel Corporationさんの勤務スタイルについて伺わせてください。
Spicaさん
最近ではリモートワークを推進されている企業さんも多いと思いますが、Channel Corporationでは出社することを推奨しています。基本的に週3日は出社してもらっていますね。
もちろん、一人で集中したい場合はリモートワークをする日もあります。ただ、「社内でカジュアルにコミュニケーションすることでアイデアが生まれる」という考え方を大切にしているので、出社しているメンバーも多いですし、社内は会話にあふれていますね。
編集部
コミュニケーションの大切さを重視しているChannel Corporationさんの姿勢が表れている働き方ですね。グローバルでの社員同士のコミュニケーションについて、チャットを通じて会話をするとのことでしたが、オフラインで交流する機会はあるのでしょうか?
Jayさん
対面でコミュニケーションを取る機会もありますね。
Channel Corporationに入社すると、新しくジョインしたメンバーは本社に3日から2週間かけて出張してもらっています。本社では、グローバル共通の仕事の進め方などについて学びます。
創業者の2人は本社にいるのですが、月に一回程度は日本に来ています。2人は日本の状況について把握したり、重要な戦略について認識を合わせたり、日本のお客様と話したりしています。
文化:上下関係がなく社員同士をイングリッシュネームで呼び合うフランクさ
編集部
Channel Corporationさんのフランクな雰囲気を象徴するエピソードやカルチャーはございますでしょうか?
Spicaさん
Channel Corporationは社員同士をイングリッシュネームで呼び合っています。入社時に自分で考えたり、社内の誰かに付けてもらったりしていますね。例えば日本代表のことは「Jay」、私は「Spica」と呼ばれています。
Jayさん
このカルチャーの根本にある思いは、マネージャーや経営者というのはあくまで役割であって、上下はないというものです。もちろんマネジメントの立場にある人は責任を持って決断するのですが、普段のコミュニケーションはフランクです。
フランクであるがゆえに、「これは違う」と私たち経営メンバーに怒るメンバーもいますし、会議で衝突が起こることもあります。フラットな文化だからこそ、本質に集中して率直なコミュニケーションが取れるのです。
編集部
そもそも組織に上下という概念が存在しないということですね。
求める人材:世界に通用するビジネスを共に作りたいという人材を歓迎
▲「世界に通用するビジネスを共に作りたい方と一緒に仕事がしたい」と話すJayさん
編集部
最後に、Channel Corporationさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。
Jayさん
Channel Corporationは日本と韓国が作ったプロダクトを通じて、世界で使われるようなビッグビジネスを開発したいと考えています。みんながこの夢の達成のために本質的なことだけ求めて仕事ができるよう、人間関係など本質的でない部分のストレスをなくしたいと考えています。
Channel Corporationに入社する人は、基本的にみんな仕事が大好きです。そして、大きな夢を達成するために積極的に関わっていく人ばかりですね。
がんばってくれているメンバーのためにも、世界で成功するビジネスを作る事を諦められないと考えています。同時に、ビジネスで妥協して経営者だけ儲かるような会社にもしたくないと思っています。
世界に通用するビジネスを自らの手で共に作りたいという方は、ぜひ一緒に仕事がしたいですね。
編集部
世界に通用するビジネスを開発するというのを目指している会社はそう多くありません。だからこそ刺激的な経験が得られるのではないかと感じました。本日はありがとうございました。
■取材協力
会社名 | 株式会社Channel Corporation |
---|---|
住所 | 東京都中央区京橋3-1-1 東京スクエアガーデン 14F |
事業内容 | All-in-one顧客コミュニケーションツール |
設立 | 2014年1月 |
公式ページ | https://channel.io/ja |
採用ページ | https://channel.io/ja/jobs |