ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、恵庭市役所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、北海道恵庭市の恵庭市役所で働く魅力をご紹介します。
同市役所は、育児短時間勤務制度や子の看護休暇制度など、子育て世代に優しい支援制度が整っているだけでなく、それらを活用しやすい職場環境も特徴です。有給休暇取得率も高く、ワークライフバランスを重視した働き方を実現できる職場として注目を集めています。
札幌市や新千歳空港からのアクセスが便利な道央地方に位置する人口約7万人の恵庭市。コンパクトな街ならではの「市民との距離の近さ」を活かした市民協働を重視しており、若手職員の活躍機会も豊富です。
今回は、恵庭市役所の育児支援制度や働き方について、実際に制度を利用している職員課の吉野さん、谷さん、そして広報課の金子さんにお話を聞かせていただきました。
ワークライフバランス:育児と仕事の両立支援制度あり
編集部
恵庭市役所では育児と仕事の両立支援に力を入れていらっしゃるそうですね。どのような取り組みがあるのか教えてください。
金子さん
「育児部分休業制度」があり、子供が小学校に就学するまで利用できます。子供の保育園等への送迎に合わせて始業及び終業時に時短勤務を行うことが可能です。
たとえば基本的な勤務時間は8:45~17:15ですが、この制度を利用すると「朝、子供を送ってから9:45~出勤。16:15に退勤し子供を迎えに行って帰宅」、「退勤のみ2時間早めて15:15に退勤する」という子育てのペースに合わせた働き方ができるので、多くの職員が活用しています。
その他にも「子の看護休暇制度」というものがあり、子供1人につき5日、2人以上で10日の休暇を取得できます。子供は急に体調を崩すこともあるので、有給休暇とは別に看護休暇があることは非常に心強いです。
編集部
有給休暇の取得状況を教えてください。
吉野さん
令和5年度の有給休暇取得日数は平均14.74日で、取得しやすい環境づくりを心がけています。
「mama's cafe」で不安解消!復職支援の取り組み
編集部
支援制度以外に何か取り組んでいることはありますか。
金子さん
特徴的な取り組みとして「mama's cafe」があります。これは、育児休業を経て復職した先輩女性職員から、出産や育児、復帰後の生活について体験談を聞く機会です。出産時期が近い職員同士で、ワークライフバランスや育児の悩みについて、お茶を飲みながら意見交換を行います。
実際に私も参加したのですが、妊娠中の職員も含めて15名程度が参加し、和やかな雰囲気の中、職員同士交流することができました。私自身、子育てと仕事の両立に不安を感じていましたが、同じ境遇の職員と話すことで「一人じゃない」と感じることができました。2時間ほどの時間でしたが、他の参加者からも「良いリフレッシュになった」という声が多く聞かれました。
ちなみに、男性職員バージョンの「papa's lunch」というイベントも開催しましたが、こちらも職員から好評でした。近年、若い職員も多くなってきたので、男性の育児休暇と育児休業の取得も積極的に推進しています。
若手が活躍できる職場:20代でも市政に参画できる
編集部
恵庭市では、若手職員が政策立案に携わりやすい環境があると伺いましたが、詳しく教えていただけますか?
吉野さん
公務員の一般的なイメージとは異なり、恵庭市では若手でも重要な政策立案に携わることができます。新しい視点や提案を積極的に取り入れる組織文化があり、年齢に関係なく自身の意見を市の政策に反映できる機会が用意されています。
例えば、市政に関する総合計画や総合戦略を作成する際、高齢者支援や子育て支援などの分野ごとにプロジェクトチームを結成します。課長、係長職である主査に加えて若手職員1名が参加し、重要な政策に対して自身の想いや提案を反映できる環境を整えています。
編集部
若手職員はプロジェクトチーム内では、どのような役割を担っているのでしょうか。
吉野さん
若者目線を取り入れることができるため、多くの市民に市政に関心を持ってもらうことにつながっていると思います。また、他自治体の先進都市の事例を調査し、エビデンスに基づいた提案、政策反映を行うことで、職員としての能力向上にもつながっています。
編集部
ちなみに年間どのくらいのプロジェクトがあるのでしょうか。
吉野さん
市政に関する計画は5年程で改定や見直し等があるため、そのタイミングでプロジェクトが組まれることが多いです。また、懸案事項として課題解決が必要となった場合は、都度検討委員会などが組織されて、その委員の一人となることもあります。
編集部
若手職員のプロジェクトチームへの参加はどのような形式で決まりますか。
吉野さん
立候補による公募制を採用しています。その他にも、自身のアイデアや提案を上層部に直接プレゼンテーションできる機会もあります。
編集部
若手職員が活躍した具体的な事例を教えてください。
吉野さん
若手の提案で実現した政策がいくつかありますね。まちをPRするシティセールス事業やSNSの活用開始、市民にわかりやすい窓口表示の導入、歩くことを通したまちづくり事業(「歩くことが楽しい」と思えるきっかけをつくり、楽しみながら市民に健康づくりの輪を広げる)などがあります。
キャリア形成:異なる部署を経験可能!専門性を活かしたキャリアを積むことも
編集部
若手も含めた職員の人材育成について、どのような方針をお持ちですか。
谷さん
入庁後10年間で窓口系、管理系、事業系という3つの部門を経験できるため、幅広い業務知識を習得できます。その後は、これらの経験を通じて見つけた自身の適性や強みを活かせる部署への配属となり、専門性を高めていくことができます。
編集部
一般的なキャリアパスについて教えてください。
吉野さん
大卒、高卒問わず、30歳で主任になり、その後主査を経験します。基本的に主査以下は年齢に応じて昇級する要素が強いですね。恵庭市役所では、一般的な行政職だけでなく、福祉関係など専門性を活かせる仕事もあるので、自身の専門知識を活かしたキャリア形成も可能です。
若手職員の活躍事例:入庁のきっかけは、先輩職員の人柄に惹かれたこと
編集部
恵庭市役所に入庁したきっかけを教えてください。
谷さん
きっかけは大学3年生の時に参加した市役所のインターンシップです。約20人の学生が参加し、その際、職員との交流機会が多くありました。職員の方々の人柄に惹かれ、また仕事の重要性も知ることができました。
インターンシップでは、7人程度のグループに分かれて恵庭市の観光ツアープランを作成しました。午前中に企画を立てて、午後は実際に職員の方と一緒に市内を巡るという内容でした。この経験を通じて、恵庭市に魅力を感じて受験を決意しました。
金子さん
私は就職活動の際、できるだけ多くの方と関わる仕事がしたいと考えていて、そのときに市役所を思いついたのがきっかけです。
編集部
日頃、どのような業務を行っているのか教えてください。
金子さん
私は現在、企画振興部の広報課に在籍しており、月に1回市民に配られる広報誌の作成や、SNSの運用、ホームページ管理、市内で行われる行事や講習会の取材を行っています。SNSについては、現在X(旧Twitter)とFacebookを活用しており、特にXについては週末のイベントでもタイムリーな情報発信をするように心掛けています。
谷さん
私は総務部職員課で、市役所内部の給与関係や研修関係の業務を担当しています。現在、給与明細や各種資料など紙媒体が多いので、将来的にはペーパーレス化を進めることができればと考えています。
ちなみに、以前は幼児保育課という部署で働いており、入所案内や幼稚園、保育園の補助金に関する業務などを行っていました。数年後、また部署異動があるので、イベントの企画や運営など、まだ経験したことのない業務をしてみたいですね。
編集部
恵庭市役所で働く魅力や、やりがいについて教えてください。
金子さん
都会でもなく、田舎でもない適度な規模の街だからこそ、業務を通じてまちづくりへの貢献を実感できることが大きな魅力だと思います。大都市では感じにくい、自分の仕事がまちづくりに直接関わっているという実感が持てます。
吉野さん
市民活動が非常に活発な街なので、市民の皆さんと協働してまちづくりに携わることが大きな魅力と感じています。
市役所の雰囲気:職員同士が支え合う和気あいあいとした環境
編集部
職場の雰囲気を教えてください。
吉野さん
他の自治体では、部長職専用の個室がある場合もありますが、恵庭市役所は役職に関係なく、皆同じフロアで勤務し、和気あいあいとした雰囲気で、コミュニケーションが取りやすい職場です。
金子さん
私が所属する広報課は、課長、主査、私の3人体制で運営しています。少人数の部署なので、育休復帰時に子育ての都合で休みを取ることが多く迷惑を掛けるのではと心配でしたが、「困ったときはお互い様」と言っていただきとても安心しました。
編集部
職員同士の交流を深める取り組みがあれば教えてください。
吉野さん
様々な取り組みを行っています。体育系・文化系の部活動も活発に行われていますが、最近では、仕事終わりに全職員から希望者を募り、チャーターバスで隣町の球場「ES CON FIELD HOKKAIDO(エスコンフィールド HOKKAIDO)」へ野球観戦に行くなど、部署を越えた交流機会を設けています。
また、忘年会などの会合の際には、福利厚生の一環として会費を一部助成しています。これは職員同士のコミュニケーションを促進することを目的にしています。
採用情報:恵庭市役所で働くために大事なポイント
編集部
恵庭市役所で働く上で大事なマインドは何ですか。
吉野さん
市民とのコミュニケーションを通じて、まちづくりの最前線で市民の声を直接聞き、その声を政策に反映しようというマインドですね。
当市は「市民協働」を重視していて、様々な政策や事業において市民の方々に委員として参加頂き、意見を取り入れながら進めています。例えば、「花のまち」として知られる恵庭市ですが、この景観は行政主導ではなく、市民の皆さんが主体となって作り上げてきました。そういった意味でも、市民とのコミュニケーションを楽しめる方が活躍できる環境だと考えています。
また、市民の皆さまからいただいた意見や声を、具体的な施策として実現できる能力も必要ですね。
編集部
最後になりますが、恵庭市役所への入庁を考えている方へメッセージをお願いします。
谷さん
公務員と聞くと、毎日パソコンに向かって同じような業務をこなしているイメージを持ってしまうかもしれませんが、実際は多岐にわたる業務に携わります。私自身、まだ2部署目ですが、様々な経験を通じて多くの学びがあり、自己成長できる環境だと実感しています。
やりたいことが明確に定まっていなくても、働くなかで自分の適性に合った仕事を見つけられると思います。ぜひ恵庭市役所を選択肢の一つとして検討していただければと思います。
金子さん
女性の方は、妊娠・出産・育児と仕事の両立を重視して職場を選ばれるケースが多いと思います。当市では、実際に、ライフイベントを経験しながら活躍している女性職員が多数います。各種支援制度が整っているのはもちろん、それらを利用しやすい職場の雰囲気もあります。
女性が活躍できるサポート体制が整っていますので、少しでも興味をお持ちの方は、安心してご応募いただければと思います。
編集部
恵庭市役所は市民協働を掲げているように、人とのコミュニケーションが好きな方に最適な職場と言えそうですね。本日はありがとうございました。
編集後記
実際に取材中、終始にこやかで和気あいあいとした雰囲気でご対応いただき、職場環境の風通しの良さを垣間見ることができました。
▲花のまちとして知られる恵庭市の風景。
この記事のまとめ
若手の活躍機会 |
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女性活躍支援 |
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職場環境・カルチャー |
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求める人物像 |
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恵庭市役所の基本情報
住所 | 北海道恵庭市京町1番地 |
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公式ページ | https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/ index.html |
採用ページ | https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/ kurashi/shiseijoho/jinji_shokuin/saiyo/ index.html |
募集職種 | 事務職、技術職、保育士など |