社員の学びや挑戦を後押しする、株式会社フライヤーのカルチャー

様々な企業の取り組みや新しい働き方をお伝えするこの企画。今回は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」を展開する企業、株式会社フライヤーにお話を伺いました。株式会社フライヤーはビジネスパーソンのための「知」を軸とした、これまでになかった新しいサービスを展開し、市場から注目を集めています。

株式会社フライヤーとは?

株式会社フライヤーは、ビジネス書の要約サービス「flier」や読書コミュニティ「flier book labo」の展開など、要約を主軸に「知」に触れる機会を創出している企業です。教養やビジネススキルを身につけたいビジネスパーソンに広く利用され、社会教育や福利厚生の一環として取り入れる企業も増えており、急成長を遂げています。

会社名株式会社フライヤー(Flier Inc.)
住所東京都千代田区一ツ橋1-1-1
事業内容本の要約サービス「flier(フライヤー)」
読書コミュニティ「flier book labo」の運営
設立2013年6月
公式ページhttps://www.flierinc.com/

そんな株式会社フライヤーは「ヒラメキ溢れる世界をつくる」というミッションのもとで、「知」を軸とした事業を展開するほか、社員が学びを得るための制度や新しいことにチャレンジする文化があります。今回は、働き方や福利厚生などについて、人事の永野さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
永野さん

株式会社フライヤー 人事

永野さん

ビジネスに必要な知識を学べる本の要約サービス「flier」

本の要約サービス「flier(フライヤー)」のイメージ画像

編集部

フライヤーさんでは「知」を軸に、読書に関するサービスを次々と展開されています。御社の事業内容について教えていただけますでしょうか?

永野さん

主な事業内容としては、本の要約サービスの「flier」を個人向け、法人向けに運営しています。「flier」は、ビジネス書の新刊や話題のベストセラーなどの本の要約を、1冊10分で読める形で掲載しているサイト・アプリです。毎日約1冊ずつ追加しており、累計3,000冊以上の要約を掲載しています。

取り扱っている本のジャンルはビジネスパーソンに向けたものがメインで、マーケティングや経営、リベラルアーツなどの約17種類です。最近では、文章だけではなく動画からも学べるようなコンテンツも展開しています。

「flier」は、効率良くビジネススキルや教養を身につけたいユーザーや、福利厚生・社員教育の1つとして企業に法人契約をしていただくケースも増えています。昨今はオンラインでの研修や教育が一般的なこともあり、現在は700社以上の企業様にご利用いただいていますね。個人・法人あわせて、累計会員数は100万人を突破しています。

編集部

まさに伸び盛りのサービスなのですね。その他に展開されている事業はあるのでしょうか。

永野さん

「flier book labo」というオンライン読書コミュニティを運営しています。こちらは、さまざまな領域で活躍されているビジネスパーソンなどを”パーソナリティ”としてお迎えし、ピックアップした書籍について語る音声コンテンツの配信や、オンライン読書会を開催しています。本が好きなメンバー同士で読書会をしたり、書籍から得た気づきや学びを通して交流ができるコミュニティとなっています。

flier法人版の独自機能「スクール」とは

編集部

「flier」は個人向けと法人向けがあるとのことですが、2つの違いはなんでしょうか?

永野さん

基本的な機能やユーザー体験は、個人・法人で大きく違いはありませんが、法人版にしか搭載されていない機能に「フライヤースクール(以下「スクール」)」という機能があります。「スクール」は職種・業界問わず社会人として必要な知識を学ぶことができる、弊社独自の読書カリキュラム機能です。

「flier法人版」の「スクール」機能の利用画面
▲「flier法人版」の「スクール」機能の利用画面(採用ページから引用)

永野さん

スクールではコミュニケーションやリーダーシップ、ロジカルシンキングなど、16のトピックを用意しており、1トピックあたり3冊、フライヤーが厳選した書籍の要約を読む仕組みです。徐々に目線が高くなるよう設定しているため、順を追って読み進めることで体系的に学ぶことができます。話題書・名著が選ばれているため、スキルアップとともにトレンドのキャッチアップにもつながります。

さらに管理画面が標準搭載されていて、ここから社員ごとの閲覧状況や、社内でどのような分野が人気なのかを確認できます。これにより、個々に応じた学びの提供や業務のアサインに活用できるということで、非常に好評いただいております。

編集部

職種や業界、役職関係なく学べるコンテンツであるからこそ、多くのビジネスパーソン、法人から利用されているのですね。

仕事以外の場でも学びを。ワークライフバランスを重視

株式会社フライヤーで働く社員の様子

編集部

御社はワークライフバランスを重視されているそうですが、その理由や、実際どのような働き方をされているかお伺いできればと思います。

永野さん

まず、残業時間は平均7時間から10時間程度で、ほとんどの社員が定時に退社しています。残業時間が少ない分、副業や子育て、趣味に充てたり、MBA取得のためスクールに通ったりと、プライベートを充実させている社員が非常に多いです。副業をしている社員と、小学生以下のお子さんがいる育児中の社員は、それぞれ3分の1ほどいますね。

残業をよしとしてしまうと、残業する人が評価されるようになり、どんどん残業する社員が増えてしまいます。場合によっては体調を崩す人も出てくるなど、長期的に見て事業の悪影響となると考えているため、残業時間はできるだけ少なくなるようにしています。

また、副業や育児、介護、趣味など、様々な環境から得られる学びは、本業でも生かされることがたくさんあると思っています。社員が様々な学びをインプットすることで、経営的にも効率性・生産性の高い運営ができると考えています。そのため、仕事は時間内に集中して成果を出し、仕事以外のプライベートの時間を有意義に過ごしてもらえるような社風にしています。

育児中はフレックスタイムと時短勤務の併用が可能

編集部

育児中の社員さんが3分の1ほどいらっしゃるとのことですが、その方々はどのような働き方をされているのでしょうか?

永野さん

育児中の社員に関しては、フレックスタイム制度や時短勤務を活用することができます。

編集部

お子さんのお迎えや行事への参加などにも対応しやすいように整えられているのですね。

永野さん

保育園や幼稚園が休園となっていた時は、フレックスタイム制度があって本当に助かっているという声が聞かれます。また、保育園の送り迎えなどの際、時間通り子どもが動いてくれない場合、定時制だと焦って子供を叱りつけてしまっていたところを、心に余裕を持って子どもに向き合えるようになったと話す社員もいます。

編集部

柔軟な制度設定にすることで、育児中の社員の皆さんも助かっているんですね。育児の負担により仕事を離れてしまうケースも防げそうです。

副業で得たスキルや知識を本業に還元

株式会社フライヤーの社員が打ち合わせをしているようす

編集部

先ほど副業をされている方も多いと伺いましたが、具体的にはどのようなケースがあるのでしょうか?

永野さん

たとえば執行役員の1人は、ミュージシャンとして活動したり、ライターとしてラーメンに関する記事を執筆しています。他にも、講義・セミナーなどの講師として活躍する社員もいます。

また、弊社にはライターのメンバーが多く在籍していますが、それぞれライティングスキルを活かして旅行雑誌に寄稿するなど、さまざまな仕事を手掛けています。

編集部

副業によって、本業にもいい相乗効果が得られた事例があれば教えてください。

永野さん

ライターの方に関しては、多様な分野の文章を取り扱うことで、ライティングスキルが向上していると思います。他には私を例に挙げると、他社の採用や人事領域に関わる副業をしているのですが、他社の事例を知ることで自社の課題が見えてきたり、より良い例を取り入れていくことができています。

編集部

社員の皆さんは副業をすることによって自身のスキルを高められたり、得られたノウハウを仕事や組織に還元されているのですね。多様な働き方を認めることで、社員の皆さん、そして企業の成長に結びついているとわかりました。

社員が活用することで組織の成長にもつながる福利厚生

株式会社フライヤーの「flier book camp」の講座中の様子
▲「flier book camp」の講座中の様子。著者や本に関するプロフェッショナルによる講座を、社員は無料で受けることができる。(公式サイトから引用)

編集部

次に、御社の福利厚生について教えてください。

永野さん

一般的な福利厚生制度を除いた弊社独自のものとしては、主に3つあります。1つは、先ほどご紹介した法人版「flier」のスクール機能を利用してみて、実際に気になった本を社費で購入できる制度です。

これは今期限定で導入した制度なのですが、スクールをきっかけに興味を持った知識をさらに深めてもらうため、スクールで要約を読んだ本から、好きな本を選んで購入できるようにしました。

本を購入した社員にアンケートをとったところ、その8割が「トピックについて興味はあっても具体的に勉強したことはなかった、触れてこなかった」と回答しました。また、約6割の社員は「スクール機能を使う前はそのトピックについてあまり関心を持っていなかった」ということでした。

この制度を利用してもらうことによって、関心のなかったトピックにも興味を持ってもらうことができ、新しい学びにつながっていると感じています。

編集部

2つ目の制度は何になるでしょうか。

永野さん

2つ目は弊社のオンラインコミュニティ内で開催されている「flier book camp(フライヤーブックキャンプ)」を受講できる制度です。この講座は、本から得た学びを深める有料のオンライン講座です。ユーザーに提供しているサービスに参加する形式のため、各回で参加できる人数は限定されてしまいますが、社員は無料で受けることができます。

テーマは論理的思考力や、自分のキャリアについて考えるものなど様々で、毎月2つから3つを開講しています。1つのテーマに対して月1回、4ヶ月かけて学んでいきます。

社員は毎回上限4人程度の募集としていますが、枠がすぐ埋まってしまうほど人気です。目標設定や、どうPDCAを回していくかについての講座を受けた社員が、講座内容をチームにシェアして実際に手法を試すことで、チームのブラッシュアップを実現したなどの効果も出ています。

編集部

制度を活用した社員が学び、得た知識を広げるという結果が出ているということで、社員・組織の成長につながる制度ですね。自社のサービスを利用できるのも、実際のユーザー目線から改善点など新たな気づきを発見するきっかけにもなりそうだと思いました。

業務時間の5%を自己研鑽に充てられる

株式会社フライヤーのオフィス内観画像

編集部

それでは、3つ目の福利厚生制度についてお聞かせください。

永野さん

最後は「5%ルール」という、業務時間の5%、月の約1日分を自己研鑽のための学ぶ時間に充てられる制度です。3ヶ月で1万5,000円までの費用補助もあり、毎月社員の1割ほどが利用しています。

たとえばエンジニアならAIや開発手法の勉強をしてみたり、管理職の社員は組織運営について学ぶため読書イベントに参加したりしています。また、ライターはライティング、デザイナーはデザインに関する講座を受けるなど、各々が知識を深めたい分野について学んでいるようです。

業務時間はやはり担当業務に取り組むことが主になりますし、業務時間外にインプットするにはリソースに限りがあります。「業務時間で新しい知識を身につけられる」と、社員からもとても好評を得ている制度です。

編集部

普段の業務につながる学習もできるので、業務の生産性やクオリティも向上しそうですね。自分が学んだことをアウトプットする場所もあるのでしょうか?

永野さん

弊社ではSlackを使用しているのですが、研修などで学んだことを投稿するチャンネルがあり、そこでアウトプットしてもらっています。制度の利用時はアウトプットしないといけないルールとなっているので、「こんなことに5%ルールを使います」と宣言し、実際に学んだことを報告しています。

しっかり学んで、その学びをアウトプットすることで、より身につきやすくなると思っていますので、こうしたルールを設けています。社員からは「他の人がどんな風に5%ルールを活用したか、それによってどんな学びを得たのかを知ることも勉強になる」といった声も挙がっていますね。

編集部

各々が得た知見をシェアできる仕組みがあり、それが社員さんの中にも根付いているからこそ、お互いに高め合い組織としても成長しているように感じました。

「学習欲や未来志向」を持っている社員が多い組織

株式会社フライヤーのオフィスの写真
▲株式会社フライヤーのオフィスには、これまで同社で要約してきた書籍が飾られている。

編集部

御社に在籍している社員の皆さんについて、共通していることやどんな雰囲気・特徴があるかなど、教えていただければと思います。

永野さん

弊社では入社した方全員に、強みとなる資質を診断する適正検査を受けていただいています。それによると、学習欲や未来思考など、何かを学んだり、より良くしていくために考えたりするような資質を持っている社員が半分以上なんです。

採用段階で検査をしているわけではないので、これは意図した結果ではありません。ただ、診断の通り、何か新しいことを学んだり、得た知識を実際に試して良いものにしていくことが好きで、かつ得意な社員が多いですね。

編集部

学ぶことや思考することを強みとされている方が多いと、適性検査の結果でも出ているのですね。本に関わるサービスを展開されているということで、やはり読書好きな社員さんが多いのでしょうか?

永野さん

一般的な組織と比較すると、本の好きな人の割合が多いとは思います。弊社で要約した本は全てオフィスで所蔵しており、社員はいつでも借りられるようにしているのですが、月に10冊ほど借りられている履歴がありますね。

ただ、入社する段階では「あまり本は読まない」「そんなに好きではない」という社員も少なからずいます。こうした社員も、日々本の要約に触れたり、本に関する話題が飛び交っている職場に身を置くことで、読書量が増えてくるようです。

編集部

もともと本が好きな方もそうではない方も、仕事をしているうちに段々と好きになっていくのですね。学習欲が高い方も多いということなので、社員の皆さん同士で刺激を受け合った結果なのかなと感じました。

求める人物像は「好奇心が強く、ポジティブな人」

株式会社フライヤーの社員同士のコミュニケーションの様子

編集部

最後に、採用関連のお話を伺えればと思います。御社にはどのような人物がフィットするのか、求める人物像などがあれば教えていただけますでしょうか?

永野さん

職種によって本当にバラバラで、明確にこれが共通しているとするのは難しいところです。ただ、好奇心が強い、ポジティブであるというのは共通していますね。

まず好奇心の強さについては、扱っているサービスが「本の要約」でどんどん違うトピックに変わっていくものなので、学ぶこと自体や学んだことを展開していくことが好きな人がフィットすると思います。

また、弊社はまだまだベンチャーのフェーズですので、1年前にしていたことを今はほとんどしてないような、次々と変化していく組織です。その中で新しいことに対して挑戦していくポジティブさは、職種関係なく共通で見ているポイントです。

編集部

「新しいことに挑戦していく」ことについて、現在の社員の皆さんが実行されたエピソードなどはございますか?

永野さん

サービスの改善や新しいサービスのアイデアは誰でも提案でき、チャレンジしている社員がたくさんいます。もちろん審査は行いますが、審査が通れば開発・実装されますし、場合によっては発案者が中心になって進められることもあります。

例えば、「flier」には「学びメモ」という機能があるのですが、これはサービス開始当初には搭載されていませんでした。エンジニアの社員から「学んだことをメモしたり、学んだことをシェアする機能があればいいのでは」と発案があり、実際にその人物がプロジェクトマネージャーとなって開発・実装に至りました。

他にもセールスの社員から、要約の音声読み上げコンテンツについて、もっと流暢なAIに変えたり、BGMを流してはどうかなどと発案がありました。

多くの企業では、エンジニアやセールスなどそれぞれの役割の中で業務に専念していると思います。フライヤーでは、自分の職種や役割を越えて、浮かんだアイデアの実現やチャレンジしたいことに挑戦できるよう、会社として後押しして応援する文化があるんです。

求職者へのメッセージ

株式会社フライヤーの社員集合写真

編集部

最後に、記事を読んで御社に興味を持った読者にメッセージがあれば、お願いいたします。

永野さん

フライヤーは純粋な競合他社がいない、市場にない新しいサービスを展開している会社です。そのため先行事例もないですし、ここはこうすればいいというレールもありません。未知の分野でサービスを考えて作り上げていくフェーズなので、新しいことに挑戦したり、これまでにないものを実現することに興味がある方にとっては、とても面白い環境だと思います。

弊社は「ヒラメキ溢れる世界をつくる」というミッションを叶えるため、今後もっとサービスの幅を広げていきたいと考えています。興味を持っていただけた方は、ミッションを一緒に実現する仲間になっていただきたいので、ぜひご連絡いただければと思います!

編集部

本日はありがとうございました!

公式サイト:https://www.flierinc.com/
採用ページ:https://www.wantedly.com/companies/flierinc