ケミカルポンプのトップ企業「株式会社イワキ」の若手活躍事例と多彩なキャリアパス

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、ケミカルポンプの分野でニッチトップ企業として安定した地位を確立する株式会社イワキにインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

同社では若手社員であっても良いアイディアは積極的に採用される風土があり、入社6~7年程度で開発した製品を世に送り出したケースも見られます。また、キャリア形成においてはマネジメント階層とスペシャリスト階層の2つの役職があり、他にも海外のグループ会社へ出向するケースもあります。

今回は株式会社イワキの若手活躍の機会やキャリアパス、働きやすい職場環境について、人事部採用担当の石崎さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社イワキの石崎さん

石崎 祥さん

株式会社イワキ総務本部人事部人事課主査。研究開発職を経て、人事部門の採用担当にジョブチェンジした経験を持つ。2020年に株式会社イワキに入社し、採用人事のスペシャリストとして活躍。

若手活躍:アイディアが実現できる環境!若手社員発の製品開発も

株式会社イワキの石崎さん
▲取材にご対応いただいた石崎さん

編集部

御社の若手社員の活躍状況をご紹介いただけますか?

石崎さん

当社は連結で1,000人超の従業員がいる中、大学または高校を卒業して新卒で入った社員をはじめ、若手社員も多数入社しています。やる気のある若手にチャンスを与える文化のもと、多くの若手がのびのびと活躍している環境があります。

若手社員の受け入れ状況は部署によって異なりますが、特に技術開発部門では若手社員が多く、新製品開発での要素技術の研究領域におけるチャレンジ機会が多いのが特徴的です。若手社員のアイディアに周囲がしっかりと耳を傾け、優れたアイディアであれば実現することも少なくありません。意欲次第でどんどん裁量を得られ、自身で仕事の幅を広げていけるのが魅力です。

編集部

若手社員のうちに、自身で手掛けた製品を世に送り出すこともできるのでしょうか。

石崎さん

新製品開発の場合はリリースまでかなり時間がかかるため若手社員が1から手掛けるのは難しい部分がありますが、既存製品の設計・開発のカスタマイズを手掛ける場合はもっと短い期間でリリースできることもあります。中には、新製品の開発に関わって6~7年程度でリリースに至ったケースもあります。

編集部

御社では若手社員のアイディアをどのように拾い上げているのでしょうか。

石崎さん

オフィシャルの機会としては、年1回の面談にて自己申告の場を設けて受け付けています。ただし日々のコミュニケーションやチーム内のミーティング、他部署との情報共有の場など、特別な機会を設けなくても良いアイディアがあればいつでも提案可能です。

面倒見の良い社員が多く、上長も部下の話に耳を傾ける姿勢を持つ者が多いため、この相談のしやすさや風通しの良さが若手がのびのびチャレンジできる環境につながっています。

キャリアパス:「ゼネラリスト(マネジメント)」と「スペシャリスト」の異なる2つの役職

株式会社イワキの経営理念
▲オフィスに飾られている経営理念。この姿勢のもと、多くの若手が成長を続けている

編集部

入社後のキャリアパスの特徴についても教えてください。

石崎さん

最も特徴的なのが、管理職のゼネラリストと専門職のスペシャリストの2つの道がある点です。

管理職についても、チームビルディングや部下の育成を行う「マネジメント職」と、技術の専門性やノウハウを追求する「専門職」で分かれています。キャリアアップする上で、必ずしもマネジメント能力を求められるわけではなく、自身の専門性の追求により会社に貢献できるのが魅力です。

実際に当社への転職者の中には、前職でマネジメントのみを担うことに物足りなさを感じていたという方も少なくありません。プレイヤーとしてものづくりに関わり続けたいという方にとっても、やりがいを感じながら働き続けられる環境が整っています。

編集部

スペシャリストとしての役職があるのは、技術職に限られるのでしょうか。

石崎さん

今の職種で専門性を高めたい場合は、部署関係なくスペシャリストとしてキャリアアップしていくことも可能です。例えば私自身、労務管理や社会保険、給与計算なども行う人事のゼネラリストではなく、人材採用に特化したスペシャリストとして人事部の役職を得ています。

編集部

キャリアパスが1本道でないことは、若手社員の成長において可能性を広げる上でも重要ですね。

石崎さん

その通りです。さらに当社では部門を超えたキャリアチェンジも可能なのが特徴的です。

例えば過去には、営業から総務への異動実績もあります。その方は社会保険労務士の資格を取得するなど、自己啓発に励んで異動を実現させました。会社が定めたキャリアパスに自分を当てはめるのではなく、自分次第で道を切り拓いていける環境があります。

意欲と語学力を加味し、海外営業部署やグループ会社でのグローバルな活躍も可能

株式会社イワキの製品が使われる場面のイメージ
▲イワキの製品は工場や発電所のみならずさまざまなシーンで使われており、活躍する場所は海外を含め多岐にわたる

編集部

イワキにはアジア、ヨーロッパ、アメリカなど世界各国に拠点がありますが、入社後のグローバルな活躍機会についても教えていただけますか?

石崎さん

海外営業部署での活躍機会や、海外のグループ会社への出向機会などがあります。

ただし海外営業は新卒での直接配属はないため、まず国内営業でイワキの営業手法を習得し、語学力も伴った状態で、本人希望に応じてチャンスが与えられる形です。実際に現在海外営業で活躍しているのは全員、自分自身で「海外営業に挑戦したい」と希望を出して、それを叶えたメンバーばかりです。

編集部

語学力向上のためのサポート制度などはあるのでしょうか。

石崎さん

当社では英語力を重要なスキルと位置付け、語学力向上のためのサポートに力を入れています。例えば英会話スクール受講費の一部を会社が負担する制度があり、TOEICでのスコアアップで語学力向上を証明していただく必要はありますが、認定されれば費用を一部会社が負担して、語学力向上を支援する仕組みです。

他にも埼玉工場や技術センターでは、定時後に外部講師による英会話レッスンを実施しています。

編集部

海外出向をする方、海外営業部署の方以外でも、英語力を活かす機会はありますか?

石崎さん

プロジェクトによっては海外拠点との打ち合わせや海外出張があるなど、一部の部門では英語を使う機会は多数あります。技術職の場合は技術通訳を介して会話をすることも可能ですが、自分自身でコミュニケーションを取れた方が意思疎通も円滑に進むため、英語力を身に付けている方がより望ましいですね。

いずれの職種であっても、英語力を身につけることでキャリアの選択肢は広がっていくと思います。

働き方:ホワイトな労働環境に惹かれて転職する人も多い

株式会社イワキの石崎さん

編集部

御社の働き方の特徴についてもご紹介ください。

石崎さん

当社は休暇制度の充実や残業時間の軽減など、非常に働きやすい環境を整えているのが特徴です。具体的には年間休日125日を設定しており、土日祝日や年末年始、ゴールデンウィークといった長期休暇に加え、当社独自の休日を設け、休暇日数を確保しています。

また残業時間についても、36協定に基づく月45時間未満を基本とし、人事部として残業時間の管理を徹底しています。繁忙期など例外的な場合は、事前申請と許可を得た上で一時的に月45時間以上の残業を認めていますが、全社的に見ても残業は少ない方だと思います。

編集部

職場の働きやすさに関して、社員の皆さんから良く聞く意見はありますか?

石崎さん

当社への転職理由として最も多いのが「働きやすさ」です。私自身も、前職で厳しい労働環境に身を置いていたため、スキルの活用と働きやすさを両立できる環境を求めてイワキに転職しました。入社後も多くの社員がホワイトな環境に満足しており、ご家族からも喜ばれているようです。

編集部

他に、特徴的な福利厚生制度があればご紹介ください。

石崎さん

遠方から入社する若手社員向けに、30歳まで入居できる借り上げ独身寮の制度を設けています。新卒採用では全国の大学から応募があるため、地方から入社する方が多く利用しています。中途採用でも、遠方から転職される方が利用でき、若手社員の経済的負担を軽減する重要な支援制度となっています。

社内カルチャー:業務・部署を超えた交流が生まれる環境

株式会社イワキの社員が笑顔で話すようす

編集部

社内イベントなど、社員同士の交流機会としてはどのようなものがありますか?

石崎さん

公認、非公認含めてさまざまな交流の場があります。例えばテニスやスノーボードなど有志で集まって活動している会、車やバイクが好きな技術職を中心としたドライブツーリングやキャンプなど、共通の趣味があれば部署を超えて自然と声がかかり、交流の輪が広がっていく環境です。

先輩、後輩の関係も良好で、営業部門では若手社員が大きな契約を獲得した際にお祝いの食事会を行うこともよくあります。本社だけでなく他の拠点も含めて、コミュニケーションが好きな人が多く集まっている印象ですね。

一方で個人のライフスタイルを尊重し、プライベートを大切にしたい人には決して強要することはないため、無理なく自然と交流を楽しむことができます。

事業内容:ポンプ製造のニッチトップ企業として、安定した地位を確立

 株式会社イワキの製品写真
▲イワキが開発する製品の数々

編集部

御社の事業の特徴や強みを教えていただけますか?

石崎さん

まずイワキの取り扱う「ポンプ」という製品自体、ニッチではあるものの確実なニーズを持っています。さらにポンプ業界は新規参入の障壁が非常に高いのが特徴で、その中でイワキはニッチトップ企業として安定した地位を確立している点が魅力です。

そのイワキの強みを支えているのが、特定の業界や機種に特化せず幅広く使用してもらえる豊富な製品ラインナップです。「ポンプのデパート」と呼ばれるほど、手のひらサイズのポンプから世界最大規模のポンプまで幅広い製品を展開しています。

この背景には、当社がもともとメーカーではなく商社として設立されたことがあります。技術者だった創業者が、お客様からの幅広いニーズに応えるために自社で製造を始めたことをきっかけに豊富なラインナップを揃えるメーカーへと変化していきました。

編集部

特に売上の比率が高いのは、どのような分野ですか?

石崎さん

水処理や医療機器、また半導体・液晶が主力となる市場で、さらには燃料電池・風力発電所といった新エネルギーに関しても強化すべき市場だと位置づけています。

ただ、それ以外にも表面処理装置や化学、食品・製紙など幅広く展開しており、景気によって業界ごとの売上のウェイトは変わっていきますが、「この業界は景気が悪いから手を引こう」という考え方は持っていません。

広く社会に貢献していくため、創業時の精神を受け継ぎ、すべてのお客様を大切にする姿勢を持ち続けています。

イワキから求職者へのメッセージ

株式会社イワキの石崎さん

編集部

最後に、転職を検討されている方々へメッセージをお願いできますでしょうか。

石崎さん

当社の製品であるポンプは、普段その動作を目にすることは少なく、はっきりいうと地味な存在です。

しかし社会インフラを支える上で必要不可欠な存在であり、非常に高い社会貢献度を持っています。社会貢献度の高い製品を提供する企業の一員として、どの部署でも確かなやりがいを感じていただけると確信しています。

さらに、上場企業として安定した経営基盤を持っているのも魅力です。自分の専門性を追求しながら、ワークライフバランスを保ちながら仕事に取り組みたいという方にとって、当社は非常に働きやすい環境だと思います。

編集部

石崎さん、本日はありがとうございました!

編集後記

ケミカルポンプ分野で国内外で存在感を発揮するイワキ。歴史と実績のある企業ながら、若手であっても意欲次第で開発におけるコア存在として挑戦できる環境や、グローバルへの挑戦も含めた多様なキャリアパスに魅力を感じました。グローバル展開を進める同社だからこその、手厚い英語力強化サポート体制があることも印象的です。

この記事のまとめ

事業の特徴と強み
  • ポンプ製造のニッチトップ企業として安定した地位を確立
  • 水処理、医療機器、半導体、新エネルギーなど幅広い分野に製品を提供
  • 「ポンプのデパート」と呼ばれる豊富な製品ラインナップを保有
ワークライフバランス
  • 年間休日125日(完全週休2日制+年末年始休暇+独自の休日)
  • 残業時間は月45時間未満を基本として管理
  • 借り上げ独身寮制度により、遠方から入社する若手社員の住居費用を支援
若手の活躍機会
  • 入社6~7年程度で自社製品の開発を担当可能
  • アイディアは若手でも積極的に採用される風土
  • 部署を問わず裁量が与えられ、仕事の幅を広げられる環境
キャリア形成
  • マネジメント職と専門職の2つのキャリアパスを用意
  • 部門を越えたキャリアチェンジの実績あり
  • 海外グループ会社への出向機会あり
  • 英語力向上のための支援制度が充実
社風・カルチャー
  • 面倒見の良い先輩が多く、相談しやすい環境
  • 部署を超えた交流が活発(社内イベント・趣味の会など)
  • 個人の意思や働き方の選択を尊重する文化

株式会社イワキの基本情報

企業名 株式会社イワキ
住所 東京都千代田区神田須田町2-6-6ニッセイ神田須田町ビル
事業内容 ケミカルポンプをはじめとする各種流体制御製品の開発・製造・販売
設立 1956年4月
公式ページ https://www.iwakipumps.jp/
採用ページ https://www.iwakipumps-recruit.jp/
募集職種 機械設計、品質保証、部品調達購買、製品メンテナンス
取材・編集
大滝雄介のプロフィール写真

ミライのお仕事
編集部

大滝 雄介

企業の採用や働き方に関する取材を担当し、これまでに三井物産株式会社やヤマハ発動機株式会社、サイボウズ株式会社など、約650件の取材実績あり。編集歴は15年にわたり、出版社勤務時代には官公庁や健康保険組合の機関誌・パンフレットなどを企画段階から多数制作。