独自の企業文化を築き、若手社員のチャレンジを成長につなげる企業にインタビューするこの企画。今回は、医療業界などのWeb講演会運営・配信サービスや、人工知能を活用した各種ソリューションの提供を中心に事業を展開する「木村情報技術株式会社」を取材しました。同社は、技術の革新と社員の幸せを両立させながら持続的な成長を続けています。
木村情報技術株式会社：革新的なIT企業の概要と事業展開
木村情報技術株式会社は、佐賀県に本社を構え、Web配信・人工知能（AI）の研究開発など多様な技術を提供する先進的なIT企業です。全国展開も積極的で、札幌・東京・名古屋・大阪・福岡に支店を、さらに全国11カ所にスタジオを保有しています。
代表取締役の木村隆夫さんが掲げる「社員第一主義」という理念を具現化した、働きやすい環境や制度が特徴です。特筆すべきは、若手社員にも積極的にチャレンジの機会を与え、その成長を支援する企業文化が根付いていることです。
| 会社名 | 木村情報技術株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 佐賀県佐賀市卸本町6-1 |
| 事業内容 | ・人工知能(AI)活用事業及び人工知能サービスの研究・開発 ・Web講演会運営・配信サービス「3eLive」及び収録・オンデマンド配信サービス ・オンライン学会運用プラットフォーム「KIT-ON」の運営・管理 ・医薬品情報プラットフォーム「AI-PHARMA」の運営・管理 ・医薬品業界向け出版及び研修コンサルティング事業 ・サガン鳥栖スマホの販売とエックスモバイルの代理店販売 ・「Zoom」及び｢Remo｣会議システムの代理店販売 など |
| 設立 | 2005年7月29日 |
| 公式ページ | https://www.k-idea.jp/ |
本インタビューでは、木村情報技術株式会社の革新的なアイデア創出方法、迅速な意思決定と実行力の秘訣、社員間の思いやりに満ちた関係性、独自の教育・研修制度による人材育成、そして同社で活躍する人材の共通点などについて、管理本部人事総務部の西地さんとPR部の山本さんにお話を伺いました。
多角的事業展開：Web講演会からAI、メタバースまで
▲医療業界におけるWeb講演会運営・配信の売り上げシェアは国内No.1！
編集部
まず最初に、木村情報技術さんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。
西地さん
弊社の事業は、大きく3つの方向性に分かれています。
ひとつは「医療業界におけるWeb講演会運営・配信サービス」です。私たちがテレビ局のような役割を担い、製薬会社様やメーカー様を中心としたクライアントの講演会の様子を配信します。企画・集客から当日の運営、アフターフォローまでワンストップで提供できるのが強みです。
次に「AIの研究開発」です。特に得意としているのは自然言語処理で、例えばチャットボット（※）のようなサービスを提供しています。人間の作業をAIに任せることで、企業のデジタル化を推進しています。
（※）チャットボット：ユーザーからの質問に対してAIがリアルタイムで適切な回答を返すプログラム。
最後は特定の事業ではありませんが、「新しい領域への挑戦」を続けることも木村情報技術の柱といえます。さまざまなアイデアを同時並行で進め、弊社の3本目の根幹ビジネスとなるようなものを生み出しています。
▲新規事業のひとつであるメタバース「KIMULAND」。
編集部
具体的には、どのような領域に事業を展開されているのでしょうか。
西地さん
一例としては、弊社オリジナルのメタバース「KIMULAND」や、近年力を入れている「eスポーツ事業」が挙げられます。eスポーツ事業では、ゲーム大会の配信だけでなく社員研修などと組み合わせて新たなビジネスモデル化をめざしています。
また、「Local Bank Matching Service」を略した「LoBaMaS（ロバマス）」というサービスも提供しています。これは地方銀行と企業をつなぐ情報プラットフォームで、経営課題の解決や新規事業の創出を支援するWebツールです。
編集部
主力である配信関連事業のみならず、AIやeスポーツなど本当にさまざまな分野を手掛けていらっしゃるのに驚きました。佐賀県から全国に向けて、技術力を活かした最先端のサービスを提供されているんですね。
企業理念：社員と社会の幸せを追求する経営方針
▲代表取締役である木村隆夫さんの主導のもと、企業理念は社内に浸透している。
編集部
次に、木村情報技術の皆さんがどのような想いをベースにして仕事をされているか、お教えいただけますでしょうか。
西地さん
弊社は、2つの企業理念をとても大切にしており、社員にも深く浸透しています。それは「人に喜ばれることを判断基準として仕事を選び従事する」と「志は高く、謙虚に、感謝と和合の精神を持って、人とお付き合いをさせていただく」というものです。
「人に喜ばれる」の「人」には、お客様だけでなく、一緒に働いている仲間、その社員を支援してくれる家族など、「自分に関係するすべての人に喜んでもらえる仕事をしよう」という想いが込められています。そのため弊社の社員は、本当に思いやりのある人が多いんです。
また、「感謝と和合」には、人と人との長期的な関係を大切にし、感謝の気持ちを持って働くという考えが込められています。現在、役職に関係なく互いを「さん」付けで呼び合う「さんさん運動」を実施していますが、これも互いに敬意を示して仕事をしようという弊社の社風の表れだと思います。
編集部
そういった理念は、どのように浸透していったのでしょうか。
西地さん
代表の木村（代表取締役の木村隆夫さん）が主導して、継続的に発信してきたことが大きいと思います。木村は常々「社員第一主義」ということを言っていて、「人に喜ばれる仕事をするためには社員が幸せでなければならない」と考えているんです。
つまり、社員とその家族が幸せであれば、必ずお客様にも高品質のサービスを提供することができるということです。お客様が満足されれば地域が発展し、地域の発展は弊社への優秀な人材の入社につながるという、好循環を生み出すと考えています。
「always new idea.」：年齢や役職に関係なく新しいアイデアを生み出す企業文化
▲「always new idea.」というスローガンをもとに日々挑戦を続けている（公式サイトより引用）。
編集部
企業理念のほかに、社員の皆さんが大切にしている考え方があればぜひお教えください。
西地さん
木村情報技術では、「always new idea.」というスローガンを掲げています。会社が存続し、成長できているのは、先輩たちがお客様に喜んでいただける新しいアイデアを生み出してきたからです。私たちはその精神を引き継いでいます。
弊社の根幹となる事業を大切にしつつも、常にお客様の役に立つアイデアや、世間を驚かせるようなアイデアを具現化したいという思いで、若手からベテランまで一丸となって知恵を出し合っています。
編集部
そのスローガンが反映された制度はあるのでしょうか。
西地さん
会社を良くするために思いついたアイデアをいつでも投稿できる「フラッシュアイデア投稿制度」というものがあります。これは業務面だけでなく、職場環境についての改善案でも構いません。
投稿された内容は、必ず代表の木村が確認をして返信します。返事の内容に沿って担当者が割り当てられ、可能性を検討したり、実際に形にするための行動を起こしています。大小さまざまなアイデアがありますが、新入社員もベテランも関係なく誰でも発信でき、遠慮せずに自分の意見が言える環境です。
若手社員の挑戦を支援：代表と新入社員が協働するプロジェクト文化
編集部
先ほど「新入社員もベテランも関係なくアイデアを出している」と伺いましたが、木村情報技術さんでは、若手の方々も活躍されているということですね。
西地さん
おっしゃるとおりです。正確には、「若手もベテランも関係なく活躍している」ということですね。
実は、いま全社的なプロジェクトで「会社の課題をどんどん出していく」ということを行っており、150個もの課題が集まりました。その課題に対して、新入社員から部長まで志願した人に任せる形で進めています。
山本さん
そうなんです。例えば先ほどお伝えしたeスポーツ事業やLoBaMaSには、新入社員がメインで関わっています。
西地さん
特にLoBaMaSは、新入社員と代表がタッグを組んで仕事をしています。入社して間もない時期に、頭取とのミーティングに同席したり、代表が多忙で不在のときには単独で銀行の方とやり取りをしたりと、お客様感覚でなくしっかりと自分で仕事を進めているんです。
私たちは「新卒で経験が浅いからやめておこう」ということは考えず、若手にどんどんチャンスを与え、任せて育てる文化があります。実際に普段の業務を見ていても、「通常、新入社員が経験できることではないだろう」と、我が社ながら感じることがあります。
充実の人材育成制度：研修やスキルアップ支援で社員の成長をバックアップ
編集部
木村情報技術さんでは、若手社員が現場で経験を積む機会が多いとよくわかりました。その他に、社員のスキルアップを促す制度はありますか？
西地さん
研修制度は充実しています。新入社員研修はもちろん、3年目・5年目の年次研修や階層別研修を設けており、社員が継続的に成長できる機会を提供しています。
特にエンジニアは、入社1年目は1日の労働時間の50％、2年目は30％、3年目は20％を勉強に充ててよいことになっており、仕事をしながら段階的に学習を続けていける制度設計になっています。
また、業務に必要な書籍の購入費用を全額補助しており、資格取得費用についても同様にサポートしています。「会社が支援するので、制度を活用してどんどん新しい知識を吸収してほしい」というメッセージは、社員に伝わっていると思います。
編集部
そのようなサポートを受けて活躍されている若手社員の方から見た御社のカルチャー、つまり「木村情報技術とはこんな会社だ」というものがありましたら、ぜひお教えいただきたいです。
山本さん
新入社員に、入社後しばらくしてからインタビューをすることがあります。「特に印象的なことは何ですか？」と質問すると、最も多い回答は「スピーディーなところに驚いた」というものです。これは、代表である木村の決断の速さや、業務を進めていくときのスピード感を肌で感じているのだと思います。
木村は新しいことを始める際、「明日からやっていこう」とは考えません。状況によりますが、極端な例を挙げると、指示が来てから5分以内に行動を開始していないと「遅い」と思われるかもしれない、というレベルのスピード感です（笑）。
編集部
5分以内に行動を開始するというのは極端な例だということですが、非常に高いスピード感ですね。地方を拠点に次々と新しい事業にチャレンジされている、木村情報技術さんのカルチャーの一端が見えてきたと感じました。
ワークライフバランスの実現：育児支援と女性活躍推進で国認定の働きやすい職場に
編集部
続いて、福利厚生制度など社員をサポートするしくみについて伺いたいのですが、そういった面で木村情報技術さんの特徴といえるものはあるのでしょうか。
山本さん
私たちの強みは「ライフステージを問わず働きやすい環境を整えている」ことです。社員の男女比では女性が多いのですが、育児や介護をしている社員でも、サポートを受けながら仕事と両立して働いていただけるよう配慮しています。
具体的な制度としては、法定の有給休暇とは別に「育児のための特別有休」が年間で7日取得できます。また、育児休業や介護休業などを取得する際にも、柔軟に対応してスムーズに休暇に入り、復帰できるようにしています。
このような取り組みは国にも認められており、弊社は働きやすさに関する認定制度「くるみん・えるぼし・トモニン（※）」の3つの認証を取得しています。しかし、認証を受けていること以上に、その考え方が社内に浸透していることが私たちの誇りです。
（※）えるぼし…女性活躍推進法に基づき、女性の活躍促進に関する状況が一定基準を満たした優良な企業を認定する制度。
くるみん…次世代育成支援対策推進法に基づいた行動計画を策定し一定の要件を満たした企業を「子育てサポート企業」として認定する制度。
トモニン…仕事と介護を両立できる職場環境の整備・促進に取り組んでいることが認められた企業を認定する制度。
編集部
実際のエピソードがあれば、ぜひお教えいただきたいです。
山本さん
以前、勤続年数の長い女性社員が育休から復帰する際に、「フルタイムでは両立が難しいので、短時間の非正規社員にしてほしい」と申し出がありました。その社員の貢献度は計り知れなかったため、経営層との話し合いの上で会社のルールを変更し、正社員のまま継続勤務できるようにしました。
また、弊社では長期の育児休業を取得した男性社員も複数おります。育児中の社員に対して会社全体で協力していく風潮があり、家族の体調不良で早退する社員に対しても「すぐに帰ってあげてください」という言葉がごく自然に聞かれます。
西地さん
そうですね。代表の木村が社員に対して常にメッセージを発していることに加え、私たち人事も「人に喜ばれる」という理念を制度に反映させています。その結果が現れているのだと思います。理念が形骸化せずに、みんなが実践できているのが弊社の良いところです。
山本さん
もちろん、各制度は最初から完璧だったわけではありません。社員のライフステージに合わせ、スピーディーかつ柔軟に変更して働きやすい環境を整えてきました。今後も継続的に改善を進めていきたいと考えています。
社内コミュニケーションの活性化：eスポーツからバルーンまで多彩な部活動
▲社内でもeスポーツのイベントが開催されている。
編集部
ここで少し話題を変えて、社員の皆様同士の交流について伺えればと思います。コミュニケーション面では、何か方針はあるのでしょうか。
西地さん
基本的に、弊社は直接顔を合わせての対話を重視する会社です。社会情勢の影響で在宅勤務を実施していた時期はありましたが、現在は極力出社して対面でコミュニケーションを取りながら仕事をしていこうというスタンスです。
ただし、対面に固執しているわけではありません。例えばメタバース事業を行っている部署では、自宅からメタバース上に出社したほうが自然であり、実際にその条件で入社された方もいます。
編集部
プライベートにおいてはいかがでしょうか。
西地さん
社員旅行や部活動など、交流はとても盛んです。私は「eスポーツ部」を立ち上げて部長をしています。通常は会社の会議室に集まって活動していますが、社内でイベントを開催することもあります。他には、主に子育て中の社員が集まる「ポケモンカード部」では、子どもに負けないために一緒に戦略を練ったりしています。
また、代表の木村が趣味にしている「トライアスロン部」では、本社のすぐ近くにあるプールで泳いでから出勤する社員もいます。珍しいところでは、国内大会で上位に入り、世界大会にも出場している「バルーンチーム」もあります。
編集部
事業にもつながるeスポーツをはじめ、本当に多様な部活動があるんですね。新しく入社された方も、趣味を通して異なる部署の方と交流を深められそうです。
木村情報技術が求める人材像：素直さと積極性を重視した採用方針
編集部
最後に、木村情報技術さんが求める人物像を教えていただけますか。
西地さん
弊社は、採用基準として多くのものを求めているわけではありません。即戦力を求めるのではなく、基本的には未経験者を育成する土壌があるので、とにかく「素直であること」が一番大切だと考えています。
先輩社員は経営理念にある「感謝と和合」の気持ちをもって接するので、教わる側もしっかりと話を聞く姿勢が重要です。この点さえ当てはまっていれば、木村情報技術で十分活躍できると思います。
山本さん
私も同じ意見で、一番重要なのはやはり素直さだと感じています。
例えば、新入社員に「担当案件に関連する記事が新聞に出ていたよ」と一声かけたとき、後回しにするのではなく、すぐその記事を探して読む姿勢が見られます。今後入社いただく方も、このような積極的な行動ができる人が向いていると思います。
また、指示を待つだけでなく、自分で「こうしたい」という考えを発信できる方が当社に適していると考えています。ぜひ、ご応募をお待ちしています。
編集部
社員の幸せを第一に考えながら、スピード感を持って新しい事業に取り組んでいく木村情報技術さんであれば、素直な方がどんどん成長していけそうだと感じました。本日はありがとうございました！
■取材協力
木村情報技術株式会社：https://www.k-idea.jp/
採用ページ：https://www.k-idea.jp/employ/