急成長している企業や、インターンを積極的に採用し、育成している企業を紹介する本企画。今回は、ネットで簡単に弁護士相談を予約できるサービス「カケコム」を展開している株式会社カケコムにインタビューを実施しました。
弁護士相談のネット予約サービスを展開する株式会社カケコム
株式会社カケコムは、「誰もひとりで悩まない世界」の実現をミッションとして、弁護士をネット予約・事前決済でオンライン法律相談ができる法律相談サービスを提供している会社です。同社の提供サービス「カケコム」は、累計1万名以上が利用しています。
会社名 | 株式会社カケコム |
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住所 | 東京都港区六本木5丁目9-20六本木イグノポール302号 |
事業内容 | 弁護士予約サービス「カケコム」 https://www.kakekomu.com/ |
設立 | 2016年 |
公式ページ | https://corporate.kakekomu. com/ |
今回は、株式会社カケコムの代表取締役社長森川照太さんに、株式会社カケコムで急成長している独自サービスや、株式会社カケコムで活躍しているインターンについてお話を聞かせていただきました。
飲食店や美容院と同じように、弁護士相談をネットで予約できる
編集部
はじめに、株式会社カケコムさんが提供しているサービスについて教えてください。
森川さん
一言で言うと、ネットでできる弁護士予約サービスです。
今までの場合は一般の人が弁護士に依頼をしたい場合、各弁護士事務所に電話で問い合わせをして、訪問して、初めて弁護士に相談できるという手順でした。カケコムを使えば、ネットでいつでもすぐに予約ができます。ホットペッパービューティーや食べログのような形で弁護士のカレンダーがシステム連携されているので、空いている時間を選ぶだけで予約が完了します。
従来の予約だと早くても翌日、通常では1週間後ぐらいに事務所へ来所しないといけなかったところが、カケコムを使えば、例えば深夜12時まで対応している弁護士を探して、その日のうちにすぐ相談することも可能です。
編集部
飲食店や美容院と同じような感覚で、弁護士への相談が予約できるんですね。
森川さん
金額面もハードルが低くなっていて、相談料10分2000円など事前に費用が提示されているので安心です。そしてこの場合、10分2000円の費用で、電話相談もオンライン相談も可能です。
編集部
弁護士への相談が、とてもカジュアルになるサービスですね。
「困ったときにどうすればいいか」を解決する独自システムを、世界に届けたい
編集部
森川さんが、カケコムのサービスを立ち上げた理由は何だったのでしょうか。
森川さん
一番の理由は、困ったときにどうしたらいいか、誰に相談したらいいか、という悩みが世の中的に広がっていると感じたことです。悩んだときに、「ここにアクセスすれば次の一歩を踏み出せる」というサービスを作りたいと考えていました。
私は前職でベンチャーキャピタルに携わっていまして、市場を調べる仕事もしていたのですが、悩みを解決する役割を担う弁護士業界に目を向けたところ、テクノロジー化が遅れていると気づきました。今の時代に合う、ネット予約やオンライン決済のシステムを導入すれば、弁護士・相談者双方にとって、よりよい仕組みを作れると考えたんです。
編集部
使いやすいシステムを導入することで、弁護士に悩みを相談しやすくなるということですね。
森川さん
ビジネスとしても、弁護士業界のシステム化に関しては競合が少なく、狙い目だと考えました。市場としては年間約1兆円規模なのですが、弁護士業界のシステム化を手掛けている上場企業は、弁護士ドットコムさん1社しかありませんでした。医療業界だと同じようなサービスの会社は何十社もあります。
そういった市場の状況を見て、これから変化の波が激しくなる業界で次世代のためのサービスを作りたいと着目したことも、カケコムを立ち上げた理由です。
編集部
社会的に意義あるサービスであることに加えて、ビジネス的にもブルーオーシャンだったということですね。森川さんはアメリカ生まれと伺っているのですが、アメリカにはカケコムさんのようなサービスが普及しているのでしょうか。
森川さん
日本とアメリカの違いで言うと、アメリカの方が訴訟大国で弁護士に相談するハードルは低いと思います。ただし、アメリカも含め、海外の弁護士予約の状況も意外とまだアナログで、今の時代に合ったサービスは普及していません。
私にはグローバルに通用するサービス、世界中で使えるサービスを作りたいという思いもあります。私たちが提供するカケコムのビジネスモデルは、世界的に広めていける可能性があると考えています。
編集部
カケコムさんのサービスを世界に向けて発信していく構想もあるんですね。
森川さん
そうですね。ただし、国内においてもカケコムのサービスはまだまだ認知が足りていないので、Q&Aサイトであったり、オウンドメディアを持ったり、TikTokを中心にショート動画で接点を増やしたりしています。
編集部
多くの方に認知をしていただくきっかけを作っている段階ですね。
森川さん
カケコムは、すごく良いシステムであるという自信があります。知ってもらえさえすれば、ニーズは必ずあるので、今は周知することが課題だと思っています。
質の高い相談につながるネット予約のみに限定し、予約数は1年間で10倍に
編集部
カケコムさんのスタッフ、登録している弁護士の人数は、どのくらいでしょうか。
森川さん
スタッフは2018年のスタート以来少しずつ増えて、2024年現在8名です。弁護士は300名が登録しています。今後は、1000人、2000人と増やしていく予定です。
編集部
予約数も、やはり右肩上がりに増えているのでしょうか。
森川さん
ネット予約数に関しては、2023年1月と12月で比較すると約10倍に増えました。ただし、これは23年6月に、電話予約とネット予約の両方があった予約システムを変更して、ネット予約1本に絞ったという事情もあります。
編集部
ネット予約のみに限定した理由は何だったのでしょうか。
森川さん
ネット予約の方が便利だという確信があったからです。電話だと日程調整も手間が掛かりますし、金額もあいまいなまま弁護士事務所に行くことになるケースが多いんです。
ネット予約なら日程が一発で指定できますし、事前に相談料を支払うこともできるので、弁護士に依頼する確率が10倍ぐらい高いんです。圧倒的に質の高い相談が、弁護士に結びつくので、ネット予約を推奨しています。
編集部
これからは何事もネット予約が一般的になりますよね。
森川さん
SNSやホームページからLINEに登録してもらって、継続的な接点を作ることにも力を入れています。今は必要なくても、いつか何か起きたときのために、LINE経由でカケコムにアクセスして予約できるシステムになっています。
相談のハードルが下がることで、弁護士側にも新規顧客を獲得できるメリットあり
編集部
カケコムさんを実際に利用したユーザー、あるいは弁護士の方からは、どういった声が森川さんに届いていますか。
森川さん
相談者からよく伺うのは、「すぐ相談できて助かった!」という声ですね。通常、弁護士事務所が日中にしか開いていないので、予約の電話をしたくても10時~18時でないと繋がらないんです。カケコムだといつでも予約ができるので、評価されています。
相談者は日中に仕事を持っている方が多く、夜にいろいろと相談したい問題が起きて、ちょっと考えた上で予約したい、というニーズがほとんどです。カケコムなら「相談したい!」と思ったら夜中でも予約ができるので、そこが喜んでいただけるポイントかなと思います。
編集部
思い立ったときに予約ができるのは、相談者の不安を和らげる上で大事ですよね。弁護士の側からは、どういった声が届いていますか。
森川さん
例えばカケコム経由で案件を半年で16件獲得した弁護士の場合、最も多い月はカケコム経由のみで200万円の売上になりました、という会計報告をいただきました。直接の報酬以外にも、相談をきっかけに顧問弁護士などの形で契約にもつながっています。
編集部
弁護士にとっては、カケコムを使うことが収入面でかなりのプラスになるんですね。
森川さん
3カ月で顧問弁護士を3件依頼されて、毎月15万円の売り上げが固定で入ってくるようになったケースもあります。カケコムで顧問契約などの顧客を増やして、独立した弁護士もいます。
編集部
ユーザーにとっては弁護士への相談のハードルが低くなり、一方では弁護士にとっても、新しい顧客からの相談機会が増えるサービスなんですね。
カケコムのインターン経験は、弁護士志望者の貴重な財産になる
編集部
インターンについて伺います。今後、インターンを採用する予定はあるでしょうか。
森川さん
採用をしていく予定です。
編集部
どのような方がインターンの対象になりますか。
森川さん
基本的には、法学部在籍など弁護士を目指している方を想定しています。ロースクールや法科大学院に在籍している方は特に歓迎します。
編集部
今までのインターンの例では、どのような方が、どのような業務を担当していたのでしょうか。
森川さん
東大、慶應大、早稲田大、一橋大、中央大の方が中心でした。お任せしていた業務はマーケティング系が多かったです。今後はSEO関連、法律関連のコンテンツ制作、ライティングの業務をインターンの方にやっていただく予定です。
編集部
マーケティングやライティングに関しても、法律的な知識がある程度必要だということですね。カケコムさんでインターンとして働くメリットを教えてください。
森川さん
弁護士を目指している方は勉強が得意な方がほとんどですけど、実際に弁護士になった時に営業やマーケティングがわからなくて困るケースがとても多いんです。
カケコムでインターンを経験すると、ネットビジネスのテクノロジーがわかりますし、マーケティングや営業がどのように企業活動に必要かを知ることができます。特にマーケティングに関しては、弁護士になる前にがっちり経験を積めることはとても価値があると思います。
編集部
ロースクールや大学で得る知識とは異なる経験を、カケコムさんのインターンで学ぶことができるんですね。
森川さん
これまでもカケコムでインターンとしてマーケティングやインターネットサービスに関わった方が、実際に弁護士になって活躍しています。
編集部
弁護士資格を取る前にインターンとして働かれていて、今は弁護士として活躍されているということですね。
森川さん
3名います。その中には今もカケコムを使ってくれている人、カケコムを活用して独立した人もいます。
編集部
カケコムさんでインターンの経験を積むことで、弁護士として大きく羽ばたいていけるんですね。
「誰もひとりで悩まない世界」を実現する熱意ある人材を募集中
編集部
カケコムさんのミッションと、今後の目標を教えてください。
森川さん
ミッションは、「誰もひとりで悩まない世界」を実現するというところです。できるだけ多くの悩み、悩んでいる状態を減らしていくために、弁護士業界において今の時代に合うサービスを提供していきたい。次世代のスタンダードになるサービスを作っていきたいと考えています。長期的な目標としては、海外展開を目指しています。
編集部
海外の弁護士業界も、サービス面では未開拓ということでしたね。
森川さん
そう思います。だから日本から最先端のサービスを作って、海外に広げたいですね。
編集部
明確なミッションと目標があるんですね。それでは、この記事を読んでカケコムさんに興味を持った方に対して、採用に関するメッセージをお伺いします。どのような方が、カケコムさんには合っているとお考えですか。
森川さん
世の中の悩みを減らすというミッションに共感していただける方、そのミッションに挑むことにやりがいを感じることができる方を歓迎します。あとは次世代のスタンダードになる仕組み、革新的なサービスを作っていきたいという想いが大事でしょうか。まだ誰も達成していない仕事をやり抜く粘り強さやパッションがある方だといいなと思います。
編集部
今のメンバーも、サービスの将来性やミッションに共感して、カケコムさんに入られたんですね。法律関連の会社や弁護士事務所ではなく、他業種から転職された方もいますか。
森川さん
今いるメンバーは、ほとんど全員が他業種からの転職者です。いろいろな経歴の方にチャレンジしていただければと思います。
編集部
さまざまな方にチャンスがあるんですね。弁護士に相談したいユーザーにとっても、相談を受ける弁護士にとっても、「あったらいいな」と心から思えるサービスなので、今後のカケコムさんの展開には大きく期待できそうですね。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社カケコム:https://corporate.kakekomu.com/
採用ページ:https://corporate.kakekomu.com/career