エンジニアの働き方をワークライフバランスの視点で探り、企業の魅力を紹介するこの企画。今回はIT環境のデザインから構築、運用までワンストップで提供するネットチャート株式会社を取材しました。
ネットワークインフラ構築で業界をリードするネットチャート株式会社
ネットチャート株式会社は、ネットワークインフラ構築のプロフェッショナルとして、顧客のニーズに応じたICTシステム構築をワンストップで支援する企業です。クラウドコンピューティングの中核、データセンター構築をいち早く手掛け、業界内のリーディングカンパニーを目指し、成長し続けています。
会社名 | ネットチャート株式会社 |
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住所 | 神奈川県横浜市港北区新横浜2-15-10YS新横浜ビル |
事業内容 | ネットワーク構築および保守サービス ネットワーク関連機器の販売 |
設立 | 2006年8月10日 |
公式ページ | https://www.ncj.co.jp/ |
働き方 | ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク) |
ネットワークインフラ及びIT基盤構築のビジネス分野に特化したサービスを使命とするネットチャート株式会社は常に顧客の立場に立ち、ビジネスパートナーとして信頼される企業になるため日々、進化しています。その背景にあるのが、ネットワークエンジニアの活躍です。
新卒者の8割が文系出身、または未経験という同社ではエンジニアを育てるため、どのような育成プログラムやスキルアップ支援があるのでしょう。
そこで今回は、ネットチャート株式会社のオフィス勤務とリモートワークによるハイブリッドワークやカルチャーにもスポットをあて、人事部長の矢形さんに同社のエンジニアの働き方についてお話を伺いました。
ICTインフラソリューションをワンストップで提供
編集部
ネットワーク構築およびネットワーク関連ソリューション事業を行うネットチャートさんでは、多くのエンジニアが活躍されていると思われます。業務内容や働き方についてお聞かせください。
矢形さん
ネットワークの構築業務を担う当社は、設計や運用、保守だけではなく、物理的に工事を行うチームを自社で持っていることが大きな特徴です。
例えば、無線LANを設置するためのアクセスポイントの設置、ネットワーク機器の設置やケーブルの床下配線などを自社の社員が直接現場に出向いて実施します。
このような現場作業の部分は外部に委託する企業も多いなか、当社は工事チームを自社で持つことで、シームレスな情報共有を可能とし、ICTインフラソリューションをワンストップでご提供することを強みとしています。
上流から下流まで、幅広い経験ができるネットチャートのエンジニア
▲ICTインフラをワンストップで担うネットチャートのエンジニアは、設計から運用までさまざまなスキルを身につけることができる
編集部
工事チームを自社で持つネットチャートさんですが、エンジニアの方々はどのようなことにやりがいを感じていると思われますか?
矢形さん
直接お客様とやり取りをしているチームの場合は、設計から最後の導入の部分まで、いわゆる上流から最後の下流までを自社内で完結できるため、幅広くさまざまな経験が積めることをやりがいとする者が多いように思われます。
編集部
企業にとって重要な社内ネットワークを一貫して担うことで、ネットチャートさんのエンジニアは多彩な知識を積み重ねながら、成長できるのですね。
知識ゼロからエンジニアへと育成する研修プログラム
編集部
求職者がネットチャートさんにエンジニアとしてジョインする場合、経験や専門的な知識が求められるのではないでしょうか。
矢形さん
当社では専門知識や経験のない文系出身者をエンジニアとして育成する研修プログラムを用意しているので、未経験者でもエンジニアとして活躍することができます。
未経験者の場合は、設計書通りに機器をセッティングすることから始まり、徐々に上流を理解し、案件を回すといったステップを踏んでいく流れがスタンダードです。事実、ITに関する知識がなかった者も、当社の研修プログラムを受けることで一人前のエンジニアとして活躍しています。
編集部
中途入社の場合の研修プログラムはどのようになっていますか?
矢形さん
第二新卒者は新卒採用同様の研修プログラムを受けてもらいますが、エンジニアスキルがすでにあり、即戦力として活躍できる方においては、入社時のスキルに応じ、会社の制度やセキュリティに関する研修を実施後、業務内容に応じてeラーニングや外部研修を実施しています。
編集部
未経験者を一人前のエンジニアに育てている、ネットチャートさんの研修プログラムの特徴や、スキルアップを支える仕組みについてもお聞かせいただけますか?
矢形さん
入社時はスキルやバックグラウンド、配属部署を問わず、全ての新卒社員が約2ヶ月間、座学中心でネットワーク関係の基礎知識を学びます。その後、外部セミナーでネットワーク系の知識を身につけ、自分のスキルとレベルに合わせた研修をeラーニングで学び、スキルの向上を目指します。
eラーニングは最近導入した研修プログラムなのですが、インフラ系のネットワークを網羅しているものが少ないため、株式会社BFTが提供する「BFT道場チョイトレ」を試験的に導入し、若手社員を中心に受講しています。
新卒入社は全体の8割が文系出身or未経験者
編集部
これまでのお話から、ネットチャートさんの手厚い研修制度が伺えますが、未経験や知識ゼロで御社に入社される方は全体の何割になるのでしょう。
矢形さん
その年にもよりますが、新規学卒者の7割、8割が文系出身者、または未経験者となっています。
編集部
未経験者が一人前になるにはどれくらいの時間が必要なのでしょう。
矢形さん
目安としてはネットワークエンジニアの入門資格とされるシスコシステム社が認定するCCNAは、未経験者でもやる気のある者は研修終了後、1〜2ヶ月ほどで取得するケースがあります。反面、3年かかっても取得に至らないなど、個人差があるのが実情です。
取得した者を見ると、好奇心があり、前向きにトライしたいという傾向があるように思われます。ただ、当社としてはCCNAを取得必須資格とはしておらず、そもそも取得を目指していない者でも、一人前のエンジニアとして活躍しています。
編集部
多くの未経験者がネットチャートさんのエンジニアとして活躍していることは、エンジニアに興味はあるけれど、知識がないことに不安を感じている方にとって、チャレンジを後押しするきっかけになると感じました。
管理部門、営業部門も未経験の中途採用者が活躍
編集部
文系や知識ゼロからでもエンジニアとして活躍できるネットチャートさんでは、中途入社の方も同様なのでしょうか?
矢形さん
技術職での中途入社は、エンジニア経験がある者がほとんどですが、技術以外の管理部門、営業部門においては、私をはじめ、異業種からジョインした者が多いです。
担当の部門でスペシャリスト性を発揮してもらえる方であれば、ITの経験や知識は問わないことが当社の採用ポリシーです。
150種以上の資格取得を支援。経費全額会社負担と報償金を支給
編集部
CCNAの他、ネットチャートさんが支援する資格の種類や取得に関する経費を補助する制度などはありますか?
矢形さん
ネットワーク機器の設置など、工事チームを自社で有する当社では、ネットワークエンジニアに関する資格の他、電気通信工事士など工事に関する資格支援を行っています。また、それ以外では簿記や秘書検定、TOEICに加え、上位資格として弁護士資格の支援も行っており、資格取得費用の補助対象は150種以上に上ります。
補助額は資格によって異なり、例えばCCNAの場合はテキスト代や資格受験料、交通費の全額会社負担に加え、取得時には報償金として2万円が支給されます。弁護士資格取得の報償金は20万円と、資格の難易度に応じた金額設定となっています。
幅広い視野を持つため、あえて紙媒体の専門誌を設置
▲社内のフリースペースには常に各種専門雑誌やビジネス書が置かれ、誰もが自由に閲覧できる
編集部
日進月歩のエンジニア業界は常に向上心が求められる分野かと思われます。研修プログラムやeラーニングの導入に加え、ネットチャートさんとして社員のスキルアップ支援に取り組んでいることはありますか?
矢形さん
知識向上を目的に、社内のフリースペースに「日経新聞」の他、「日経コンピュータ」をはじめとした複数の専門誌、ビジネス全般に通用するビジネス誌などの雑誌を設置しています。
インターネットで必要な情報を自由に取得できる今の時代、あえて紙媒体を置くことで、必要とする分野以外の知識や情報を得ることができます。幅広い視野を持ってほしいという思いから、このような場を設けています。
出社とリモートを選択できる「ハイブリッドワークスタイル」を実施
▲オンライン会議などでテレワークでもコミュニケーションを可能にしているネットチャート株式会社
編集部
続いて、ネットチャートさんの働き方について伺います。御社の勤務形態はどのようになっているのでしょうか。
矢形さん
コロナ禍以前からリモートワークを導入している当社では、現在オフィス勤務とリモートワークを掛け合わせた勤務形態となっています。
担当する業務によっては月1回の出社以外はリモートワークをしている者、自宅環境がリモートワークに適しておらず出社をメインとしている者など、それぞれの状況や業務に合わせた働き方をしているのが当社の特徴の1つです。
編集部
ネットチャートさんはコロナ禍以前よりリモートワークを導入されているとのことですが、導入に至った背景についてお聞かせください。
矢形さん
子育てをしている社員から相談があったことが導入のきっかけです。「ライフ・ワーク・バランス」という言葉が世の中に広まりはじめ、働く場所を限定しないテレワークという働き方が注目され始めたことを機に、正式にリモートワークを導入するに至りました。
緊急事態宣言が発令された際は、全社員が強制リモートワークの状態でしたが、現在は徐々に各部署の業務内容や個々の状況に合わせて多様な働き方ができるハイブリッドワークを推奨しています。
編集部
ネットワークエンジニアの場合は、どのような働き方になるのでしょう。
矢形さん
お客様のネットワーク構築の特性や、案件ごとに異なります。物理的に機器に触れ、ネットワーク機器をセッティングする場合は出社や現場での対応が必要となりますが、チーム内やお客様との打ち合わせや物理的に機器を触る必要がない業務などではリモートワークが可能です。
ただし、若手の場合は他の社員と直接コミュニケーションを図ったり、電話対応などビジネススキルやマナーを習得したりする狙いで出社機会を多く持っています。
編集部
それぞれの業務に合わせた働き方をすることは、生産性やモチベーションの向上にもつながると感じました。また、新卒者はオフィス勤務の機会を多く設けることで、社会人としてのスキルをしっかり身につけることができるのですね。
自由な服装規定と上下関係がフラットな社風
▲社内有志によるチームでフットサル大会に出場
編集部
次に、ネットチャートさんの風土、カルチャーについて伺います。御社の社風を表すエピソードなどがあればぜひ、お聞かせください。
矢形さん
髪色や服装などが比較的自由なことも当社の特徴です。お客様にフロントで接するメンバーは髪色、服装ともに落ち着いているイメージですが、その他のメンバーについてはTPOに合わせた服装や髪型を楽しんでいる方が多いです。
また、160名ほどの規模の会社なので、役職や社歴を問わず、フランクに会話ができる社風が根付いています。若手の意見も通りやすく、決定までのスピードが速いことも当社の風土を物語っていると感じます。
▲社内バーベキューで談笑する楠本社長と若手社員。オフィスでもフラットな関係性が築かれている。
社長が出勤した際は積極的に若手に声をかけることが多く、成果を出した者には慰労の言葉をかけることはもちろん、フリースペースで専門誌を読んでいる者には「勉強する意欲があって素晴らしいな」というフランクな声かけ、時には「メガネを変えたのか?」といった距離を感じさせないコミュニケーションを図っています。
快適なオフィス環境が実現する社員間の円滑なコミュニケーション
▲オフィス内のフリースペースは終業時刻になるとお酒を楽しめるバーカウンターに早変わり
編集部
コロナ禍以前からリモートワークを導入されているネットチャートさんでは、社員間のコミュニケーションはどのように図られているのでしょう。
矢形さん
リモートワークの場合は、ツールとしてTeamsをメインで利用しています。チャット機能の他、オンライン会議、ミーティングなどもTeams上で行っています。リモートワークがメインの部署では、メンバーと週に15分は最低でも雑談をするオンライン打ち合わせの機会を設けているケースもあります。
また、対面によるコミュニケーションにおいては、出社をした際、17時半の終業以降は社内に設置したバーカウンターでアルコールを含むフリードリンクを利用し、コミュニケーションを図ることができるようにしています。加えて、少なくとも2ヶ月に1回ぐらいは社内のフリースペースに食事とお酒を用意し、イベントを開催するなど、リモートワークの課題であるコミュニケーション機会の増加に取り組んでいます。
過去のイベントでは、ある社員のおすすめ映画をみんなで鑑賞するといったことや、直近ではオフィスの移転に合わせ、引っ越し披露パーティーを開催しました。
編集部
とても楽しそうです!そのようなコミュニケーションの場が仕事に活かされたり、社員間の交流が深まったりなど、プラスになったと感じることはありますか?
矢形さん
バーカウンターで顔を合わせたり、社員が一同に集まるイベントでは、部署の垣根を超えたコミュニケーションが生まれます。さまざまなセクションの者と知り合うことで情報共有ができ、それが結果として生産性の向上や効率化、スピード感につながっているように思われます。
また、新たにジョインした者は各部署で歓迎会を行ってますが、イベントは他部署の社員に紹介する場にもなっています。
個人負荷をかけない仕事分散が残業時間月10時間未満を実現
編集部
ネットチャートさんでは、残業時間の削減にも尽力されていると伺っております。全社における月の平均残業時間と、残業時間を減らすための工夫などがあればお聞かせください。
矢形さん
残業時間は全社平均で10時間未満となっています。特別な施策を打ったというよりも、短時間で良いパフォーマンスを発揮するため、1人に負荷をかけず、チームで案件を回すといった、社内全体の残業に対する意識の変化が残業時間の削減につながったように感じます。
仕組みに関しては、例えば10日間で10時間を超えていたら「ちょっと今月は残業が多いですよ、気をつけましょう」といったメールアラートが自動で飛ぶ仕組みになっています。
編集部
特別な制度を設けなくても、社員自らが残業時間削減に取り組む工夫をすることで、ネットチャートさんでは優れたワークバランスを実現されているのですね。
採用ポリシーは論理的思考と好奇心を持つこと
編集部
採用において、論理的思考能力、相手の立場に立った思考やと好奇心を重視しているネットチャートさんですが、ここに込められた思いをお聞かせください。
矢形さん
変化が激しいIT業界は、今日やっていたことが明日には全く異なるということが多々あります。そのため、新しいことに取り組んだ時、知識や経験以上に、好奇心を持って相手のニーズはどこにあるかを考えられることが重要だと考えます。
好奇心を持ち、新しいことに積極的に取り組む姿勢を大切にする当社には、さまざまな案件が飛び込んできます。そのため、社員は初めてのことに躊躇するのではなく、わからないことは自分で調べ、やってみようとするカルチャーが根付いています。
未経験者でも成長できる育成プログラムに加え、当社のエンジニアチームはサポートしたくてうずうずしている面倒見の良い者が多いので、周囲のサポートを得ながらやりがいを持って仕事に向き合えると思います。
責任を持ち、真面目に、誠実に業務に取り組める方を歓迎
編集部
ネットチャートさんのエンジニアの業務や、未経験者でも活躍できる育成プログラムなどに興味を持った読者は多いと思われます。そのような方に向け、御社が求める人物像やマインドなど、採用におけるメッセージをお願いします。
矢形さん
先ほど申し上げた論理的思考などに加え、“真面目な方”を採用ポリシーとして掲げています。企業の心臓部とも言えるネットワークは、システムに障害が発生すると業務が停止、場合によっては大きな損害をもたらすため、その責任は重大です。
確かな品質を提供し続けるためにはやはり真面目なことや誠実であることは重要であり、責任を持って業務に向き合い、学ぶ意欲を持ち続けられる方を歓迎します。
編集部
ネットチャートさんのエンジニアとして活躍するための必要なスキルは、さまざまな育成プログラムやスキル支援によって培うことができますが、採用に至るには真面目に、誠実に業務に向き合う資質が最も重要であることがわかりました。
本日はありがとうございました。
■取材協力
ネットチャート株式会社:https://www.ncj.co.jp/
採用ページ:https://www.ncj.co.jp/recruit/