エンジニアがより働きやすい環境を提供し、若手が活躍できる企業をインタビューする本企画。今回は、1997年の創業以来システム開発を通じて流通小売・金融業界のDXを支援し、流通小売向けのクラウドサービス「Redx(リデックス)」を自社開発するなど、独立系SIerとして業界で存在感を発揮しているオープンリソース株式会社を取材しました。
ITの力で暮らしを変える、オープンリソース株式会社とは
オープンリソース株式会社は、「どこにもない、ふつう」をミッションに掲げ、従来の業界の常識にとらわれないアプローチにより今まで「ふつうでなかった」ことを明日の「ふつう」にすることで、新しいニーズ、新しい顧客層を生み出し、社会貢献を目指す企業です。
会社名 | オープンリソース株式会社 |
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住所 | 東京都品川区北品川1-23-19 goodoffice品川 |
事業内容 | Redx事業:Redxクラウドサービスの提供 流通小売事業:POSシステム、店舗システムなどの開発 金融事業:決済システムの受託開発やリース会社における社内基幹システムの導入支援 |
設立 | 1997年2月 |
公式ページ | https://gooddays.jp/group/ orc/ |
働き方 | ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク) |
社員の85%がエンジニアというオープンリソース株式会社では、一人一人がプロフェッショナルとしてさらなる技術を高めるためのサポート体制や、仕事へのやりがい、働きやすさへの配慮など、エンジニアの働く環境を尊重しています。
その背景にある独自のカルチャーや社内制度、テレワークなどについて、オープンリソース株式会社のホールディングカンパニーである、gooddaysホールディングス株式会社グループ人事・採用部の叶田みなみさんにお話を伺いました。
DX化で流通小売・金融業界にイノベーションを起こすオープンリソース
▲オープンリソース株式会社はITの力で流通小売業界のDX化を推進している
編集部
初めに、オープンリソースさんの事業内容について教えてください。
叶田さん
オープンリソースは、流通小売・金融業界のDXを支援するためのITシステム開発を通して、お客様のビジネスや業務をデザインする会社です。
具体的な事業としては3つの柱があり、1つ目は流通小売ビジネス。量販店や百貨店、専門店に向けて、POSシステムや店舗システムといった業務系システムから基幹システムまでをソリューション型のシステム開発で提供しています。
2つ目は金融ビジネスで、コンビニ決済やペイジー決済、EasyPayなど、金融機関のキャッシュレス決済の受託開発や、リース会社における社内基幹システムの導入支援を行っています。
そして3つ目は、当社初となる自社サービス「Redx」の開発。会計や在庫管理など、店舗運営のために必要な業務が1つで完結する流通小売業界向けのクラウドサービスを低コスト、短納期、高クオリティで展開しており、レガシーなシステムが多く稼働している流通小売業界のDX化を推進しています。
■「Redx」のサービスサイトはこちら
https://redx.jp/
編集部
オープンリソースさんは、もともと流通小売業界のシステム開発からスタートされた会社で、長年の実績があるそうですね。
叶田さん
はい。弊社が特に得意としている分野は、創業以来30年近くにわたりシステム開発を行っている流通小売業界です。
皆さんにもよく知られているような、大手百貨店や生活雑貨店などの店舗で使われるシステムを開発しており、例えば、今ではよく見かけるiPadのレジシステムを、先陣を切って開発したのも実は弊社なのです。商品の提案や会計などをiPad1台で完結できるシステムは、お客様の買い物体験と従業員の方々の業務を大きく変えたと思います。
私たちオープンリソースの流通小売業界での経験やノウハウを活かし、業界にイノベーションを起こしたいと取り組んでいるのが、自社サービスの「Redx」になります。
データと人々の暮らしを結びつけ、今までにない体験をデザインするクラウドサービス「Redx」を開発
▲「Redx」は流通小売業界の従来の常識を変えるクラウドサービス
編集部
「Redx」のサービスを提供されている背景についてお教えいただけますか?
叶田さん
Redxは「Cloud POS」と「店舗DX」という2つのサービスから成り立つ、店舗の共通インフラとなるシステムです。
現在流通小売業界では、在庫管理、データ分析、オムニチャネルエクスペリエンスの向上、セキュリティ、カスタマーエンゲージメント、サプライチェーンの脆弱性、価格競争、環境への影響など多くの課題を抱えており、解決策を講じる必要性が年々高まっています。
さらに、近年では消費者のニーズやライフスタイルが多様化しており、市場と消費者における課題解決に対応する新たなシステムやデザインが期待されています。
こうした状況の中で、Redxは『あらゆるデータと人々の暮らしを結びつけ、今までにない体験をデザインする』というビジョンを掲げており、流通小売業界が抱えている課題を丁寧に解決し、従来の概念にとらわれない持続可能な仕組みを市場に提供するサービスです。
全てがクラウド環境で稼働するRedxだからこそ、ネットとリアルの結び目の位置付けを果たすことができ、小売業視点では現場でのベストパフォーマンスを実現する機能を、消費者視点ではいつでもどこでも快適なお買い物体験を提供しています。
Redxが目指すのは、単なる技術の提供ではなく、人々の日常生活やビジネス体験を向上させることです。データとテクノロジーを通じて、世の中に新たな『前例のない体験』を提供したいと考えています。
編集部
どちらかというとレガシーな部分が残っている流通小売業界において、「Redx」を展開していくことで変革を起こそうとされているのですね。
ITを活用して「どこにもないふつう」を生み出すオープンリソース
編集部
オープンリソースさんのミッションやビジョンについて教えてください。
叶田さん
私たちは、グループ会社全体のミッションとして「どこにもない、ふつう」、ビジョンに「THE NEXT STANDARD」を掲げています。「どこにもない、ふつう」とは、今の時代にはないけれど、少し先の未来では「ふつう」になっているであろうモノやサービスを生み出す、ということです。それによって世の中を、人々の暮らしを豊かにしたいと考えています。
オープンリソースは、ITを活用して「当たり前を追求」し「すべてをつなぐこと」で、「どこでもないふつう」を生み出す企業です。
スティーブ・ジョブズが初めてiPhoneを発表するまでは、誰も、携帯電話で自由にアプリをインストールして、様々な用途に活用することが当たり前の未来になっているなんて想像もしていませんでした。私たちも同様に、常に業界の常識を疑い、固定概念にとらわれない発想で、ユーザーにとって本当に使いやすい仕組みやサービスを作り出そうとしています。
社員の85%がエンジニア。上流から下流まで、一気通貫で仕事ができるのが強み
編集部
オープンリソースさんでシステム開発をされているエンジニアの方々は、具体的にどのようにお仕事をされているのでしょうか。
叶田さん
オープンリソースでは、社員の約85%がエンジニアで、人数にすると170人くらいです(取材は2023年10月実施)。エンジニアはチーム制で仕事をしており、流通小売・金融業界向けの受託開発と、自社サービスの「Redx」の開発を行っています。
弊社はいわゆる独立系SIerと呼ばれる会社で、特定の親会社を持たず様々な企業のシステム開発を行っていますが、一次請けの案件が非常に多いことが特徴です。この業界では、二次請け、三次請け案件に携わっている会社も多いのですが、弊社は一次請けで直接お客様から依頼を受ける仕事が中心となります。
弊社の強みは、「上流から下流まで」工程全体に携わって開発ができることです。上流工程とはお客様の要望などをヒアリングし、あるべき業務フローの検討からシステムの基本構想を練り設計図を描くまでの工程で、下流工程とは設計書に基づき実際にプログラミングを行いテストまで実施することを指します。
弊社のエンジニアたちからは、「実際に使っているお客様の声を次の開発に活かせる、一気通貫で仕事ができるのがオープンリソースの良いところ」という声が聞かれますね。
▲自社サービス「Redx」はLoftなどの流通小売の大手企業で採用されている
編集部
エンジニアの方々の立場から見て、オープンリソースさんだからこそ積める経験ややりがいはどのようなものがありますか。
叶田さん
オープンリソースでは流通小売や金融といった、日常生活に身近な業界のシステム開発を手がけていますので、普段の生活のなかに、自分たちが作ったプロダクトが役に立っている場面を見る機会が多いのは弊社ならではかと思います。
たとえば、弊社では先ほど例に挙げたLoft様以外にもさまざまな有名店のレジシステムなどを作っていますが、お店でそのレジを店員の方が実際に使っている様子を見るとやりがいを感じる、と話すエンジニアが多いです。
弊社は、上流から下流まで一気通貫で携わることのできる仕事が多く、また、若手エンジニアが大きなプロジェクトにアサインされて、経験を積み、成長できるチャンスがたくさんあることが特徴です。
一例としては、入社2年目で、Loft様で使われるシステムのフロントエンドの開発を先輩と2人で担当しているエンジニアもいます。誰もが知る大企業のシステムを、若い年次でも任せてもらえることは、エンジニアの方々のやりがいに繋がっていると思います。
「専門職制度」で、エンジニアのキャリア形成に選択肢を
編集部
オープンリソースさんの社員の年齢構成はどのようになっていますか?
叶田さん
20代30代の社員が多いです。エンドユーザーにより近い目線で考えられるのは新卒の方だと思いますので、新卒採用も積極的に行っています。また、経験や意欲のある方には、積極的に大きな仕事や役割を担っていただきます。
編集部
御社で若手社員の方が活躍されている方の例などをぜひ教えてください。
叶田さん
活躍している若手社員は非常に多いのですが、例えば当社が今年から始めた「専門職制度」の第一号として選ばれた、2017年入社で現在28歳のエンジニアが挙げられます。
編集部
「専門職制度」とはどのような制度ですか?
叶田さん
エンジニアのプロフェッショナルとして「専門的なITスキルを研ぎ澄ませて、仕事の中で発揮していきたい」というキャリア形成を支援するための制度です。
そもそも私たちが「専門職制度」を始めたのは、エンジニアの方々に今後のキャリアについて話を聞くと、「部下を持ってチームを率いていきたい」という声だけでなく、「専門的なスキルを高めていきたい」「チームを率いるよりも、技術に磨きをかけることで事業に貢献したい」という声が多く寄せられたことが背景にあります。
一般的な会社では、昇進する方にはチームの統率を求めることが多いため、マネジメントやコミュニケーションのスキルがあるかどうかを昇進時の評価軸にしています。そうなると、マネジメントよりも技術を突き詰めて価値を発揮したいという方が評価されづらかったり、活躍の範囲が限られてしまいます。
弊社では、エンジニアの方々に対し、マネジメントやコミュニケーションのスキルをもとに評価する従来のコースだけでなく、専門的なスキルの高さやその発揮度合いをもとに評価するコースを新たに設けようと、この「専門職制度」を導入しました。
編集部
「専門職制度」に選ばれたエンジニアの方には、どのような役割を求めているのでしょうか。
叶田さん
専門職に就いた方には、自身の技術を高めると同時に、技術面の指導役も担ってほしいと期待しています。
実際、先ほど紹介した社員には、コードレビューといって、後輩が作ったコードの品質を確かめてアドバイスしたり、フィードバックしたりすることで、後輩の技術力を高める役割を果たしていただいています。会社としては、その方の技術力を基軸に、社内全体の技術力を底上げし、高めていきたいという狙いがあります。
年功序列の考え方は一切なく、実力と仕事への取り組み方の両面をみる評価制度
編集部
「専門職制度」の例をお聞きしてもそうですが、オープンリソースさんでは、社員の評価制度が年功序列の考え方ではないと伺いました。どのような評価制度を採用されているのでしょうか。
叶田さん
仕事への取り組み方などのプロセスと、成果や業績などのアウトプットのそれぞれに対して基準を設けて評価を実施しています。経験年数や年次などは評価には一切関係しません。プロセスの評価は昇給や昇格に反映し、アウトプットの評価は賞与に反映しています。
評価制度で大切なのは、評価を単なる評価で終わらせるのでなく、成長に繋げることだと考えています。そのため、評価の際は本人と上司が面談を行い、半年間の業務について振り返りつつ、できていた点や足りなかった点、それを埋めていくための今後の行動計画について話し合う機会を必ず設けるようにしています。
エンジニアの成長を支える研修等の制度が充実
▲社員の成長を後押しするきめ細かな研修制度が充実
編集部
オープンリソースさんでは、社員の成長を後押しするような様々な支援体制がとられているそうですね。
叶田さん
はい。いろいろな支援体制を用意していますが、その一つがきめ細かな研修制度になります。経験年数や一人ひとりのキャリアのステージに応じた研修を行っており、例えば新入社員研修では、文系や未経験の方もエンジニアとして第一線ですぐに活躍できるよう、2~3か月間の体系的な研修を提供しています。
また、入社3~4年目ぐらいになると、今後のキャリアをどういうふうにステップアップしようかなと悩む時期だと思いますが、「キャリア研修」と呼ばれる講義とグループワークからなる研修を行って、今後のキャリアの考え方を伝える場を設けています。
グループワークでは自分のキャリア形成を考えるワークシートを作り、みんなで意見を出し合うのですが、他の人のいろいろな意見を聞いて、また改めて自分のキャリア形成を考えるという場になっています。日々忙しく仕事をしていると、ちょっと立ち止まって自分のキャリアを考え直す機会がなかなか持てないと思うので、弊社としては今後も定期的に続けていくつもりです。
編集部
キャリア形成について、他の方と意見交換しながら考える機会が持てるのは貴重ですね。ほかには、社員の方への支援体制としてはどのようなものがありますか。
叶田さん
仕事やキャリアに関する悩みや課題を話せる場として、上司と部下が月に一回以上、必ず「1on1面談」を実施するようにしています。
また、上司向けに「1on1面談研修」を実施して、部下の話を引きだし、悩みや課題に寄り添って整理するスキルを高められるようにしています。
リモートワークを導入し、個々の判断に委ねた「新しい働き方」を体現
編集部
オープンリソースさんは、リモートワークを取り入れていらっしゃいますね。
叶田さん
はい。私たちのミッションである「どこにもない、ふつう」を実現するためには、社員自らが、新しい働き方を体現することが大切です。グループ企業である、IT事業のオープンリソースと、不動産事業のグッドルームの強みを掛け合わせて、IT×暮らしの分野で「新しい暮らし方、新しい働き方」を提案したいと考えています。
そこで、場所にとらわれず好きな場所で働く、という新しい働き方を社員が体現するために、リモートワークを導入しています。
編集部
実際にリモートワークをされている方の比率はどれくらいでしょうか?
叶田さん
弊社の場合、一律で決めているわけではありませんが、リモートワークと出社の比率は5:5ぐらいです。毎日出社している人が5割いるということではなく、全社員の1ヶ月の出社とリモートワークの割合を日数で割って出したものになります。
事業部ごとに仕事の内容が違いますので、リモートワークは業務内容に応じて、柔軟に対応しています。週4日リモートワークをしている人もいれば、逆に週に3日、4日出社している人もいます。エンジニアという職種に絞っても、リモートワークの頻度はまちまちですね。
グループ会社のシェアオフィス18拠点を自由に使ってリモートワーク可能
▲シェアオフィス「goodoffice」は全国に18拠点ある
編集部
オープンリソースさんでは、オフィスと自宅以外で働くこともできるのでしょうか?
叶田さん
弊社のグループ会社グッドルームの事業の一つに「goodoffice」というシェアオフィスの事業があります。今、全国で18拠点、東京・神奈川で15拠点あり、オープンリソースの社員はそのシェアオフィスを自由に使えます。
「リモートワークがしたいけど、自宅だと子どもがいて集中できない」という社員にも喜ばれています。カフェのような席や、仕切りのある席、拠点によってはモニター付きの商談スペースを備えているところもあるので便利です。
編集部
リモートワークではコミュニケーション不足の心配もあると思うのですが、どのような対策をされていますか?
叶田さん
やはりリモートワークが多い職場なので、社員間のコミュニケーションが不足したり、希薄になってくるという課題をクリアにするために、いろいろと対策をとっています。
たとえば、先にお話しした「1on1面談」もその一つで、ほぼ全社員が行っています。また、最近では「締め会」という取り組みを始めました。これは、毎月月末に行われる事業の報告会の際に、トークのテーマを設け、選ばれた人がそのテーマに沿って話したり、プロジェクトの進捗を共有し合うというものです。ファシリテーションを新入社員などの若手が行うことで、若手の自己紹介にも役だっています。
「事業を動かしている」という実感が得られる仕事
編集部
オープンリソースさんでは、若手エンジニアの採用を積極的に進められていますが、どのような方ですと御社のカルチャーにフィットし、活躍できると考えられますか?
叶田さん
オープンリソースは創立から約25年、これまで受託開発を長年やってきましたが、2021年に自社サービス「Redx」に取り組み、今もなお挑戦し続けているチャレンジングな会社です。固定観念にとらわれず、常に何かに挑戦したいという志のある方が、弊社のカルチャーにフィットし活躍できる職場だと思います。
編集部
それでは最後に、本記事を読まれてオープンリソースさんで働くことに興味を持った方へのメッセージをお願いします。
叶田さん
オープンリソースで働く特徴として、クライアントやユーザーとの距離感が近く、「事業を動かしている」という実感が得られることが挙げられます。
自分が開発に携わったプロダクトやサービスが買い物に行った実店舗で稼働していることもありますし、事業の規模が大きいので社会にインパクトを与えられるという意味でも、すごくやりがいのある仕事です。
例えば大手企業に勤務している方だと、「自分の仕事がどう世の中を変えているのか実感が湧かない」ということもあるのではないでしょうか。そういった、いわば「手触り」のある仕事をしたい方にとって、弊社はすごく適した環境だと思います。
具体的には、大企業であるLoft様や、日本最大手の百貨店MI、大手生活雑貨店Mなど、本当に誰もが知る有名企業のシステムを作っており、なおかつ、上流から下流までクライアントに寄り添ってしっかりとコミュニケーションを取りながら開発ができる、というのは弊社で働く大きな魅力のひとつだと思います。
まだどこにもない「ふつう」を、自分たちの力で生み出して、世の中をもっと良くしていきたい、本気でそう思っている方は、ぜひ私たちと一緒に働きましょう。お待ちしています!
編集部
専門性やスキルを高めながら同時にキャリアアップもしたい方や、自分が作ったものが世の中を動かし役に立っているという実感を得られる仕事がしたいというエンジニアの方にとって、オープンリソースさんは最適な職場だと感じました。
本日は、ありがとうございました!
■取材協力
オープンリソース株式会社:https://gooddays.jp/group/orc/
採用ページ:https://recruit.gooddays.jp/