若手メンバーや女性がいきいきと活躍している企業を紹介する本企画。今回は、国内外の企業に税務会計・経理アウトソーシング事業を展開し、DXにも積極的に取り組む三聖トラスト会計事務所にインタビューを実施しました。
時代の先を読み、海外企業の取引も多い三聖トラスト会計事務所
税務会計、経理アウトソーシングを行う税理士事務所である三聖トラスト会計事務所。時代に先んじて外資系企業との仕事を数多く持ち、現在はDXにも積極的に取り組んでいます。所員の7割が女性、リモートワークや時差出勤も柔軟に取り入れているプロフェッショナル集団です。
会社名 | 三聖トラスト会計事務所 |
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住所 | 東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテルタワー14F |
事業内容 | ・税務会計 ・経理アウトソーシング |
設立 | 平成11年5月1日 |
公式ページ | https://www.sansei-tokyo.co.jp/ja/ |
働き方 | ・リモートワーク可能 ・時差出勤可能 |
今回は、三聖トラスト会計事務所代表の福岡武彦さんに、会計という仕事ならではのやりがい、同事務所で若手に活躍を期待する理由などについて、お話を聞かせていただきました。
30年以上前から外資をメインに。時代が追い付いてきた
▲三聖トラスト会計事務所で働くスタッフの様子
編集部
まず初めに、三聖トラスト会計事務所さんの事業内容について教えてください。
福岡さん
私たちは、30年以上も前から日本市場を狙って日本に進出する外国の会社をメインのお客様にしています。当時はそういった会計事務所は珍しかったのですが、今まさに時代が追い付いてきている、と感じています。
これから日本は、3000万人のインバウンドが到来する時代に突入します。世界からみると安くて、他にはない独特の文化、驚くような食べ物、目まぐるしく変わる地形と気候、観光が目玉になることは間違いありません。
さらにビジネス的にみると外国人の雇用が無くてはならないものとなると予測しています。街には、今後外国の方々が増えるでしょう。
編集部
確かに、海外の方々や海外企業は、今後の日本経済に必要不可欠な存在ですね。
福岡さん
はい。ChatGPTによる大規模言語モデル(LLM)の出現で言葉の壁はなくなりましたしね。
AIの普及で仕事が変わる。仕事「生体験」ができるのは、この3年が勝負
編集部
AIの普及は、会計事務所の仕事にも変革を起こすとお考えでしょうか。
福岡さん
私はAIの普及で数々の仕事が無くなっていく世界を想定して、2024年から全力でAIに事業を振っていこうと決意しています。
仕事が無くなるということは、自分の目で現場の取引を直に見ること、生のお金の取引や取引データを体感できる仕事は無くなってくるということです。つまり、もう体験ができなくなる時代がやってきます。これからの3年間は、貴重な生体験ができる最後の期間だと考えています。
編集部
三聖トラスト会計事務所さんでの仕事の「体験」とは、具体的にどのようなことでしょうか。
福岡さん
会計事務所は、人様のお金のやりとりを見る、経営者と直に会って談義する、儲かるか損するか結果を見る。こんなことが毎日目の前で繰り広げられる現場です。
会計処理も、ただ数字をパソコンに入力するだけでなく、その数字の命を感じながら契約書を読むことが大切です。納品書、商品サービスの説明書、商材、HPの検索、領収書の点検などリアルにできることも、この3年間でしかできない貴重な体験になるかもしれませんね。
編集部
まさに、ビジネスの最前線を体験する仕事なのですね。
会計事務所は「会社の健康診断」を担う。だから経営スキルを磨くことができる
編集部
会計事務所の仕事内容について、具体的に教えてください。
福岡さん
分かりやすく説明すると、会社の健康診断の役割を担うのが、会計事務所だと考えています。
編集部
会社の健康診断というのは、どういうことでしょうか。
福岡さん
1年に1回、人間ドックを受ける病院と同じで、会社の営業成績や財務状態を把握して、会社の健康診断を行う、つまり会社の経営状態を見るのが会計事務所です。
月次の財務諸表などを作って経営者と一緒に会社の健康状態を考えること、そしてそこから税金を算出すること、大きく分ければ、私たちの仕事はこの二つの役割です。
編集部
会計によって、会社の状態を数値的に把握する。それが「会社の健康診断」ということですね。
福岡さん
会計事務所で働けば、会社の健康診断が自分でできるようになります。そうすると、自分で起業したときに役立ちますし、取引先や知り合いの会社の健康状態もわかるようになる。とてもおいしい仕事だと、私は考えています。
会計事務所の仕事において、税理士や公認会計士などの資格は必須ではない
編集部
一般的に、会計事務所で働くとなると、税理士や公認会計士などの資格が必要なのかな、というイメージがあるのですが。
福岡さん
よく誤解されるのですが、資格は必須ではありません。私たちの事務所では、30名のうち資格を持っている所員は7、8名ですが、みんな立派に会計の仕事をやっています。
この業界、実は資格を持っていない人の方が数的には多いんですよ。ましてや今はITもありますし。
編集部
資格が必須ではないとすると、どういった能力がある方が向いていますか?
福岡さん
トランプの七並べができる人なら、誰でもできると思っています。
編集部
どういうことでしょうか。
福岡さん
七並べって、ダイヤなどの種類を揃えて、数字を並べていくのがルールですよね。7の次は8、7の前は6、という具合に。会計の仕事も、ルールに沿って並べていくという面では同じです。
例えば、ご飯を食べたら、会議費か、接待交際費か、自分の厚生費。これぐらいしか項目はないので、カチッとはめていけばいいんです。七並べができる人なら全員できますよ。
編集部
ルールを守って、当てはめていくことが会計の仕事の基本ということですね。七並べ、分かりやすい例えをありがとうございます。
三聖トラスト会計事務所の仕事は、経営に興味のある人にメリットが多い
編集部
こういった方に三聖トラスト会計事務所さんの入社をおすすめしたい、という人物像はありますか。
福岡さん
会計事務所で勤務すると、会社の経営をリアルに体得できます。お金持ちになる、ビジネスで成功するための準備の期間として役に立つので、経営に興味のある方にはとてもメリットの多い仕事だと思います。
私は会社経営者の社長の会に入っているんですけど、「僕も会計事務所にいたんですよ」と話す方がけっこう多いんです。どうしてですか、と聞くと、「将来、自分で会社を持ちたかったので、そのときに自分の会社の健康診断が自分でできないようじゃだめだと思ったから、会計事務所に入って5年働きました」と言っていました。
編集部
確かに、会計というのは経営に必要なスキルですよね。
福岡さん
会社というのは営業と生産で成り立つわけですが、営業が回る、工場で生産が回る、この回る速度を一致させて、無限大のこのループを描くようにするのが会社の健康診断である会計の役割です。会計を正しく見ると「もっと初速度を速めた方がいいね」などが分かるので、会社の経営が回っていくんです。
会計の仕事というのは、そういう会社全体の動きを見る役割なんです。これを経営って言うんですけどね。
編集部
会計の仕事は、経営の仕事そのものだということですね。
DXが進む会計事務所の現場では、若手が主役になりつつある
▲三聖トラスト会計事務所さんで働く若手スタッフ
編集部
三聖トラスト会計事務所さんで働くスタッフのうち、若手は何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか。
福岡さん
30人のうち、20~30代は5人ぐらいです。10年以上のベテランスタッフが多く、お客様へのサービスの品質安定、信頼獲得に大きく貢献してくれています。
ただし、ベテラン勢はIT、DXと言ったリテラシーが低い傾向になりがちで、効率が落ち気味になってしまうので、今後を見据えて若いスタッフを増やしていきたいと考えているところです。
編集部
個人差はありますが、やはり若手メンバーはITへの抵抗感がないですよね。
福岡さん
やはり柔軟性、瞬発性、対応力、理解力のスピードが格段に違います。例えばクラウドシステムの導入時などのインターネット関連作業と説明を、若手はどんどん対応してくれるので、大いに戦力となっています。
ITソフトに慣れるとすぐに仕事が終わってしまうので、ベテランと比べるといつも暇そう(笑)。つまりは生産効率が高いので、とても頼りにしています。
編集部
DXやAIの導入で、若手の活躍に期待が掛かっているフェーズなんですね。
福岡さん
私たちは外資系専門なので、アウトソーシング、情報処理業という傾向が強い業態です。よって、情報処理技術の効率化は今後ますます重要になります。これは現代のIT社会の構造の中での宿命なのかもしれません。ある意味、プログラマーの世界と同じで、IT技術を駆使できる若手がどんどん有利になっていくと思います。
編集部
確かに、情報処理こそAIの得意分野でもありますしね。
福岡さん
若手だから下ということはなく、みんな並列なので、頼りになる方はすぐに主役になっていますよ。
編集部
DXの他にも、若手のメンバーに期待する部分はありますか。
福岡さん
お客様のファーストコンタクトを若手メンバーに積極的にお任せしています。会計業界の人は営業やコミュニケーションが苦手な人も多いのですが、若いときに取り引きを身体で体得してしまえば、人生お金には勝ったも同然です。ここできっちり経験を積めば、お金を獲得することに苦労することは無いと思いますよ。
編集部
DXと会計の知識、さらにコミュニケーション能力を身に付ければ、確かに怖いものなしですね。
ベテランが親切にマンツーマン指導。短期間で「使える人材」になれる
編集部
若手メンバーに対する周囲のサポートはありますか。
福岡さん
仕組みとしては、お客様担当別のマンツーマンでやっています。ベテランが多いので、とても親切丁寧にケアしていますよ。
編集部
研修制度もあるのでしょうか。
福岡さん
スキルアップ研修は、外部コンテンツ視聴がメインで、各自が努力目標を立てて行っています。実際の現場で、必要性を痛感したスキルを追っていく現場捌きも会計事務所の醍醐味なので、外部コンテンツやネット検索を各自に任せています。
自主的に行う研修会も、年に数回ですが行っています。
編集部
現場ありきで、必要な知識を自主的に学ぶスタイルなんですね。学ぶことで、仕事のやりがいも増えていきそうですね。
福岡さん
やりがいで言えば、会社の一生を全部見られる仕事、かつクライアントとの接し方を学べる仕事なので、こんなに人生に有益な仕事はないと考えています。
若手の方ほど、会計事務所で1回働いてみると良いと思います。ここに3~5年いれば、起業するなり、独立するなり、人生の選択肢は各段に広がりますよ。例えばですが、「将来はカメラマンになりたい」という方もここで修業すれば、クライアントや師匠の役に立つ、いわゆる「使える人材」になれるので夢が早く叶うのではないでしょうか。
編集部
さまざまなノウハウを学びながら、自分のITスキルを発揮しながら活躍できる職場だということですね。
福岡さん
今後、三聖トラスト会計事務所ならではのノウハウを生かして、会計事務所のフランチャイズ展開も考えています。そういった意味でも、新しいことにチャレンジしたい若手の方に、どんどん活躍していただきたいと考えています。
編集部
自分で会計事務所を立ち上げるという道も、かなり現実的になっていくわけですね。
伸びる若手は、質問が鋭い。相手のことを考える、「おせっかい力」も大事
編集部
若手の方が上を目指していく、伸びていくにあたって、福岡さんは何が大事だと考えていらっしゃいますか。
福岡さん
皆さんの意思・意識次第ですよね。一つの処理をするのを機械的にしていくようだと伸びないし、一つの事柄でも「何でこんなふうにこれが起こったんだろう」って考えながら日々、毎処理ごとに考えて、その背景や結果や予想を考えて打ってる人は伸び率が全然違いますね。
編集部
よく伸びている方に共通する特徴はありますか。
福岡さん
やはり、質問が鋭いですよね。伸びる人、考えている人たちは、メールの文章の含む意味合いの表現力が違います。お客様とのやり取りとか、答えるタイミングとかが簡潔なんだけど、文章の意味の中によく考え込まれていると感じます。
お客さんが「もうあなた大好き」ってなる人は、そういう人ですね。お客様の愛され度合い、信頼度合いがメールのやり取り見てるとわかるじゃないですか。「この人信頼されてるわ」という場合と、「そうでもないな」という場合と。
「そうでもない人」は責任を気にして、自分の責任枠だけを守ってあまり積極的な対話に出て行かない感じがします。ある程度のおせっかい力が、お客様とのコミュニケーションには大事だと思います。
編集部
おせっかい力みたいなところが求められる、ということでしょうか。
福岡さん
例えば誰かがお辞めになるとなった時、「大丈夫ですか?あのときは一生懸命残業されてましたね。本当にご苦労様でした」みたいなことを言えるとやはりちょっと違いますよね。おせっかい力、おばあちゃん力というか。
最近は対面で会う機会も電話をする機会も減っていますが、おせっかい力というのは相手に興味を持って、相手の動きを見ることだと思います。それが節々にメールで現れると、向こうも「見ててくださっているんだな」ということがわかって、信頼力がガツンと上がるんですよね。
編集部
相手の興味や理解、顧客への配慮がすごくいかされる職場なんですね。
福岡さん
そうです。信頼関係ができていると、こっちが早く資料が欲しいときに、きれいな資料を完璧に早めに出してくれます。回転がうまく行くんですよね。だけど、信頼関係が足りないと、資料が来ても足りなくて欠けてる資料で全然作業ができない、ということになってしまいます。
仕事は何でもそうですけど、「相手から言われたからやります」というだけじゃなくて、なんで言ってきたのかという理由を考えられる人が、伸びていきますよね。
所員の7割以上が女性。時差出勤、在宅ワークも柔軟に導入
▲三聖トラスト会計事務所では、スタッフの7割以上が女性
編集部
三聖トラスト会計事務所さんで働くスタッフの男女比率を教えてください。
福岡さん
30人のうち、22人が女性、8人が男性です。
編集部
女性の割合が高いんですね。女性に向いている理由はあるのでしょうか。
福岡さん
男女ともに言えることですが、やはり几帳面な人が向いているからでしょうね。七並べでも、きっちり並べる人と、雑に置いちゃう人といるじゃないですか。数字の美を感じられる人、整理整頓に美しさを求める人が向いているので、女性に適性のある人が多いのだと思います。
編集部
女性が働き続けやすい職場環境もあるかと思うのですが、いかがですか。
福岡さん
うちは出社時間、退社時間の管理が緩いんです。中抜けもOKだし、代休、半休も上手に活用して、みんなプライベートと両立していますよ。
編集部
かなり柔軟な勤務体系なんですね。
福岡さん
最初は9時~18時と定時を決めていたんですが、やはりお子さんが生まれると、保育園に送迎したり、体調を崩したりということがあるじゃないですか。そうすると、少しずつ出社・退社時間に個人差が出てきたんです。私は、あんまり気にしないタイプなので「OK」っていうことで、今の体制になりました。
編集部
社員の方の実情に合わせていったわけですね。
福岡さん
「OK」にした理由は、ちゃんとやるべき仕事をやってくださっているからです。結果が同じなら、出勤時間がずれても関係ないと思っています。規模的にも、タイムカードで管理しなくても個人の成果は目にみえますから。
編集部
シンプルに成果主義ということですね。在宅ワークも可能ですか。
福岡さん
在宅ワークもOKです。みんな週に1回ぐらい在宅ワークをしていますよ。
編集部
出勤時間がフレキシブルで、在宅ワークもできるとなると、かなり働きやすいですね。
福岡さん
会計事務所は個人のスキルに依存する部分が大きいんです。言わば一人一人がプロフェッショナル、手に職の職人さんなので、所員一人ひとりを職人頭としての経営者とみなしていまして、会社はほぼ放置状態です。
これはお金を扱う、法律を扱うという職種であることも大きいのかもしれません。各人がとてもまじめで誠実、手を抜かない性分なので、制度で縛る必要性が無いんです。
編集部
職人として、長く働ける職種でもありますね。
福岡さん
社歴が長い所員が多く、私より年上という人もたくさんいます。みんな70歳ぐらいまで働くぞって言っていますよ。
仕事相手が社長だから、大きな価値を生み出す仕事ができる
編集部
最後に、この記事を読んで三聖トラスト会計事務所さんに興味を持った方へ、採用に関するメッセージをお願いします。
福岡さん
仕事は、どんな仕事を選んでも、考え方一つですごい経験と修行になります。賃金が高いか、休みが多いか、安定しているかという画一的な選び方をしてしまうと、人生の時間の切り売り、ただの労働集約になってしまいます。
働くということに対しての意識を高く持ってください。そこに価値のある体験ならば、無料でもやる、汚くてもやる。価値のある時間を過ごすのは自分の気持ち次第だということを知ってもらいたいです。
汚い、危険、キツイ職場は、実は宝の山です。ダークサイドに落ちた人達ばかりの中で、ジェダイの騎士のように利益の出る職場にするにはどうしたらいいかと立ち向かっていってもらいたいです。三聖トラスト会計事務所はそういう人を求めています。
なぜかというと、私たちのお客様は社長だからです。社長は、100人の社員とその家族を抱えている。あなたが三聖トラスト会計事務所で働くことは、すごい量の価値を生み出します。ぜひ私たちと一緒に、お客様に貢献でき、将来の自分のためにもなる、価値ある時間を過ごしてください。
編集部
会計事務所の仕事は、経営に直結するやりがいがあることが今日の取材でよくわかりました。とりわけDXに積極的で国境も超えた企業活動をしている三聖トラスト会計事務所だからこそ、若手が本当の意味で活躍し、スキルアップできるというわけですね。本日は、どうもありがとうございました。
■取材協力
三聖トラスト会計事務所:https://www.sansei-tokyo.co.jp/ja/
採用ページ:https://www.sansei-tokyo.co.jp/ja/recruit/