事業内容や働き方などで独自性を発揮している企業をインタビューする本企画。今回は、『非IT企業』の方に向けた情報共有ツール「Stock」を展開している株式会社Stockに、事業の概要やミッション、若手の育成や働き方、社風、そして採用のポイントなどについて伺いました。
株式会社Stockとは
株式会社Stockは、チームの情報を最も簡単に残せるツール「Stock」の開発・運営を行っています。
2018年4月に正式ローンチした「Stock」は、導入企業数が2023年4月に15万社を突破する急成長を遂げています。この間、2020年7月には1億円の資金調達を実施し、2021年8月には週刊東洋経済「すごいベンチャー100」に選出されるなど、急速に注目度が高まっているスタートアップ企業です。
会社名 | 株式会社Stock |
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住所 | 東京都中央区東日本橋2-8-3 JMFビル東日本橋01 4階 |
事業内容 | 情報共有ツール「Stock」の企画・開発・運営・販売 |
設立 | 2014年4月 |
公式ページ | https://www.stock-inc.co.jp/ |
働き方 | 週5日オフィス出社の勤務 ※なぜ今の時代に、IT企業のStockが「週5でフル出社」するのか?(公式note) |
「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」をミッションに掲げる株式会社Stock。今回は同社の代表取締役社長である澤村さんに、その実現に向けたお話を伺いました。
ミッションへの共感の重要性や、ミッションを社内へ浸透させるための取り組みなどをお聞きするとともに、若手メンバーたちが当たり前に活躍できる社風や、今の時代にIT企業のStockが週5フル出社を実践する理由を伺いました。
ITに詳しくない方でも、何の説明もなく使える情報共有ツール「Stock」
編集部
まずは企業・事業の概要についてご説明をお願いいたします。
澤村さん
私たちは「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」ことをミッションとする、日本のスタートアップ企業です。『非IT企業』の方々をご提供先として、チームの情報を最も簡単に残せるツール「Stock」を運営しています。
Stockは『非IT企業』の方々向けのプロダクトですので、プロダクトには当然、とにもかくにも圧倒的にシンプルな操作性が求められます。そのためStockの開発・運営の基準では、常に「40度の熱があっても、0.5秒で分かるのか?」ということを基準にしています。
Stockを導入いただいている学習塾様からは、「ITに詳しくない65歳のメンバーでも、何の説明もなしに使いこなせました」というお喜びの声をいただけているほど、シンプルなプロダクトです。
「Stock」は2018年4月に正式ローンチしました。そして、基本的にはこれまで広告宣伝費をかけていないのですが、すでに15万社(2023年4月現在)にご登録いただけているようなプロダクトに成長しています。
編集部
Stockさんはミッションとして「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」を掲げておられます。すでに登録をしている15万社もその多くは『非IT企業』の方々かと思いますが、具体的にはどのような企業の方が多いのでしょうか。
澤村さん
大変嬉しいことに、Stockをご利用いただいている『非IT企業』の方々は、なにか特定の業種に偏っているということはありません。日本中の、ありとあらゆる業種の『非IT企業』の方々にお使いいただけています。
具体的には、税理士事務所の方、病院の方、建築業の方、コンサル会社の方等、ありとあらゆる幅広い業種の『非IT企業』の方々にご利用いただけています。
導入企業数拡大の最大の要因は、『非IT企業』にフォーカスしたこと
▲Stockさんが提供している情報共有ツール「Stock」のサービスイメージ画像。
編集部
「情報共有ツールStock」は、2018年4月のローンチからのわずか5年間で15万社ものお客様を獲得されていますが、どのような獲得ペースだったのでしょうか。
澤村さん
導入企業数が10万社を超えたのが、正式ローンチから4年後にあたる2022年5月です。そして2023年4月には導入企業15万社を突破しました。導入企業10万社までには4年かかりましたが、そこから僅か1年で、一気に5万社もの方々に新規登録いただきました。
編集部
ものすごいハイペースですね。マーケティング施策が奏功しているのはもちろん、ここまでハイペースだと、口コミなどの自然バイラルも発生しているのでしょうか?
澤村さん
おっしゃる通りです。ありがたいことにStockは、『非IT企業』の方々の間で自然発生的な口コミが続々と生まれてきています。
例えば「Stock」を使っていただいている税理士事務所の方が、その顧客先で「非IT企業向けの非常にいいツールがある」とご紹介くださいます。またあるときは、非IT企業の社長さんがお知り合いの経営者の方に「『Stock』というツールを知っているか?」と広めてくださるという具合です。
編集部
『非IT企業』の方が使いやすさを実感しているからこそ、相手にも伝わるのでしょうね。
澤村さん
そう思います。なぜ、使いやすさを実感いただけるのかといいますと、「Stock」のように徹底的に『非IT企業』の方々にフォーカスしたプロダクトが、今までなかったからだと考えています。
世の中の情報共有ツールは、IT企業向けです。そのため、非常に多機能で高性能なツールが大半です。ところが『非IT企業』の方は、多機能なものや高性能なものは求めていません。
そのような中でStockは、とにかく『非IT企業』の方に徹底的にフォーカスしてきました。『非IT企業』の方々へのフォーカスを一切ぶらさないので、とにかくプロダクトが「40度の熱があっても、0.5秒で分かる」ほど、シンプルなプロダクトであり続けるのです。
そこが、多くの『非IT企業』の方々にご支持をいただけているポイントだと思っています。
たった1社から言われた「ほしい」の一言で本格開発に着手
編集部
お客様の拡大に伴って経営基盤を強化し、2020年7月には1億円の資金調達を達成されています。そして2021年8月には週刊東洋経済「すごいベンチャー100」に選出されるなど、外部からの注目度もアップしてきています。ここまでの成長を、どのように感じておられますか。
澤村さん
実は「Stock」は、当初「社内用の情報共有ツール」として、僅か3日間で開発したものでした。
自分たちが社内で情報共有するにあたり、「チャットだと情報が流れていくし、ファイル共有だと面倒」という強烈なPain(痛み)を感じたのですが、それを解消するプロダクトがなかったので、「仕方なく」という感じで、弊社のエンジニアが3日間という条件で開発したものでした。
あくまで「社内用の情報共有ツール」として開発したので、このように億単位の資金調達をしたり、15万社以上の方にご利用いただけるなどとは夢にも思っていませんでした(笑)。
「社内用の情報共有ツール」として開発したのですが、あまりの便利さに衝撃を受けたので、「他の会社でも同じPain(痛み)があるのではないか?これは世の中の役に立てるものなのではないか?」と思い、知り合いのツテをたどって30社にヒアリングさせていただきました。
しかし、Stockのプロトタイプをもとに初期に行ったヒアリングでは、30社中29社の方に「いらない」「意味が分からない」「既存のツールで十分だ」「絶対にお金を払う人はいない」と散々なフィードバックをいただきました。
その中でたった1社だけ、「今のこの状態でいいから、お金を払うのでStockを使わせてほしい」と仰ってくださったのです。このヒアリングが大きな転機となりました。
編集部
たった1社のニーズだけで、本格開発に着手したのですね。
澤村さん
はい。もちろん私たちは、このときどうすべきか非常に迷いました。「30社中29社は絶対にいらないと言っている。しかし1社だけは今の状態でも良いからお金を払って使いたい」という状況をどのように理解するべきか。
そのとき私は、米国の有名なアクセラレーターであるY Combinatorの創業者ポール・グレアム氏の名言を思い出しました。「100人のLikeではなく、1人のLoveを獲得したプロダクトが、結果として世の中を変える」。私はこの言葉を思い出し、確実に目の前にある「1人のLove」を信じ、「Stock」の本格開発に着手しました。
そしてさらにヒアリングを続けていく中で、『非IT企業』の方々が情報共有のしづらさに、想像以上に苦しんでいることがわかってきたのです。
『IT企業』の方は、世の中にある既存の高機能・多機能なツールを使いこなしており、情報共有には強い悩みを抱えていません。他方『非IT企業』の方々は、高機能・多機能なツールだらけで、直感的に使えるものがなく、とても大きなストレスを抱えていることが分かりました。
このときの数多くの『非IT企業』の方々との対話を通じ、私たちは、『非IT企業』の方にフォーカスして世の中をよくしていくことを決めました。現在Stockの活動のすべての羅針盤となっている、「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」という私たちのミッションも、このときの多くの『非IT企業』の方々との対話から生まれたのです。
今年に入り急ピッチで進めている組織の拡充
編集部
組織については、どのようなペースで拡充してきたのですか。
澤村さん
2022年の秋ぐらいまでは、採用をかなり抑えてきました。
Stockの基本的な考え方としては、「同じことをやるのであれば、人は少なければ少ないほど美しい」と考えています。なぜかというと、人が増えるとコミュニケーションコスト(※)が指数関数的に増えていくからです。
(※)お互いの意思疎通に必要とする時間のこと。
しかし、導入企業数が急激に伸びてきたこともあり、プロダクトの成長に組織が追いつかなくなってきたため、2023年に入ってから採用のアクセルを一気に踏んでいます。
編集部
2022年春には初の新卒社員を採用されていますね。今後は新卒者も含めて幅広く人材を採用していく方針ですか。
澤村さん
はい。従来は新卒採用をしていなかったのですが、現在は新卒採用も行っています。
新卒の方・転職組の方を問わず、Stockが目指す「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」というミッションに共感していただける方とは、是非お会いしたいと思っています。
社内にミッションが浸透しており、全員が強烈にコミットしている組織
編集部
「ミッションに共感していただける方には、是非お会いしたい」とお話しされましたが、Stockさんのメンバーは皆さん、やはりミッションに共感していらっしゃるのでしょうか。
澤村さん
Stockの大きな特徴は、「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」というミッションに、全メンバーが強烈にコミットしている点にあります。
このミッションへのコミットメントの強さが、私たちStockの強さの核となっています。あらゆる議論がミッションから始まっているので、常に同じ判断軸でメンバーが前に進むことができるのです。
株式会社Stockのコーポレートサイトには社員インタビューが掲載されていますが、どのメンバーもミッションへのコミットメントについて言及しておりますので、こちらのインタビューもぜひご覧ください。
■Stockさんの社員インタビューはこちら!
https://www.stock-inc.co.jp/interview/
編集部
ミッションの実現に向けて、例えばどのような取り組みをされていますか。
澤村さん
例えば、私たちStockでは、プロダクト開発の基準として、「40度の熱があっても、0.5秒で分かるのか?」という基準を設けているということが挙げられます。
仮に、自分たちが「40度の熱があっても0.5秒で分かる」ほどプロダクトをシンプルにする。そうなって初めて、「Stock」のことを全く知らない『非IT企業』の方々が、一切のストレスなく直感的に使えるようになるという考え方です。
この基準は、開発メンバーはもちろんですが、ビジネスメンバーもセールスメンバーもバックオフィスのメンバーも、すべてのメンバーが当たり前の言葉として使っています。
Stockでは、間違ってもミッションが単なる「お題目」になってしまわないように、あらゆるメンバーが日々具体的に使える言葉にまで落とし込んでいます。
編集部
ミッションを実現するには、そこまで徹底しなければいけないということですね。
澤村さん
その通りです。私たちはどんな時も、「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」という方向性をブレさせることはありません。
そしてそのためには、ミッションをただ掲げるのではなく、全てのメンバーが具体的に日々使える言葉にまで落とし込む必要があります。
そこまでやって初めて、プロダクトの細部や、私たちが発信するあらゆる言葉の隅々にまで、自分たちが目指すミッションが行き渡るのだと考えています。
スタートアップとは思えない「穏やかな」雰囲気の社内
▲穏やかなメンバーが多く、常にとても静かな雰囲気のオフィス。
編集部
事業が急成長し、組織が拡大している中で、社内の雰囲気はどんな感じなのでしょうか。
澤村さん
Stockメンバーの特徴は、とにかく「穏やかなメンバーが多い」ということです。これは誰に聞いても、不思議とみんなが口を揃えて言う言葉です(笑)。
編集部
急成長されているスタートアップなのに、「穏やかなメンバーが多い」というのは少し意外な気がしてびっくりしました。
澤村さん
そうですよね(笑)。急成⻑中のスタートアップというと、もしかすると「ギラギラした感じのメンバーが多い」というイメージがあるかもしれません(笑)。しかし、Stockのメンバーは本当にみんな穏やかです。
他のメンバーから「相談したい」とか「これを教えてほしい」と言われても、嫌な顔をする人はいません。ましてや会議などで相手に詰め寄るような光景も皆無です。本当に穏やかな空気感が流れています。
ただ、穏やかではありますが、仕事に対しては誰もが徹底的にオーナーシップを持っています。オーナーシップとは、⾃分の仕事の領域について責任を持ち、やり切ることです。すべてのメンバーが「この領域は自分に任せてほしい」というオーナーシップを持って仕事に取り組んでいることも、Stockの特徴だと思います。
編集部
メンバーは全員ミッションにコミットしている。そして皆さん、穏やかでありつつ責任感にあふれている。これがStock社の大きな特徴なのでしょうね。
入社2~3年で急成長した若手メンバーの活躍状況
編集部
現状、平均年齢は27歳と伺いました。活躍されている若手の方が多いのでしょうね。
澤村さん
おっしゃる通りです。例えばエンジニア部門でいいますと、エンジニア歴1年の時点でStockに入社し、現在2年目というメンバーがいます。トータルのエンジニア歴はまだ3年なのですが、すでにフルスタックエンジニアと呼べるレベルにまで急成長しました。
エンジニアにはフロントエンドとバックエンド、そしてインフラという三つのパートがあり、そのすべてをカバーできるのがフルスタックエンジニアになります。彼は入社時点ではエンジニア歴がまだ1年、フロントエンドをようやく1周してきたようなレベルでした。
しかし彼は次々と目の前にあるチャンスをものにしていき、Stockに入社してからの2年間で急激に成長しました。現在ではフロントエンドについては誰もが目を見張るレベルにまで達していますし、バックエンドもインフラも十分にカバーできる力量を身につけて活躍しています。
セールス全体を見られるレベルに2年で成長した女性メンバー
編集部
Stockさんのチャレンジさせる環境が、成長を促したんですね。
澤村さん
もちろん本人の情熱があることが前提ですが、Stockには「新しいチャンスを誰もが掴むことができる環境」があるという面が、すべてのメンバーの活躍を後押ししています。
他にも、何もないところからセールス/カスタマーサクセスの仕組みを構築していった、20代の女性メンバーがいます。彼女が入社した2年前のStockには、セールスやカスタマーサクセスのメンバーは一人もいませんでした。
そこで彼女はゼロからお客様との対話を続けて、どのようにサポートすべきかを、オーナーシップを持ってまとめあげたのです。もちろん私も全面的にサポートをしましたが、今ではセールス/カスタマーサクセス領域の全体を見られるレベルにまで成長しています。
最近続々とセールス/カスタマーサクセスチームに新メンバーが加入していますが、これら新メンバーのオンボーディング・プロセス(※)のフローも、彼女がオーナーシップを持って設計しています。
(※)新メンバーが入社した際に、一人で活躍できるようにトレーニングする流れのこと
新卒入社1年目で、メディアチーム(=マーケティングチーム)の運営を任せられるメンバー
編集部
新卒入社された方も活躍されているのでしょうか。
澤村さん
もちろんです。新卒1年目で、メディアチーム(=マーケティングチーム)全体の運営を任されているメンバーがいます。
彼は、Stockの長期インターンに1年半参加してから新卒入社したので、その期間も含めるとStockメンバーになってからは2年半ですが、いずれにせよ新卒の若手でチーム運営をリードするチャンスを掴んでいます。
Stockが大切にする考え方を体現しているし、経営陣とも非常にバランスよくコミュニケーションをとることができ、経営陣からの信頼も厚い非常に頼りになるメンバーです。
若手の成長を促進させているStock独自の社風
編集部
Stockに入社する若手メンバーがそこまで急成長する要因を、どのようにお考えですか。
澤村さん
まず、前提としてStockの大切にしている考え方の一つに、「『本人に操作性のない事柄』での差別は、絶対に禁止」があるのは大きいと思います。
日本で働く多くの若者が理不尽に感じることの一つに、「年齢」「入社年次」「性別」「国籍」など、『本人に操作性のない事柄』での差別があると思います。「まだ若いから」「まだ入社〇年目だから」などを理由にチャンスをもらえず、とても悔しい思いをしたことがある若い人は多いのではないでしょうか。
「年齢」「入社年次」「性別」「国籍」などは本人には操作できません。そういう事柄での差別を、Stockでは絶対に禁止しています。
ですから弊社には「入社年次が浅いから…」とか「まだ若いから…」といった制約は一切ありません。入社年次が浅かろうが、長かろうが関係ない。年齢が若かろうがベテランだろうが、チャンスに手を伸ばしさえするのであれば、誰もが平等にチャンスを掴む環境がStockにはあります。
編集部
なるほど。Stockには若手が積極的に意見を言える環境が整っているのですね。
澤村さん
そうです。もう一つのStockが大切にしている考え方として、「全員がフェアであるために『論理的』であることを重視」というものがあることも非常に重要です。
「全員でフェアに議論をしましょうよ」と言う職場は非常に多いと思いますが、ただそれだけでは、実際には「声の大きい人」「年齢が高い人」「役職の高い人」の声が勝ってしまうだけです。フェアにしようと言いつつ、若手からすれば実態はアンフェアです。
そのため、全員が本当にフェアにするために、Stockでは『論理的』であることをとても重視しています。論理的といっても、マニアックなロジカルシンキングを座学で覚えましょう等というものではありません。
Stockでは入社したら「論理的に物事を進める」ための簡単なアプローチを共有します。スポーツでいうルールのようなものです。新卒メンバーであっても、他業界から来たメンバーであっても、1~2か月もすれば当たり前に使うようになるくらい、シンプルなものです。
すべてのメンバーが共通で使っているごく簡単な議論のフレームがあるので、それを前提として、論理的に議論をします。ですから若手でも、入社年次が浅くても、Stockでは全員がフェアな前提の上に議論をすることができるのです。
さらに、弊社のミーティングでは、「発言しなければ出席している意味がない」ということを繰り返し伝えています。インターン生でも、入社1日目の社員でも、ミーティングに出たら絶対に発言をする。
最初は例え感想であっても、なんでも構いません。とにかく「発言しなければ出席している意味がない」という発想があるので、Stockはとにかく何とか食らいついて発言をしようとするメンバーばかりです。
編集部
そういう明快なルールが、若手や新規メンバーの成長を促進させるのですね。
澤村さん
その通りです。新しいメンバーがStockに入社すると「インターン生であっても若手メンバーであっても、みんなが当たり前にガンガン発言している」ということでよく驚かれます。Stockには、若手が活躍できる文化が、当たり前のように根付いているのです。
Stockが「週5フル出社」を実践する、とても明確な理由
▲「週5フル出社」の理由の一つは質の高いミーティングが可能なこと。
編集部
Stockさんは働き方として「週5フル出社」を採用しています。その理由を教えてください。
澤村さん
「週5フル出社」を採用しているのには、いくつかの大切な理由があります。
一つ目は、当然ですがオフィスの方が集中できるからです。自宅は心身をリラックスするために最適化された場所です。仕事に集中するためには、オフィスの方が圧倒的に効率的なことは間違いありません。
二つ目は意思統一のストレスが大きいことです。作業をこなすだけなら、リモートワークでもある程度は対応できます。しかし、Stockの仕事では、作業だけではなく熱のこもった社内ミーティングも重要になります。そのためには対面の方が、ストレスの少ない質の高いミーティングが可能です。
そして三つ目ですが、リモートワークではコミュニケーションの機会が減少します。ランチに行ったり、ちょっとした立ち話をする機会が一気に減ります。しかし週5で出社していれば、ランチや立ち話はいつでも可能ですし、「元気がないな」といった相手の機微を察知することもできます。
さらに四つ目は、職場と自宅を明確にわけてオンとオフとの境目をクリアにした方が、思いっきり仕事ができて、思いっきり休めるということです。結局は出社する方がハッピーだと考えています。
最後の五つ目は、アーリーフェーズにあるStockが企業文化をしっかりと構築するためには、対面コミュニケーションが不可欠であり、リモートワークだけでは難しいと考えているからです。この五つを弊社では「出社のメリット」と考えています。
社内イベントは自由参加。強制的な飲み会などは一切なし
編集部
明快なお考えのもとで、週5フル出社を実施されていることがよくわかりました。ただ、IT業界の就職希望者の中には、フルリモートワークを条件とする方も少なくありません。採用面での難易度が上がってしまうリスクはありませんか。
澤村さん
もちろん単純な応募者の方の数だけを見れば、リモートワークにした方が応募数は増えるでしょう。
しかし私たちStockは、先ほどご紹介した理由から「週5フル出社」の価値を強く確信しています。
そのため、私たちはこれから当面「週5フル出社」を堅持し続けますし、むしろ我々のこの「週5フル出社」が持つメリットをシャープに共有できる方とこそ、お会いしたいと思っています。
編集部
メンバーの皆さんが出社しているということで、社内のイベントや飲み会も頻繁に行われているのでしょうか。
澤村さん
実は、Stockが会社として開催するオフィシャルな飲み会は忘年会ぐらいですし、しかもあくまで自由参加です。別に参加しないからどうということは、本当に全くありません(笑)。
ちなみに、会社で主催するオフィシャルな飲み会は忘年会くらいですが、有志による社内の活動はかなり活発です。「サウナ部」「辛いものクラブ」「フットサル大会出場」「ロッジへのバーベキュー旅行」など、メンバー同士が自由に声を掛け合って楽しんでいるようです。
いずれにせよ、私はとにかくStockメンバーの皆が幸せであってほしいと思っています。そのため、こういうイベントや飲み会への参加が、形式的にも実質的にも一切強制されることがないようにということを、とても気を付けています。
あくまでもみんなが自由に選択して、幸せでいられるようには気を付けています。
「ミッションに共感して、一緒に世の中を良くしたいと思う方に会いたい」
▲採用のポイントを「ミッションへの共感」と語る代表取締役社長の澤村大輔さん。
編集部
それでは最後に、この記事をご覧になってStockさんに興味を持った読者の方へのメッセージをお願いいたします。
澤村さん
私たちStockが目指す「世界中の『非IT企業』から情報共有のストレスを取り除く」というミッションは壮大です。当然ですが、その到達点から見れば、私たちはまだまだ0.1%にも達していません。
しかし、私たちStockが存在したことにより、『非IT企業』の方々の働き方が、少しずつですが確かに変化し始めているという強烈な手触り感があります。自分たちの仕事にこのような手触り感を持って日々過ごせることは、本当に幸せなことだと思っています。
繰り返しになりますが、Stockは常に「世界中の『非IT企業』から情報共有のストレスを取り除く」ことをミッションとしており、これが唯一の羅針盤です。私たちStockは、どんな時もとにかくこのミッションを唯一の羅針盤として目指していきます。
この壮大なミッションに共感し、一緒に世の中を良くしていきたいと思っていただける方には、是非お会いできれば大変嬉しく思います。
編集部
御社は、ミッションが本当に明確ですし、社長である澤村さんがメンバーの方々の幸せを本当に祈っているということもとても強く伝わってきました。
「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」というミッションに共感する方には、まさに最高の環境ですね。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社Stock https://www.stock-inc.co.jp/
採用ページ https://www.stock-inc.co.jp/recruit/