ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、一般社団法人ベンチャー型事業承継にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同法人で働く魅力をご紹介します。
同法人は、中小企業の事業承継に新しい価値を生み出す「アトツギベンチャー」という概念を提唱し、後継者支援の新しいカタチを創造しています。2018年の設立以来、20代後半から30代前半の若手が中心となって自治体や官公庁との連携プログラムを展開。組織内では全員がイングリッシュネームで呼び合うフラットな文化を築き、事業承継支援の新しいスタンダードを作り出しています。
今回は、一般社団法人ベンチャー型事業承継の特徴的な組織文化や若手が活躍できる環境について、事業統括マネージャーの牟田さんにお話を聞かせていただきました。
アトツギベンチャーが実現する革新的な事業承継支援
編集部
御法人は『アトツギベンチャー』という新しいカルチャーを創造されていますが、事業承継を成功に導くために、御法人ではどのような支援を行っていらっしゃいますか?
牟田さん
承継の形は、親族や従業員、第三者への承継など、様々な形があります。私たちは事業に対する理念や想いを受け継ぎ、家業の資産を活かして、イノベーションを起こすことのできる、アトツギにこそ可能性があると確信しています。
当法人のサービスは多岐にわたりますが、自治体や官公庁と連携した各種支援プログラムの実施をベースに、後継者向けの学びのプラットフォームの運営、その他に外部企業との協働プロジェクトなども行なっています。
例えば最近では、大手企業と連携してディープテック分野での中小企業支援プロジェクトを展開しています。アトツギベンチャーという新しいビジネスセクターを作っていくということもあり、これといった枠組みに縛られることなく、柔軟な姿勢で支援の機会をたくさん提供できるようにしています。
支援の成功例として、プラスチックの製造加工会社を後継ぎした方の事例があります。この会社はホタテの貝殻が大量に廃棄されていることに注目し、それを素材として活用したヘルメットの開発に成功しました。この事例は事業承継の全国のアトツギによるピッチコンテスト、アトツギ甲子園で中小企業庁長官賞を受賞しました。
既存の資源や技術を活用しながら、新しい価値を生み出していく。新規参入企業では見過ごされがちなニッチな分野でイノベーションを起こしたことは、まさにアトツギベンチャーの好例だと思いますし、こういった事例を全国的に広めていきたいです。
年々アトツギ支援プログラムが増加していることや、メディアでの露出増加など、後継ぎ支援への社会的関心が高まっています。事業承継支援の重要性が広く認識され始め、業界全体が大きく動き出している実感があります。
20代〜30代が活躍!「ベンチャー型事業承継」の組織体制と挑戦できる環境
▲取材に応じてくださった牟田さん。
編集部
御法人の特徴的な事業を支える組織体制について教えていただけますか?
牟田さん
正社員として働いているメンバーが5名、それに加えて業務委託で関わる方を含めると全体で15名程度になります。20代後半から30代前半のメンバーも多く在籍しており、基本的な業務から事業企画まで、若手が中心に活動しています。
編集部
著名な方々がボードメンバーとして参画されていますが、若手社員の方々との連携や、組織としての強みをどのように活かされていますか?
牟田さん
アトツギベンチャーを日本のカルチャーにしていくためには、自社以外の協力が必須です。その中でも各業界の第一線で活躍されている経営者にボードメンバーとして参画していただいており、意見をもらったり、活動に協力いただいたりしています。距離感も近く、親身になって話も聞いてくれるため、心強く思っています。
編集部
一般社団法人ベンチャー型事業承継で活躍される方の属性やジョインするに至ったエピソードがあれば教えてください。
牟田さん
当法人には様々なバックグラウンドを持つメンバーが在籍しています。例えば、元々外資系の大手コンサルティング会社に勤務していましたが、実家の家業を引き継ぐことを決めて20代後半の時にジョインしたメンバーもいます。
将来的に実家の事業を引き継ぐ予定ですが、その準備段階として、事業承継に関する知見を深めながら、業務上の成果もしっかり上げています。このように当法人では、次世代の経営者としての成長の場としても活用いただいています。
編集部
牟田さんご自身も事業統括マネージャーとして活動されていますが、やり甲斐を感じたエピソードがあれば教えてください。
牟田さん
社内だけでなく、関わるほとんどの人や団体が後継ぎ支援に魅力を感じていることが肌感覚で伝わり、アトツギ支援への熱意や意義など、コミュニケーションを取る中で齟齬もなく気持ち良く仕事ができているなと感じています。
プログラムに参加された後継者の方から、これがなかったら家業が潰れていたかもしれないというエピソードを頂いた時にはやり甲斐を感じます。自治体や法人といった大きな組織から、ひとつの小さな企業に至るまで幅広く関わるので、新たな市場を作っているマクロな喜びと手触り感のあるミクロな喜び、その両方を味わえます。
入社したらイングリッシュネーム呼び!フラット&フェアな職場環境
編集部
一般社団法人ベンチャー型事業承継の特徴的なカルチャーや働き方について教えてください。
牟田さん
特徴的なのは、入社するとイングリッシュネームを付ける文化です。代表はジル、理事の方もジャックやライアンなどの名前が付いており、組織内で「さん付け」は使いません。この文化を通じてお互いの距離感を縮め、フラットな関係性を築き、「フラット&フェア」という私たちが掲げる価値観の一つを体現しています。
編集部
イングリッシュネームを含め、フラットな組織文化が仕事や職場の雰囲気にどのような影響を与えているでしょうか?
牟田さん
私自身が転職をいくつか経験していますが、入社まもなくだと距離感の詰め方も難しいと感じることも多かったです。しかし、イングリッシュネームで呼ぶことにより、すぐに馴染むことができました。また、理事も、実績豊富な方ばかりなのですが、気負わずにコミュニケーションを取ることができます。
編集部
御法人の働き方について、特徴的な点を教えていただけますか?
牟田さん
東京・大阪・福岡で拠点が点在しており、メンバーも多くないことから、リモートワークをメインにするメンバーが現状多いです。主な拠点が大阪と福岡の事務所で、私自身はメンバーとのリレーションを作っていくためにも、基本的に大阪の事務所へ毎日出社しています。ただ、勤務場所や時間は、勤務形態やプロジェクトの状況に応じて各自が最適な形を選択しています。
編集部
メンバーが集まる機会はありますか。
牟田さん
コミュニケーションの基本として、毎朝15分程度のオンラインミーティングで顔を合わせる機会を設けています。あとは年に1回忘年会として集まったり、全体で合宿を行ったりしています。
また、月に1回「アトツギバー」という交流会を大阪で開催しており、アトツギ含めて各人が飲み物や食べ物を持ち寄り、ラフに会話をするイベントも実施しています。これには、九州からもメンバーが参加することがあります
採用で重視するポイント:能力やスキル以上に「いいやつ」に注目
編集部
採用で特に重視されるのはどのような点ですか?
牟田さん
私たちは「いいやつ採用」という、能力やスキル以上に「いいやつ」であることを優先した採用を創業以来続けています。もちろん関連するスキルをお持ちの方は歓迎ですが、それ以上に大切なのは、私たちのマインドに共感し、価値観がマッチするかどうかです。
編集部
様々な関係者と協働するポジションと思いますが、そのほかに重視される資質はありますか。
牟田さん
外部と折衝することが多いので営業職の方はその経験を活かしやすいと思います。また事業に関する知識を吸収しようという学習意欲や、出張の機会が増える可能性があるのでフットワークの軽さがあると尚良いですね。
編集部
御法人では現在、プロジェクトマネージャーの採用を強化されていると伺っています。具体的にはどのような業務を担当することになりますか?
牟田さん
官公庁とプログラムを運営するのが主な業務です。各自治体からの公募案件に対してプロポーザルをして、企画が通ればそのプロジェクトを管理し、ステークホルダーを巻き込みながら推進していきます。
編集部
どのような経歴やスキルを持つ方が、活躍しやすいと思いますか。
牟田さん
スキル面では、プロジェクトマネジメントの経験が重要だと考えています。特に、複数の案件を同時に進行させるスケジュール管理能力や、プロジェクトリーダーの経験がある方は、業務に馴染みやすいと思います。
転職希望者へのメッセージ
編集部
転職を考えている方々へメッセージをお願いします。
牟田さん
私たちは一般社団法人という組織形態であるため堅いイメージがあるかもしれませんが、実態はベンチャー企業であり、全員がベンチャー精神を持って活動しています。ゼロから市場を作り、新しい事業を創造し、多くの関係者を巻き込みながら成長を続けています。
私たちが求めるのは、新しいことにチャレンジしたい方、そして何より後継ぎ問題に共感できる方です。私たちの仕事は華やかな面だけでなく、多くの苦悩や壁があります。そういった現実にもしっかりと向き合い、当事者と同じ視線で取り組める方と一緒に働ければと思っています。
編集部
後継者不足が問題の現代において、先代から受け継ぐ価値を後世へ残すアトツギベンチャーは社会的意義が大きく、やり甲斐に満ちた仕事と言えそうですね。本日はありがとうございました。
編集後記
この記事のまとめ
事業内容 |
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職場環境・社風 |
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組織構成 |
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求める人物像 |
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基本情報
住所 | 【東京オフィス】 東京都千代田区神田錦町1-17-1 神田髙木ビル 【大阪オフィス】 大阪府大阪市中央区北浜東1-29 GROW北浜ビル1002 【九州オフィス】 福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1 「Q」内 |
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事業内容 |
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設立 | 2018年6月 |
働き方 | ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク) |
公式ページ | https://take-over.jp/ |
採用ページ | https://hiro-gordon.notion.site/ 9efc5c79de5a47afb8 ff816bb67b4f8e |
募集職種 | 事業・受託プロジェクトのプロジェクトマネージャーなど |