さまざまな企業の先進的な働き方や活躍する若手社員のエピソードを紹介するこの企画。今回はソフトウェアテスト専門会社としてICT社会の品質保証を担う、バルテス株式会社にインタビューを行いました。同社は、ソフトウェアの品質向上を通じて、私たちの日常生活で使用する多くのデジタル製品やサービスの信頼性確保に貢献しています。
バルテス株式会社:ICT社会の品質を支えるソフトウェアテスト専門企業
バルテス株式会社は、ソフトウェアテストと品質コンサルティングを専門とする企業です。「安心で安全なICT社会の実現」を目指し、品質向上のトータルサポートを提供しています。
会社名 | バルテス株式会社 |
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住所 | 大阪本社:大阪市西区阿波座1-3-15 関電不動産西本町ビル8F 東京本社:東京都千代田区麹町1-6-4 住友不動産半蔵門駅前ビル11F |
事業内容 | ・ソフトウェアテストサービス ・品質コンサルティングサービス ・ソフトウェア品質セミナーサービス ・セキュリティ・脆弱性診断サービス ・その他品質評価、品質向上支援サービス |
設立 | 2004年4月19日 |
公式ページ | https://www.valtes.co.jp/ |
働き方 | ・リモートワーク可能(ハイブリッド勤務) ・フレックス制度あり(コアタイム:10~15時) |
急速に発展するICT社会において、バルテス株式会社の品質担保への取り組みは非常に重要です。業界をリードする企業として国内外から高い評価を受け、2017年12月には国内初となる「ISTQB」のパートナープログラムの最高位ランク「Global Partner」に認定されました。
※「ISTQB」とは国際的に通用するソフトウェアテストの技術資格認定機関のこと。「パートナープログラム」は、ISTQBが品質技術やテスト技術の向上に尽力している会社や組織を認定する制度を指します。
今回のインタビューでは、バルテス株式会社の成長を支える事業の強みや、「プロ集団」としての高い専門性を維持する研修制度、若手社員の活躍エピソードについてお話を伺いました。また、育休復帰率100%を実現している、バルテス独自の働きやすさへの取り組みについても詳しく紹介していただきます。
バルテスの強み:高度化するICT技術に対応する専門的テストサービス
▲バルテスグループでは、品質向上のための総合的なサービスを提供している
編集部
はじめに、バルテスさんの事業内容を教えてください。
清田さん
バルテスでは、世の中のシステムやサービスの品質を担保するための、ソフトウェアのテストサービスを提供しています。
2004年の設立以来、「ソフトウェアの品質向上を支援する」ということを軸に据え、ソフトウェアテストサービス事業を展開してきました。同時に、社会の需要に合わせて提供するサービスも柔軟に変化させてきました。創業当初は組込み系システムのテストを請け負っていましたが、近年ではデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の波を受け、Webシステムや業務システムにも幅を広げています。
またバルテスは「品質向上のトータルサポート企業」をめざし、テストサービスの他にも品質コンサルティングサービスや品質技術教育サービスなど、ソフトウェア品質向上に関するサービスを多角的に展開しています。
編集部
ICT技術の進歩により世の中のシステムも高度化、複雑化していると思います。その中でバルテスさんの事業の需要もとても高まっているのではないでしょうか?
鈴木さん
そうですね。ただし国内ではまだ開発会社がテストを内製化し、開発とテストを自社で行っている企業が多いのが現状です。もちろんどの企業様もテストの重要性は認識していますが、いわば「自己採点」に近いようなテストとなってしまっている場合も少なくありません。
また、ソフトウェアを自社開発している企業自体も減っており、外部委託で分業化して開発するという流れが一般的になっています。そうなると、開発過程で各チームが追加・変更を加えた部分が網羅された新しい要件定義書のないまま、品質基準があいまいな状態でテストをしなくてはならない状況が生じます。テスト段階はリリースの直前のタイミングであるため、多少甘いテストでもそのまま世に出さざるを得ない、ということになるのです。そこにもどかしさを感じる開発エンジニアも多くいます。
バルテスの事業の意義は、第三者としてしっかりとした基準で品質をチェックし、良いものづくりを支えることです。弊社で活躍するエンジニアも、その部分に魅力を感じてバルテスに入社したという経緯を持つ者が多くなっています。
編集部
ICT社会の中で良い品質のものを世の中に提供し続ける上では、バルテスさんの事業は欠かせないものなんですね。
「プロ集団」としての高い専門性が会社の成長を支える
▲バルテスの成長を表す数字(採用サイトから引用)
編集部
バルテスは年間3,000社以上のプロジェクトに関わっているなど、かなりの実績を上げていらっしゃいますね。その成長を受けて、売上や組織はどのように変化していますか?
清田さん
売上はずっと右肩上がりで推移しており、2020年度が52億円、2021年度が67億円、2022年度が90億円となっています。この3年間における売上高の平均成長率は130%以上で、稼働エンジニア数もグループ会社含めて1,000人を超えています。
編集部
素晴らしい成長率ですね。この成長を支えるバルテスならではの強みは何だとお考えですか?
清田さん
バルテスでは「テストを通じて安心で安全なICT社会を実現する」という企業理念の下、社会インフラに関わる領域に特化して案件を請け負っています。そのような高い専門性が求められる中で、「高品質」にこだわり、プロフェッショナルのエンジニアを育成してきたことがバルテスの大きな強みです。
さらに、案件が多様化している中でも最適なサービスを提供できるよう、社内での学習機会を充実させ、「プロ集団」として専門性を高め続けています。その努力があるからこそ、大型案件を多数受注できており、またその実績がお客様の信頼獲得につながっているのだと考えています。
バルテスの人材育成:社員主導の充実した研修制度「バルゼミ」
編集部
バルテスさんの教育制度についてお伺いします。バルテスさんの強みとして挙げられた社内での学びの機会について、具体的にどのような研修制度があるのでしょうか?
清田さん
バルテスでは入社時の研修と、通年で実施している「バルゼミ」という全従業員が参加できる研修があります。
入社時研修では、未経験者には2か月間、経験者であっても1か月間の研修を行い、バルテスのテストのノウハウを学んでもらいます。通年で行われているバルゼミでは、ソフトウェアテストやエンジニア向けの講座を中心に、営業向けの講座や英語の講座、基本的なビジネスマナーの研修など、多岐にわたる内容を提供しています。
編集部
充実した研修制度があるのですね。プロ集団として専門性を高め続けるために学習機会を重視しているのでしょうか?
鈴木さん
もちろんそれを前提としています。加えて、情報共有をしながら会社としてナレッジをノウハウ化していくという目的が大きくあります。
テストの仕事は未発表のものに関わることが多く、最新技術に触れる機会が非常に多いです。そのため、過去にテストしたことがないものに関わることも珍しくありません。
既存のテストノウハウを活用しつつ、新しい技術やサービスに対して柔軟にカスタマイズしていく必要があります。しかし、担当案件によって社員のノウハウにばらつきが生じる可能性があります。
お客様にとって、担当者が変わると対応の質が変わるというのは大きなデメリットです。そのようなことが起きないよう、社員が得た知識や経験を会社全体で共有し、より良いサービスを提供できるよう、この研修制度が生まれたんです。
編集部
なるほど。バルテスさんならではの研修の特徴はありますか?
清田さん
基本的にバルテスの社員が研修の講師を務めるのが特徴です。入社研修は専門部署の社員が行っていますが、バルゼミはさまざまな部署の社員が講師を担当しています。バルテスには創業当初から社員同士で教え合う文化があり、それが継続しているのです。
鈴木さん
バルゼミでは、社員自身が講座を立ち上げることができます。技術系の講座が中心ですが、最近は心理学の講座なども人気です。
会社での経験だけでなく、学生時代に学んだ知識や経験を会社のために還元している人も多くいます。バルゼミを通じて何かしら自分の知識や経験を形にできるというのがこの研修制度の素晴らしいところの一つだと考えています。
編集部
知識や経験を社員に共有できるだけでなく、社員の方の自己実現の場にもなっているのですね。
若手社員:品質へのこだわりと熱意が生む活躍事例
編集部
バルテスさんでは20代から30代の社員が多くなっています。具体的に若手社員の方が活躍されたエピソードがあれば教えていただけますか?
鈴木さん
元々開発ベンダー側にいて、品質課題に取り組みたいという希望を持ってバルテスに入社した若手社員がいます。その社員が関わった案件で、お客様側が「正しくつくることができているか」という基準をうまく定義できていないにも関わらず、リリース日が迫っているためにそのまま出してしまう、という状況がありました。
しかし、不十分なテストのままリリースすることは、お客様のブランドイメージや商品イメージを損なう可能性があります。そのため、その社員から「リリース日をずらしても、正しい基準をしっかりと考えてテストをするべきだ」という提案をお客様にしたんです。
編集部
リリース日をずらすというのは、会社の決定としては苦しい部分ですよね。お客様は納得されたのでしょうか?
鈴木さん
もちろん納期が遅れるということ自体、我々の業界的に歓迎されることではありません。しかし自信を持って世の中に提供できるサービスをつくり上げるということは、我々の仕事としても、お客様にとっても非常に重要なことです。
その社員は「バグがあるのはわかっているが、後で直せばいい」という方針に悔しい思いをしてきた経験があり、バルテスに来たからには妥協せずに頑張ることが品質のプロとしての役割だという考えを持っていました。その思いを持ってお客様にかなり粘り強く交渉した結果、受け入れてもらうことができました。
最終的には我々のテスト終了日が予定より遅くなりましたが、リリースには大きな影響は出ませんでした。品質のプロとしてお客様のことを思ってこだわったからこそ、良いものづくりに貢献することができた、というエピソードです。
組織文化:新入社員の意見を尊重し、若手の活躍を促進
編集部
バルテスさんで若手社員が生き生きと活躍できる理由は何だと思いますか?
清田さん
若手社員であっても意見が言いやすい風通しの良さがあると思います。また、若手でも実力次第で昇格や昇給の機会があり、セミナー登壇をしている社員もいるなど、活躍できる環境が整っています。
編集部
風通しの良い環境をつくるために工夫されていることはありますか?
鈴木さん
バルテスでは社長を筆頭に、役員が新入社員や若手社員の成長に高い意識を持って取り組んでいます。新卒採用の面接には社長が必ず参加し、四半期ごとの定例会では役員一人ひとりが全社員に向けて熱いメッセージを発信しています。
同時に、若手社員からの発信機会も多くあります。特徴的なのが、1年目研修で「自社の課題点を役員にプレゼンする」というプログラムがあることです。
編集部
入社したばかりの社員が役員に課題点をプレゼンするというのは斬新な取り組みですね!
鈴木さん
その通りです。新しい視点や考えを積極的に取り入れる姿勢があり、そのような機会を役員が率先してつくっているのは、若手社員の活躍を後押しする貴重な文化だと考えています。
編集部
その研修で提案された課題点を受けて、実際に変わったことはありますか?
鈴木さん
多数あります。直接的でない場合でも、会社の変化のきっかけになったり、新制度の検討材料として研修のプレゼンが活用されることもありました。
編集部
若手社員の活躍に関するお話を伺い、バルテスさん全体で社員の意見を真摯に受け止め、前向きに改善していく姿勢があると感じました。それが若手社員の方々が生き生きと活躍できることにつながっているのですね。
バルテスの働き方改革:育休復帰率100%を実現する柔軟な制度設計
▲リモートワークを取り入れつつ、オフィスの環境も充実しているバルテスさん
編集部
バルテスさんでのワークライフバランスの取り組みについてお伺いします。現在どのような働き方を取り入れていらっしゃいますか?
清田さん
バルテスではリモートワーク、フレックス制度を導入しています。コアタイムは10時から15時で、この時間帯を働けば後は自由なので柔軟な働き方が可能です。育児休業制度の取得も推奨しており、2022年度の男性社員の育児休業取得率は50%と、日本の平均と比べてもかなり高い数字となっています。
その他にも、リフレッシュ休暇や資格取得の補助など、様々な制度を整備しています。
編集部
育児休業を取得された方の復帰率はいかがでしょうか?
鈴木さん
現在、バルテスの育児休業からの復帰率は100%となっています。育児休業取得中に辞められた方もいなければ、そのまま退職された方もいません。
2022年10月から「産後パパ育休制度」を始めましたが、バルテスでは早速分割で育児休業を取得した社員がいます。我々の仕事は期間で契約することが多いため、一括で育児休業を取得すると不都合が生じることもありました。しかし分割取得できるようになったことで、主要なミーティングのみ参加するなど、うまくバランスを取れるようになりました。
私個人として驚いたのは、現場がそういった新しい制度や法律に対してすごく前向きに取り組んでくれていることです。そしてお客様もそれに対して当たり前のように了承してくださっています。これは普段から信頼関係を築けているからこそだと感じました。新しい制度が形骸化せずに使われるというのは、非常に良い環境だと思っています。
編集部
素晴らしいですね。社内外から信頼を得るバルテスさんの姿勢があるからこそ、社員の方も安心して働き続けられるんだなと感じました。
バルテスが求める人材:高度化するICT社会の品質を支える意欲的な人材
編集部
最後に、バルテスさんに興味を持った求職者の方へメッセージをお願いします。
鈴木さん
今後、技術はさらに高度化していくと言われています。その中で品質を担保していくためには、テストのニーズが確実に高まっていくでしょう。そういった意味でも、バルテスのエンジニアは「市場価値がぶれにくいエンジニア職」だと考えています。
バルテスの仕事は未経験者にとってハードルが高く感じられるかもしれませんが、「バルゼミ」のような取り組みを通じて、自身の経験や知識を還元できる環境も整っています。私たちは、これからの世の中の当たり前や新しいものづくりを支える立場で、一緒に活躍してくれる方をお待ちしています。
編集部
バルテスさんでは、プロとして成長し続けられる環境が整っていることがよくわかりました。本日はありがとうございました!
■取材協力
バルテス株式会社:https://www.valtes.co.jp/
新卒採用サイト:https://recruit.valtes.co.jp/graduates/
キャリア採用サイト:https://recruit.valtes.co.jp/careers/