ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、まもなく創業100年を迎えるという歴史を持つ特殊鋼の専門商社「株式会社山一ハガネ」にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
3Dプリンタ事業やフィギュアスケートのブレード事業など、従来の枠にとらわれない事業展開を行っている山一ハガネでは、現在社内組織も若返り中。新卒1年目でも自ら希望を出して新規事業に携われるなど、若手の挑戦を積極的に支援しています。
今回は、株式会社山一ハガネの若手活躍の秘訣や、女性社員のキャリア形成の取り組みについて、人事部の加藤さん・小崎さんと2024年に新卒で入社された同部署のえりさんにお話を聞かせていただきました。

株式会社山一ハガネ人事マネージャー
加藤さん

株式会社山一ハガネ 人事主任
小崎さん

えりさん
株式会社山一ハガネ人事。新卒入社1年目で、人事の仕事と並行して新事業であるフィギュアスケートのブレード事業に携わっている。
若手活躍:新卒1年目でも社長にプレゼンして新事業に携わる!
▲人事部のえりさんと加藤さん
編集部
最初に、山一ハガネの若手社員の活躍というテーマでお聞きしていきます。えりさんは2024年に新卒で入社されたとのことですが、印象に残るエピソードはありますか?
えりさん
私はフィギュアスケートのブレード事業に携わりたいと考え、新卒1年目ながら、社長や役員の方々にプレゼンテーションを行い、参画することができました。現在、人事部の仕事と両立しながら、SNSでの発信や営業活動など、事業全体に関わっています。
当社が手掛けているYS BLADES(YSブレード)は世界大会出場者を含む多数の強化選手に使用していただいているもので、すごく魅力的な製品です。SNSの発信を担当していた社員が産休に入るので、手を挙げてその引き継ぎから始まったのですが、事業理解のために営業も担当していったという経緯があります。
▲えりさんが業務で携わっているブレードを手に持っている様子
編集部
えりさんのように、若手社員が新しい業務に挑戦されるケースは他にもあるのでしょうか?
加藤さん
はい。基本的には手挙げ式での挑戦となっていて、今の話にもあったように社員によるプレゼンテーションの場を設けるケースもあれば、直接社長のところに話をしに行くケースもあります。
一方で、自ら手をあげるのではなく別の社員からの声かけで新たな挑戦をするケースも少なくありません。例えば、3Dプリンタ事業立ち上げの際、別部署にいた若手社員(現在管理職)に白羽の矢が立ち、フランスとの合弁会社を設立する関係でフランス語が飛び交う部署に配属になったんです。
彼はフランス語どころか英語も話せない中、自ら努力を重ねて大きく成長してくれました。積極的に手を挙げる人、周囲からの抜擢で参加する人とスタートはそれぞれですが、若手の内から活躍できるチャンスは他社と比べても多いと思います。
編集部
そのようなチャレンジをして成果を出した方は、早期のキャリアアップも実現できるのでしょうか。
加藤さん
挑戦意欲の高い社員は比較的早いペースでキャリアアップできる体制が整っており、実力に応じて早期の昇進機会が得られる傾向にあります。実際に、部署異動をした社員は現在30代前半でマネージャー職に就任しています。
老舗企業ながら組織として若返っていて、ボトムアップの文化も浸透
編集部
若手社員が積極的に挑戦できるという社内風土は、もともと御社に根付いていたものなのでしょうか。
加藤さん
いえ、もともとは特殊鋼の専門商社として長い歴史を持っていたこともあり、どちらかというと堅い社風がありました。先ほどお話ししたジョイントベンチャーの設立が約10年前だったのですが、海外企業の意思決定の早さや新しいことに取り組む姿勢に触れ、感銘を受けたことが今の環境につながっています。
あわせて、若手のアイディアを積極的に受け入れるという変化も生じています。3Dプリンタの自社開発や、フィギュアスケート用ブレード開発なども、もともとは社員の発案から生まれました。社員が「やりたい」といったことを尊重する、ボトムアップの風土があるのが魅力です。
それに伴い、約10年前から組織も徐々に若返っており、20代〜30代が増えているため平均年齢は38歳となっています。100年近い歴史を持つ老舗企業として、同業他社と比べても非常に若い年齢構成となっていますね。
組織全体で、若手社員の「やりたい」気持ちを支える
編集部
若手社員の方のチャレンジに対するサポート体制についてはいかがでしょうか?
えりさん
自身が「やりたい」と思うアイディアを発信しやすく、その実現のために周囲の方たちが親身になって一緒に動いてくれる環境があることを実感しています。現在、私は人事部とフィギュアスケートのブレード事業を両立しているため大変なこともありますが、部署全体でカバーしてくれているため、とても助かっています。
加藤さん
もちろん自分の仕事をしっかりとこなした上でという前提はありますが、社員の挑戦を止めないというのが会社の方針です。全体でフォローし合って頑張ることで会社全体にも良い影響があると考えています。
また新しいことには失敗やうまくいかないこともつきものですが、長い目で見守る姿勢があるのも特徴です。実際に3Dプリンタやフィギュアスケートのブレード事業など、新規事業はようやく利益が出始めてきた段階です。
新規事業に関しても人材育成に関しても、短期的な利益だけでなく、長期的な視点で育てていく方針で見届けるという姿勢を大切にしています。
女性活躍:新規プロジェクトの推進を担う、女性中心の新部署を設立
編集部
御社の女性活躍の事例についてもご紹介ください。
小崎さん
2年ほど前、新たに取締役直轄のインサイドセールスチームを立ち上げたのですが、そこでは20代前半から30代の幅広い年代の女性社員が活躍しています。
インサイドセールスチームは取締役からの新規プロジェクトの提案を受け、その実現に向けた検討を担うのが主な役割です。現在は新しい販売システムの導入プロジェクトが動いており、彼女たち自身ですべての要件定義を行っているところです。
編集部
新たなチーム設立の背景にはどのような理由があるのでしょうか。
小崎さん
事務職として入社した女性社員のエンパワメントとキャリア形成が主な目的です。当社はもともと男性社員が多く、さらに男性は営業職、女性は事務職とキャリアが分かれている状況があり、事務職で活躍する女性社員のキャリアの選択肢を会社として広げていくべきではないかと考えていました。
そのため、事務職の女性社員のキャリアアップを主目的に、インサイドセールスチーム立ち上げ以前から「社内公募制度」を実施していました。実際にその制度を活用して、事務職から研究開発事業にチャレンジした女性社員もいます。
このような流れを受けて、事務職からのステップアップ先を設けるため、インサイドセールスチームを設立したという経緯があります。ここを第一歩として、今後はこの中から女性管理職を輩出できる仕組みをつくっていけたらと考えています。
編集部
事務職から全く異なる業務への移行は、うまく機能していますか?
小崎さん
非常にうまく機能しています。事務職として現場で培った経験があるからこそ、お客様のニーズや社内の課題を深く理解しています。また営業部門とお客様の間に立つ機会も多かったため、両者の要望を適切に調整できる能力も持っています。その結果、部門間の連携もスムーズに進んでいます。
編集部
新卒1年目のえりさんから見て、山一ハガネの女性活躍環境をどのように感じますか?
えりさん
組織全体では男性の割合の方が多いですが、多くの女性社員が活躍していますし、逆に今のインサイドセールスチームのような女性の多いチームで活躍している男性社員もいます。性別や年齢にとらわれることなく、誰にでも平等に活躍のチャンスがある職場だと感じています。
山一ハガネから求職者へのメッセージ
▲取材にご対応いただいた3名。撮影時の様子からも風通しのよい社風が伝わってくる
編集部
最後に、転職や就職を考えている方々へのメッセージをお願いします。
加藤さん
当社では年齢や性別に関わらず社員の提案を積極的に受け入れ、新しいことへの挑戦を推奨しています。そのため、与えられた仕事をこなすことだけを求めている方には、少し居心地が悪く感じるかもしれません。自分のやりたいことを持ち、それを実現していきたいと考えている方は、当社にフィットして活躍していただけると思います。
編集部
本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
編集後記
株式会社山一ハガネの働き方のまとめ
社風の特徴 |
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若手の活躍 |
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女性の活躍 |
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キャリア形成 |
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求める人物像 |
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株式会社山一ハガネの基本情報
企業名 | 株式会社山一ハガネ |
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住所 | 本社:愛知県名古屋市緑区大根山ニ丁目146番地 |
事業内容 | ・特殊鋼及びその加工品の販売ならびに特殊鋼の加工 ・3次元測定機による測定及び寸法証明 ・3Dプリンタによる部品及び3Dプリンタ用原料の製造ならびに販売 ・スポーツ用品の企画、製造ならびに販売 ・表面処理液の開発、製造ならびに販売 |
設立 | 1948年8月 |
公式ページ | https://yamaichi-hagane.jp/ |
採用ページ | https://yamaichi-hagane.jp/recruit/ |
募集職種 | 営業職 |

ミライのお仕事編集部
元新聞記者として約10年間、地方行政や選挙、プロ・アマチュアスポーツなど幅広い分野の取材経験あり。ミライのお仕事では、ソフトバンク株式会社や東京商工会議所、株式会社オープンハウスグループなど、数多くの著名企業や教育機関への取材を担当。