さまざまな企業の魅力や取り組みを紹介していく企画。今回は、企業や教育機関と協業し、新しい事業を企画・開発する株式会社80&Company(エイティーアンドカンパニー)さんをご紹介します。フルリモートワークやフルフレックス制度を導入した柔軟な働き方、そして社員一人ひとりの強みを活かした業務配分など、同社独自の企業文化について詳しくお話を伺いました。
株式会社80&Companyとは
株式会社80&Companyは「ゼロから無限大をつくる」をキャッチフレーズに、人や事業のポテンシャルを最大限に引き出し、活気あふれる世の中をつくることを目指しています。多様な人材の心に火を点け、巻き込み、価値を共創することをミッションとしています。エンジニア・デザイナー・マーケターなど各領域のプロフェッショナルが多数在籍し、パートナー企業と共に大きな目標の実現に向けて事業共創を行っています。
活動においては、企業および事業が持つ潜在能力を発揮させること、そして単なる受託ではなく共創パートナーとして存在することを重視しています。パートナー企業の新規事業に関して、企画立案から運用、成長戦略まで、必要な機能を一貫してサポートしています。具体的には、チームビルディング、予算獲得、戦略策定、システム開発、プロジェクトマネジメント、ブランディング、クリエイティブ制作、広告宣伝PR、運用、グロースハックなど、幅広い領域をカバーしています。
会社名 | 株式会社80&Company |
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住所 | 京都府京都市左京区吉田牛ノ宮町6-1(京都本社) |
事業内容 | 新規事業 / 共同研究開発 WEBシステム / アプリ開発 人材育成 / 人材紹介 |
設立 | 2018年10月17日 |
公式ページ | https://80and.co/ |
今回は、採用、人事制度整備、組織開発を担当されているCorporate/HR Team Leaderの高谷美晴さんにお話を伺いました。
株式会社80&Companyが目指す「大義ある事業」の創出
▲株式会社80&Companyは「大義ある事業をつくる」をバリューとして掲げている
編集部
まず最初に、御社の事業内容を教えていただいてよろしいでしょうか?
高谷さん
私たちは「ゼロから無限大をつくる」というキャッチフレーズのもと、さまざまな企業と協力して、デザインとテクノロジーの力で「大義ある事業をつくる」ことに日々取り組んでいます。私たちが考える「大義」とは、その事業や企業が持つ社会的な意義のことです。この大義を実現するために、パートナー企業と協業し、共創し、伴走しています。
編集部
パートナー企業と大義を実現するために、具体的にどのようなことをされていますか。
高谷さん
まずパートナー企業の持つ思いや課題をヒアリングし、一緒に目指す大義を定めます。そして、その大義を実現し、パートナー企業のポテンシャルが最大限に発揮される事業を企画します。さらに、必要に応じた最適なチームビルディングを行って事業作りを進めていきます。
80&Companyには、プランナー、エンジニア、デザイナー、マーケターなど各領域に強みを持ったメンバーが在籍しています。これにより、事業の企画から実現まで一気通貫で伴走できる体制を整えています。
パートナー企業の潜在価値を引き出す伴走型支援
▲80&Companyさんが手がけた事業の一例(公式サイトから引用)
編集部
80&Companyさんは、これまでどのようなパートナー企業とどんなプロジェクトを手掛けてこられたのでしょうか。
高谷さん
パートナー企業としては、大手企業からベンチャー、地方の老舗企業、教育機関など非常に幅広い方々とご一緒しています。プロジェクトも、ファッションや伝統工芸品のサブスクリプションサービス開発、飲食のプロデュースなど多岐にわたっています。
私たちの事業の根底には、世の中に存在する価値を眠ったままで終わらせたくないという想いがあります。例えば、素晴らしい技術で思いのこもったものづくりをされている地方の中小企業が、大資本に集約されたり、IT化の流れについていけないなどの理由で閉業してしまうことがありますよね。
私たちは、そういった人や事業の価値に光を当てて、本来のポテンシャルを最大限に発揮できるよう伴走しています。その結果、活気あふれた世の中を作っていくことを目指しています。
編集部
本当にさまざまな事業を手掛けていらっしゃいますが、パートナーの方々が持つポテンシャルを発揮させて価値を世に知らしめるという点は共通しているんですね。それもプロフェッショナルなメンバーが揃っているから可能になるのでしょうね。
個々の強みを活かすプロジェクトアサイン方法
▲株式会社80&Companyさんの京都オフィス
編集部
次に、80&Companyさんのカルチャーについて伺いたいと思います。皆様の働き方についての指針のようなものはあるのでしょうか。
高谷さん
私たちの在り方を表す「80&WAY」というものがあります。これは、80&Companyのメンバーがこうあってほしい、このように生きてほしいという思いを込めて定めた5つの指針です。「仁義を追求する」「やる前提で考える」「強みにフォーカスする」「誰が言うかより何を言うか」「究極に欲深くなれ」という内容です。
特に、チーム編成やプロジェクトの担当者決めにおいては、「強みにフォーカスする」という考え方を重視しています。人の欠点や弱みは目につきやすいものですが、私たちは強みも弱みも同じ要素から生まれると考えています。そのため、その人の特性がどのように強みとして発揮されるかを常に探っています。
人の強みに注目すると、自然とその人へのリスペクトが生まれ、その強みから価値が創出されます。各メンバーの強みを見極め、どのような立場でどのような業務を担当すれば最大限の能力を発揮できるかを考慮し、仕事の割り当てやチーム構成を適宜見直しています。
1on1を活用した強みの発見とチーム編成への反映
▲株式会社80&Companyさんの全社集会の様子
編集部
御社では、メンバー個々の強みに焦点を当て、その強みを発揮できる仕事をアサインすることに注力されているそうですね。具体的にはどのように進めているのでしょうか。
高谷さん
特別なツールを使っての分析はしておらず、「日々のコミュニケーション全て」が回答になると思います。具体的には、すべての社員が「所属しているチームのマネージャー」と「人事」のそれぞれと定期的に1on1を行っています。そこでやりたいことや得意なことを話してもらい、その内容をもとにアサインする仕事やチーム編成へ反映させることが多いです。
また、Slackでは社員が自ら「この事業に興味がある」「この社会課題を何とか解決したい」と発信することも多くあります。さらに、「こういう事業が始まりそうだけど興味ある人はいますか?」と問いかけて、興味のある人が「やりたいです」と手を挙げるといった会話もよく飛び交っています。
高谷さん
「やりたいことができるように」という優しさというよりも、代表の堀池の考え方としては、それが最も合理的だからそうするという考え方なんです。80&Companyはフルリモート、フルフレックスですが、それも優しさではなくて、最も生産性が上がって、スキルを持った人が活躍できる環境だと思うので取り入れています。
強みにフォーカスするのも、強みからこそ価値が生まれるからそうしようということです。例えば、プロジェクトマネジメントの仕事を希望して入社してくれた人が中々成果が上がらないとき、強みに着目すると、リサーチや資料作成の仕事が人より速いし正確だと分かったとします。そこでその仕事もアサインしてみると、得意なことなので成果が出るし、プロジェクトへの貢献度も上がるというようなケースですね。
編集部
メンバーの特性にあわせて業務を割り振ることで、最大のパフォーマンスが発揮できるんですね。単なる優しさではないとおっしゃいましたが、自分の力を発揮できるというのは、やはり社員が意欲的に仕事に取り組める環境なのではないかと感じました。
経験や立場に関わらない自由な意見交換の文化
編集部
他にも御社独自のカルチャーはありますか?
高谷さん
先ほどお伝えした「80&WAY」のひとつである「誰が言うかより何を言うか」という言葉も特徴的だと思います。
堀池がよく使う例え話があります。もし自分が偶然会議に遅刻してしまい、普段から遅刻癖のあるメンバーから「堀池さん、遅刻は良くないですよ」と指摘されたとします。通常なら受け入れづらいかもしれませんが、この場合でも「遅刻はよくない、改善しよう」と考えるべきだということです。
誰が言っているかではなく、何を言っているのか。その内容で判断をしていくことを、社内のカルチャーとしてとても大事にしています。毎月新しいメンバーが入社しますが、たとえ社会人経験が浅い方でも、積極的に意見を発信してもらうことを歓迎しています。
高谷さん
どんな仕事においても、多様な意見や考えを出し合って様々な観点から検討することが必要だと考えています。また、多様なバックグラウンドを持つ人材がいることが我々の強みでもあります。
社長の仕事を社長がするのではなく、社長の仕事をしている人が社長になるという考え方があります。与えられた役職や役割をただこなすのではなく、自らその役割を果たしている人にこそ、その役割にふさわしいポジションを与えるべきだということです。
自分がこうするべきだと思ったことは自ら積極的に進めていく。そして、その仕事にふさわしいポジションを用意していくという考え方が、私たちの独自のカルチャーだと考えています。
フルフレックス&フルリモートによる柔軟な働き方
▲株式会社80&Companyさんの京都オフィス
編集部
続いて、80&Companyさんの働き方について教えていただけますか?
高谷さん
弊社はフルリモートかつフルフレックスを採用しています。コアタイムは設定していませんが、原則22時から翌朝5時以外の時間で勤務可能です。多くのメンバーは平日の9時から18時の間で業務を行っており、社内やクライアントとのミーティングもその時間帯に集中しています。各自が業務に支障が出ないように調整しながら勤務しています。
編集部
子育て中の方が日中に中抜けして夜に仕事を再開する場合、連絡や予定の共有はどのように行われていますか?
高谷さん
予定の共有はGoogleカレンダーで行っており、全社員が互いのスケジュールを確認できるようになっています。中抜けや休憩の連絡は基本的に不要ですが、業務に影響がある場合には各自判断して連絡を入れます。例えば、「子供が在宅のためミーティングは音声のみで参加します」といった場合は、事前に伝えてくれることが多いですね。
オンライン朝会と対面集会によるコミュニケーション促進
▲株式会社80&Companyさんの全社集会の様子
編集部
非対面で仕事をするにあたり、コミュニケーションで工夫していることはありますか?
高谷さん
「めざまし8」という朝番組をもじった「めざまし80」という30分の朝会を、毎週金曜日の朝にオンラインで実施しています。全メンバーを3〜4人ずつのグループに分けて自由に雑談する時間を設け、一緒に働く仲間の人となりを知る機会を作っています。
毎回トークテーマを変えていて、前回は「自分のテンションの上げ方」でした。私のグループでは「美味しいご飯を食べる」「韓国アイドルを見る」などの話をしていました。このような取り組みで、リモートワークでも社員同士の交流を深めています。
編集部
対面で集まる機会はあるのでしょうか。
高谷さん
メンバーは全国に在籍していますが、その半分ほどは京都や大阪などの関西圏に在住しています。京都に本社機能のあるオフィスがあるので、関西圏在住で出社できるメンバーは週に1回出社し、月に1回は懇親会も行っています。
今後はこの懇親会に、必ず新メンバーを呼ぶようにしたいと考えています。新メンバーは居住地域に関わらず参加してもらい、まず対面で接点を持って関係性を深めるとともに、ビジョン、ミッション、バリュー、80&WAYなどについて深く理解してもらう機会を作る予定です。
それとは別に、全国からメンバーが一堂に会する全社集会を年1回以上行っています。昨年は2回行いました。当初は年4回の開催を想定していましたが、実際には難しかったため、現在は年1回の定期開催を目指しています。
主体性とチームワークを重視した人材採用方針
▲株式会社80&CompanyのCorporate/HR Team Leaderである高谷美晴さん(右側)
編集部
御社のスタッフは、日本全国各地、さらに海外に住んでいる方もいらっしゃるそうですね。
高谷さん
はい、その通りです。80&Companyは現在、社員約50名、業務委託のパートナー約50名、学生インターン約30名で構成されています。フルリモートワークを採用しているため、国内では北海道や沖縄、海外ではフィリピンやイギリスなど、様々な場所から社員が活躍しています。
編集部
居住地も働き方も多様ということですね。御社に向いている人物像はありますか?
高谷さん
私たちの業務には決まった正解がないため、常にチームで最適解を見出していく必要があります。そのため、指示待ちではなく、強い当事者意識を持ち、自分の意見を積極的に発信できる方が向いています。自分の考えを他者と共有し、異なる意見も尊重しながら、対話を通じてチーム一丸となって仕事を進められる人材を求めています。
編集部
最後に、御社に応募を考えている方へメッセージをお願いします。
高谷さん
80&Companyは、多様なバックグラウンドを持つ人々が能力を最大限に発揮できる環境があります。私自身、2歳の子育てをしながら、自分のやりたいことに全力で取り組める環境だと実感しています。
また、80&WAYの最初に「仁義を追求する」と掲げているように、80&Companyを人間的成長の場とし、どのような環境でも自分の人生を切り拓いていける力を養える組織にしたいと考えています。少しでも興味を持たれた方は、ぜひ気軽にご連絡ください!
編集部
本日はありがとうございました!
■取材協力
株式会社80&Company: https://80and.co/
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