スタートアップテクノロジーが実現する新時代の働き方:リモートワークと若手登用の両立

新しい働き方や社内コミュニケーションに取り組む企業を紹介する企画。今回は、スタートアップ事業やプログラミングスクール「RUNTEQ(ランテック)」事業を展開する株式会社スタートアップテクノロジーを取材しました。

株式会社スタートアップテクノロジーの概要:IT支援とエンジニア育成の二本柱

株式会社スタートアップテクノロジーのミッション・ビジョン
▲掲げているミッションとビジョン(公式サイトの会社紹介資料から引用)

株式会社スタートアップテクノロジーは、実践型Webエンジニアを養成するプログラミングスクール「RUNTEQ(ランテック)」の運営など、様々な角度から企業の開発力を支援するIT企業です。2020年以前からリモートワークを導入しており、業務に集中できる環境づくりを進める一方で、社員同士のコミュニケーション構築にも注力する独自のカルチャーが特徴です。

会社名 株式会社スタートアップテクノロジー
住所 東京都渋谷区宇田川町36-6 ワールド宇田川ビル5階B室
事業内容 ・スタートアップや新規事業の開発・デザイン支援
・実践型Webエンジニア養成プログラミングスクールRUNTEQ(ランテック)事業
設立 2014年10月2日
公式ページ https://startup-technology.com/
働き方 ハイブリッド
フレックス(コアタイムなし)

今回は、人事マネージャーの白岩さんに、同社の社内カルチャーや求める人材像を中心にお話を伺いました。

本日お話を伺った方
取材に対応していただいた株式会社スタートアップテクノロジーの白岩さん

株式会社スタートアップテクノロジー
管理本部 人事マネージャー

白岩亜由美さん

RUNTEQ:エンジニア不足解消を目指す実践型プログラミングスクール

株式会社スタートアップテクノロジーのエントランスとマスコットキャラクター

編集部

まずはスタートアップテクノロジーさんの事業内容からご紹介いただけますか?

白岩さん

大きく分けて2つの事業を展開しています。1つは、企業様のスタートアップや新規事業の開発・デザイン支援を行う事業、もう1つがWebエンジニアを養成するプログラミングスクール「RUNTEQ(ランテック)」事業です。

弊社はもともとスタートアップや新規事業の開発サポートを月額制の受託開発で行っていました。当時から「開発者が足りない」という声がよく聞かれ、昨今はエンジニア不足も叫ばれています。一方で、エンジニアになりたい人はたくさんいるのに、企業にはゼロからエンジニアを育成する教育コストがない、という非常にもったいないミスマッチが起こっています。

企業には、「未経験でも構わないが、エンジニアとして一定の技術があり、さらにWeb系企業のカルチャーや業界知識をある程度理解している人材がほしい」というニーズがあります。そうした声に応えて、エンジニアを養成するプログラミングスクールRUNTEQを立ち上げました。

編集部

RUNTEQの事業を通して、企業の需要を満たすとともに、エンジニアの人材不足という社会的な課題を解決しようとされているんですね。

RUNTEQが育成するWeb系企業向けエンジニアのマインドセット

株式会社スタートアップテクノロジーの社員の方々の画像

編集部

RUNTEQは「一定の技術と理解度のあるエンジニアがほしい」という企業の声に応えて立ち上がったそうですが、具体的にどのような特徴があるのでしょうか。

白岩さん

RUNTEQは"実践型"のプログラミングスクールです。学習時間として1,000時間を設定しており、一般的なスクールと比べて圧倒的に長いのが特徴です。9カ月間にわたり、受講生の学習に寄り添ってサポートしています。

編集部

エンジニア職の採用で求められる「Web系企業のカルチャーへの理解」とは、具体的にどのようなものを指すのでしょうか。

白岩さん

主に、実際の職場で求められるマインドセットを理解していることを指します。Web系の企業は多くがスタートアップであり、「待ちの姿勢」では適応が難しいです。そのため、RUNTEQでは5つのクレド(行動指針)を設けて、マインド面の育成に力を入れています。

このクレドには、「Be Open」(周囲の意見を柔軟に受け入れ、価値観を常にアップデートする)や「Move Fast」(スピード感を持ってチャレンジを繰り返す)などが含まれています。これらの指針を通じて、Web系企業で求められる重要な行動原則を分かりやすく伝えています。

技術スキルに加えて、このようなマインドを育成することで、採用試験の合格だけでなく、実際の業務においても企業やチームに円滑に適応できるエンジニアの養成を目指しています。

株式会社スタートアップテクノロジーのRUNTEQクレドのイメージ画像
※5つの指針「RUNTEQ CREDO(ランテック・クレド)」の詳細はこちらから!
https://note.com/runteq_official/n/nfd38e2141e57#62742203-0a04-426d-b73d-3d85315553d5

ハイブリッド勤務の実践:リモートワークと対面コミュニケーションの両立

オフィスでノートパソコンを前に談笑する株式会社スタートアップテクノロジーの3人の社員
▲リモートワークだからこそ顔を合わせる時間も大切

編集部

次に、スタートアップテクノロジーさんの働き方について伺わせてください。現在のリモートワークの状況について教えていただけますか?

白岩さん

実は、リモートワークは2020年以前から導入しています。代表の菊本久寿氏自身がエンジニアで、「自分がいちばんパフォーマンスを出せる環境で仕事をしたい」という思いが昔から強くあるんです。そのため以前からリモートワークが可能でしたが、社会の変化を受けて今はさらに一般的になりました。

ただ、対面で話すことで生まれるアイデアや、お互いの温度感を知れるなど、コミュニケーションの面でも顔を合わせることは大切です。そのため、週1〜3日程度出社しているメンバーが多いです。

編集部

先ほどお話に出たプログラミングスクールの担当者も出社とリモートワークを併用しているのでしょうか?

白岩さん

はい。RUNTEQはオンラインで学ぶスクールなので、受講生の方とのコミュニケーションもオンライン上で行っています。そのため、企業全体としてリモートワークが浸透しています。

ただ、会社で顔を合わせながら議論を交わすことが好きなメンバーが多いので、RUNTEQ事業部のメンバーは比較的出社することが多いです。

Discordを活用したRUNTEQチームの効果的なオンラインコミュニケーション

編集部

全社員リモートワークが基本となると普段のコミュニケーションはオンラインになりますよね。どのようなツールを活用しているんですか?

白岩さん

打ち合わせに関してはZoomやGoogle Meet、通常のやりとりはSlackを使ってチャットコミュニケーションしています。

それから、RUNTEQ事業に限った話でいうと、オンタイムは常にDiscordにログインした状態でRUNTEQのバーチャルオフィスのように使っています。お互いに、いつでも話しかけられる状態になっていますし、集中したい場合は“集中部屋”みたいなものを作っているので、そこに入っている時は「今は話しかけないでね」という暗黙の了解になります。

編集部

Discordを活用されている例は少しめずらしく感じました。

白岩さん

弊社では、RUNTEQの受講生さんともDiscordで話をしたり、ちょっとしたイベントを行ったりしています。Discordだと気軽に通話できるので重宝していますね。もう少し形式的なイベントやミーティングとなるとやはりZoomなどを使うんですが、普段のやりとりはDiscordが多いです。

編集部

リモートであってもすぐに会話できる環境を重視されているほか、集中したいときは周囲にもそれがわかるような仕組みも整えているんですね。メリハリをつけて働くことができそうだと感じました!

対面型ワークショップによる社内コミュニケーション強化の取り組み

屋内で飲みものを片手に乾杯する株式会社スタートアップテクノロジーの社員の皆さん
▲RUNTEQのキックオフ。様々な取り組みで社内コミュニケーションを促進

編集部

社員同士のコミュニケーションを円滑にするためにどんな工夫をしていますか?

白岩さん

Discordなどを使った「オンラインでも話しやすい空気づくり」も大事にしていますが、やはり出社して顔を合わせることでコミュニケーションのハードルが下がる部分も大きいと思うので、出社も大切にしています。

例えば、定期的に対面でのキックオフミーティングを実施しているチームもあります。これは、社員同士で普段話さないようなことを話す場として設けているんです。

編集部

キックオフやワークショップのような取り組みも実施されているそうですが、内容は毎回変えているのでしょうか?

白岩さん

はい、その時々で変えています。新しく入社したメンバーも増えてくるので、その都度のチーム状況に合わせた内容で行うことが多いですね。

例えば、「仕事ができる人ってどんな人だろう?」というテーマをもとに、各自の考えを話し合い、「では今の自分はどうだろう」「足りない要素は何だろう」と考えをすり合わせていきます。また、チームメンバー同士がお互いのことを知るために「聞きたいことを直接聞いてみよう」と、仕事もプライベートも含めて知りたいことを聞いていくようなワークショップを開いたこともあります。

編集部

そういったワークショップを開催する前と後とでは、チームの雰囲気なども変わるものですか?

白岩さん

横のコミュニケーションは意識しないと相手の本当のところが分からなかったりします。オンラインツールで気軽に話しかけられる仕組みがあるとはいえ、「本当に話しかけていいのかな」「実は話しかけられたくないタイプかもしれない」といった懸念があると思うんです。

そういう対面でのワークショップを行うことでお互いの本質に近いところが、少しですが見えてくると思います。話しやすい空気感をお互いに持ったうえでコミュニケーションがとれるようになることが重要だと考えています。

ワークライフバランスを実現するフレキシブルなリモートワーク制度

パソコンを前にデスクに座っている株式会社スタートアップテクノロジーの白岩さん
▲白岩さんも子育て世代。「子どもの帰りを家で迎えられるリモートワークは有難いです」

編集部

早くからリモートワークを導入されていますが、実際に働いている社員の皆さんからはどんな声が聞かれますか?

白岩さん

弊社は異業種からの転職者も多いのですが、前職で出社が当たり前だった人たちからは「リモートワークは有難い」という声をよく聞きます。私自身も前職ではリモートワークの経験がなかったので、弊社に入社して「リモートワークっていいな」と実感している1人です。

子育て世代の私にとって、子どもが学校から帰ってくるときに家にいられることがまず大きな利点です。また、「病院に行くので1時間ほど席を外します」といった柔軟な対応ができ、子どもが急に体調を崩しても対応できます。この柔軟な働き方は子育て世代に限らず多くの社員に喜ばれており、みんな上手に活用しています。

さらに、リモートワークでは通勤時間がなくなるのも大きな利点です。弊社のオフィスは渋谷にあるため、神奈川や千葉から通勤すると往復2時間以上かかります。リモートワークにより、この通勤時間を業務や家族との時間に充てられるのは、非常に大きなメリットだと感じています。

“コアタイムなし”のフレックス制が基本

編集部

先ほど勤務時間中の"中抜け"についてお話が出ましたが、中抜けした時間はどのように補填しているのでしょうか?

白岩さん

職種によって異なりますが、基本的にはコアタイムなしのフレックスタイム制を採用しているので、各自のペースで調整できます。例えば1時間中抜けした場合、当日中の別の時間帯に埋め合わせてもよいですし、翌日に補うことも可能です。

編集部

フレックス制でコアタイムなしとは、正直羨ましい制度ですね。

白岩さん

ただし、RUNTEQ事業では受講生の方とのコミュニケーションがありますし、開発事業ではクライアントとの打ち合わせもあります。そういった社外とのやりとりは大体11時~16時頃の時間帯に予定が入ります。そのため、コアタイムの規定はありませんが、基本的にはみんなその時間帯は稼働している状況です。

そのような予定がない時は、各自が働きやすい時間帯を組み合わせて上手に対応しています。

編集部

リモートワークが中心で、さらに都合に合わせて自由に勤務時間を設定できるということで、非常に柔軟に働ける環境なんですね。もちろん高いパフォーマンスを発揮することが前提だと思いますが、求職者にも魅力的に映ると感じました。

若手の登用と活躍:20代でのマネージメント職への道

パソコンの前にいる株式会社スタートアップテクノロジーの社員

編集部

スタートアップテクノロジーさんの社員の構成はどのような感じですか?

白岩さん

エンジニア職は40代~60代までいて少し年代が高めですが、基本的には20代・30代が中心です。そのため、会社全体の平均年齢は30代前半くらいになります。幅広い年齢層の社員が協力し合って働いています。

編集部

マネージャーなど管理職にも20代の方がいらっしゃるのでしょうか?

白岩さん

はい、実際に20代のマネージャーや部長職もいます。当社では若手の登用も積極的に行っており、能力や実績に応じて責任ある立場に就いてもらっています。

前向きな情熱に“行動が伴う人”が評価される

編集部

活躍している若手の方に何か共通点はありますか?

白岩さん

彼らに共通しているのは、とにかく前向きに事業を良くしたいという情熱があって、そこに行動力が伴っていることですね。弊社は社員がやりたいことを否定せず、「こんなことをしたい」という思いがあれば基本的にはまずはやってみようというカルチャーがあります。

もちろん提案内容をすり合わせたり、アドバイスを加えたりはしますが、自分の視点で気づいたことを提案して行動に移せる人が高く評価されることが多いです。

編集部

新しい挑戦には失敗もつきものだと思いますが、失敗を恐れずチャレンジしようという姿勢が評価されるのでしょうか?

白岩さん

その通りです。「失敗を恐れて行動しないくらいなら、失敗してもそこから学んだ方がいいよね」という考え方です。無計画な行動はダメですが、しっかりすり合わせをしたうえで若手の背中を押してあげられる雰囲気が会社全体にあります。

キャリア支援制度:定期面談とスキルアップ支援で若手の成長をバックアップ

編集部

若手のキャリアアップや成長をサポートする制度はありますか?

白岩さん

キャリアアップの制度としては、上司と1対1で面談する1on1を実施し、四半期ごとの目標をしっかり設定します。定量目標・定性目標に向かって具体的な行動計画まですり合わせているので、評価に関してお互いの認識にズレが生まれにくいと思います。

また、RUNTEQ事業では3カ月に1回のキックオフでMVP(最優秀社員)を発表しており、これも社員のモチベーション向上につながっています。

編集部

成長のサポート面はどうですか?

白岩さん

業務に関連する知識やスキルを向上させたい社員のために、書籍の購入制度や資格取得手当などでサポートしています。具体的には、月額5000円までの業務関連書籍を会社の経費で購入できます。また、事前に相談して申請すれば、業務に関連する資格取得の費用も会社が負担します。これらの制度を通じて、社員の自己啓発や専門性の向上を積極的に支援しています。

スタートアップテクノロジーが求める人材像:素直さと自主性を重視

編集部

最後に採用について教えてください。どのような方を求めていますか?

白岩さん

いちばんのポイントは「素直さ」です。周りの意見やアドバイスに耳を傾け、それを受け入れられる人の方が成長が早く、飲み込みも良いように思うので、素直さをすごく重視しています。

また、アドバイスを聞き入れるだけでなく、実際に行動に移せる人が弊社では活躍できると考えています。

編集部

現在の社員の方々は、どんな理由で御社を希望されたのでしょうか?

白岩さん

RUNTEQ事業では、カスタマーと近い距離感で仕事をしたい方が多いです。RUNTEQは受講生との関係性が非常に近く、Discordなどを通じて気軽にコミュニケーションが取れます。また、定期的にイベントを開催し、受講生が学習に挫折せず、孤独を感じないようなコミュニティづくりを重視しています。

単なる顧客と提供者という関係ではなく、「一緒に成長していこう」「一緒に頑張ろう」という姿勢で受講生に寄り添い、並走することを大切にしています。このような独特の距離感と関わり方に魅力を感じて、弊社での仕事を希望する方が多いですね。

採用で重視するポイント:能動的な改善姿勢と自己アピール力

株式会社スタートアップテクノロジー代表の菊本氏の書籍が飾られた棚
▲フリーターから社長になった代表の菊本さんが経験からの学びをまとめた書籍

編集部

採用面接ではどういうところを重視していますか?

白岩さん

まずは先ほどお話しした「素直さ」をお持ちの方かというところです。それから、自主性のある方を求めています。自ら仕事を見つけ、業務改善のためのアイデアを考え、実行に移せる人材が必要です。指示待ちの方には少し厳しい環境かもしれません。

編集部

では、自身の目標などについてもしっかり話すと印象に残りやすいでしょうか?

白岩さん

そうですね。ご自身のこれまでの経験を踏まえたうえで、「こういったことができる」「自分ならこのような貢献ができる」というところをアピールしていただくといいと思います。

弊社は自発的に行動できる方にとって働きやすい環境だと考えています。リモートワークを導入していますし、職種によってはフレックス制も採用しているので、積極的に成長したいという思いがある方であれば活躍できる場面が多くあるはずです。そうした方に来ていただけたらうれしいです!

編集部

プログラミングスクール「RUNTEQ」など、顧客に近い距離感で働き、日本のエンジニア人材不足の解消に貢献できるスタートアップテクノロジーさんの事業は、多くの方にとって魅力的だと思います。素直に周りのアドバイスを聞き入れ、自律的に動ける方は、ぜひ応募を検討してみてはいかがでしょうか。

本日はありがとうございました!

■取材協力
株式会社スタートアップテクノロジー:https://startup-technology.com/
採用ページ:https://startup-technology.com/recruit/