現在活躍している企業の働き方をお伝えしていくこの企画。金融テクノロジーで社会を支えるフィンテック・スタートアップ企業で、Web3.0時代の次世代インフラ企業として大きな成長を目指しているCXRエンジニアリング株式会社を取材させていただきました。
CXRエンジニアリング株式会社とは
CXRエンジニアリング株式会社は、暗号資産取引所システムの企画・設計・開発・運用をはじめ、NFT(※1)などのWeb3.0(※2)領域やブロックチェーン領域、AI活用による次世代金融ソリューション領域へ事業を展開しています。
(※1)Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略称で、偽造不可なデジタルデータのこと。暗号資産と同じく、ブロックチェーン上で発行および取引される
(※2)分散化・ブロックチェーン・トークンエコノミーなどの要素が取り入れられた次世代ウェブ
会社名 | CXRエンジニアリング株式会社 |
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住所 | 東京都港区西新橋3-25-31愛宕山PREX8階 |
事業内容 | ・暗号資産取引所システム、FX取引所システム、ネット証券取引所システムの企画・設計・開発・運用及び販売 ・分散型ネットワークシステムの企画・設計・開発・運用及び販売 ・上記に付随する保守・管理及びコンサルティング業務 ・STOシステムの企画・設計・開発・運用及び販売 ・上記に付随する保守・管理及びコンサルティング業務 ・IPFSとそれに関連するシステム全般の企画・設計・開発・運用 ・分散型ファイルシステムの企画・設計・開発・運用 ・上記に付随する保守・管理及びコンサルティング業務 ・前各号に付帯関連する一切の業務 |
設立 | 2019年2月 |
公式ページ | https://www.cxr-inc.com/ |
働き方 | フルリモート・フルフレックス |
今回は、取締役の林豪樹さん、執行役員の大屋夏実さんに事業内容や社内カルチャー、求める人材などについてお話を聞かせていただきました。
トークンエコノミーを支援する4つの事業
▲CXRエンジニアリングさんのミッション(公式サイトから引用)
編集部
まず最初に、CXRエンジニアリングさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。
大屋さん
私たちCXRエンジニアリングは、トレーダーとエンジニアによる金融エンジニアリング会社で、主に4つの事業を行っています。まず、暗号資産(仮想通貨)取引所システムの開発・運用事業です。国内仮想通貨(暗号資産)交換事業者、店頭FX業者、ネット証券業者、商品先物業者の4業界に、取引所システムの納入やコンサルティングを行っています。
▲暗号資産取引所システム。CXRエンジニアリングでは、「一から取引所システムを作りたい」といった依頼を請け負っている(公式サイトから引用)
2つめは、TradingViewというチャートツールを、取引所や金融プラットフォームに導入する事業です。これは世界的にも最も有名なトレーディングツールのひとつで、2023年6月時点で、ユーザーは5,000万人を突破しています。TradingViewは、株や為替(FX)、暗号資産トレーダーのための総合トレードプラットフォームで、暗号資産取引所やFX・証券会社への導入も手掛けています。
▲総合トレードプラットフォーム「TradingView」。国内では60万人以上がアカウント登録をしている(公式サイトから引用)
3つめは、株式や為替(FX)、暗号資産の過去の値動きや、世界中のトレーダーのリアルタイムな動向を学習するツール「GPTトレード」の開発です。「GPTトレード」は、過去の統計データを学習したAIに、元専業デイトレーダーであるCEOの加藤を始めとするトレーダー陣のノウハウを組み合わせたAIトレードプラットフォームです。
4つめは、「GPTトレーディング」の開発です。これは、AI学習と現役トレーダーのノウハウを融合した自動トレードツールです。
編集部
ChatGPTを使ったツールをリリースするなど、最新の動向を意識した開発をなさっているのですね。エンジニアからすると、こうした最新の技術を駆使した開発は、かなり魅力的なのではないでしょうか。
開発からPRまで一気通貫で行える業界知識と技術力、発信力が強み
編集部
CXRエンジニアリングさんは、Web3.0時代の次世代インフラ企業として大きな成長を目指しているとのことですが、御社の強みはどういったところにあるのでしょうか。
大屋さん
CXRエンジニアリングの強みとしては、まず、CEOの加藤を始めとしてトレーダーが多く、業界知識が豊富な点が挙げられます。また、エンジニアがメンバーの半数以上を占めており、技術力の高さもあります。
さらに、弊社ではYouTubeチャンネルなど、メディア運営にも力を入れており、加藤もインフルエンサー的な活動を行っています。そうした業界内での知名度や発信力を活かしながら、開発からPRまで一気通貫で行えるという点は、弊社の大きな強みだと考えております。
▲CXRエンジニアリングのYouTubeチャンネル。チャンネル登録者数は3万人近い(公式YouTubeチャンネルから引用)
編集部
御社のメンバーの皆さんも、実際に暗号資産やFXの取引を行っているのですね。
大屋さん
YouTubeなどのコンテンツ運用をするメディア部門の者はもちろん、エンジニアなどもトレードや投資に興味のあるメンバーが多い印象です。投資で生計を立てていたメンバーも複数人在籍しています。
編集部
エンジニアもトレードに興味を持って実際に取引してみる、そうしたことが充実して使いやすいシステムの開発に繋がっているのですね。
未経験の若手エンジニアが活躍できるCXRエンジニアリング
編集部
CXRエンジニアリングさんには20〜30歳代のメンバーが多く在籍しているとのことですが、若手の方の活躍事例をお伺いできますか。
林さん
若手メンバー2名を紹介したいと思います。
まず、20歳代前半のエンジニアで、元々エンジニアとしては未経験でしたが、システムエンジニアリング業界に興味を持って、独学で勉強していたというメンバーです。小さなアプリやサービスを作りながら開発言語を勉強をしていたということで、やる気がある点が弊社とマッチしそうだと考え、入社してもらいました。
入社後も勉強熱心で、人とのコミュニケーションを苦にせず、わからないことを同僚やベテラン社員にどんどん聞いているので、大きく成長しています。入社して1年弱ですが、リーダーのサポートを得ながら、システムの1つの機能の開発を担当するなど活躍しています。
編集部
未経験から1年弱でそのように活躍できるというのは、ご本人の努力はもちろん、周囲のサポートがあったのも大きいのでしょうね。
大屋さん
そうですね。弊社では、フルリモート・フルフレックスでもコミュニケーションを取りやすいツールを導入していて、情報を共有したり、リーダーやチームのサポートを得られやすい体制になっています。
林さん
もう1人はトレーダーで、元々自分でもトレードを勉強していたというメンバーです。トレードについて詳しいので、取引所開発のテスト業務の際、トレーダー目線の指摘をしてくれるので助かっています。また、元々は未経験の仕事ではありましたが、YouTube動画の編集も手伝ってくれています。
編集部
ユーザー目線の指摘というのは、開発側からすると、とても参考になりますね。このような指摘や意見を取り入れているからこそ、優れたプロダクト開発ができるのでしょうね。また、トレーダーとしては、自分の意見をプロダクトに取り入れられることで、より会社に貢献したいという意欲が高まりますし、スキルアップのモチベーションにも繋がりそうです。
勉強会では年齢や経歴に関係なく、フラットな意見交換が行える
編集部
先ほどのエンジニアやトレーダーの方が経験のない仕事をするときは、つまづいたり試行錯誤をしたと思います。そんなとき、周囲からはどのようなサポートがあったのでしょうか。
大屋さん
YouTube動画に関しては、社内でも手探りで始めたもので、ノウハウを持っている者はいませんでした。上長や先輩はいるものの、この若手メンバーも含め全員が対等に話し合いながら進めています。
林さん
CXRエンジニアリングでは、部署にもよりますが、週に1〜2回勉強会を行って、意見交換や知識の向上に努めています。若手の意見も聞いてくれる、話しやすい環境だと若手側からも好評です。とくにAIに関しては流行りのテーマなので、若手が意見交換したくて仕方がないという様子です。
編集部
年齢や経歴に関係なく、フラットに意見を出し合うことができる環境なのですね。最新のテーマを共有できる点も、スキルアップしたいメンバーにとっては嬉しいことだろうと推察します。若手が活躍できるのも頷けます。
男性社員の育休などライフステージに合わせた働き方を提案
編集部
次にCXRエンジニアリングさんでの働き方について教えてください。
林さん
CXRエンジニアリングではフルリモート・フルフレックスを採用しています。場所にとらわれない働き方をしているメンバーは多く、私は五島列島に住んでいますし、京都や静岡、鹿児島に住んでいるメンバーもいます。
通勤圏内のメンバーについても、オフィスで仕事をしたいときは出社していいし、「今日は雨だから家で仕事しよう」というように、若手も含めて各自で判断しています。
編集部
皆さん思い思いに自分らしい働き方を選んでいるようで、たいへん魅力的に映ります。
大屋さん
鹿児島にいる男性社員は結婚を機に移住し、子供が産まれたときには育休を取得しました。CXRエンジニアリングでは、この男性社員のように、本人の希望や家庭の事情に合わせて働き方を一人ひとりアレンジしている状況です。
弊社はベンチャーなので、さまざまな制度が完備できているわけではないのですが、それを逆手にとって、各人の人生のフェーズに合わせた働き方の提案ができる点はよいところですね。
編集部
一人ひとりに柔軟に対応できるのはベンチャーだからこそかもしれませんね。お子さんがいても働きやすい状況なのでしょうか。
大屋さん
はい。お子さんがいて時短勤務の社員もいますし、フルフレックスなので、管理職やマネージャークラスも授業参観や保護者会など子どもの行事に参加しています。子育て世帯では、性別や役職に関係なく、フルフレックスのよさを活用しているようです。
フルリモートでもコミュニケーションがとりやすい環境
編集部
御社では、フルリモートを採用しているとのことですが、意思の疎通が図りにくかったり、ひとりで仕事を抱え込んでしまうということはありませんか。
大屋さん
CXRエンジニアリングでは、SlackやGather(ギャザー)などのコミュニケーションツールを使って情報の共有をしやすく、孤立しにくいようにしています。
Gatherはバーチャルオフィスツールで、雑談や相談など日常的なコミュニケーションから、チームのミーティングまで使っています。このツールを使えば、仮想オフィスにいる上長に近寄って声をかければ話ができるようになっています。
編集部
このようなコミュニケーションツールがあれば、出社しなくても情報共有ができますし、相談もしやすいですね。皆さんが一堂に顔を合わせる機会はないのでしょうか。
大屋さん
会社から強制しているようなものはないですね。忘年会などに来てくれたら嬉しいですが、自由参加にしています。地方在住者が「東京に遊びに来たから、ついでに本社で仕事をするね」というようなことはあります。
編集部
フルリモートでも、無理なく会えるときは会って話してという、緩やかな繋がりの中で、皆さんのびのび働いている様子が伺えます。一人ひとりの自主性に任せている点が、社員の皆さんの居心地のよさにつながっているのかもしれませんね。
CXRエンジニアリングでは「全員社長」を推奨
編集部
CXRエンジニアリングさんでは、「全員社長」をスローガンに、入社2年以内の起業を推奨していると伺いました。実際、起業する方は多いのでしょうか。
大屋さん
CXRエンジニアリングでは、正社員としての雇用関係だけでなく、法人同士の業務委託というメンバーもかなりいることもあり、起業しているメンバーは多いです。
とくにエンジニアなどプロフェッショナル職に、経営者視点を持って自身の成長を追求してほしいというCEOの考えがありますし、社員が起業することで、会社の運営を自分ごととして考える機会が増えるというメリットもあり、「全員社長」を推奨してきました。
編集部
起業するメンバーも多い中での会社の雰囲気はどのようなものでしょうか。
林さん
あまり分け隔てない印象です。「起業していたり業務委託だから働き方が違うな」といった雰囲気はありません。ただ、起業しているエンジニアが「自分の会社ではこういうプロジェクトをやっているんだよね」というような話をすることで、若手が触発されて色々考えてみるという機会は多いように感じます。
編集部
起業している方は経営者の視点を持つことでより質の高い仕事に取り組めますし、そういった方に触発されて若手メンバーのモチベーションが上がるという好循環になっているのですね。
成長したい意欲があればイキイキと働ける職場
編集部
最後に採用について教えてください。CXRエンジニアリングさんでは、どのような人材がフィットすると思いますか。
林さん
「自分の仕事の範囲がはっきり決まっていて、それ以外はできない」という環境ではつまらない方や、なんでも面白がれる方、自分で考えながら物事をより良くしていける方は、CXRエンジニアリングでイキイキと働けると思います。
先ほど、未経験から1年弱で活躍できるようになったメンバーを紹介しましたが、未経験でも臆さずに、成長したい意欲を持って飛び込んでほしいと思います。また、フィンテックや暗号資産という分野に明るくなくても、興味をお持ちなら全く問題ありません。
現在、弊社は上場を目指しており、職種を問わず面白いフェーズにあるので、ご自身の成長と会社の成長、同じ目標に向かって進んでいける方と一緒に働きたいと考えております。
編集部
業界や職種が未経験であってもハードルを感じる必要はなく、興味と意欲を持って前向きにスキルアップしていける方が御社ではフィットしそうですね。本日はありがとうございました。
■取材協力
CXRエンジニアリング株式会社:https://www.cxr-inc.com/
採用ページ:https://www.cxr-inc.com/recruit