弁護士法人モノリス法律事務所が目指す「弁護士以外も活躍できる法律事務所」とは

独自の強みで事業を展開し、成長を続ける企業をインタビューする本企画。今回は、IT分野の企業法務を手掛けている弁護士法人モノリス法律事務所にお話を伺いました。

弁護士法人モノリス法律事務所とは

弁護士法人モノリス法律事務所のロゴ

弁護士法人モノリス法律事務所は、企業向けの法務を手掛けています。強みとして挙げられるのは、IT分野のスペシャリストであることです。代表弁護士はIT企業を設立した経験を持っており、その知見を生かしながら企業のIT・知財法務や風評被害対策を展開しています。

会社名 弁護士法人モノリス法律事務所
住所 東京都千代田区大手町1丁目9-5 大手町フィナンシャルシティノースタワー21階
事業内容 ・IT・ベンチャーの企業法務
・各種企業のIT・知財法務
・風評被害対策
・YouTuber・VTuber法務
設立 2017年3月
公式ページ https://monolith.law/

弁護士法人モノリス法律事務所の特徴は、多くの女性が活躍していることです。インターン生として活躍している女性も多く、事務所で働く弁護士・職員の半数以上が女性とのことです。また、法律事務所ではあるものの、弁護士以外の人材が活躍できる仕組みが構築されています。

女性が活躍できている理由やインターン生の活躍ぶりについて、代表弁護士の河瀬季さん、ITコンサルタントの島﨑麻梨耶さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
弁護士法人モノリス法律事務所の河瀬さん

弁護士法人モノリス法律事務所
代表弁護士

河瀬 季さん

弁護士法人モノリス法律事務所の島﨑さん

弁護士法人モノリス法律事務所
ITコンサルタント

島﨑 麻梨耶さん

ITに関連するあらゆる企業法務を手掛ける法律事務所

弁護士法人モノリス法律事務所のオフィス内会議室前の風景

編集部

モノリス法律事務所さんはその名の通り法律に関する業務を手掛けていると思うのですが、実際にどのような法務を行っているのか伺わせてください。

河瀬さん

モノリス法律事務所は個人向けの法務ではなく、企業向けの法務を手掛けております。企業向けの法務を展開している法律事務所はたくさんありますが、中でもモノリス法律事務所はIT分野に強みを持っています。

依頼ケースとしては「IT会社から顧問弁護士を頼まれる」「IT会社ではない企業からITやインターネットに関する相談を受ける」という2つが挙げられます。

IT会社からすれば、ITに関する知見を持っている法律事務所に相談する方が速やかに話を進められます。また、IT会社ではない企業からしても、ITに関する相談はITの分野で強みを持っている法律事務所を選ぶでしょう。

労務問題が発生すれば労務問題のスペシャリストに、不動産に関する問題であれば不動産のスペシャリストに相談することと同じですね。

編集部

具体的にどのような業務を手掛けているのでしょうか?

河瀬さん

モノリス法律事務所が手掛けている法務業務は「IT・ベンチャーの企業法務」「各種企業のIT・知財法務」「風評被害対策」「YouTuber・VTuber法務」です。

IT・ベンチャー企業の顧問弁護士となり、契約書作成から株式・M&A関連法務などあらゆる法務を担わせていただいております。また、IT会社でない企業がシステムを開発する際に付随してくる法務についても手掛けております。

サイバー犯罪に関する刑事告訴についてもご相談いただくことがありますね。

今や顧客は企業だけではありません。いわば「個人事務所」のような形で活動されているYouTuberやVtuberなどからも依頼をいただくことがあります。

また、インターネット上で根も葉もない誹謗中傷を受けた企業の相談に乗り、調査したうえで法的な措置を取るといった企業の風評被害対策も行っております。

編集部

ITの分野やインターネット上で発生するあらゆる法務について手掛けているのですね。

ITのスペシャリストという独自の立ち位置で大きく成長

弁護士法人モノリス法律事務所のオフィス内執務室の様子

編集部

モノリス法律事務所さんはどれぐらいの規模で成長されているでしょうか?

河瀬さん

モノリス法律事務所のクライアントは2017年時点で140社でしたが、現在は約1,040社と6年で大幅に増えています。また、売り上げについても2017年から約13倍に増えており、直近でも25~30%の成長率を保っています。

島﨑さん

河瀬は2019年にNHKで放送されたテレビドラマ『デジタル・タトゥー』の原案を担当しました。

IT分野のスペシャリストとしてモノリス法律事務所が広く知られるきっかけにもなり、クライアントが私たちのことを別のクライアントに紹介してくれるという好循環が生まれたことは成長の一因として考えられると思います。

編集部

モノリス法律事務所さんに独自の強みがあるゆえに評判が広がっていったと感じるのですが、強みとしては何が挙げられるでしょうか?

河瀬さん

そもそもですが、ITを強みとして打ち出している法律事務所はそれほど多くありません。弁護士という職業自体が文系職であるため、情報技術に詳しい人材がいないということが背景として挙げられます。

私は弁護士になる前はITエンジニアとしてIT会社を経営しておりました。私自身がITについて強みを持っていることはもちろん、モノリス法律事務所ではIT案件に対応できるだけの体制を整えています。

今はIT産業というのは市場規模も大きいため、その分多くのクライアントにお声がけいただいているのかなと思います。

編集部

モノリス法律事務所さんは、成長し続けるIT業界の案件に対応できるという「他の事務所にない強み」を打ち出せているということですね。

大きなプロジェクト案件にも対応できる体制の強固さが強み

業務に当たる弁護士法人モノリス法律事務所の職員たち

編集部

ITのスペシャリストという独自のスタイルを確立していること以外に、モノリス法律事務所さんの強みとして挙げられることは何でしょうか?

河瀬さん

モノリス法律事務所の案件の受け方というのも、強みの一つとして挙げられると思います。具体的にいうと、一つ一つの小さな案件を都度受けていくというスタイルではなく、プロジェクト単位で受けているケースも多いのです。

例えば、ITに関連する法務、M&Aに関連する法務を一括で請け負うというのは典型的なケースですが、M&A以外の分野でも、さまざまなパターンの「プロジェクト」を請け負っています。このように、特にM&A以外の領域でも、単独案件でなくプロジェクト単位で案件を請け負っているというのは、法律事務所業界の中ではレアケースだと思います。

編集部

プロジェクト単位で案件を請け負うというのは、M&Aに関する業務以外でも共通する姿勢なのでしょうか?

河瀬さん

例えば、先に挙げた中で風評被害対策を例にすると、「ある掲示板に一カ所だけ誤情報が書き込まれているからここを消してほしい」というものから「誤情報が拡散されてしまっているので、全体的に対策してほしい」というものまでオーダーの幅は広いです。

もちろん、前者のような個別の案件についても対応させていただいておりますが、後者についてはプロジェクトとして請け負っています。

M&Aに関連する業務でもいえることですが、プロジェクト単位で案件を請け負う場合は、その分対応する人数も必要になります。モノリス法律事務所は、プロジェクト案件に対応できるだけの体制を構築できているのです。

編集部

大きな単位の案件に対応できる体制があるからこそ、大きな成長率に結び付いているのですね。

外国人弁護士やバイリンガル人材の採用を強化し国際法務対応を目指す

弁護士法人モノリス法律事務所が入居しているオフィスビルの外観

編集部

今後も成長を続けていくため、モノリス法律事務所さんではどのような展望をお持ちでしょうか?

河瀬さん

2023年前半から対外的に打ち出している部分でもあるのですが、モノリス法律事務所は国際法務に対応するべく体制を強化している段階にあります。外国人弁護士やバイリンガルのパラリーガル、インターン生の採用を強化しているところです。

編集部

現段階で国際法務に対応できるような人材は採用できているのでしょうか?

河瀬さん

今のところ、1名の外国人弁護士が在籍しています。パラリーガルやインターン生についてはバイリンガルを多く採用できていますね。

一般的に法律事務所のパラリーガルやインターン生は事務的な仕事が多いのですが、モノリス法律事務所では幅広い業務を担当できます。

編集部

国際法務に対応してクライアントの幅が広がることで、さらなる成長が期待できそうですね。

男性よりも女性が多く在籍、活躍できる多様なフィールドがある

業務に当たる弁護士法人モノリス法律事務所のインターン生たち

編集部

モノリス法律事務所さんの職員の男女比について伺わせてください。

島﨑さん

弁護士と弁護士をサポートする総合職や事務局などの職員合わせて16名です。またインターン生の25名ほどが女性ですので、男性よりも女性の方が多く在籍しています。その中で、2名の女性職員が管理職を務めています。

私が所属している総合職と事務局は女性メインで構成されています。女性メインの組織の強みとしては、きめ細やかな連携ができる点が挙げられると思います。資料を作成するにしても1人で進めるのではなく、連携を取りながら進められるので、丁寧な対応ができていると感じています。

編集部

島﨑さんはどういったポジションで業務に当たられており、どういったところでやりがいを感じるでしょうか?

島﨑さん

私は総合職のITコンサルタントを務めています。総合職と一口でいっても、資料作成部隊やITに関連する情報を調査する部隊など多岐にわたっています。だからこそ、女性が活躍できるフィールドはたくさんあるといえるでしょう。

さきほども申し上げた通り、チームで課題を解決していくので、連携を取りながら一つのゴールを目指していくことにやりがいを感じています。

編集部

さまざまな分野で女性が活躍されているのですね。職員の方は法学部出身であったりITに関連する経歴をお持ちであったりといったケースが多いのでしょうか?

島﨑さん

モノリス法律事務所には法学部出身の方が多いですが、そうでない方も在籍しています。ITの経験がない方や法律の知識を持っていない方でも挑戦できる風土があると思います。

さまざまな経歴を持ったメンバーが集まっていますが、「言われたことに対してじっくりと考えて、自分から仕事を回していく」というところが職員の共通点として挙げられます。行動力があって、すぐにレスポンスしてくれる方が多いです。

法律事務所のイメージを覆す「弁護士以外も活躍できる法律事務所」

弁護士法人モノリス法律事務所のオフィスエントランスの風景

編集部

一般的な法律事務所と比較すると職種が多岐にわたっている印象があるのですが、その狙いや思いについて伺わせてください。

河瀬さん

法律事務所のイメージとして思い浮かべられるのは、弁護士と電話番の事務員がいるという光景ではないでしょうか。なぜこのような職場になってしまうかというと、弁護士の仕事は契約書を作ってクライアントに渡すこと、弁護士以外の構成員の仕事は、そのためにアポイントを取ること、といった役割分担になっているためです。

このような職場だと、弁護士以外に頭を使って仕事をする機会が発生しないのです。なので、事務職の方はキャリアアップや管理職に就くという発想すらしなくなってしまいます。これは業界全体の課題だと感じているのです。

編集部

モノリス法律事務所さんでは、弁護士の方以外でも頭を使って仕事をするという機会にあふれているのですね。

河瀬さん

モノリス法律事務所では弁護士以外の職員がさまざまな業務を担っています。先ほどもお話しした通り、モノリス法律事務所はプロジェクト単位で案件を受け取っているので、弁護士業務以外の業務が大量に発生しているのです。

例えば先ほどの風評被害対策の例で言えば、誹謗中傷が書かれたページを1個だけ消すといった場合は、弁護士が法律のことについて考えるというアプローチだけで終わるケースがほとんどです。しかし、インターネット上の全ての誹謗中傷について対策したいとなると、どんな誹謗中傷があるのか広い範囲で調査しなければなりません。

そして誹謗中傷に対してどういった優先順位で対応していくのか、どのようにクライアントに提案するのかと考える機会が多く発生します。やらなければならない仕事は多岐にわたるため、弁護士だけでなく、さまざまな職種のメンバーがチームになって動く必要が出てくるのです。

チームが生まれるということは、チームを管理するメンバーが必要になります。そうすることで、管理職やマネジメント業務を担いたいという発想が弁護士以外のメンバーにも生まれるのです。

編集部

弁護士でない人材も活躍できる法律事務所というのは、とても珍しい環境にあるなと思いました。弁護士以外の方が活躍できるといったメリット以外にも、好影響はあるのでしょうか?

河瀬さん

弁護士以外の人材が活躍できる環境を作り出すことで、法学部出身でない方にもモノリス法律事務所に興味を持ってもらえます。法学部出身でないと、そもそも法律事務所へ就職するという発想が生まれにくいと思います。

モノリス法律事務所は、法学部出身だから優先的に採用するということはありません。調査力や提案を組み立てる力、顧客接点を持ってクライアントのニーズを引き出せるかといった観点で人材を見極めています。

編集部

法律事務所というよりも、一般企業というイメージが強いですね。モノリス法律事務所さんならではの環境だと感じました。

出勤時間が調整できるなどフレキシブルな働き方が可能

向かい合って話す弁護士法人モノリス法律事務所のインターン生たち

編集部

働く環境についても伺いたいのですが、モノリス法律事務所さんのワークスタイルについてお教えください。

島﨑さん

モノリス法律事務所は基本的に午前10時出勤です。8時間勤務というのは決まっていますが、勤務時間の前倒しができたり有休もきちんと取得できたりと、フレキシブルな環境にあると思います。

編集部

基本的に各職員の裁量に任せられているところが大きいのでしょうか?

島﨑さん

働く時間など、大部分が自分の判断に任せられているので、働きやすいですね。仕事と家庭を両立しながら働いている方が多いので、それぞれの事情に合わせて働ける環境が整っています。

編集部

多くの女性が働いているからこそ、さまざまな事情に理解のある職場が築けているといえそうですね。

インターン生の7割は6~12カ月の長期インターンシップ

談笑する弁護士法人モノリス法律事務所のインターン生たち

編集部

モノリス法律事務所さんは積極的にインターン生を受け入れていると伺いましたが、これまでの受け入れ実績について伺わせてください。

河瀬さん

モノリス法律事務所は2017年の開所以来、これまで70名以上のインターン生を受け入れてきました。今では、年間20名以上のインターン生にジョインいただいております。また、インターン生の7割ほどが6~12カ月の長期インターンシップです。

インターン生にはもともとある課題を渡すという形式ではなく、生の案件に触れてもらって法律事務所の仕事を知ってもらうようにしています。書面作成やリーガルリサーチなどの弁護士業務のほか、裁判所対応などの秘書業務に当たってもらっています。

希望があれば、コンサル業務やインターネット調査業務といった総合職のような業務を任せることもあります。

編集部

これまでのお話から弁護士以外の方でも活躍できる環境にあることがわかりますが、インターン生についてもスタンスは変わらないでしょうか?

河瀬さん

モノリス法律事務所のインターンに応募するのは法学部生やロースクール生、司法試験受験生が多いですが、法学部以外の方でも受け入れ実績があります。むしろ、法律とは全く関係のない専門分野を持つ方に法律事務所業界について興味を持ってほしいと考えています。

また、先ほどもお話しした通り、国際法務に対応したいという展望を持っておりますので、留学経験を持っているなどバイリンガル人材の受け入れを積極的に行っています。

編集部

インターン生を受け入れることによる好影響としては何が挙げられるでしょうか?

河瀬さん

インターン生を受け入れることで、今のモノリス法律事務所の業務をブラッシュアップできています。今の大学生は、私が大学生だったころには持っていなかった能力や感性をお持ちです。

私は今の大学生の2倍ぐらいの年齢ではありますが、学生に学ぶところは多いですね。多様な人材にお越しいただいているので、大変ありがたいことです。

法律の専門知識を持った人材だけでなく多様な人材を求める

編集部

最後に、モノリス法律事務所さんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。

島﨑さん

変化の速いIT業界に対応しながら、レベルの高い法務に携われるというのがモノリス法律事務所で働く魅力だと思います。もし今回の記事を見て興味を持たれた方には、積極的にご応募いただきたいです。

弁護士法人モノリス法律事務所の島﨑さん
▲「変化の速いIT業界に対応しながら、レベルの高い法務に携われるのが魅力」と話す島﨑さん

河瀬さん

島﨑はもともと証券会社に勤務していました。このことからもわかるように、モノリス法律事務所にはITエンジニアや統計のスペシャリスト、バイリンガルの方、インターネット広告会社出身など多様な人材が集まっています。

モノリス法律事務所は、多様な専門知識を合わせて、どうすれば法律事務所としてクラインアントに最適なソリューションを提供できるのかということを考え続けて成長してきた組織です。今後も多様な専門知識を持った方に来ていただきたいなと思います。

編集部

法律の専門家以外のさまざまなプロフェッショナルが集まった組織という新しい法律事務所の形を見せていただきました。本日はありがとうございました。

弁護士法人モノリス法律事務所の河瀬さん
▲「法律に関する知識を持った人材だけでなく多様な人材に来てほしい」と話す河瀬さん

■取材協力
弁護士法人モノリス法律事務所:https://monolith.law/
採用ページ:https://monolith.law/recruit/