独自の制度や新しい働き方を取り入れている企業を紹介していくこの企画。今回は旅行会社と飲食店を繋ぐプラットフォーム「団タメ!」の運営などを行う株式会社ボーダレスシティにお話を伺いました。
株式会社ボーダレスシティとは
▲ボーダレスシティさんは「日本の外食産業を世界にPR」というミッションを掲げている
株式会社ボーダレスシティは、旅行代理店と飲食店をマッチングさせるサービス「団タメ!」の運営を中心に、「すべての旅行者により良い食事を堪能してもらうこと」をコンセプトとして事業を展開する企業です。
あわせて、近年インバウンド需要の高まりにより急増している海外からの観光客に対して、日本が誇る外食文化やおもてなしの精神を発信することも方針のひとつとしています。
会社名 | 株式会社ボーダレスシティ |
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住所 | 東京都千代田区神田三崎町3-3-3 木下ビル3F |
事業内容 | ・「団タメ!」(旅行会社専用飲食店予約サイト)の運営 ・「Tour Meal Tokyo」(海外旅行会社向け飲食店予約サービス) ・「団タメ!ワールドリサーチ」(インバウンドツアー客を活用したマーケティング・サンプリング調査) ・団体旅行のランチ・ディナー等のコーディネート ・各種宴会・謝恩会・イベント・パーティー等の飲食店の手配 など |
設立 | 2011年10月7日 |
公式ページ | https://www.borderlesscity.co.jp/ |
働き方 | 在宅勤務 地方からのテレワーク |
今回は、株式会社ボーダレスシティの女性社員の活躍やワークライフバランス、さらには戻りつつあるインバウンド需要への取り組みなどについて、代表取締役の大島さんとセールスプロモーションの和田さんにお話を聞かせていただきました。
旅行会社と飲食店のマッチングプラットフォーム「団タメ!」を運営
▲ボーダレスシティさんの看板サービス「団タメ!」は旅行会社のための飲食店予約サイト
編集部
本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、まずはボーダレスシティさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。
大島さん
私たちは、主に「団タメ!」という旅行会社と飲食店を繋ぐプラットフォームを運営している会社です。
旅行代理店がツアーなど団体旅行を企画する際には、お食事手配のサービスが必ず必要になってきます。需要が回復してきているインバウンドツアーなどにおける食事について、旅行会社が予約する際に利用していただけるのが「団タメ!」なんです。
その他のケースとしては、社員旅行や慰安旅行、団体観光、修学旅行、企業の懇親会といった様々なシーンでもご利用いただいております。
編集部
現在、「団タメ!」はどれくらいの方に利用されているのでしょうか。
大島さん
弊社が設立したのは2011年ですが、ありがたいことにそれから多くの皆様にご利用いただき、2023年7月時点では旅行会社が2,000社、飲食店では10,000店舗以上と契約しています。
このような実績があるのは、旅行会社と飲食店の両方にメリットがあるからです。旅行会社側は各飲食店や会社と提携する必要がなく、「団タメ!」の提携店をすべて利用できます。そのため、手配に時間が取られることなく、メインの業務に集中することが可能となり、業務の効率化を図ることができます。
逆に飲食店側は、直接提携はできないような旅行代理店に対して、「団タメ!」を通してお店の情報を一斉に告知することが可能となり、普段だと集客が難しい団体のお客様の需要を取り込むことができます。
編集部
旅行において重要な要素である「食事」について、旅行代理店と飲食店のそれぞれの課題を解決できるようなサービスを展開されているんですね。社会情勢が落ち着きを見せているので、これからさらに注目を浴びていきそうだと感じました。
■お話に出た「団タメ!」の公式サイトはこちら
https://www.dantame.com/
「日本の食の素晴らしさ」という切り口でインバウンド市場にPR
▲「団タメ!」の公式サイト。2023年7月時点ではインバウンド取り扱い実績も74カ国に増えている
編集部
ボーダレスシティさんは「日本の外食文化やおもてなしの素晴らしさを発信していくこと」を大事にしていると伺っていますが、その背景などを教えていただけますでしょうか。
大島さん
私は以前、ニューヨークに2~3年ほど住みながら働いていました。そこはまさに世界中から人が集まる「人種のサラダボウル」で、もちろん魅力的な都市ですが、そのときの個人的な感想としては、「観光の視点だと、東京の方がコンテンツ力は上だな」と感じたんですよ。
当時は2010年頃でそこまでインバウンドが注目されていなかったのですが、時が流れ、ラグビーのワールドカップの日本開催なども決定し、政府の方針としてインバウンドを加速させる施策がどんどん打ち出されました。
そのような変化もあり、「日本をもっと世界にPRすれば、外国の方々に日本の素晴らしさを知っていただける」と感じるようになったんです。
編集部
そうなんですね。そこからどうやって行動に移していったのでしょうか。
大島さん
アメリカから帰国したタイミングで飲食店予約サービスのスタートアップ企業に入り、初めて外食産業に関わったんです。そこで改めて、日本の飲食店が提供する食事の魅力に気付きました。味や見た目、バリエーションなど、どれをとっても非常に繊細なんですね。
あまり知られていない事実ですが、ミシュランの三ツ星店の数でいえば、その当時の東京はパリやニューヨークを抜いて世界一でした。日本の素晴らしさを「食」という切り口で発信することで、インバウンドを呼びこむことができるのではないかということで、今まさにサービスを展開している最中ですね。
英語を活かして働ける環境。アメリカ在住メンバーも
編集部
和田さんは飲食業界を経てボーダレスシティさんにジョインされたということですが、現在の業務などを教えていただけますか?
和田さん
私は、旅行会社様に依頼いただいた案件を飲食店さんにお伝えし、マッチングさせるという業務を担当しています。なかにはさまざまな条件を満たす必要がある案件もありますが、それを飲食店さんとマッチングできたときに達成感を感じますね。
また、国内だけではなく、海外の旅行会社様からも直接依頼を受けています。私は今まで語学を勉強してきたこともあって、英語を生かせる業務に携わることができているのでやりがいを感じています。
編集部
英語でコミュニケーションをとっていたということですが、社内には他にも語学が堪能な方が多くいらっしゃるのですか。
和田さん
もちろんです。働き方のひとつのケースとして、アメリカに在住しながら弊社で勤務している人もいます。私は海外の社員とも連携しながら、直接海外の旅行会社さんの依頼を聞いて、その条件に適したプログラム、つまり該当する飲食店の目次のようなものを作っています。
編集部
ボーダレスシティさんで働く上で、周りのメンバーからはどのようなサポートがあるのでしょうか?
和田さん
弊社では2~3カ月に一度直接社長の大島との面談があり、そこで今後の目標や中長期的な会社の目標を一緒に考えています。そこでいろいろと相談できたり、面談に向けてスキルを磨くことに注力できるので、サポート面では充実していると思います。
あとは、私たちはベンチャー企業なので、上司との距離感がいい意味で近いということもあって、いろんなことを話しやすい雰囲気があるんです。
産休・育休が取りやすい環境。モデルなどの副業をしているメンバーも
編集部
ボーダレスシティさんは女性が働きやすい環境を整えていらっしゃると思いますが、ここに力を入れている理由や思いはありますでしょうか。
大島さん
現在、ボーダレスシティはメンバーの7割から8割が女性社員という環境です。そのため、正社員や契約社員にかかわらず、個人のライフステージの変化を考え、仕事と育児を両立できる環境づくりに力を入れています。
まず、弊社には育休や産休が取りやすい環境があります。お子さんがまだ小さいメンバーがほとんどなので、お子さんが体調を崩してしまった際の休暇取得なども、柔軟に対応できていると思います。
和田さん
あとは、育児をしながらでも比較的自由に働ける環境ということもあり、副業も可能な制度設定にしています。なかには、副業として女優やモデルといった仕事をしている社員もいますね。
ときには副業において急ぎの案件が入ることもあるのですが、臨機応変に周りとコミュニケーションをとりながら、支え合って働ける環境があります。
編集部
出産や育児にともなう働き方の変化に対応しサポートされていること、また副業を可能としていることなど、ボーダレスシティさんでは女性が自由度高く働けるような環境ができているのだと感じました。
在宅でも地方でも平等。様々なスタイルに対応可能な働き方
編集部
ボーダレスシティさんでは、ワークライフバランスを守るための独自のルールや、大切にしていることなどはあるでしょうか。
大島さん
ワークライフバランスに関して言うと、会社としては「仕事は定時で終わらせ、自分の生活を大事にしてほしい」というスタンスなんです。もちろん仕事をきっちりとおこなうことは前提として、案件の調整などは社員の裁量に任せる部分が大きいです。
また、有給休暇についても取りやすい制度および体制になっています。病欠のときにだけ使用するのではなく、「ちょっとコンサートに行きたい」など、趣味などで使うこともまったく問題ありません。そのため、プライベートと仕事はかなり両立できているんじゃないかなと感じています。
編集部
リモートで勤務されているメンバーもいらっしゃるのですか?
大島さん
もちろんです。今はさまざまな業務において、在宅勤務の方や地方在住の方にも平等に参画していただける状況にあります。やらなければいけない仕事をプロジェクトという形で管理していて、それに対してコミットする形で副業として働いてくれているメンバーもいます。
また、弊社のオフィスは東京にあるのですが、地方で採用したケースもありますね。ワークスタイルは人によって違っていて、働く時間帯も個人が自由に設定できていると思います。みんなが働きやすいように働いてくれているという印象ですね。
ツールやクラウドサービスを駆使して、常に密なコミュニケーションを
編集部
リモートや在宅勤務をされている方だと、成果の見えづらさなどもあると思います。ボーダレスシティさんでは、どのように評価されているでしょうか。
大島さん
評価が難しいのは、在宅だからではなく、職種の問題だと思います。
たとえば営業職であれば、成果が数字に表れるのでわかりやすいですよね。それ以外のポジションに関しては、最終的な成果は「細かく横の連携を取りながら話ができているか」が大きく影響しているはずです。そこに関しては、在宅だから不利というようなネガティブな要素はないと感じています。
編集部
細かく連携をとるために、具体的にどんなツールを使ってやり取りされていますか。
大島さん
弊社では、ChatWorkをメインにテキストコミュニケーションでやり取りをしています。あと、クラウドサービスとしてOneDriveやGoogle Driveでファイルを共有をしています。
また、メインのサービスである「団タメ!」のシステムは本部が管理しているため、個々の案件がどう動いているかは、常にみんなで確認して進めています。
和田さん
ツール以外でのコミュニケーションで言いますと、先ほどもお話ししたように面談制度を設けているので、そこも貴重な機会なのかなと思っています。面談時には自分と会社の今後の目標や、達成時のインセンティブについて話すこともあります。
私は飲食店と旅行会社のサポート役のフォローチームに所属していますが、そこでも営業職のようにインセンティブをいただいているので、自分がやったことはちゃんと評価していただける会社だと感じています。
編集部
コミュニケーションをしっかりとることができるのと、目標を達成すれば報酬にもつながっていくことが、皆さんのやりがいにも繋がっているんですね。
ボーダレスシティとともに成長していきたい、前向きな方を歓迎
編集部
最後に、大島さんから若い世代の転職希望者へ向けたメッセージをいただけますでしょうか。
大島さん
ボーダレスシティは観光業界に属しているので、今回のコロナ禍で大打撃を受けた企業でもあります。ただ、ようやく最近インバウンドも戻りつつあり、これから一気に活性化していく状態に差し掛かっています。つまり、これから私たちはスピード感を持って成長していくフェーズにあるんです。
私たちが現在必要としているのは、どんどん変化していく環境において「会社と一緒に自分も成長していきたい」と考えている人なんです。前向きな方、そして成長意欲が高い方には、ぴったりの会社だと思います。ぜひご連絡いただければと思います。
編集部
お二方のお話から、女性社員を含めたメンバーの皆様の活躍には、人やコミュニケーションを大事にする姿勢と働きやすい環境が背景にあることがわかりました。本日はありがとうございました!
■取材協力
株式会社ボーダレスシティ:https://www.borderlesscity.co.jp/
採用ページ:https://www.wantedly.com/companies/dantame/projects