県唯一のプロスポーツチーム滋賀レイクスのSDGsへの思いと働き方

株式会社滋賀レイクスターズが描く未来:SDGsとプロスポーツの融合

独自の企業カルチャーを持ち、先進的な取り組みを進める企業にインタビューを行うこの企画。今回はプロバスケットボールクラブ「滋賀レイクス」を運営する株式会社滋賀レイクスターズにお話を伺いました。

株式会社滋賀レイクスターズの概要:滋賀県唯一のプロスポーツチーム

滋賀レイクスのエンブレム
▲滋賀レイクスのエンブレム(公式サイトから引用)

株式会社滋賀レイクスターズは、Bリーグに所属する滋賀県唯一のプロスポーツクラブ「滋賀レイクス」を運営する企業です。試合運営を中心に、チーム関連のオリジナルグッズ製造・販売、バスケットボールやチアリーディングのスクール運営などのアカデミー事業も展開しています。

2022年シーズンには創立15周年を迎え、これを「第二創業期」と位置づけてリブランディングを実施しました。その一環として、チーム名を長年親しまれてきた愛称「滋賀レイクス」に正式変更しています。

※本記事では、チーム名を「滋賀レイクス」、運営会社を「株式会社滋賀レイクスターズ」と表記しています。

会社名 株式会社滋賀レイクスターズ
住所 滋賀県大津市におの浜4-7-5オプテックスにおの浜ビル3階
事業内容 ・バスケットボール興行の企画、運営
・スポーツスクールの企画、運営
・バスケットボールチームに関する各種オリジナルグッズの製造、販売 など
設立 2007年8月
公式ページ https://www.lakestars.net/

株式会社滋賀レイクスターズは2007年の設立以来、滋賀県に根ざした活動を続けてきました。現在は「Bリーグ1SDGsをリードするクラブ」を目指し、社会貢献活動にも力を入れています。

今回は取締役の澤井さんとマーケティング部長の小林さんに、SDGsへの取り組みや、若手社員の活躍について詳しくお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社滋賀レイクスターズ取締役(ホームタウン室・室長/コーポレート部・部長)の澤井智也様

株式会社滋賀レイクスターズ
取締役(ホームタウン室 室長/
コーポレート部 部長)

澤井 智也さん

株式会社滋賀レイクスターズマーケティング部・部長の小林誠司様

株式会社滋賀レイクスターズ
マーケティング部 部長

小林 誠司さん

滋賀レイクスのミッション:県民の誇りとなるプロスポーツチームを目指して

株式会社滋賀レイクスターズのミッション・ビジョン・バリュー
▲滋賀レイクスターズさんの掲げるミッション・ビジョン・バリュー(公式サイトから引用)

はじめに滋賀レイクスターズさんの事業内容について、簡単にご説明いただけますか?

澤井さん

弊社は、Bリーグに所属するプロバスケットボールクラブ「滋賀レイクス」の運営を主に行っている会社です。2007年に設立し、現在は約30名の組織で運営しています。試合運営を中心に、グッズの販売やバスケットボール・チアダンススクールなどのアカデミー事業も展開しています。

事業内容は他のクラブと大きく異なるものではありませんが、滋賀レイクスの最大の特徴は、滋賀県で唯一のプロスポーツチームであるという点です。チーム活動開始から15周年を迎えた2022年シーズンに実施したリブランディングでも、この特徴を強調しています。

「日本一のクラブになることを通じて滋賀の誇りとなる」をミッションに掲げ、チーム名も滋賀県の象徴である「琵琶湖」をより強くイメージできるよう「滋賀レイクスターズ」から「滋賀レイクス」に変更しました。「滋賀県を代表する存在として活動する」という強い意志のもと、事業を展開していることが滋賀レイクスの大きな特徴です。

SDGs先進企業としての取り組み:Bリーグ屈指の活動実績

株式会社滋賀レイクスターズ取締役(ホームタウン室・室長/コーポレート部・部長)の澤井智也様

滋賀レイクスターズさんではかなりSDGsに力を入れているとお聞きしました。具体的にどのような活動をされているのでしょうか。

澤井さん

滋賀レイクスでは「Bリーグ1SDGsをリードするクラブ」を掲げてさまざまなSDGs活動を進めています。その中でも特に琵琶湖畔の清掃活動を行う「クリーンウォーク」に力を入れています。

琵琶湖は滋賀県を象徴する存在ですが、地域によっては水質汚濁などの問題があり、滋賀県全体としても課題意識があります。そこで我々ができることを考えて生まれたのがクリーンウォークです。

清掃活動をしながらウォーキングをすることで健康づくりにもつながります。さらに選手も参加するため、ファンと選手の交流の機会にもなり、ファンの選手に対する愛着も深まります。

琵琶湖が綺麗になり、参加した方の健康にもつながり、滋賀レイクスへの愛着も深まる。滋賀で生まれた「三方良し」という言葉がありますが、まさにそのような関係性をつくることができる活動です。

編集部

クリーンウォークに参加された方からはどのような声が聞かれますか?

澤井さん

参加者の皆さんは、非常に熱心に取り組まれます。選手も一緒に活動しているのに、皆さんゴミ拾いに集中しているので、気が付くと選手の周りに誰もいないということもあるほどです。(笑)

実際に活動してみると、一見綺麗に見える場所でも、岩の隙間にゴミが落ちているなど、予想以上に汚れていることに気づかされます。「単に選手に会いたくて参加したけれど、滋賀のことをより好きになった」という感想も聞かれ、琵琶湖をより美しくしたいという郷土愛の醸成にもつながっていると感じています。

編集部

滋賀県に密着した活動を続けられている滋賀レイクスさんならではの取り組みですね。他にもSDGs活動として取り組まれているものはございますでしょうか。

澤井さん

滋賀県内の小中学校、高等学校に滋賀レイクスからボールを寄贈する取り組みを行っています。学校予算の中でスポーツ用具の買い替えは優先順位が低く、多くの学校で使い込まれたボールを使用しているようです。子どもたちが新しいバスケットボールを使うことでよりスポーツを楽しめるよう、各校にボールを寄贈しています。

スポンサー企業様にはそのボール費用を負担していただいています。教育支援の取り組みは企業のPRにもなるため、企業側からしてもブランディングにつながる有意義な活動になっていると考えています。

編集部

クリーンウォークはもちろんボール寄贈の取り組みも、まさに「三方良し」な活動内容ですね。

滋賀レイクスならではのSDGs活動:地域密着型の社会貢献

株式会社滋賀レイクスターズマーケティング部・部長の小林誠司様

編集部

滋賀レイクスさんが「Bリーグ1位のSDGsをリードするクラブ」として、ここまでSDGsの活動に力を入れられているのには、どのような背景があるのでしょうか。

小林さん

SDGs活動は重要な取り組みですが、直接的な売上にはつながりにくい面があります。実際、人件費などがかかるクリーンウォークなどのイベントを行うよりも、広告を売った方が利益は高くなります。

しかし滋賀レイクスが介在するからこそ生まれる社会的価値があると考え、活動を続けています。例えば、単純に「ボールを寄贈する」という行為も、我々が介在することで教育的な価値を持ちます。それこそが滋賀県に本拠地を置き、Bリーグ傘下で活動しているプロスポーツクラブ「滋賀レイクス」がSDGsの活動に力を入れる意義だと考えています。

このような理由から、我々はSDGsの取り組みをクラブ経営計画における「マテリアリティ(重要課題)」に対する主要アプローチとして位置づけています。

編集部

プロスポーツクラブが介在するからこそ意味を持つ活動は多くありますね。滋賀レイクスさんが滋賀県という地域に根ざしたプロスポーツクラブとして、その社会的価値を最大限還元されていることがよくわかりました。

若手が活躍する組織:平均年齢32歳の職場環境

編集部

滋賀レイクスさんは平均32歳の組織とのことで、非常に若い方が多いですね。近年の採用状況はいかがでしょうか。

澤井さん

中途入社を中心に採用活動を行っており、ここ1、2年の間で約15人の採用をしました。若い方も多く、様々な業界から人材を迎えています。スポーツ業界経験者はもちろん、広告代理店や銀行など異なる業界から来た方々も、それぞれの経験やスキルを活かして活躍しています。

編集部

滋賀レイクスさんでは新卒採用も行っているのでしょうか。

澤井さん

基本的には新卒採用は行っていませんが、インターンシップは受け入れています。インターン生本人の希望とポテンシャルがあり、タイミングが合えば、そこから社員として採用することもあります。

若手の登用と成長:30代でも部長職に就ける理由

株式会社滋賀レイクスターズマーケティング部・部長の小林誠司様
▲若くしてマーケティング部長を務める小林さん

編集部

滋賀レイクスターズで活躍されている若手社員の方の事例などがあれば教えてください。

小林さん

インターンシップから入社し、ずっと弊社で働いてくれているスタッフがいます。27~28歳で部長職に就いており、マネジメント層の中でも最年少です。この方は興行運営や場内演出などを担当しています。

私自身も現在30歳ですが、部長職に就いています。30歳前後でもマネジメント職を任せてもらえる環境があるのが特徴ですね。

編集部

小林さんが若くして部長を任せられているのは、どのような点が評価されてのことだとお考えでしょうか。

小林さん

私の口から話すのも恐縮ですので、澤井さんにお願いしてもよろしいでしょうか?

澤井さん

小林さんは、様々な制約がある中でも高い視点を持ち、継続的に結果を出してくれています。また、組織全体を巻き込んで物事を推進する力があると感じています。これらの点が評価されているのだと思います。

編集部

なるほど。今のお話を受けて、小林さん自身が心がけていることをお聞かせいただけますか?

小林さん

働く上でのスタンスとしては、「ショートコント・部長」を演じているような感覚が非常に強いですね。つまり、自分に与えられている役割に対して、何が求められているのか、120%で応えるためにはどういう姿勢で臨まなければならないのかを常に意識しています。

現在は部長職という役割を与えられています。本音を言えばプレイヤーとして仕事をしたい気持ちもありますが、部長として現場のマネジメントをしながら経営との橋渡し役を担うという、求められている役割を認識して行動しています。

ただし、自分がやりたいことと経営が求めることが一致しているのは大きな強みです。そのため、結果が出ているように見える部分もあるでしょう。滋賀レイクスターズには、会社の根本であるミッション・ビジョン・バリューを体現できる環境があります。そこに深く共感している人は結果を出しやすいのだと考えています。

求める人材像:スポーツと地域への熱い思いを持つ人

編集部

滋賀レイクスさんの社員の方はバスケットボール経験者が多いのかと思っていましたが、意外にも未経験の方が7割以上なんですね。スポーツ業界以外からの転職も多いとのことですが、どのような希望や思いを持って滋賀レイクスさんに入社される方が多いのでしょうか。

小林さん

やはりスポーツに対する熱い思いを持っている人が多い印象です。学生時代の競技経験がバスケットボールでなくても、何らかの形でスポーツ業界に貢献したいという強い思いを皆さん持っています。

そして滋賀県という地域に対して愛着を持っている人が多いのも特徴です。滋賀レイクスはチーム名に「滋賀」が入っており、先ほども申し上げた通り滋賀県を代表して戦っています。

お客様から「滋賀を元気にしてくれている」というお言葉をいただくことも多く、滋賀県への思いを直接表現できる環境があります。地元出身者はもちろん、何らかの形で滋賀県とつながりのある人も含めて、「滋賀県に貢献したい」という思いを持って入社してくれる人が多いと感じています。

充実した労働環境:労働に対する報酬や働きやすさをしっかり担保

編集部

スポーツ業界に興味がある読者の中でも、一般企業と比べてスポーツ業界の働き方に疑問を持つ人は多いと思います。滋賀レイクスさんの働く環境にはどのような特徴がありますか?

小林さん

間違いなく言えるのは、滋賀レイクスはスポーツ業界の中でも待遇面や働き方に対して非常に力を入れているということです。

私は元々Jリーグの下部組織でサッカーをやっており、前職はJリーグのクラブで働いておりました。プロチームはずっと身近な存在でした。周りにはプロサッカー選手やクラブスタッフも多いのですが、労働環境について改善の余地があるという話を聞くことも少なくありません。

その点を踏まえると、滋賀レイクスは自信を持って良い会社だと言えます。ひとえに経営陣が非常に努力をしてくれているからです。最近経営体制は変わりましたが、新しいオーナーは滋賀レイクスの歴史をしっかりと受け継いだ上で力を貸してくれていると感じます。

労働に対する適切な報酬や働きやすさをしっかりと保証しながら働ける環境が、間違いなく滋賀レイクスにはあります。

編集部

スポーツや地域貢献に強い思いを持っていても、労働環境が分からないため不安という方にとってはとても心強いお言葉ですね。

魅力的な人との関わりの中で成長できる。スポーツ業界に興味がある人はぜひ!

滋賀レイクスターズの澤井様・小林様

編集部

最後に、滋賀レイクスターズに興味を持った読者の方に向けてメッセージをお願いします。

澤井さん

先ほど小林からも話があった通り、滋賀レイクスターズでは働く環境づくりに力を入れています。今後もその点については経営陣も意識しながら、より良い状態にしていきたいと考えています。

それに加えて、私が滋賀レイクスターズの魅力だと感じるのは「人」です。様々な業界から人材が集まっており、一緒に働く中で本当に学ぶことがたくさんある方ばかりです。優秀な人材と触れ合いながら自身の成長にもつなげられる魅力的な環境が、滋賀レイクスターズには整っていると思います。

弊社で活躍するには、主体性も重要です。他の企業やプロスポーツチームも同様だと思いますが、指示待ちになってしまうとなかなか物事が進展しません。限られた条件の中で成果を出すことが求められるため、「自分から動く」という主体性を持って成長していける人を歓迎します。

小林さん

スポーツ業界に興味がある方には「スポーツビジネスは素晴らしいものだ」とお伝えしたいです。スポーツ業界に興味を持つ人が増え、その中でも滋賀レイクスターズに注目する人が増えるのがこの上ない喜びです。

滋賀レイクスターズは今期、B1への復帰・B.LEAGUE PREMIERへの参入という大きな目標に向かって歩んでおり、社員同士だけでなく、お客様とも深く関わりながら進んでいける環境があります。弊社のミッションに共感し、同じ目標に向かっていける方は、ぜひご応募ください。

編集部

スポーツや地域貢献に対して熱意を持ち、ミッションやビジョンに共感できる人は、やりがいを感じながら成長していける環境が整っていると感じました。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

■取材協力
株式会社滋賀レイクスターズ:https://www.lakestars.net/
採用情報:https://www.lakestars.net/club/recruit/