SDGs達成や社員の働きやすさを追求し、社内外で持続可能な取り組みを進めている企業をインタビューする本企画。
今回は、様々な商品の企画・開発・販売や、OEM・ODM事業を展開している加藤貿易株式会社にお話を伺いました。
「人と人をモノでつなぐ。」ための2つの事業を展開
▲「人と人をモノでつなぐ。」というミッションを掲げている(公式ページより)
加藤貿易株式会社が手掛けている事業は、食品からアパレルまで様々な商品の企画・開発・販売をする「モノプロダクション事業」と、クライアントの要望を受けて商品の企画開発、仕入れ、流通などをトータルで手掛ける「OEM/ODM事業」です。
ミッションとして「人と人をモノでつなぐ。」を掲げており、価値ある商品を世の中に広げていくべく事業に取り組んでいます。
会社名 | 加藤貿易株式会社 |
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住所 | 東京都港区芝大門2-11-18 芝関野ビル3F |
事業内容 | モノプロダクション事業 - ブランドセクション - アライアンスセクション OEM / ODM事業 |
設立 | 2009年6月2日 |
公式ページ | https://katotrade.com/ |
取り扱いブランド | ・Galler(ガレー) https://www.galler.jp/ ・DARK SHINY https://darkshiny.net/ ・ブランド一覧 https://katotrade.com/page_service.php |
加藤貿易株式会社はSDGsの取り組みも進めており、発展途上国に自社製品を無償で提供するなどしています。また、地方でリモートで働く社員もいるなど、時間や場所を問わない働き方も推進しています。
同社のSDGs達成のための取り組みや働く環境について、広報・人事チームの王さんにお話を伺いました。
独自ブランドの展開や企業の流通などをトータルでサポート
▲ボクサーパンツブランド「DARK SHINY」を展開している
編集部
初めに、加藤貿易さんの事業内容について伺わせてください。
王さん
加藤貿易はBtoC、BtoB両面で事業を展開しています。
メイン事業となっているBtoCのビジネスが「モノプロダクション事業」です。アライアンス事業におけるブランドから自社オリジナルブランドまで様々な商品の販売を、ECサイトなどで展開しています。手掛けているのはベルギー王室御用達高級チョコレート「Galler(ガレー)」や、メンズボクサーパンツブランド「DARK SHINY」などです。
次に、BtoBのビジネスでは「OEM/ODM事業」を展開しています。クライアントから「こういう商品を作りたい」という要望を受けて、商品の企画開発、仕入れ、流通などをトータルでサポートさせていただいております。
手掛けているものとしてはアパレル製品がメインとなりますが、最近では吸水ショーツやナイトブラ、ボクサーパンツといった製品に関するご相談が増えています。
編集部
事業について2つの大きな軸があるのですね。加藤貿易さんの強みとしては何が挙げられるでしょうか?
王さん
消費者のニーズを商品開発にしっかり落とし込んでいる点が、加藤貿易の強みとして挙げられます。ECを運営しておりますので、消費者の声をしっかりと拾い上げることができるのです。より良い商品を作るべく、日々努力を積み重ねています。
また、弊社は台湾や中国、東南アジア諸国に豊富なネットワークを持っています。「OEM/ODM事業」において、そのネットワークを活かせるという点も強みとして挙げられるでしょう。
編集部
一般消費者と企業双方に独自の価値を提供できるということですね。
子ども食堂や発展途上国に寄付、食品・衣類ロスを防ぐ取り組み
▲発展途上国にボクサーパンツを無償で届ける取り組みなどを実施している(公式ページより)
編集部
加藤貿易さんはSDGs達成に向けた取り組みも進められているとのことですが、詳しく伺わせてください。
王さん
加藤貿易では「できるだけロスをなくしたい」という思いのもと、SDGs達成に向けた取り組みを進めております。
特に食品ロスが社会的に大きな課題となっているなかで、ロスを発生させないために在庫管理をどうすれば良いか、また賞味期限の問題で販売できなくなった商品をどうするかといった部分は、日々の社内ミーティングの議題にも挙げられます。
食品ロスについてはお客様に向けた啓蒙も進めています。農林水産省で「食品ロス削減国民運動」という取り組みを行っているのですが、弊社もその運動に賛同し、運動のロゴマーク「ろすのん」を活用しながら啓蒙に取り組んでいます。
また、ECサイトによっては賞味期限についてルールが設けられており、賞味期限が近づくと販売ができなくなってしまうケースがあります。そういった賞味期限間近ということで販売できなくなった商品については、各種団体さんに寄付しています。
編集部
具体的にはどのような団体さんに寄付しているのでしょうか?
王さん
食品の寄付先としては、子ども食堂さん(※)が挙げられます。また、十分な量の食品を購入できない世帯に食品を配るような社会活動をされている団体さんにも、弊社の商品を無償で提供しております。
(※)子どもや保護者、または地域住民に対して栄養価のある食事を無料、または低価格で提供するという社会活動のこと。
加藤貿易で取り扱っている食品はお菓子がメインです。チョコレートやナッツなどを寄付させていただいておりますが、「子どもがとても喜んでいた」というお声を頂けていますね。
編集部
食品の廃棄にもコストはかかるため、寄付先の方々だけでなく加藤貿易さんにとっても利点がある取り組みだといえそうですね。ほかに、ロスを防ぐ取り組みとしてはどのようなことをされているのでしょうか?
王さん
加藤貿易では、食品に関するロスだけでなく、アパレルの分野のロスを防ぐ取り組みも実施しています。例えば、発展途上国のニジェールという国にボクサーパンツを無償で提供しました。
弊社で企画販売しているボクサーパンツブランド「DARK SHINY」は、デザインの豊富さが特徴です。一方で、その豊富さゆえに廃盤となるデザインも多く、在庫として抱えてしまうケースがどうしても出てきてしまうのです。なので単に廃棄するのではなく、ニジェールの例のように活用しております。
編集部
食品だけでなくあらゆる分野のロスを減らす取り組みを進めていらっしゃるのですね。
社員の実態に即し、意見を聞きながら制度を変える
▲基本的に在宅勤務のため、無人のオフィスでロボット掃除機が活躍している
編集部
加藤貿易さんではどんな働き方を採用しているのでしょうか?
王さん
加藤貿易は基本的に在宅勤務制がメインとなっています。たまに必要に応じて出社する社員もいますが、それぞれが裁量を持って自由に出社するか在宅にするか決められます。
在宅勤務であるため、弊社ではこれまでフルフレックス制を採用していました。しかし、実際の働き方とフルフレックス制が合っていないこともあり、2023年10月からは事業場外みなし労働時間制に切り替えています。
編集部
フルフレックス制から事業場外みなし労働制に切り替わった背景について、もうすこし詳しく伺わせてください。
王さん
フルフレックス制から事業場外みなし労働制に切り替えた理由は、その方がプライベートと仕事の両立がしやすいという現状があったためです。
例えば、福岡で勤務していて子育て中の男性社員がいるのですが、日々保育園の送り迎えがあったり、急に子どもを病院に連れて行かなければいけなかったりと、仕事と並行してプライベートの用事を済ませていかなければならない状況だったのです。
フルフレックス制だと勤務時間を自分で決めなければならないため、労働時間を管理するためにも勤務時間を細かく打刻してもらわなければなりません。しかし、プライベートでばたばたしていると、それも難しくなります。
仕事とプライベートのバランスをうまく取るためにも、事業場外みなし労働制を採用しました。
編集部
社員さんの実態に制度を合わせたということですね。
王さん
勤務制度を切り替える際は、社員に事業場外みなし労働制について理解してもらうために制度に関する動画を見てもらいました。
その上で、制度の切り替えに賛成か、または意見があるかということを一人ひとりに確認しながら制度を導入しました。決して強引に進めないよう、気を付けた部分ではあります。
先ほどの社員からは、「家庭のことにも仕事のことにもより向き合える状態になった」という声をもらっていますね。
編集部
全ての社員さんが納得する形で働き方を変えたのですね。
社内チャットで気軽に業務連絡できる環境だからこそ在宅勤務でも仕事が進む
▲日々細かくオンラインミーティングを実施している
編集部
基本的には在宅勤務とのことですが、社員さん同士ではどのように連絡を取り合っているのでしょうか?
王さん
社員のスケジュールに関しては、Googleカレンダーでそれぞれ確認できるようにしています。また、社内チャットで常にやり取りをしているので、コミュニケーションは密に取れていますね。
また、オンラインでのミーティングも日々細かく実施しているので、仕事のやりにくさを感じている社員はいないと思います。
編集部
対面で社員さんが集まる機会はあるのでしょうか?
王さん
年末にオフィスの大掃除をするのでそこでは社員同士が顔を合わせる場合もありますが、「この日に大掃除をするので来てください」というものではないです。
大掃除の日は決めているものの、もし用事がある場合は事前にオフィスに来て自分の担当分はやっておいてくださいという方法を取っていますね。
ただ、先ほどご紹介した福岡の社員など、遠方にいる社員については出社が難しいので、在宅でできる作業をお願いしています。例えば、社内のクラウドに入っているデータや資料の整理などですね。
また、忘年会についても毎年オンラインで開催しています。
編集部
オフラインで集まらなくてもスムーズに仕事が進むような環境にあるのですね。
王さん
何か確認したいことや頼みたいことがあれば遠慮せずチャットで連絡しようという環境があるからこそ、在宅勤務でも円滑に仕事が進められているのだと思います。
オンラインでのコミュニケーションをスムーズにする施策の一つとなっているのが、月に1度開催している参加自由型のオンラインランチ会です。1人あたり2,000円ほどのランチ代が経費として出たうえで、ざっくばらんにメンバー同士が気軽に雑談できる場を提供しています。
編集部
社員同士の交流の仕方も、社員さんそれぞれに裁量権が与えられているのですね。
評価で大切にしているのは数字よりも課題に挑戦する姿勢
編集部
働く時間にとらわれていない加藤貿易さんですが、社員さんはどのように評価されているのでしょうか?
王さん
加藤貿易の社員は3カ月に1度、代表と1on1をする機会があります。そこでは、今後自分がどのように仕事をやっていきたいかということやプライベートで自分がどういうことをしたいかなど自由に話をする機会となっています。
また、各業務担当者と代表とのミーティングが細かく実施されており、今後何が一番大切になってくるかといった優先順位、長期的視野に立った業務の進め方というのを常に確認していきます。そこでは、人事評価も含め数値についてはあまり議題に上がりません。
編集部
数値を追い求め過ぎないというのは加藤貿易さんの一つのカルチャーなのでしょうか?
王さん
加藤貿易には、ノルマのような数字を追求する文化はありません。常に各事業で課題は出てきますが、そういった課題を解決するために挑戦していくことを大切にしています。
編集部
課題解決にトライしていく姿勢が評価のポイントとなるのですね。
夢を叶えるためのノウハウが手に入る職場
編集部
加藤貿易さんの現在の社員数は7名と多くはありませんが、今後社員数についてはどのようにお考えでしょうか?
王さん
加藤貿易としては、ただ社員数を増やしていけばいいとは考えていません。人数を増やすことよりも、社風に合っていること、そして即戦力になる人材であるということを重視しています。なので、こちらが考えているポジションにマッチするかというのを採用の一番のポイントとしています。
編集部
やみくもに人数は増やさず、マッチ度を重視するということですね。最後に、加藤貿易さんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。
王さん
加藤貿易では採用の面談の際、仕事だけでなくプライベートのビジョンについてもお聞きしています。何か夢がある方は、その夢が叶うためのサポートをしていきたいと思っていますし、夢をかなえるためのノウハウを弊社で積み上げていってほしいと考えています。
また、私たちは働く方の雇用形態についてもこだわっていません。最近はフリーランスとして働いていて、自分の強みを生かせるような業務に特化したいという方もいらっしゃいます。そういった方には、業務委託という形態でお仕事を依頼させていただくこともあります。
もちろん、正社員としてオールラウンドに働きたいという方も歓迎です。働き方についてご意向を伺いながら、弊社で活躍してもらうためにはどうすれば良いか考えます。自分の達成したいビジョンがある方は、ぜひ加藤貿易に入社いただければと思います。
編集部
仕事だけでなく、プライベートに関するビジョンも考慮してもらえるというのがとても魅力的だと感じました。本日はありがとうございました。
■取材協力
加藤貿易株式会社:https://katotrade.com/
採用ページ:https://katotrade.com/page_recruit.php