さまざまな国籍の社員たちが活躍し、これまでになかったサービスを提供して成長を続けている企業にインタビューする本企画。今回は、宿泊業界に特化したダイナミックプライシングサービスなどを展開しているメトロエンジン株式会社にお話を伺いました。
宿泊業界に特化したサービスを展開するメトロエンジン株式会社
メトロエンジン株式会社が手掛けているのは宿泊業界、レンタカー業界に特化したサービスです。
宿泊業界に対してはホテルの需要に合わせてAIが自動的に適正な宿泊費を提案するツール「メトロエンジン」、レンタカー業界に対してはレンタカーの在庫状況を一括で管理するツール「メトロコンダクター」を展開しています。
会社名 | メトロエンジン株式会社 |
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住所 | 東京都品川区西五反田七丁目25番5号 西五反田七丁目ビル9階 |
事業内容 | ダイナミックプライシング事業、宿泊特化型事業、レンタカー関連事業 |
設立 | 2016年10月31日 |
公式ページ | https://info.metroengines.jp/ |
コロナ禍が落ち着き、宿泊業界に活気が戻るなか、同社のサービスは多くの宿泊業者に求められています。
業界内トップクラスのシェアを誇る同社の原動力となっているのは、さまざまな国々で活躍しているエンジニアたちです。多様な国籍のエンジニアが活躍し、社員同士で密にコミュニケーションを取りながら業務を進めています。
同社の成長の背景やカルチャーについて、採用担当の東総一郎さん、広報担当の山崎千有美さんにお話を伺いました。
宿泊施設の価格をAIが自動で算出する「メトロエンジン」
▲「メトロエンジン」では宿泊施設の需要をAIで算出して適正な部屋の価格を割り出している
編集部
初めに、メトロエンジンさんの事業内容について伺わせてください。
山崎さん
メトロエンジンはレベニューマネジメントツール「メトロエンジン」や、レンタカーの在庫を一括で管理する「メトロコンダクター」など、宿泊業界、レンタカー業界向けのサービスを展開しております。
「メトロエンジン」は、宿泊施設への需要の状況をAIが自動的に算出し、部屋の適正料金を宿泊業者に対して提案するツールとなっております。
部屋の価格決めをする業務をレベニューマネジメントと呼ぶのですが、宿泊業界の方は景気の状況や過去の予約実績などを加味しながら価格を決めていくことになります。
属人的な業務になっているレベニューマネジメントを自動化させるツールが「メトロエンジン」なのです。
弊社はもともと民泊関係のシステムを提供していたのですが、宿泊業者の方から「価格付けがうまくいかない」という声をいただきました。そんな声に応えていくべく生まれたサービスになります。
編集部
大型連休や繫閑期などの状況を勘案しながら部屋の価格を提案してくれるツールとなっているのですね。
山崎さん
大型連休と平日では部屋の価格がかわってくるというのは、当然宿泊業界の方からすれば当たり前のこととしておさえている情報でしょう。メトロエンジンはそれ以外の複数の情報も考慮して価格を算出しています。
例えば宿泊施設の近くでコンサートの予定があるということや、競合としてベンチマークにしているホテルの価格などもしっかりと拾って価格を出しています。
未来と過去どちらの情報もしっかり把握してロジックを作ることで、宿泊業界の方の負担を減らしているツールが「メトロエンジン」となっています。
▲競合施設の価格状況などから価格を算出することもできる
編集部
メトロエンジンさんのほうでさまざまな宿泊施設やイベントデータを持っていらっしゃるからこそ展開できるサービスですね。
山崎さん
宿泊施設の価格を決めていく上では需要の予測が大切になってきます。では、どうすればより正確に需要を予測できるのかというと、イベント情報やホテルの情報というのが重要になるでしょう。
メトロエンジン以外にも、弊社では保有している膨大なデータを生かしたサービスを展開しています。ホテルやイベントの情報を収集するだけでも宿泊業の方からすればかなりの負担になると思いますので、市場調査ツール「メトロエンジンリサーチプラン」「メトロエンジンベーシックプラン」というのも提供しております。
「リサーチプラン」は日本全国の宿泊施設のデータを見れるもので、「ベーシックプラン」は自社周辺の施設を見れるものです。
編集部
情報収集という部分でも宿泊施設のサポートを手掛けていらっしゃるのですね。
AIを活用しながらも宿泊業者の事情を考慮した設計が高評価
編集部
「メトロエンジン」の反響はいかがでしょうか?
山崎さん
「メトロエンジン」の導入数や商談数、お問い合わせの数はいずれもかなり増えています。コロナ禍によって宿泊業界も大きな打撃を受けたこともあり、なかなか新しいシステムの導入という話にはなりにくかったのですが、今は需要が回復して逆に人手不足の状況にあります。
人手が不足する中で、いかに業務を自動化して売上を伸ばしていくかということを考えた際に、レベニューマネジメントシステムの導入というのは大きな選択肢となるのだと思います。
編集部
「メトロエンジン」のようなサービスを展開する企業はメトロエンジンさん以外にもいらっしゃるのでしょうか?
山崎さん
「メトロエンジン」には競合のツールもありますが、今のところ業界内トップクラスのシェアを誇っています。「メトロエンジン」はAIを活用したツールではありますが、それぞれの宿泊業者さんの事情や考え方に対応できる機能も備えています。
そんなこともあり、レベニューマネジメントを導入するときにまずは話を聞く先として弊社が上がっているのではないかと考えています。
編集部
実際に「メトロエンジン」を導入したクライアントからはどんなフィードバックがあるのでしょうか?
山崎さん
価格設定を「メトロエンジン」のAIに完全に任せていただいているお客様からは作業時間の大幅カットにつながり、新プラン開発やサービス向上のための施策に時間を回せたという声をいただいております。
従来のレベニューマネジメントは担当者がパソコンに向かって価格を吟味したり、価格決めについて会議が開かれたりといった手法が取られていました。「メトロエンジン」を導入することで、そういった工程を省くことができています。
また、価格の変更を頻繁に行っていることで予約獲得数の増加につながっている例もあるようです。
編集部
AIがレベニューマネジメントを担うことで、本当に人の思考が必要な業務に時間を回せているのですね。
在庫自動管理システム『メトロコンダクター』が成長の鍵を握る
編集部
「メトロコンダクター」についても詳細を伺わせてください。
東さん
『メトロコンダクター』は在庫の自動管理システムです。
ホテルを探すときも同様だと思うのですがレンタカーを探すとき、レンタカーの情報が集まった予約サイトで探しますよね。レンタカー業者からすれば、それぞれの予約サイトで自社のレンタカーの在庫状況を管理する必要があるのです。
例えばAという予約サイトでレンタカーの在庫がなくなれば、予約サイトBに登録しているレンタカーを予約サイトAに持ってくるという作業が必要になります。この一連の作業はとても手間がかかりますが、「メトロコンダクター」を導入することで一元管理できます。
編集部
「メトロコンダクター」のようなレンタカー業者向けのツールはこれまで存在していたのでしょうか?
東さん
宿泊業界ではすでに在庫の自動管理システムを多くの宿泊施設で導入していますが、実はレンタカー業界では在庫の自動管理システムが存在していませんでした。なので現在ほとんど競合がいない状況で、システムを提供できています。
今後、「メトロコンダクター」がメトロエンジンの大きな成長要因になり得ると考えています。
編集部
これまでレンタカー業者が抱えてていた課題をメトロエンジンさんが一番手となって解決されているのですね。
エンジニアは全員外国籍、オフィスで多様な言語が飛び交う
▲全エンジニアが外国籍の社員で大半が海外でリモートで勤務しているという
編集部
画期的なツールを開発し提供されているメトロエンジンさんですが、開発の体制についてお聞かせください。
東さん
メトロエンジンのサービス開発を担うエンジニアは全て外国籍のメンバーです。オフィスで勤務しているエンジニアもいますが、半分以上は外国でリモートで勤務しています。
ですので、業務を発注する際はそれぞれの国の言語に合わせて依頼していますね。基本的にはSlackのチャットやハドルミーティングで気軽にコミュニケーションを取っています。
編集部
入社する上では英語のスキルが求められるのでしょうか?
山崎さん
メトロエンジンは採用において英語力は不問としています。私もほぼ日本語で会話しておりますので、その点は不安に思っていただかなくても大丈夫です。
外国語でやり取りをしなければならないという場合があっても翻訳ツールでやり取りできますし、外国語が話せる社員を通じて要件を伝えることもあります。
とはいえオフィスは英語だけでなく、ロシア語や中国語が飛び交っていますので、「語学力を生かした仕事がしたい」という方も活躍できる環境があると思います。
編集部
英語のスキルは必須ではないものの、かなりグローバルな環境にあるといえそうですね。
山崎さん
メトロエンジンは今のところ海外に事業を展開していく予定はありませんが、インバウンド需要が高まれば高まるほど求められるサービスを手掛けています。職場がグローバルな環境にありますし、サービスもグローバルに関わるものであるといえるでしょう。
大切にしている「真心」、意見を否定せず受け入れてくれる環境がある
編集部
メトロエンジンさんはどんな特徴を持った組織だといえそうでしょうか?
山崎さん
メトロエンジンは部署間で壁がないフラットな組織だと感じます。一つの目標に向かって、社員みんなで調整していくという働き方なのです。
メトロエンジンが一つの案件を進める際は、さまざまな立場の社員がかかわることになります。営業がお客様にヒアリングし、その提案をもとにプロジェクトマネジメント部やデータアナリティクス部がシステムのセットアップや価格出しの調整を担います。
一つの部署で固まって動くということがなく、肩書ではなく人ベースで考えて悩みを相談しに行って解決していくというというのが弊社の特徴です。
編集部
東さんはメトロエンジンのカルチャーについてどう感じられているでしょうか?
東さん
なかには上下関係が厳しくて若手が意見できないという会社もあると思うのですが、メトロエンジンはそういった雰囲気が全くありません。良い意見は年齢に関係なく取り入れていきますし、何かしら提案をすればフィードバックも返ってきます。
意見に対し否定で入るのではなく、一旦受け入れてアドバイスをしてくれる環境がありますね。
私たちのカルチャーを作っている原点は、バリューにあると思います。バリューのなかでも「真心」というものがあり、それぞれのメンバーにリスペクトを持って接しよう、意見は歓迎の気持ちで受け入れようという姿勢を示しているのです。
バリューを役員陣が体現できていますので、自然とメンバーにも浸透していると感じます。
編集部
自分の意見をそのまま表現できるフラットな環境があるのですね。
1年目の社員の意見も受け入れる。早いスピードで成長が可能
編集部
メトロエンジンさんでは新卒採用も実施されているとのことですが、活躍されている新入社員さんの事例を伺わせてください。
山崎さん
「メトロエンジン」の初期設定や運用保守を担当している社員がいるのですが、弊社が運営しているホテル特化型のメディアの記事作成も担当しています。
この社員に話を聞いたのですが、入社から約1年が経とうしているなかでタスクを効率的にこなしていく力が身に付いたようです。また、MySQLの使い方について知識がない状態で入社したのですが、今は自分の力で書くことができています。
編集部
さきほどお話しいただいたフラットな環境も新入社員の成長にむすびついていそうですね。
山崎さん
この社員も弊社の良い点について「入社1年目の社員の意見もしっかり聞くところ」と話していました。また、質問に関するレスポンスが早く、問題を即時即日で解決できる点にも魅力を感じているようです。
スピード感や柔軟性を重視して職場を探している方にとって、メトロエンジンは最適な場所だといえるでしょう。さまざまな業務を通じて早いスピードで成長できるはずです。
編集部
1年目からの成長が期待できるということですね。
採用で重視するのは論理的思考力、自分の考えを発信する気概を持った人材を歓迎
▲「メトロエンジンは上下関係もなく、自分が思ったことやアイデアをどんどん発信していける環境がある」と話す山崎さん
編集部
メトロエンジンさんでは現在どんなポジションの人材を求めているでしょうか?
東さん
新卒採用を進めていますが、ありがたいことに全ポジションでもご応募をいただけています。そんななかでもシステムのセッティングといったシステム関係の部署の人材が不足していますので、そのポジションに興味を持っている方に入社いただきたいですね。
編集部
面接ではどういったポイントをチェックされていらっしゃるのでしょうか?
東さん
メトロエンジンの面接には定型的な質問はありません。履歴書や最初のアイスブレイクで話した内容をもとに応募者の内面を深堀していきます。弊社の場合は面接というより面談に近い雰囲気で、社長面接であっても雑談をしながら判断していますね。
そんななかでも、論理的思考力については重要視しています。メトロエンジンのサービスは複雑な部分も多いので、理解力が求められるのです。ですので面接では自分の話したい内容を理解できているか、そもそも自分自身を理解できているかというのは見ているポイントになります。
編集部
自分自身について論理的に説明することが求められるのですね。最後に、メトロエンジンさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。
山崎さん
先ほどもお伝えした通り、メトロエンジンは上下関係もなく、自分が思ったことやアイデアをどんどん発信していける環境があります。いろいろな意見が確立されていくことでサービスが良くなっていくという考え方が根底にありますので、自分の思ったことを声に出していきたいという方は向いているでしょう。
また、別の業界からの入社も大歓迎です。私たちが持っていない視点から発信してくれると思いますので、「思ったことをとりあえず発言しよう」という気概を持った方の入社をお待ちしています。
編集部
さまざまな意見が飛び交うフラットな環境があるからこそ、シェアナンバー1のサービスを生み出せているのだと感じました。本日はありがとうございました。
■取材協力
メトロエンジン株式会社:https://info.metroengines.jp/
採用ページ:https://info.metroengines.jp/recruit