柔軟な働き方で若手社員や女性社員が活躍し、成長を続ける企業にインタビューする本企画。今回は、企業向けシステムの構築・教育・運用・保守を手掛ける株式会社アクシオにお話を伺いました。
株式会社アクシオは「Standing on your Viewpoint」をスローガンに掲げ、エネルギー・インフラ事業などを展開しているSWCC株式会社(旧昭和電線ホールディングス株式会社)を親会社とし、クライアントの目線に立ったITソリューションを提供しています。
ネットワークから最新の仮想化技術、各種情報システムに至るまでのソリューションをトータルで提供しているのが特徴です。特に、ユーザー認証やIDの管理を統合的に行うための「統合認証基盤」分野においてはトップクラスの構築実績を誇り、グローバルで活躍する企業からも高い評価を得ています。
会社名 | 株式会社アクシオ |
---|---|
住所 | 東京都品川区西五反田2-12-19 五反田NNビル5F |
事業内容 | ・法人向けセキュリティ対策 ・ゼロトラスト事業 ・統合認証基盤(ID管理/SSO)の設計・構築・保守 ・ICTインフラシステムの設計・施工監理・運用・保守 ・法人向け業務システムの設計・開発・運用・保守 ・RPA、AI-COR等のソリューション など |
設立 | 1991年12月 |
公式ページ | https://www.axio.co.jp/ |
企業活動に欠かせないICTインフラ整備を担っているアクシオですが、産休育休取得率、産休育休後復帰率100%と、女性が活躍する環境が整えられています。社員が働きやすい環境を作れている要因は、若手社員が制度設計に携わっていることだそうです。
株式会社アクシオの働き方の特徴について、総務部採用担当の竹内柾貴さん、企画室の荒川恵里佳さんにお話を伺いました。
株式会社アクシオの強み:統合認証基盤分野におけるトップクラスの実績
▲株式会社アクシオはクライアントの目線に立ったITソリューションを提供している
編集部
はじめにアクシオさんの事業についてお聞かせください。
荒川さん
アクシオはSIerとして、業務システム、サーバー、ネットワークの構築・教育・運用・保守など、あらゆる業種の企業に対しITを活用したソリューションを提供しています。
特に注力しているのが、統合認証基盤の設計・開発です。統合認証基盤とは、社員のID管理やSSO(シングルサインオン)(※)を実現するシステムのことです。アクシオは「認証のアクシオ」と呼ばれるほど、この分野で高い評価を得ています。
(※)SSOとは、複数のWebアプリケーションの認証を一つのログイン画面に集約することで、一度の認証ですべてのWebアプリケーションに対するシームレスな利用を可能にする機能。利用者の利便性やセキュリティの向上に繋がる。
お客様には数万人規模の企業や大学などの教育機関も含まれています。
編集部
業界内で独自の強みを持っていらっしゃるのですね。クライアントに選ばれる存在になっている要因としては、どのようなことが挙げられるでしょうか?
荒川さん
最大の強みは、スローガンである「Standing on your Viewpoint」に基づいた、徹底的なお客様目線の提案です。加えて、認証基盤技術のビジネスにおいて25年の豊富な経験があり、そこから得られたノウハウをお客様に高く評価いただいていると感じています。
東証プライムに上場する老舗電線メーカーの100%子会社
編集部
アクシオさんは、SWCCさんのグループの一員でいらっしゃるんですね。
荒川さん
はい。アクシオの親会社はSWCC株式会社で、もともとは昭和電線ホールディングスという名前でした。電線やケーブルといったインフラ事業を80年以上手掛けている企業です。その技術はアクシオにも受け継がれており、ネットワーク構築に欠かせない配線工事も一括で請け負っています。
ITソリューションを提供している企業の場合、一般的には「配線工事は別の業者に依頼する」となりがちですが、ITインフラの整備をトータルで担えるという部分がクライアントに選ばれる要因なのではないかと思います。
荒川さん
SWCCは、電線という分野で長年インフラ構築に貢献してきました。アクシオが手がけるITも、いまや水や電気と同じく企業活動には欠かせないものとなっています。
インフラ整備を一括で請け負えるという点は、アクシオの強みと自負しています。
株式会社アクシオの人材育成:充実した研修制度と資格取得支援
編集部
ITのスペシャリストであり続けるために社員の成長は必須だと思います。研修や教育の制度はどのようなものがあるのでしょうか?
竹内さん
新人研修については、2019年に内容が大きく変わりました。
以前は社内の人間が実施する内部研修と、基本的なビジネスマナーを学ぶ外部研修が中心でした。しかし、短すぎる研修期間に対して社員から不満の声が挙がっていました。
そこで、当時の技術部長(現社長の渡邉浩司さん)の「IT企業で働くからには基本的な知識を持ってほしい」「一つの技術だけでなく、マルチに活躍してほしい」という思いから、内容が刷新されました。
具体的には20日ほどITの技術研修を実施しています。この研修では基本的なネットワークの基礎やプログラミング言語について学びます。研修期間も2カ月半まで延長されました。
編集部
社長の思いや社員の声によって、新人研修がITの核心部分を学ぶ形になったのですね。ほかに教育分野の制度はありますか?
竹内さん
アクシオでは、資格取得奨励制度を設けています。会社で認めている約150種類の資格について受験料を会社が負担しています。また、資格試験の合格者には一時金で1~10万円ほどの資格取得奨励金を支給しています。
資格取得については業務上必須のものは取得するよう指示がありますが、基本的には個人の自由となっています。
編集部
資格取得に関して一時金があるのは大きなモチベーションになりそうですね。
荒川さん
実際に私も新人時代にITパスポート試験(※)に合格し、資格取得奨励金をもらえました。直接的にITに関係しないビジネスキャリア検定も制度の対象となっているので、体系的な業務知識を身につけることができます。
(※)ITに関する基礎的な知識を有していることを証明する経済産業省認定の国家試験
編集部
制度の対象がITだけに限らないことで幅広いスキルが身につくのですね。「マルチに活躍してほしい」という渡邉社長の思いが体現されているように感じました。
女性活躍推進:管理職比率向上への具体的取り組み
編集部
アクシオさんの強みである統合認証基盤の部署に、女性の管理職がいらっしゃると伺いました。
竹内さん
はい、その通りです。認証基盤技術部や業務システム部に女性の管理職が在籍しています。二つの部署は異なる事業を扱いますが、役割としては一言でいえばエンジニアです。それぞれが管理職というポジションで、マネジメントや現場の業務に携わっています。
荒川さん
女性でもしっかり結果を出せば管理職に就ける環境が整っています。性別に関係なく、能力と実績に基づいて昇進の機会が与えられています。
編集部
女性が管理職に就ける環境ということですが、具体的にはどんな取り組みが行われているのでしょうか?
荒川さん
アクシオの親会社であるSWCCが、2021年度より社長直轄の女性活躍推進プロジェクト「SWCCarat(カラット)」を立ち上げています。SWCCaratで掲げている目標は、2020年度比で女性の管理職の割合を2倍、課長職以上の割合を7倍にするというものです。
目標達成のために、女性社員のキャリアデザイン研修や世代・所属会社を超えたネットワーク構築、フォローアップ面談が行われています。アクシオからも毎年数名の女性社員が選抜されて研修に参加しています。
さらに、女性活躍の機運をグループ全体で高めるため、部門長向けの研修や全社員向けのダイバーシティ研修も開催されています。
特筆すべきは、SWCCの社長が女性(長谷川隆代社長)であることです。社長自身の経験や考え方を語る講演会も実施され、女性社員のロールモデルとなっています。
編集部
グループ全体で女性活躍に向けて取り組んでいて、実際に親会社では女性の方が代表を務めているという実績があると、女性社員の方のキャリアプランも幅が広がりそうですね。
100%の産休育休取得・復帰率を支える柔軟な勤務制度
編集部
女性が活躍するためには、結婚や出産など、さまざまなライフステージに合わせた働き方ができるかという点が重要になってくると思いますが、いかがでしょうか。
荒川さん
アクシオの産休育休取得率は100%です。また、産休育休復帰率も同じく100%となっています。私自身も2016年に新卒で入社し、2020年に産休育休を取得しました。2021年4月に、今の部署である企画室に復帰しています。
産休育休は最大で2年間取得できます。多くの社員は、子どもを保育園に預けられるタイミングで復帰しています。
竹内さん
育休については、対象となる男性社員の半数が取得しています。男性社員の場合は収入などそれぞれの家庭の事情もありますが、取得したいという思いがあれば問題なく受け入れています。
社員の約10%が育休を取得している状況です。
編集部
取得率だけでなく復帰率が100%とはすごいですね。荒川さん自身も復帰に際して何かハードルに感じることはなかったのでしょうか?
荒川さん
仕事だけでなく、普段のプライベートで仲良くしている先輩社員がいます。産休育休中も連絡を取っていたこともあり、ハードルに感じる部分はありませんでしたね。
▲産休育休や復帰後の働き方について話す荒川さん
編集部
職場に復帰した後も、お子さんが小さいと仕事と育児の両立が難しい部分があると思います。
荒川さん
家族のサポートという部分はもちろんありますが、アクシオの柔軟な働き方も大きいですね。
時短勤務制度はもちろんのこと、テレワーク勤務が社内に浸透しています。基本的には前日までの申請制ですが、例えば子どもが熱を出したときに当日にテレワークに切り替えるなど、柔軟な運用が認められています。
また、2019年12月から実施されている「ウルトラシフト勤務制度」にも助けられています。時間帯を選んで出勤できるため、この制度を活用することでフルタイムで働くことができています。
竹内さん
ウルトラシフト勤務制度について補足すると、これは就業時間をスライドできる制度です。アクシオは標準労働時間が7時間半で、基本的には休憩含め午前9時から午後5時半まで勤務することになります。
ウルトラシフト勤務制度を使うことで、例えば「午前7時から午後3時半」「午前11時から午後7時半」などと、働く時間を自由に設定できます。
編集部
子育て世代だけでなく、あらゆる社員にとってありがたい制度ですね。
竹内さん
利用シーンとしては、通院やお子さんの送迎などといった用事に合わせている場合が多いです。また、朝早くに仕事をしたい「朝型」の社員も利用しているようです。
風通しの良い組織作り:トップダウンとボトムアップの融合
▲社員旅行も実施。皆さんの笑顔が社内の良好な雰囲気を表している
編集部
アクシオさんで働かれていて、率直に社内はどんな雰囲気だとお感じでしょうか?
荒川さん
テレワークやウルトラシフト勤務などを活用して働き方をある程度自分で決められるため、伸び伸びと働いている人が多いと感じています。
また、役職のある人が社員の話をしっかりと聞いてくれて、「やってみたらいい」と言ってくれるんです。組織として風通しが良いと思いますね。
編集部
社員の意見を聞いてくれるという部分で、具体的なエピソードはあるでしょうか?
荒川さん
アクシオでは現在、「ハピエストワーク」という働き方改革プロジェクトを推進しています。これは「社員みんなが幸せに働ける会社を目指す」をスローガンに進めているプロジェクトで、テレワークをはじめとした働き方の制度設計を進めています。設計については、若手社員に委ねてもらえています。
また、「社長に直接」社員からの意見を言える「目安箱」システムがあります。その目安箱を通して、私が社長に「ペーパーレスを進めたい」と提案したところ、社長名でプロジェクトが始まりました。
そのほか、ChatGPTの活用方法を考えるプロジェクトも立ち上がり、こちらも若手中心で進んでいます。
編集部
若手社員中心で働き方に関する制度設計が行われているのですね。設計に当たっては苦労することも多いのではないでしょうか?
荒川さん
部署によって働き方の方針が違うため難しい部分はあります。ルールの土台を作って、ある程度各部署に委ねることも必要ですね。
制度設計にあたっては、まずはお試しで実施し、改善点について社員にアンケートを取って制度に反映しています。つまり、プロジェクトメンバーが一方的に制度を決めるのではなく、社員の意見を反映したものになっています。
編集部
誰かが一方的にルールを決めるのではなく、できるだけ社員一人ひとりの意見を反映していく。アクシオさんの風通しの良さが伝わってきます。
本日の取材で感じたことですが、お二人ともカジュアルな格好をされています。私服勤務OKとのことですが、その点からも風通しの良さを感じますね。
竹内さん
私服勤務については2019年10月に始まりました。親会社のSWCCが、金曜日にカジュアルな格好で出勤する「カジュアルフライデー」を始めたのがきっかけです。
しかし、「アクシオがやるなら曜日関係なくカジュアルにする」という当時の社長(樋口嘉章さん)の方針により、曜日を限定せずに私服勤務が可能になりました。初めはスーツでの勤務が多かったのですが、今ではすっかり定着しました。むしろ、スーツを着ている人の方が珍しいです。
編集部
私服勤務について、どこまでがOKでどこまでがNGなどという基準はあるのでしょうか?
竹内さん
もちろん、服装については時と場所をわきまえなければなりません。例えば短パンやダメージジーンズ、露出の多い服などはあまり好ましくありませんが、普通のジーンズなどは全く問題ありません。また、お客様を訪問する際は、やはりスーツで伺います。
編集部
基本的なTPOを押さえたうえで、社員が自分で考えて服装を選んでいるということですね。
▲屋形船での東京湾海遊など社内イベントも随時開催されている
編集部
風通しの良い組織づくりには社員同士のコミュニケーションが欠かせないと思いますが、コミュニケーション促進のためにアクシオさんではどのようなことが行われているでしょうか?
竹内さん
アクシオでは、毎年社内イベントを開催しています。主に3つあり、屋形船での東京湾回遊、社員旅行、ボウリングなどの新入社員歓迎イベントです。
編集部
屋形船に乗るという体験は、なかなかできないですよね。
竹内さん
最近は社会情勢の変化もあって実施できていなかったのですが、毎年恒例のイベントでした。60~70人ほどの社員が参加していましたね。最近の新入社員は屋形船のような昭和的なイベントが好きな傾向にあることが多いです。今年は4年ぶりの開催を計画しています。
株式会社アクシオが求める人材像:多様性を尊重し、チーム貢献を重視
▲社内の雰囲気について話す竹内さん
編集部
アクシオさんの風通しの良さが伝わってきましたが、社内の雰囲気を一言で表すとどのようなものになりますか?
竹内さん
アクシオの雰囲気を一言で言うと「アットホーム」が最も当てはまる言葉だと思います。気さくな人が多く、アクシオに入社する理由として「雰囲気が良い」と言う人がほとんどです。
アットホームというと、ありきたりで特徴がないと思われるかもしれません。しかし、アクシオの場合は「特徴がないのが特徴」と言えるでしょう。
採用担当同士でアクシオの特徴について話し合ったことがありますが、それぞれアクシオについての見方が異なっていました。様々な見方があり、多様な性格の人が集まっているからこそ、平均して特徴がゼロになるのです。アクシオは多様な人材が集まる組織だと言えます。
編集部
それぞれの社員が一人ひとりの意見を尊重するからこそ、アットホームな雰囲気を生み出せているのですね。今後、どのような方にアクシオさんに入社してほしいですか?
竹内さん
先ほどもお伝えした通り、アクシオには様々な人がいます。そのため、「こういう人」と限定するのは難しいですね。学歴や経歴、性別などで違いが出る組織ではなく、「来た人を歓迎する」というスタンスです。
多様な人がいるからこそ、ビジネスが成り立っていくと考えています。
荒川さん
あえて言えば、有名企業と働く機会があるので、大きな仕事にチャレンジしたい方はアクシオに合うかもしれません。また、社内の人と協力して仕事を進めていきたいという思いを持った方を大歓迎します。ぜひ一緒に働きましょう!
編集部
アクシオさんの組織の柔軟性が伝わってきました。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社アクシオ:https://www.axio.co.jp/
採用ページ:https://www.axio.co.jp/recruit/