ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、1910年創業という歴史を持ち、福井県を拠点にノベルティ事業とダイレクトメール事業を展開しているチャンスメーカー株式会社にインタビューしました。
同社は110年を超える社歴がありながらも、4代目として就任した代表取締役の平林さんにより「老舗ベンチャー」としての急成長を実現しました。学生ベンチャーの受け入れや、福井から全国展開し地域貢献を目指すなど、次々と新しい挑戦を続けるところにもその姿勢は表れています。
また、女性の社員比率が6割以上、女性管理職は40%と高い比率を誇り、育児と仕事の両立支援など、女性も働きやすい環境づくりに力を入れています。
今回は、チャンスメーカー株式会社のベンチャー的な社風やセールス職の働きがい、女性の働く環境について、代表取締役の平林さんとインサイドセールス部長の大西さんにお話を聞かせて頂きました。
チャンスメーカーの社風|110年以上の歴史を持つベンチャー
▲同社が手掛けるノベルティグッズの数々
編集部
チャンスメーカーは1910年に創業されていて、いわゆる老舗というイメージを持たれがちだと思います。実際の社風はいかがでしょうか?
平林さん
歴史は長いのですが、社風はかなりベンチャー的だと思いますよ。
私が2003年に4代目代表取締役として就任した当時は、社員10名程度、売上はおよそ9,000万円でした。現在は社員数210名以上、売上60億円以上となっています(2024年12月時点)。この成長速度や、2019年に「平林印刷」から現社名である「チャンスメーカー株式会社」に改称したことからも、その一端はおわかりいただけるかと思います。
編集部
そのような急成長を遂げられた要因は何でしょうか?
平林さん
特別な背景はないんです。ただ、会社を大きくしていくためには、まずお客様に選ばれる必要があります。そのためにはお客様に当社の戦略やサービスを理解して頂き、それと同時に必要性を感じてもらうことが重要です。価値あるサービスを提供し続けることで信用を得て、自然と業績が向上したと捉えています。
事業面からご説明すると、当社ではノベルティ事業とダイレクトメール事業を主軸としており、特に2005年に開始した「販促花子」というノベルティ事業を通じて大きく成長することができました。
ノベルティでよく見かけるポケットティッシュは、値段だけ見ると非常に安価です。ただ、冬場は良くても夏場に使う機会は少ないですよね。私たちのミッションは「お客様の業績拡大をお手伝いする」ことなので、果たしてその商品で良いのかを考え、適切な提案をしてお客様と信頼関係を築くことを心掛けています。
私たちのこういった想いがお客様に少しでも伝われば、当社を選んでいただける理由になるのではないかと考えています。
学生ベンチャーを会社に受け入れ。若手の可能性と成長を応援
編集部
御社のベンチャー的な社風が表れているような事例はあるでしょうか。
平林さん
一例を挙げると、2025年4月には学生ベンチャーの受け入れが決まっています。
彼らは大学に通いながらLINE広告をベースにした事業を展開しており、チャンスメーカーの事業とのシナジーが期待できました。当初は外部パートナーとしての関係を想定していましたが、当社の持つ資産、お客様との繋がり、社員のリソースを活用することで大きく成長すると判断したため、ひとつの部署としてそのまま迎え入れることにしたんです。
この学生は入社後に課長職という役職がつき、それに見合った報酬も用意しています。学生ベンチャーはどうしても収入面で不安定になりがちで、ビジネス的にもなかなかスケールできないことも多いですが、スタート時点でバックアップできることを伝えて、ジョインしてもらえることになりました。
編集部
その時点では社外の関係者だったにもかかわらず、若い世代に積極的にチャレンジの機会を提供しているんですね。
平林さん
はい。私自身、若い頃に多くのチャンスを頂き、会社の規模以上の仕事を任せて頂いた経験も多々あります。その経験を次世代に繋ぎ、今度は20代・30代の方々に活躍の場所を提供していきたいと考えています。
経験を通じて人は成長します。そのために、会社の組織を大きくして新しいポジションをどんどん作り、若い方々にチャレンジできる環境を用意していきたいと考えています。
福井を本拠地に雇用を創出し地域貢献。働きやすいオフィスも自慢
▲福井本社の休憩室。明るい雰囲気で社員同士の話も弾みやすそう
編集部
福井県を拠点とする企業として、将来的な目標があれば教えてください。
平林さん
福井県に本社を置きながら、全国展開するビジネスモデルを確立することで、地域の雇用創出や経済発展に寄与していきたいと考えています。
福井県の認知を高めて、もっと豊かな街にするためには、集客目的の単発的なイベントももちろん大切ですが、それ以上に継続的な雇用創出が重要だと考えています。魅力のある働きやすい会社を作ることで、地方都市でもこのような企業があるのだと認知して頂き、福井への移住や定住に繋がると考えています。
会社の規模が大きくなればそれだけ雇用の機会を増やすことができます。安定して働ける場所を提供することが地域貢献に繋がり、それに伴い業績が上がればなおのこと嬉しいですよね。
編集部
東京では大手町にオフィスを構えているほか、本拠地である福井本社も素敵なオフィスだと伺っています。働く環境から、「地方企業」のイメージを変えていこうとされているのでしょうか。
平林さん
その一面もあります。ただ、東京オフィスとも共通するのですが、華やかさというよりは働きやすく居心地のよい環境づくりを重視しています。福井本社は、何よりロケーションが素晴らしいんです。郊外に位置していて、周りの景色がとても綺麗です。この景観は当面の間は変わらないでしょう。
オフィスでの取り組みとしては、例えば社内では靴を脱いで過ごすようにしています。些細なことかもしれませんが、家に帰ったときのようにリラックスできる環境で仕事をしてほしいという想いを込めています。将来的には社員食堂の設置を目標にしていて、会社負担で食事提供をすることで社員の負担軽減に繋がると考えています。
大西さん
私は現在福井オフィスに勤務していますが、景観の良さはもちろんのこと、良い人ばかりの職場です。平林からはいつも「仲良しクラブを作っているわけじゃないぞ」と言われますが、やっぱり嫌な人がいないと社員同士で相談がしやすいので、そういった環境は毎日楽しく働ける要素の一つだと思っています。
女性社員に聞く「セールス部門の働きがい」とは
編集部
現在、セールス部門の採用に力を入れていると伺いました。チャンスメーカーのセールス職の特徴と働きがいを教えてください。
大西さん
私が所属するインサイドセールス部門は、全国を対象に営業活動を行っています。福井県という地方都市を拠点としながら、北海道から沖縄まで全国展開できることが大きな特徴です。
アウトバウンド(企業側から顧客へのアプローチ)で営業することもあるので、お客様が現時点でノベルティやダイレクトメールを必要としていない状態でも、その会社の営業促進やチャンス創出のために何ができるかを提案していきます。
チャンスメイクをさせて頂きたいという気持ちで営業をしているので、結果的に、お客様から「この課題はどう解決したらよいでしょうか」、「他社の事例を教えてください」といったアドバイスを求められるような信頼関係を築けることが、大きな働きがいになっています。
平林さん
セールス活動は、ついつい「安いですよ」と価格面を強調しがちです。しかし、それは必ずしもお客様にとって最適な提案とは限りません。価格だけの提案では、2回目以降の取引に繋がらないこともあります。そのため、私たちは価格以外の価値を提案することを重視しています。
私達のミッションとは何なのかと繰り返し理解することで、価格に依存しない営業スタイルと、顧客との長期的な関係構築を重視する企業姿勢が伝わるのではないでしょうか。
編集部
セールス職はインセンティブ制度があると伺いました。地方を拠点としながら、収入面でも都心部と遜色なく働けるケースもあるのでしょうか。
平林さん
はい。現在のトップセールスは年収1,500万から2,000万円程度を実現しています。基本給は県内企業と遜色ない水準を確保した上で、プラスアルファの部分は本人の頑張り次第で見合った報酬を得られるような制度設計です。
手厚い福利厚生とサポート体制で仕事と育児の両立を支援
編集部
大西さんはお子さんが2人いると伺っているのですが、育児と仕事の両立は大変ではないでしょうか。
大西さん
実は、そこまで大変だと感じていません。それは、職場のメンバーの協力的な雰囲気はもちろん、社内制度を含めた周囲の協力体制が整っているからだと思います。
私の役目は、これから結婚や出産を経験する若い社員たちのためにも、産休や育休後も職場復帰しやすく、誰もが働きやすい会社づくりに貢献することだと考えています。現在、部長職としてその目標に向かって努力している状況です。
平林さん
育児中の社員は、非常に高い生産性を発揮していますね。時間が限られているからこそ、集中して仕事に取り組むというのが日頃の態度からも伝わってきます。一見デメリットに思えることが、実はメリットになっているのです。
編集部
職場復帰される際や子育てと仕事を両立する中で、役に立った制度や取り組みがあれば教えてください。
大西さん
チャンスメーカーで2度の産休・育休取得と職場復帰を経験して、特徴的だと感じている支援制度はたくさんあります。
まず、子どもの1歳の誕生日に特別休暇を取得できる「ハッピーワンス制度」。育休からの復帰は子どもが1歳の誕生日からですが、その日を休暇にできるというものです。たった1日かもしれませんが、家族を大切にしながら働いてほしいという会社の想いを感じられる制度だと思います。
また、子ども手当も充実しており、最近さらに拡充されました。その他にも介護休暇や家賃補助など、福利厚生が多種多様で手厚いことがありがたいですね。
編集部
御社は福井県の女性活躍推進企業プラス認定を受けており、女性の社員比率が6割、女性管理職が40%と高い数字を誇っていますが、これは何か取り組みをした結果ですか。
平林さん
実は、全く意識していません。たまたま採用をした女性が優秀だったというだけで、性別で判断していないんです。結果として女性比率が多くなっている状況ですね。
チャンスメーカーの採用方針|チャレンジ精神がある方を歓迎
編集部
最後になりますが、転職を検討している読者の方へメッセージをお願いします。
平林さん
私は入社される方全員に「素敵なプライベートの夢を持ってください」とお伝えしています。人生の夢、大きな目標が定まれば、実現するためのプランが立てられます。そして、プランを実行する手段として仕事があると考えています。そうすることで、仕事の意味ややりがいが理解できるはずです。
「素敵な夢に向かって積極的にチャレンジしてほしい」といつも社員にはお願いしていて、そこに共感できる方を求めています。夢の実現は一人では難しいものです。しかし、同じ志を持つ仲間が集まれば、互いに刺激し合える環境が生まれます。特に20代・30代の方々が成功できる場を作ることが会社の夢でもありますので、「チャレンジしたい人はウェルカム」という感じですね。
大西さん
私がこの会社に入社を決めたのは、社長にお会いしたことがきっかけでした。印刷やノベルティの知識も経験もない状態でしたが、社長の熱い夢に共感し、どんな状況でもチャレンジし続ける会社だと確信しました。
入社から数年経った今でも、経営陣を含め全社員が常にチャレンジを続けて働いています。まだ完璧な会社ではないかもしれませんが、完璧を目指して走り続ける会社です。そんな私たちと一緒に素敵な会社を作っていける仲間と出会えることを楽しみにしています。
編集部
チャンスメーカー株式会社は確固たるミッションが掲げられており、それに向かって仕事をする楽しさとやりがいが満ちていますね。本日はありがとうございました。
編集後記
この記事のまとめ
企業の特徴 |
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働く環境 |
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福利厚生 |
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女性の活躍 |
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社風 |
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給与・評価 |
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チャンスメーカー株式会社の基本情報
住所 | 【本社】 福井県坂井市坂井町福島8-1-5 【東京本社】 東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア イーストタワー17階 |
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事業内容 | ・情報通信業 ・SPソリューション事業 |
設立 | 1972年4月 |
公式ページ | https://www.ch-mk.jp/ |
採用ページ | https://recruit.ch-mk.jp/ |
募集職種 | セールス、エンジニアなど |