志木市役所の働き方:民間企業経験者を歓迎!未経験でも着実にスキルアップできる環境

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、埼玉県志木市役所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、志木市役所で働く魅力をご紹介します。

志木市役所は、民間企業経験者の積極採用を進める自治体です。手厚い研修制度や周囲のサポート体制のもと、未経験でも安心して知識やスキルを習得していける環境があります。また2025年4月から新たな働き方改革をスタートさせるなど、ワークライフバランスの実現に向けた先進的な取り組みも特徴です。

今回は志木市役所のスキルアップ支援やサポート体制、働き方改革などについて、人事課の森田さん、高原さん、新井さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
志木市役所人事課の森田さん

森田真一さん

志木市役所人事課主査。県内団体の事務職からの転職で平成27年10月に入庁(10年目)。保険年金課と外部派遣を経て、現在は人事課で職員研修や働きやすい職場環境づくりなどの業務に従事している。

志木市役所人事課の高原さん

高原幸太さん

志木市役所人事課主事。高齢者向けの雑誌編集職に携わり、自治体の影響力の大きさに心を動かされて令和元年8月に入庁(6年目)。現在は職員の福利厚生に関する業務に従事している。

志木市役所人事課の新井さん

新井貴晃さん

志木市役所人事課主事(6年目)。民間企業でサービス業を経験後、同市の先進的なまちづくり施策に惹かれて入庁。

民間企業からの転職者多数。未経験者を支える充実のサポート体制あり

志木市役所のノルディックウォーキング・ポールウォーキング全国大会の様子
▲志木市で開催されたノルディックウォーキング・ポールウォーキング全国大会の開催風景

編集部

志木市役所は民間企業からの転職者が多いとのことですが、直近の転職者の採用状況を教えていただけますか?

新井さん

民間企業での経験を活かして活躍できる人材の積極採用を進めており、直近3年間の入庁者の内、約7割が民間企業からの転職者となっています。年に2回の採用試験の実施やSPI試験の導入によって、民間企業から転身しやすい環境を整えています。

編集部

未経験者が市役所業務を行う上で、どのようなサポート体制がありますか?

森田さん

新規採用職員のサポート制度には、大きく分けて「職員研修」と「指導員制度」の2つがあります。

まず1点目の「職員研修」に関して、入庁後1年間は密な研修プログラムがあるのが特徴です。接遇研修や公文書に関する研修、デジタル入門研修、防災意識向上のための危機管理研修など、志木市役所職員として必要な知識や姿勢を一から学ぶことができます。

志木市役所の研修風景
▲庁内研修風景

森田さん

2点目の「指導員制度」は、新規採用職員に対して職階の近い先輩職員が指導役を務める制度です。例えばビジネスマナーやメールの送り方なども含め、業務全般をサポートしています。指導員となる職員の指導力向上も目的としており、指導員を通じて確認・指導を行う体制を整えています。

志木市役所のオフィス内風景
▲指導員制度の様子。入庁後半年以内の職員は「研修中」のプレートを付けて窓口対応を行う

編集部

新井さんは民間企業から転職されて、実際に役に立ったと感じる制度はありますか?

新井さん

手厚い研修制度がとても役に立ちました。中でも、接遇研修が印象に残っています。私自身サービス業出身のため接客の経験はあったのですが、改めて電話の取り方やメールの送付方法などを学び直すとても良い機会となりました。民間企業からの転職で不安だった、公務員法や税金など公務員ならではの知識面も、研修でしっかりと学ぶ機会があったため、安心して知識を身に付けていくことができました。

また風通しが良く、周囲に相談しやすい環境があったこともポイントです。グループ全体でサポートしてくれる体制があり、一人で抱え込むことなく業務にあたることができました。

キャリアに応じた段階的な研修で、継続的なスキルアップが叶う

編集部

入庁後2年目以降のスキルアップ機会もあるのでしょうか。

森田さん

はい。志木市役所では新規採用職員に限らず全職員を対象に、年間を通じて手厚い研修機会を提供しています。具体的には人事課主導のもと、庁内研修からオンライン研修、外部研修までさまざまな研修プログラムを展開し、全職員が1年間で必ず1つ以上の研修を受講できる環境を整えています。

オンラインセミナー受講中の志木市役所の職員の様子
▲受講しやすさを考慮し、オンラインセミナーのプログラムも豊富に用意

編集部

どのような研修内容を実施されているのでしょうか。

森田さん

キャリアの各段階に応じたスキル習得ができるプログラムとして、職員の長期的なキャリア形成を支えています。例えば主査級に昇進した職員向けには、その職階で必要となる法制執務の知識など、より専門的な内容の研修を用意しています。

人事課が計画する研修プログラム以外にも、手上げ式で外部研修に参加することも可能です。実際に多くの職員が、プレゼンテーション用の資料作成や保健師の保健指導など、職種に応じてさまざまな研修を受講しています。職員の自己研鑽を奨励するため、年間1人5万円を上限とした研修費用の補助制度を設けています。

ワークライフバランス:2025年度から3つの働き方改革をスタート

志木市役所の働き方改革推進事業ポスター
▲働き方改革推進事業のポスター

編集部

志木市役所の働きやすい職場環境づくりについて、特徴的な取り組みを教えていただけますか?

森田さん

2025年4月から「志木市職員働き方改革推進事業」を開始します。具体的な改革内容は3点です。

1点目が開庁時間の変更です。従来の8時30分から17時15分の開庁時間を、8時45分から16時30分に変更します。これまで窓口の受付時間と勤務時間が同じであり、準備や事後処理は時間外労働を前提としている状況がありました。それを改善し、時間外労働の削減と適切な働き方を実現するのが目的です。

2点目がビジネスカジュアルの導入です。TPOにふさわしい服装であることを前提に、通年ノーネクタイ、ノージャケットを可とし、スニーカーも着用できるようになります。

3点目が、勤務間インターバルの導入とテレワーク利用の拡充です。勤務間インターバルは、勤務終了から次の勤務開始まで原則11時間の休息時間を設けるもので、県内初の試みとなります。テレワークについても、これまでの介護や子育てという条件を撤廃し、所属長が業務遂行上問題ないと認めれば利用できるよう制度を拡充します。

高原さん

こうした労働条件改善の取り組みに加え、心理的な働きやすさに配慮した取り組みとして、2024年6月に県内で初めて「ハラスメントしない・させない・ゆるさない宣言」を発表しました。職員間のハラスメントや窓口でのカスタマーハラスメントに対して、現場任せにせず組織として毅然と対応していく姿勢を示しています。

早朝からの勤務も可能。13種類のフレックスタイムから選べる柔軟な働き方

編集部

他にも、現状運用されている働きやすさのための仕組みはありますか?

森田さん

フレックスタイム制が充実しており、13種類の勤務時間帯から選択できるのが魅力です。勤務開始時間は早朝6時30分から午後1時15分まで約30分刻みで設定されており、家庭の事情や夜間の会議対応など、職員の多様な働き方に対応しています。私自身4人の子育てをしながら働いているため、とても助かっています。

高原さん

普段の業務では、職員自らが1日のスケジュールを時間単位で管理する、タイムマネジメントの取り組みを推奨しています。これは以前から導入している志木市役所独自の仕組みで、2025年4月から開始する「志木市職員働き方改革推進事業」の下地となっています。

具体的には、その日に行う業務を洗い出し、何時に何を行うというスケジュールを職員本人に立ててもらっています。そしてその日の最後に業務の進捗状況や未達の理由を振り返るという流れです。各職員の進捗は他の職員も閲覧できるため、業務の可視化やフォロー体制の構築につながる仕組みとなっています。

組織風土:風通しが良くコミュニケーションが活発

志木市役所の仕事風景

編集部

志木市役所ならではの組織風土だと感じるのはどんなところでしょうか?

新井さん

職場全体で、グループや部署を超えた職員同士のコミュニケーションが活発なところです。普段から他部署と協働で業務を行うことも多く、加えて定期的な人事異動によってさらに交流の輪を広げていける環境があります。新庁舎では顔の見えるオフィス環境となったことで、さらに風通しの良いコミュニケーション文化が加速していますね。

志木市役所のオフィス内風景
▲グループ間の壁がなく職員の顔が見渡せる、コミュニケーションを取りやすいオフィス環境

新井さん

付け加えると、交流が活発なのは職員同士だけではないんです。志木市では市民参加のまちづくりを推進しており、市民との協働機会が多いのも特徴です。

私が最初に配属された市民活動推進課でも、防犯活動や町内会活動の支援など、市民の方とコミュニケーションを取りながら仕事をする機会が多くありました。市民と一緒に志木市のまちづくりを進めていけることは、志木市役所で仕事をする上での大きな魅力の1つです。

志木市役所のフレイルサポーター交流会(左)、志木市役所の健康フェアの様子(右)
▲健康に関するイベント風景。市民とのふれあいや協働の機会が多いことが、志木市役所での仕事の魅力

求める人物像:高い志と熱意を持ち、努力を惜しまない人材

志木市の史跡「田子山富士塚」(上段)、志木市役所の庁舎外観(左下)、志木駅東口駅前イルミネーションの様子(右下)
▲都会と自然が調和した街並みが志木市の魅力

編集部

志木市役所の求める人物像を教えてください。

新井さん

「市民とともに汗をかき、自ら磨き続ける努力を惜しまない職員」を求める人物像に掲げています。高い志と熱意を持ち、志木市のまちづくりに貢献できる人材を歓迎します。

編集部

新井さんご自身は、どのような動機で志木市役所に転職されたのでしょうか。

新井さん

長期的なキャリアの中で自己成長したいと考え、数年のサイクルで多種多様な業務を経験できる公務員に興味を持ったのがきっかけです。その中でも志木市役所を選んだのは、他自治体の先進事例となるようなまちづくり施策を多数行っていることが主な理由です。

特に「犯罪に強いまち志木」を掲げ、警察や町内会等と連携しながら市内に120台の防犯カメラを設置する取り組みに感銘を受けました。志木市役所なら市民の安全安心な生活を支えるやりがいを得ながら、自身を成長させられるような新しいチャレンジができると感じ、志望しました。

また、都心へのアクセスの良さや、都会と自然の良さが共存したまちとしての魅力を感じたことも理由の1つです。

志木市役所から読者へのメッセージ

志木市役所の庁舎外観
▲庁舎外観

編集部

最後に、民間企業から市役所への転職を検討されている読者に向けてメッセージをお願いします。

新井さん

未経験の職種に飛び込むことには、当然不安があると思います。しかし志木市役所では充実した研修制度と周囲のサポート体制のもとで、業務に必要な知識や技術を身に付けながら成長していける環境があります。

市役所の仕事は非常に多岐にわたるため、民間企業で培った経験は必ず市役所の業務でも生かせるはずです。高い志と熱意を持って新しいことにチャレンジしたい方、今までの経験を志木市のまちづくりに生かしていきたいという意欲のある方は、ぜひ志木市役所での勤務を検討していただければと思います。

編集部

森田さん、高原さん、新井さん、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!

編集後記

手厚い研修体制のもとで、未経験から入庁した方ももちろんのこと、すべての職員が長期的なキャリアの中で継続して成長していける環境があると感じました。また開庁時間の短縮などで「残業ありき」の働き方を見直す改革や、柔軟なフレックスタイムの運用など、個々のライフスタイルに応じた働き方ができる点も魅力的です。

この記事のまとめ

転職者の受け入れ体制
  • 直近3年間の採用者の約7割が民間企業からの転職者
  • 年2回(4月・8月)の採用機会を設定
  • 公務員試験に加えSPI試験を導入し転職しやすい環境を整備
未経験者サポート
  • 2年目以降の先輩職員による指導員制度を導入
  • 年間1人5万円を上限とした自主研修補助制度あり
  • 入庁後1年間の集中的な研修プログラムを実施
働き方改革の特徴
  • 13種類から選べるフレックスタイム制(早朝6時30分~午後1時15分)
  • 所属長の承認制のテレワーク
  • 開庁時間の見直し・勤務間インターバル(11時間)等の働き方改革を実施
職場環境・社風
  • 部署間の壁がない開放的なオフィス環境
  • 数年ごとの人事異動により部署を越えた人間関係を構築可能
  • 職員同士で業務進捗を共有し、相互フォローができる体制
求める人物像
  • 高い志と熱意を持ち、新しいことにチャレンジする意欲がある人
  • これまでの経験を志木市のまちづくりに活かしたい人
  • 自らの職員としての能力を高める努力を惜しまない人

志木市役所の基本情報

市役所名 埼玉県 志木市役所
住所 埼玉県志木市中宗岡一丁目1番1号
働き方
  • テレワーク(承認制)
  • フレックスタイム制度(6:30から13:15の13種類から勤務開始時間を選択可能)
  • 勤務間インターバル
  • ビジネスカジュアル
  • 開庁時間 8:45~16:30(市庁舎のみ)
公式ページ https://www.city.shiki.lg.jp/
採用情報 https://www.city.shiki.lg.jp/life/4/37/198/
募集職種 事務職、技術職、その他専門職
取材・編集
紫竹淳志のプロフィール写真

ミライのお仕事編集部

紫竹 淳志

元新聞記者として約10年間、地方行政や選挙、プロ・アマチュアスポーツなど幅広い分野の取材経験あり。ミライのお仕事では、ソフトバンク株式会社や東京商工会議所、株式会社オープンハウスグループなど、数多くの著名企業や教育機関への取材を担当。