エンジニアのやりがいとワークライフバランスをともに大切にできる環境づくりを進める企業を紹介するこの企画。今回は企業の業務効率化や生産性向上に貢献するソフトウェア製品とサービスを自社で開発する、株式会社サイバーテックにお話を伺いました。同社は、独自の技術力を活かし、顧客企業のニーズに合わせたカスタマイズ性の高いソリューションを提供しています。
株式会社サイバーテック:「ITによる社会貢献」を掲げる革新的企業
株式会社サイバーテックは「ITによる社会貢献」を企業理念に掲げ、マニュアル作成システム「PMX」などの自社製品を開発・提供しています。また、Web分野の専門知識を活かし、多様なITサービスを展開しています。東京都渋谷区に本社を置き、フィリピン・セブ島の自社オフショア拠点と連携しながら、マニュアルを「読んでもらえる」ようにするための革新的な取り組みを行っています。
特に、ドキュメントのデータフォーマットとして業界標準となっている「XML」技術に長年携わってきました。その確かな技術力を基盤に、「IT×マニュアル」分野で強みを持つリーディングカンパニーとして、新たな価値創造に取り組んでいます。
会社名 | 株式会社サイバーテック |
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住所 | 東京都渋谷区円山町20-1新大宗道玄坂上ビル7階 |
事業内容 | ・ドキュメントDX事業 ・CMS・Web運用事業 ・英語圏オフショア事業 |
設立 | 平成10年(1998年)9月8日 |
公式ページ | https://www.cybertech.co.jp/ |
働き方 | ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク) |
今回は、サイバーテックの特徴である専門性の高い分野でのスキル習得や、自社開発製品を活かした柔軟な働き方の魅力について、代表取締役の橋元さんに詳しくお話を伺いました。
自社製品開発がもたらすエンジニアの成長とキャリアの可能性
編集部
まずはエンジニアのテーマについて伺います。サイバーテックのエンジニアの仕事や働き方の特徴はどのような点にありますか?
橋元さん
サイバーテックは「オリジナリティあふれる企業」として、他の会社とは一味違う自社製品の提供や、それらを開発するエンジニアのあり方を目指しています。一般的なエンジニア派遣とは異なり、SES(客先常駐)などで特定の開発にスポット的に協力するのではなく、より包括的なアプローチを取っています。
具体的には、企業様の持つ課題を解決するための製品を自社開発で提供しています。主力製品であるマニュアル作成システム「PMX」を中心に、専門性の高い分野に特化しているため、「この領域のことであればサイバーテックに聞こう」という代替のきかないポジションを確立しています。エンジニアを含むサイバーテックの全職種で、高い専門性を活かしてお客様に価値を提供できる環境が整っています。
編集部
自社開発がメインとのことですが、いわゆる受託開発業務は行っていないのですか?
橋元さん
その通りです。製品開発の過程では、お客様と直接対話し、業務上の課題や悩みを把握しています。しかし、個別の要望をそのまま開発するのではなく、複数の企業様からの意見を集約し、ロードマップを作成して仕様を検討します。これにより、より多くの企業様の課題を解決できる製品を開発しています。
サイバーテックのエンジニアは、お客様との直接対話を通じて開発を行っています。リアルな課題感を把握した上で開発ができるため、単に「言われたことをやる」だけではなく、エンジニアとしての深いやりがいにつながっています。
自社開発だからこそ実現できる柔軟なスケジューリングと働きやすさ
編集部
受託開発ではお客様主導の開発スケジュールに左右されることが多いという課題もよく聞きますが、サイバーテックさんのエンジニアの働き方についてはいかがですか?
橋元さん
確かに受託開発の場合、お客様の仕様変更などでスケジュールにズレが生じたり、納期を厳守するために徹夜続きになったりすることがあります。サイバーテックでも以前は受託開発をメインで行っていましたが、プロジェクトマネジメントをしっかり行っても、そういった事態は発生していました。
現在は自社製品の開発を行っているため、リリース時期などのスケジューリングを自社でコントロールできています。そのため徹夜残業や休日出勤といったことは生じません。エンジニアが自分のペースで仕事をしていける環境を整えています。例えば、柔軟な勤務時間や在宅勤務の選択肢も提供しており、ワークライフバランスを重視した働き方を実現しています。
編集部
エンジニアとしての高いやりがいと働きやすさが共存した、充実した開発環境があるんですね。
多様な業務経験がもたらす豊富なキャリアパスの選択肢
編集部
サイバーテックさんのエンジニアの方は、どのようなキャリア形成が可能なのかを教えてください。
橋元さん
サイバーテックでは、自社開発製品を直接お客様に販売しており、エンジニアを含む社員全員がそのプロセス全体に関わることができます。
当社では開発だけでなく、見込み顧客の獲得といったマーケティングや、製品導入後の顧客支援など多様なプロセスが存在するため、幅広いキャリアパスの選択肢があります。社員一人ひとりが自分に合ったキャリアを見つけられることがサイバーテックの魅力です。
エンジニアの視点から見ると、単調な運用業務や派遣での部分的な開発ではなく、多岐にわたる業務を経験できるため、飽きることなく楽しく仕事ができるのも大きな魅力です。
編集部
キャリア形成に関しては、面談などを通じて本人の希望を聞きながら会社がサポートしていくという形なのでしょうか?
橋元さん
社員の希望や適性を考慮しながら、適切な業務を割り当てています。これは制度化された面談というよりも、日々の業務の様子を通じて把握しています。
サイバーテックでは月1回の懇親会や催し物など交流の機会が豊富にあるため、業務適性だけでなく個人の希望もコミュニケーションを通じて確認できています。このような機会を通じて、社員一人ひとりのキャリア形成を支援しています。
段階的な研修プログラムで未経験エンジニアの成長をサポート
編集部
サイバーテックさんではどのようにエンジニアの方の成長をサポートされているのでしょうか。
橋元さん
製品開発で発生する様々なタスクの難易度を3段階に振り分けて、段階的にタスクを任せることで成長を促しています。
サイバーテックでは未経験エンジニアも採用しているため、その場合はさらに手厚い研修を行います。まずJava基礎研修という3か月の社外研修からスタートし、その後Java社内研修を2か月実施します。この社内研修では応用学習として模擬開発も行います。さらにそこから4か月の自社製品開発研修を行い、過去の開発事例を学んでいきます。こうした段階的な研修を経て、実際の製品開発に入ります。実務においても、最も難易度の低いタスクから任せ、徐々にステップアップしてもらえるようにしています。
フレキシブルな勤務体制:在宅と出社の自由選択が可能な環境
編集部
先ほどエンジニアの方の働き方についてお話がありましたが、サイバーテックさんの持つ自社開発の強みは、具体的にどのような働きやすさにつながっていると思われますか?
橋元さん
「スケジュールをコントロールできる」という点で、自分たちの裁量で仕事をしやすいという点につながっています。仕事のペースをつかみやすいので在宅・出勤を柔軟に選ぶこともできますし、子育てしながら時短勤務で働く場合なども仕事の分担がしやすく、多様な働き方を受容できる環境があります。
在宅勤務が可能なのは、サイバーテックでは2006年からフィリピンにオフショア拠点を構えているため、コロナ禍以前よりもっと以前の、10年以上前からオンラインでのやりとりが社内に定着していたということも背景にあります。そのため、コロナ禍になってもオンライン勤務に円滑に移行でき、それがさらなるワークライフバランスの実現につながっていったのだと思います。
編集部
実際に今働いている方は在宅勤務の方が多いのですか?
橋元さん
全く出社しない人もいれば、逆に家だと集中できないから出社する人もいて、本当に個人によって異なります。個人の希望と部署の都合に応じて、一番仕事がしやすい環境を選んでもらうことができています。
ライフステージに合わせた柔軟な勤務形態の実現
編集部
働いている中で、子どもが生まれるなどライフスタイルが変化する方もいらっしゃると思いますが、そういうケースにはどのように対応されていますか?
橋元さん
ライフスタイルの変化で働き方の変更が必要な方には、希望に応じて柔軟に対応しています。
特にお子様が生まれた場合は、一度働き方を変更すればそれで終わりというわけではありません。保育園から小学校への進学や、長期休暇など、お子様の成長に伴って生活環境が変化するため、その都度対応が必要になります。そのため「何月何日からはこの時間、何月からはこの時間にしてほしい」という細やかな変更にも対応しています。また、1週間の中でも「この曜日は子どもの送り迎えがあるけれど、この曜日は長く働ける」といった状況に合わせて、ほぼ自由に働いてもらえるような体制を整えています。
編集部
通常、ある程度の期間を区切って一律の働き方を適用することが多いですが、御社では社員の方の事情に応じて、非常に柔軟な働き方ができる環境があるんですね。働き続ける上で大きな安心材料になると思います。
「サイバーテック将棋部」:論理的思考力の向上と社内コミュニケーションの活性化
編集部
サイバーテックさんのカルチャーや社内の雰囲気についてもお聞きします。特徴的な取り組みはありますか?
橋元さん
2023年度に創業25周年記念として「サイバーテック将棋部」を立ち上げました。この将棋部の顧問は、藤井聡太さんと同世代の著名な棋士3人(伊藤匠さん・斎藤明日斗さん・本田奎さん)の師匠である宮田利男先生です。福利厚生の一環として、毎月1回宮田先生から直接指導を受けています。将棋界に詳しい方からすると、非常にインパクトのある福利厚生だと言えるでしょう。
編集部
かなり本格的な指導を受けられそうですね。なぜ将棋部を立ち上げたのでしょうか?
橋元さん
IT企業として、ロジカルシンキングを重視してきました。将棋はAIの研究材料にも使われているように、論理的思考が求められます。経営面から見ても重要な「論理的思考力」を再確認するために立ち上げたというのが主な狙いです。私自身も将棋を嗜むので、その重要性は十分に認識しています。
編集部
将棋部によって生まれた良い影響があれば教えてください。
橋元さん
サイバーテックは「ITが好きな人」に集まってもらっている会社ですが、「将棋が好き」という新たな共通点が加わったことで、社内のコミュニケーションがより活発になっていると感じます。将棋部が主催するオープン形式のイベントも人気があり、仕事以外での新たなつながりが生まれています。
グローバル展開を見据えた英語学習サポート体制
編集部
サイバーテックさんはフィリピンのセブ島にオフショア拠点がありますが、海外拠点があることによる特徴などはありますか?
橋元さん
フィリピンのセブ島には現地在住の日本人スタッフが複数名いるため、お客様と現地とのコミュニケーションはもちろん、本社とのやりとりも全て日本語で行っています。一方で、英語を勉強したいというスタッフは現地のフィリピン人エンジニアと直接やりとりをしています。オンラインで仕事上のコミュニケーションを取ることが、英会話の実践的な勉強の機会にもなっているんです。
現段階では英語でのコミュニケーションは希望する本社従業員が自主的に行っていることですが、いつでも英語でのやりとりができるのは、英語圏に海外拠点を持つサイバーテックならではの強みです。そのため、将来的には英語学習のサポートを社内の福利厚生制度として整備していこうと考えています。例えば、社員だけでなく、そのお子様の英会話レッスンも提供できるようにするなど、より充実した制度にしていきたいですね。
ITを“好き”な気持ちを前提に、将棋好きも歓迎
編集部
最後に、採用について伺います。サイバーテックさんでは採用に際し、どのような人物像の方を求めていらっしゃるのかを教えてください。
橋元さん
企業理念である「ITによる社会貢献」を達成していくためにも、何よりもまずITが好きな人と仕事がしたいと思っています。「ITが好き」という気持ちは強制できるものではなく、あくまで個人の嗜好に基づくものと考えており、基本的にその気持ちを持っている人を求めています。
またサイバーテックの仕事は、お客様に適切なITソリューションを提供することです。指示されたことをそのまま実行するだけでなく、お客様の高度な要望を理解し、最適な解決策を考えられる人材を求めています。つまり、論理的思考力を持つ方を歓迎します。このような能力を持ち、課題解決に喜びを感じる方と一緒に働きたいと考えています。
エンジニアとしての経験がなくても構いません。例えば、将棋が好きな方は基本的に論理的思考力があると考えています。そういった方であれば、プログラミングの知識を身につけてスキルアップしていけると思うので、将棋に興味がある方も歓迎です。
編集部
働きやすさとやりがいを兼ね備えたサイバーテックさんなら、専門性を身につけながら自分の可能性を広げていけると思います。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社サイバーテック:https://www.cybertech.co.jp/
採用ページ:https://www.cybertech.co.jp/recruit/