時代に合わせて柔軟に変化しながら成長を続ける企業を紹介するこの企画。今回はレシピ動画プラットフォーム『クラシル』などを運営するdely株式会社にインタビューを行いました。
国内最大級のプラットフォームを運営するdely株式会社とは
dely株式会社は、国内最大級のレシピ動画プラットフォーム『クラシル』、国内最大級のライフスタイルプラットフォーム『TRILL』などの運営を行う企業です。豊富なユーザー基盤を活かし、人々の食や生活に関する多角的なサービス展開・開発を進めています。
dely株式会社は2022年12月に、創業初期から提供している代表的なサービス『クラシル』のリニューアルを実施しました。それにより『クラシル』は、単にレシピ検索ができるだけでなく、さまざまなクリエイターによる豊富なコンテンツを楽しむことができるプラットフォームに進化しています。
またdely株式会社はM&Aにも注力しています。2023年2月には国内最大級ライバー事務所「LIVEwith」を運営する株式会社ENLOOPの子会社化を実施し、ライブ配信者へのサポート事業も開始しました。『クラシル』『TRILL』といった成熟フェーズに入った事業も含め、時代に合わせたアップデートや新たな取り組みにより成長を続けています。
会社名 | dely株式会社 |
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住所 | 東京都港区芝浦3丁目1-1msbTamachi田町ステーションタワーN23階 |
事業内容 | ・レシピ動画プラットフォーム「クラシル」 ・お買い物サポートアプリ「クラシルリワード」 ・ライフスタイルメディア「TRILL」の企画・開発・運営 ・ライバーマネジメント事務所「LIVEwith」の運営 |
設立 | 2014年4月 |
公式ページ | https://dely.jp/ |
今回は、dely株式会社の継続的な成長の背景にある「戦略」と「カルチャー」、また多くの若手社員の活躍を生む秘訣などについて、経営企画本部・CFOの戸田さん、人事部・人事部長の成田さんにお話を聞かせていただきました。
『クラシル』『TRILL』はもちろん、新規事業でも多くの支持を獲得
▲多くの支持を集めるライフスタイルメディア『TRILL』
編集部
delyさんといえば『クラシル』『TRILL』など大変人気のプラットフォームを運営されていますよね。既にご存じの読者も多いとは思いますが、改めてどのような事業を展開されているのかご説明いただけますでしょうか。
戸田さん
delyでは4つの事業を展開しています。今おっしゃった『クラシル』はレシピ動画のプラットフォーム、『TRILL』はライフスタイルメディアで、その他に『クラシルリワード』『LIVEwith』がございます。
『クラシルリワード』は『クラシル』から派生した買い物サポートサービスです。お店に行く、チラシを見る、商品を買う、レシートを受け取るといったオフラインでの買い物行動がポイントになり、そのポイントがさまざまな特典と交換できるサービスです。2022年7月のリリース以来多くのユーザーに利用いただいております。
『LIVEwith』は2023年2月に株式会社ENLOOPを子会社化し実施しているライバーマネジメント事業です。DeNAさんのライブコミュニケーションアプリ「Pococha(ポコチャ)」や、Vtuberアプリ「IRIAM(イリアム)」に出演するライバーさんやTikTokerさんのマネジメントを行っています。
「dely=クラシル」と思われがちですが、決して『クラシル』に一点特化しているわけではありません。他の3事業も一定のボリューム感を持っているのが特徴です。
▲ライバーマネジメント事業『LIVEwith』
より高い価値を提供するために行った『クラシル』のリニューアル
▲リニューアルに合わせてブランドロゴも刷新された『クラシル』
編集部
新しい事業も軌道に乗られている中で、2022年12月には『クラシル』のリニューアルも行っていらっしゃいますよね。こちらはどういった内容のリニューアルだったのでしょうか。
戸田さん
『クラシル』はもともと栄養士監修のもと、社内でレシピ動画を撮り掲載するという形で展開してきました。それを、「ユーザーやインフルエンサーがクリエイターとなり、自分たちでつくったコンテンツを投稿してもらう」という形に変更したのがリニューアルの内容です。
リニューアルの背景には、YouTubeやTikTokとの差別化を図る意図があります。『クラシル』は自社でつくった質の高いコンテンツへのユーザー支持を得たことがヒットにつながったのですが、YouTubeやTikTokで良いコンテンツを発信する人も増え、だんだんと追いついてこられたなという感じがありました。
そことの差別化を図り、より多くのユーザーの方に楽しんでいただくためには、いかに多くのコンテンツを発信できるかという「数」が重要となります。社内でも5万本程のレシピ動画をつくってはいましたが、もっと爆発的に増やす必要があると考え、クリエイター型のコンテンツへのリニューアルを行いました。
今後さらに差別化を図っていくためにも、推薦システムによるパーソナライズにより注力していきたいと考えています。幅広いコンテンツを提供できるプラットフォームであると同時に、推薦システムにより、ユーザーに“新しい気づき”も提供できるようなプラットフォームにすることが目標です。
編集部
確かにYouTubeなどにより個人でも良質なコンテンツを発信する方は増えてきましたよね。そういった時代の流れも踏まえた上で、ユーザーにより高い価値を提供していくため、自社のサービスをアップデートされているのだということが良く分かりました。
『クラシル』は4,100万ダウンロード突破。売上には新事業も大きく影響
編集部
delyさんのこれまでの成長を裏付けるような、具体的な数字などがあれば教えていただけますでしょうか。
戸田さん
『クラシル』と『TRILL』は国内最大級のサービスで、『クラシル』のアプリは2023年時点で4,100万ダウンロードを突破しています。
また、今期の売上は前年同期比で30%~40%のプラスとなっています。これには『クラシルリワード』『LIVEwith』といった新たな事業がかなり伸びていることが影響しています。
編集部
『クラシル』『TRILL』のしっかりした基盤があり、さらに新たな事業も着実に売り上げを伸ばしていることが、delyさんの大きな成長につながっているのですね。
“柔軟性のあるビジネス戦略”が成長を支える
編集部
delyさんが大きく成長を続けられてきたことには、どのような背景があるとお考えですか?
戸田さん
delyの成長を支えるものとして「戦略」「カルチャー」の二軸があると考えています。
「戦略」については、ビジネススケールに対する考え方の柔軟性があることが非常に大きいですね。例えばdelyでは『クラシル』という強いコンテンツを持っているため、ともすると『クラシル』の周辺領域に注力するという考えに陥りがちです。
実際に『クラシル』はコロナ禍での料理需要の影響を受け、2021年の途中まではかなり大きく伸びました。しかしバックトゥノーマルになったことで、『クラシル』の伸びも少しずつ鈍化しているのが現状です。そんな中で『クラシルリワード』『LIVEwith』といった周辺領域以外の部分の数字がしっかりと伸びていることで、成長を続けることができたのです。
もちろんただ新しいことをやれば良いというわけではなく、これまで築いてきたユーザー基盤、ノウハウは大きな財産となっています。『クラシルリワード』も、『クラシル』で培ったマーケティングの企画・運営のノウハウを活かせたからこそ、短期間で立ち上げることができました。
『クラシル』『TRILL』といった成熟フェーズに入った事業に加え、M&Aも含めて柔軟性を持ち多角的な事業展開を進めていることが、delyの連続的な成長を支えているのだと考えています。
「BE THE SUN」に向かって勝利にこだわる“個性的な”カルチャー
▲「BE THE SUN」のビジョンが映えるdelyさんのオフィス
編集部
delyさんの成長を支えるもう一方の軸である「カルチャー」にはどのような特徴がありますか?
戸田さん
我々は「BE THE SUN」というとても大きなビジョンを掲げており、そこに向かっていくために、会社として「勝利にこだわる」という考えを持っています。例えば、料理動画だけにこだわっていてもBE THE SUNは達成できませんよね。その考え方が、先ほど説明した「柔軟な戦略」という部分にもつながっています。
「勝利」のためには、単に数字を伸ばすだけでなく、人々の役に立つサービス、プロダクトを提供していくことが重要です。その価値判断の基準として「Trade on」「Deliver Passion & Happiness」などの4つのバリューを掲げています。
▲delyさんの掲げる4つのバリュー(会社紹介資料から引用)
編集部
そういったdelyさんのカルチャーの核をなすビジョンやバリューというのは、社員の皆さんに浸透されているのでしょうか。
戸田さん
はい。かなり個性的で強いビジョン、バリューなので、入り口の部分でそこに共感して入社してもらうことも多いですね。入社後も解釈がずれないよう、折に触れて繰り返し浸透させるようにしています。
dely全体にこの強烈なカルチャーが根付いているので、ちょっと暑苦しいと思われることもあるくらいです(笑)。高校野球のように、とりあえず走り込みをして、セーフになろうがアウトになろうがヘッドスライディングをする、みたいなイメージですね。
編集部
すごく分かりやすいたとえです!この求心力のあるカルチャーがもとになって社員の方の行動が生まれ、delyさんの継続的な成長につながっているんだということが実感できました。
活躍する若手社員に共通するのは「周りを巻き込みながら前に進める人」
編集部
ここからは若手活躍のテーマに移らせていただきます。delyさんは20代、30代の社員の方が約9割を占めていらっしゃるとのことですが、実際に活躍されている若手社員の方の具体的なエピソードがあればご紹介ください。
成田さん
2022年新卒入社で現在2年目の男性社員がいるのですが、彼はdelyにおける特徴的な若手社員かなと思います。彼は新卒で『クラシル』のWebグロースチームに配属され、既に相当なユーザーベースを抱える『クラシル』のさらなるユーザー獲得を進めるという難しい仕事を任されました。
元々文系だったにも関わらず、SQL(データベース操作のコンピュータ言語)を1から学習し、web経由でのアプリダウンロード数を増やすための施策を進めていきました。入社から1年足らずでアドネットワーク(web広告のマーケター)も担当するなど、業務の幅を広げています。
編集部
すごく成長が早いですね!delyさんで活躍されている若手社員の方に共通する特徴はありますか?
成田さん
やったことがないことでも、自分が培った知識や経験を活かし、かつ周りを巻き込みながら前に進むことができるというのが、delyで活躍する社員に共通する特徴です。
今お話しした彼の場合、ずっとオーケストラの指揮者をやってきた経験を持っています。オーケストラというさまざまな世代の方がいるコミュニティの中で、きっと多くのことを学習し、コミュニケーションの取り方なども工夫しながら前に進んできたのではないでしょうか。
delyでも周りを巻き込みながら主体的に前進している姿があり、彼自身が重ねてきた経験が活かされているなと感じます。
※ご紹介した若手社員の方のインタビュー記事はこちら:https://note.com/dely_jp/n/n05ca4406a5ad
1年目からフルスイングで挑戦できる環境が成長を後押し
編集部
若手社員の方が活躍される背景には、delyさんが早くからたくさんのチャンスを与えているということもあるのでしょうか。
成田さん
おっしゃる通りです。delyには1年目から前に出て思いっきり挑戦していける環境があります。バッターボックスに立つチャンスがたくさん回ってきて、しかもフルスイングしなければならないような場面が多くあるんです。
もちろん本人が主体的に行動できることが前提ですが、力を発揮できるチャンスが多くあって、失敗してもまた挑戦することができる。そのことがdelyでの若手社員の早い成長、活躍を生んでいるのだと思います。
メディア記事のディレクションから関われるインターン
編集部
ここからはインターンのテーマについて伺います。delyさんでは現在どのようなインターンを実施されているのでしょうか。
成田さん
新卒採用に向けた学生のインターンにかなり力を入れています。インターンの期間は、内定承諾後から実施するため、半年以上になることが多いです。
インターンでは、『クラシル』『TRILL』などのメディア記事のディレクションからライティング、校正までの一連をお任せしています。また、SNSマーケティングや広告運用などの業務も経験することが可能です。
SNSマーケティングに関しては、TwitterやInstagramのグロースに向けて、目標を設定し、コンテンツの検討・公開・検証などを行います。広告運用も、SNSマーケティング同様、予算/目標数値に対してPDCAを回していきます。
実際の業務を体験できるのが、delyのインターンの特徴です。
編集部
なるほど。delyさんのインターンならではの魅力はどのようなところにありますか?
成田さん
多くのアクティブユーザーを抱えるメディアに関わり、自分の書いた記事がそのまま掲載されて多くのユーザーの目に触れるということは、とても魅力的なことだと考えます。
また、どの業務も社員に近いレベルが求められ、実際の目標数値・企画立案・振り返りまでをスピード感を持って行います。
学生のうちに、仕事の基礎を身につけることができるのは大きなメリットだと思います。実際、内定者インターンを経験したメンバーは入社後の立ち上がりが早いです。
採用に際しては「経験をどう活かせるか」を重要視
編集部
最後に、delyの採用について伺います。delyさんでは採用に際して、どのような点を重要視されていますか?
成田さん
delyの採用では、新卒の場合でも中途採用の場合でも、その方がどのような経験をしてきたのかということをとても重要視して見ています。経験というのは環境が変わるとそのまま活かすことが難しい場合も多いのですが、やはりその方が積み上げてこられたことは習慣となり、どのような業務をしても必ず現れるものだと思っています。
だからこそ、「どのような状況でどのようなアクションを取り、どのような結果になったのか」というところは面接で詳細に伺っています。その方が積み重ねた経験をdelyでどう活かしていけるのかという部分が最も重要視しているポイントです。
多様な活躍ステージあり!周りを巻き込み前進できる人を歓迎
▲インタビューに応じてくださった戸田さんと成田さん
編集部
最後に、この記事を読んでdelyさんに興味を持った読者の方にメッセージをいただけますでしょうか。
成田さん
delyにはさまざまな事業ポートフォリオがあります。国内最大級のプラットフォームを運営する事業の意思決定に携わることも、新たな事業を成長させていくことも、M&Aをした会社のマネジメントになることも、多様な可能性を提示できるのがdelyの特徴です。
我々のカルチャーに共感し、自分の経験を活かしつつ周りを巻き込みながら進んでいける人は、ぜひお問い合わせください。
編集部
「BE THE SUN」という大きなビジョンに向かって事業を展開されているdelyさん。既に多くのユーザーの支持を得ながら、時代に合わせて変化し続けるdelyさんには、多くの刺激を受けながら成長できる環境があると感じました。
本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!