若手社員の挑戦を後押しするカルチャーを持つ企業を紹介する本企画。今回は、デジタルコミュニケーション分野の教育事業を手がける「デジタルハリウッド株式会社」をインタビューしました。
デジタルハリウッド株式会社とは
デジタルハリウッド株式会社は、WebやCG、映像、動画、プログラミングといったデジタルコミュニケーション分野で教育事業を展開しています。
2005年に開学した文部科学書認可の大学「デジタルハリウッド大学」の運営ほか、社会人向けのスクール運営や、学校や企業などに映像教材の提供や教育コンサルティングを行う事業を手がけています。
会社名 | デジタルハリウッド株式会社 |
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住所 | 東京都千代田区神田駿河台4-6御茶ノ水ソラシティ アカデミア4階 |
事業内容 | ・スクール事業 ・大学・大学院事業 ・学校法人、企業ならびに自治体向けコンサルティングサービス事業 |
設立 | 1994年10月 |
公式ページ | https://www.dhw.co.jp/ |
20代の社員が約3割を占めるデジタルハリウッド株式会社には、「若い人にしかできないことがある」という考えのもと若手社員に責任ある仕事を任せるカルチャーがあります。若手社員が新しい校舎の立ち上げを行ったり、スクール事業の統括を行ったりしており、20代のうちから中心的な立場として活躍することができます。
今回は、広報室の清水流花さんに、企業成長の秘訣や若手人材の活躍についてお話ししていただきました。
デジタルコミュニケーション分野を軸に教育事業を展開
編集部
はじめに、デジタルハリウッドさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。
清水さん
私たちは、WebやCG、映像、動画、プログラミングといったデジタルコミュニケーション分野を軸にした事業を展開しています。
スクール事業ではWebやCGなどのスキルを学べる社会人向けスクール「デジタルハリウッド」や、オンラインスクール「デジハリ・オンラインスクール」、起業家・エンジニア養成スクールの「ジーズアカデミー」を運営しており、大学・大学院事業では文部科学省認可の四年制大学「デジタルハリウッド大学」と専門職大学院の「デジタルハリウッド大学大学院」を運営しています。
また、自社開発の映像教材とそれを活用した教育ノウハウを学校や企業、自治体に提供する教育コンサルティング事業「デジタルハリウッドアカデミー」も行っています。
編集部
デジタルメディアスクールの草分けとも言えるデジタルハリウッドさんだからこそ、約30年にわたって培ってきたノウハウを教育コンサルという形でも生かすことができるのですね。
清水さん
そうですね。それに加えて、弊社は長年の学校運営を通じてスキルの高いクリエイターを多く輩出してきたので、2020年からはフリーランスのクリエイターとして活動する卒業生・在校生と企業を結ぶマッチングサービス「ランサーユニット」も展開しています。
5年で売上が1.5倍に!デジタルハリウッド躍進の理由とは
編集部
デジタルハリウッドさんのここ最近の企業成長について、教えてください。
清水さん
直近の2022年度まで6期連続で増収増益を達成しており、2018年から2022年までの過去5年間で売上は55%増加しました。
業績の順調な伸びに伴って従業員数も拡大を続けており、現在は約150名の組織となっています。
映像教材は「学びやすさ」に定評あり
編集部
近年の企業成長の背景には、何があるとお考えでしょうか?
清水さん
デジタル分野のクリエイティブの需要が高まっていることを背景に、弊社のデジタルコミュニケーション教育にこれまで以上に注目していただいていることが大きな理由だと思います。
また、近年オンラインで学べる映像授業の利用が広がりを見せていますが、弊社が手がける映像教材は2005年にデジタルハリウッド大学が開学したときから開発を続けているため、学びやすさなどのノウハウが詰まっています。そのため、弊社が運営するスクールの受講生さんやデジタルハリウッドアカデミーでお手伝いする学校様から高く評価していただいています。
編集部
デジタルハリウッドさんが開発する映像教材の「学びやすさ」は、どのような部分にあるのでしょうか?
清水さん
長さ5分から10分ほどの短い動画を、細かく章立てする形で作成しています。そのため、ちょっとした空き時間に見ることができる手軽さがあります。
編集部
デジタルの分野は技術やトレンドの変化が早いというイメージがありますが、教材の改良なども常に行っているのでしょうか?
清水さん
はい。オンラインスクールを運営している部署が映像教材の開発を担当しており、最新の技術やトレンドを常に確認して、適宜内容のアップデートを行っています。
専門学校や大学向けのコンサル事業も順調に成長
編集部
映像教材に定評があるということですが、学校や企業に対して映像教材の販売や教育コンサルティングを行う「デジタルハリウッドアカデミー」の成長についても教えていただけますか?
清水さん
先ほどの話と同様でデジタルコミュニケーション分野の需要が高まったことに加え、事業開始の2016年より担当者が全国の専門学校や大学に足を運び関係構築に注力してきました。7年間のうち6年間は120%の成長率で伸び続けています。
現在では、100を超える専門学校や大学に対して、デジタルコミュニケーション教育の課題解決のお手伝いをしています。最近は私大の文系学部でIllustratorやPhotoshopの授業がおこなわれることもあり、当社の教材を授業の中で使用していただいています。
編集部
デジタルハリウッドさんの教材やコンサルを利用する専門学校や大学からは、どのような声が届いていますか?
清水さん
先生1人が大勢の学生さんに対して「次はこのボタン押して、次はこの操作をして」といったように基本動作を教えることは非効率ですよね。先生が直接教える必要がない部分は映像教材で代替することで、先生は生徒とのコミュニケーションに集中できるようになり、より効率的に中身のある授業を行うことができるようになったという評価もいただいています。
編集部
デジタル人材育成の重要性が増すにつれ、教える人材の確保も必要になっていますが、デジタルハリウッドさんは映像教材やコンサルティングを通じてこのような教育現場の課題を解決しているのですね。
リスキリング需要を追い風に、さらなる事業拡大を狙う
編集部
デジタルハリウッドさんの事業の将来性や、今後の目標について教えてください。
清水さん
デジタル人材の需要が増えていることに加え、近年リスキリングへの関心が高まっています。弊社のオンラインスクールで提供しているWebやCGに関する講座は、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」(※)の対象になっており、今後さらに多くの方に弊社のスクールを利用していただけると見込んでいます。
(※)対象講座を修了した受講者は受講料の50%の補助を受けられる。また、受講後に転職して1年間就業すると、さらに受講料の20%の給付を受けられる。
また、チャレンジ精神あふれる社風なので、今後も受講生とのコミュニケーションの中からニーズを発掘して新しいサービスを開発したり、学校や企業との接点をさらに増やすための挑戦を続けていきたいと考えています。
編集部
時代に合わせてさまざまな教育事業を生み出してきたデジタルハリウッドさんが、今後どのようなサービスを手がけるのか楽しみです。
20〜30代が6割を占めるデジタルハリウッドが若手活躍に込める思い
編集部
デジタルハリウッドさんでは20代と30代の従業員がそれぞれ約30%ということですが、若手メンバーのお仕事についても伺えますか?
清水さん
新卒の場合、総合職として採用されて本配属後、各配属先で運営する学校の広報をご担当いただきます。Web広告やSNSを運用したり、イベントを企画・運営してデジタルハリウッドに興味を持ってもらえる人を増やし、来校いただいた際には学校説明やキャリアカウンセリングを実施して入学までフォローします。
学校によって学生・受講生の属性が異なるため広報やマーケティングの方法もそれぞれですが、学ぶ人を増やし、良い環境をつくり、学んだ人が活躍する場所を切り拓くことが私たちの共通する仕事です。
編集部
幅広い業務を担当できるので、いろいろな場面でチャレンジする機会がありそうですね。
20代の社員が新校舎の立ち上げを担当することも
編集部
若手メンバーの活躍について、具体的なエピソードをご紹介いただけますか?
清水さん
例えば、新卒2年目の年齢で第2新卒として中途入社した社員が、マネージャーの立場で社会人向けスクールのデジタルハリウッドSUDIO立川の立ち上げを担当しました。
編集部
学校の立ち上げ責任者として、どのような業務を担当したのでしょうか?
清水さん
立川という立地からターゲットとなる人を考えるところから始まり、それに合わせて校舎のデザインや展開するコースを決めて行きました。開校前には広告などで受講生の募集を行い、開校してからは立川校の運営全体をリーダーとして担当しています。
ほかにも、20代の社員が社会人向けスクール「デジタルハリウッドSTUDIO」で経験を積み、現在は大阪にある2つの拠点のマネージャーをしています。
編集部
年齢や年次に関係なく、活躍している人がたくさんいるのですね。
清水さん
はい。若手だからとかということはなく、裁量の大きい仕事ができる環境だと思います。2023年4月に入社した新卒1年目の社員のなかにも受講生を募集するイベントを企画・運営している人がいますし、部署によっては毎月全国に出張しているような人もいます。
「若い人にしかできないことがある」と考え、若手社員を頼る文化がある
編集部
若手であっても責任あるお仕事を任せる背景には、会社としてのどのような思いがあるのでしょうか。
清水さん
「経験がある人の方ができることが多い」と考える会社も多いかもしれません。しかし、弊社の場合は「若い人にしかできないことがある」と考えています。
いま大学で学んでいるのは2000年代前半生まれで、YouTubeが生まれたときからあったような世代です。私の上司も、「若い世代に対して50代〜60代が『僕たちの頃はね』という昔話をしても参考にならないことが多いし、参考にしてはいけない部分もある」と話しています。
弊社を創設した学長の杉山も、「大人の仕事というのは、若い人の邪魔をしないことだ」と常々言っていますが、これからの時代を担う人たちに理想的な教育サービスを提供するためには若手メンバーのアイディアこそ生かすべきだと考えています。
編集部
学生や受講生に近い目線や感覚を持つ若手メンバーを信じ、頼っているとも言えますね。
清水さん
そうですね。だからこそ、あらゆるプロジェクトが若い人を中心に動いています。カリキュラムづくりも若手社員が「このような学び方が今は必要ではないか」ということを考えて、それをベースに作っていますし、2,000席規模の渋谷公会堂で行う入学式も、ここ数年は、毎年20代のメンバーが責任者としてプロデュースしています。
必要な場面では周囲のサポートがあるから恐れず挑戦できる
編集部
若手社員が思い切って挑戦するためには、周囲のサポートが必要になる場面もあると思います。先輩社員はどのように若手の活躍を支援していますか?
清水さん
例えば若手社員が校舎の立ち上げを担当する場合は、デザインや物件選びの際などに、周囲が必要に応じて選択肢を提示するなどしてサポートしています。
また、ビジネスとしてきちんと成立させるためには、感性だけではなくロジカルに考えてお金を動かすことが必要ですし、関係者の協力を取り付けることも必要になります。そのような時は経験のある役職者や経営陣が一緒になって仕事を進めています。
編集部
周囲と力を合わせたり、しっかりコミュニケーションを取ったりしながら働ける環境も整っているのでしょうか?
清水さん
はい。弊社はさまざまな事業を行っており、スクールの拠点も複数あります。一つ一つが小さいチームなので、何かあればみんなで共有しますし、ミスやトラブルがあっても誰かひとりに責任が行くというようなことはなく、チームで話し合い、助け合いながら解決しています。
コミュニケーションについては、全社的にSlackを使っているので気軽に報告や相談することができると思います。また、部署にもよりますが、毎日朝礼を行ってその日のタスクを共有し合ったり、スクールの入学を検討している人からの問い合わせ内容を共有したりしています。
編集部
東京や大阪などにスクールの拠点をもつデジタルハリウッドさんですが、物理的な距離はあってもしっかりと連携をとる仕組みがあるので、不安を感じることなく働くことができそうですね。
デジタルハリウッドなら「私がやった」と胸を張れる仕事ができる
編集部
デジタルハリウッドさんで働くことの魅力は、どのような点にあるとお考えですか?
清水さん
個人の裁量が大きい職場なので、「大勢のなかのひとり」ではなく個人として影響力を持って仕事を進めることができます。大きな数字や大人数を動かすということだけではなく、「これは私がやった仕事です」と言えるものがあるという点でも、やりがいを感じていただけると思います。
編集部
頑張った成果を、しっかりと感じることができるのですね。最後に、デジタルハリウッドさんが求める人材についてお聞かせください。
清水さん
企業成長を続けるために、まだまだやらなければならないことがあります。学ぶ人や学ぶ場所を増やしたり、優秀な講師や教員をアサインすることも大切ですし、デジタルクリエイティブを学ぶ意義をより多くの人に知ってもらうための広報活動も強化する必要があります。
このような分野で私たちの力になってもらえる方と、ぜひ一緒にお仕事をしたいと思っています。
編集部
「若い世代だからこそできることがある」と考え、若手を頼りにするカルチャーがあるデジタルハリウッドさん。自分でアイディアを出したりチームを率いるような仕事がしたい人にぴったりの職場だと感じました。
本日は、ありがとうございました。
■取材協力
デジタルハリウッド株式会社:https://www.dhw.co.jp/
採用ページ:https://www.dhw.co.jp/recruit/