株式会社ファンコミュニケーションズの挑戦:若手主導の新規事業で顧客の喜びを追求

若手社員やエンジニアが活躍できる環境を作り、成長を続けている企業をインタビューする本企画。今回は、インターネット広告事業を展開している株式会社ファンコミュニケーションズにお話を伺いました。

株式会社ファンコミュニケーションズの主力事業:「A8.net」と「nend」が牽引するインターネット広告

株式会社ファンコミュニケーションズが展開しているサービス「A8.net」「nend」のロゴをあしらった装飾

株式会社ファンコミュニケーションズは、インターネット広告事業を展開する企業です。主要サービスとして、アフィリエイト・サービス・プロバイダ「A8.net」とアドネットワーク「nend」を提供しています。

A8.netは全アフィリエイト・サービス・プロバイダ中13年連続で利用者満足度1位を獲得しており、消費者でもあり生産者でもある「プロシューマー」を支援するサービスとして高い評価を得ています。

会社名 株式会社ファンコミュニケーションズ
住所 東京都渋谷区渋谷1-1-8青山ダイヤモンドビル
事業内容 自社媒体運営、広告代理業等のインターネット広告関連事業
設立 1999年10月1日
公式ページ https://www.fancs.com/

株式会社ファンコミュニケーションズでは、若手社員が新規事業の創出に積極的に関わるなど、多くの若い人材が活躍しています。早い段階から実力を発揮できる環境が整っており、インターンシップを経て入社に至るケースも少なくありません。

今回は、同社のカルチャーや若手活躍の要因について、以下の4名の方々にお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社ファンコミュニケーションズの加藤さん

株式会社ファンコミュニケーションズ
コーポレートデザイン本部執行役員

加藤 正人さん

株式会社ファンコミュニケーションズの生形さん

株式会社ファンコミュニケーションズ
新規事業開発部事業責任者

生形 統さん

株式会社ファンコミュニケーションズの柿元さん

株式会社ファンコミュニケーションズ
サービス開発部

柿元 俊也さん

株式会社ファンコミュニケーションズの内藤さん

株式会社ファンコミュニケーションズ
コーポレートデザイン本部採用企画課マネージャー

内藤 麻実さん

プロシューマー・ハピネス:株式会社ファンコミュニケーションズが掲げる革新的な経営ビジョン

株式会社ファンコミュニケーションズが展開する「A8.net」のトップページ
▲アフィリエイト・サービス・プロバイダ「A8.net」など成果報酬型広告のプラットフォームサービスを展開している(公式ページより)

編集部

初めに、ファンコミュニケーションズさんの事業内容について伺わせてください。

加藤さん

ファンコミュニケーションズのメイン事業は、インターネット広告事業です。

主に、アフィリエイト・サービス・プロバイダ「A8.net」、アフィリエイトアドネットワーク「seedApp」、スマートフォン・タブレット端末向けのアドネットワーク「nend」といった、成果報酬型広告のプラットフォームサービスを展開しています。

私たちが掲げている経営ビジョンは「プロシューマー・ハピネス」です。プロシューマーとは1980年に提唱された造語で、「消費者でありながら生産者でもある人物」を指します。

かつての大量消費社会では生産者と消費者は明確に分かれていましたが、現代はSNSの普及により消費者と生産者の境目があいまいになってきました。

例えば、消費者として洋服を買ったりゲームをダウンロードしてプレイする人が、同時に生産者としてアクセサリーを作ってSNSに投稿し、フリマアプリなどのプラットフォームで販売するという状況が一般的になってきています。

弊社はそんなプロシューマーが幸せになれるようなサービスを展開していきたいと考えています。

編集部

プロシューマーの幸せのため、ファンコミュニケーションズさんとしてはどのようにアプローチしているのでしょうか?

加藤さん

プロシューマーについて、先ほどは一般的な定義を説明しましたが、ファンコミュニケーションズは商品紹介をするメディア(アフィリエイター)もプロシューマーだと定義しています。

メディアは商品を実際に使用し、それを紹介する役割を担っています。直接何かを生産しているわけではありませんが、商品について発信し、それが広まることで新しい商品が生まれるきっかけを作ることができます。つまり、メディアも間接的に生産に関わっているのです。

プロシューマーでもあるメディアには、消費者として体験するだけでなく、その体験をコンテンツとして発信し生産者側に関わることに価値や喜びを感じてもらい、さらに報酬も届けてモチベーションにつなげてもらうことで、プロシューマー・ハピネスに結び付くと考えています。

編集部

メディアも広い意味でプロシューマーになっているということですね。

「つくる、信じる、コツコツと。」:新規事業を支える株式会社ファンコミュニケーションズの企業理念

株式会社ファンコミュニケーションズの企業理念「つくる、信じる、コツコツと。」
▲「好奇心から行動し、それを信じて続けていく」といった思いが込められている企業理念(公式ページより)

編集部

プロシューマー・ハピネスを実現するために、ファンコミュニケーションズさんで大切にしている理念は何でしょうか?

加藤さん

ファンコミュニケーションズは、企業理念として「つくる、信じる、コツコツと。」を掲げています。この理念は数年前に変更されたもので、以前は「アフィリエイトサービスで世の中に価値を提供していこう」という内容でした。

「つくる」「信じる」「コツコツと」の3つの言葉の並び順には意味があります。「つくる」が先頭にあるのは、お客様が喜んでくれそうなものがあれば、まずは行動を起こすという姿勢を表しています。

しかし、新しいものがすぐに受け入れられることは少ないものです。そこで、自分たちが作ったものの価値を誰よりも信じ、コツコツと続けていくことが重要です。継続することで、お客様に価値を提供し続けられるのです。

この企業理念には、好奇心から行動を起こし、それを信じて続けていく会社になりたいという思いが込められています。

加藤さん

新規事業に携わる社員は、この企業理念を特に大切にしています。新規事業を立ち上げる際は、戦略や市場分析だけでなく、「心を動かせるような状況を作れるか」という点を重視しています。

若手の発想を活かすビジネスコンテスト「9con」:株式会社ファンコミュニケーションズの新規事業創出の仕組み

株式会社ファンコミュニケーションズのビジネスコンテスト「9con」のロゴ画像

編集部

ファンコミュニケーションズさんの社員さんの平均年齢をお教えください。

内藤さん

ファンコミュニケーションズの社員の平均年齢は32歳前後と、若手が中心の組織となっています。全体の8割が中途入社者ですが、2015年から新卒採用も始めました。

編集部

若手の社員さんが活躍できるような風土にあるのでしょうか?

内藤さん

はい、そうですね。ファンコミュニケーションズでは、新規事業の領域で多くの若手が活躍しています。今回出席している生形と柿元は新卒で入社し、新規事業開発に携わっています。新卒で入社して4年目でマネージャーを務めている社員もいますし、専門分野のスペシャリストとして活躍している社員もいます。

編集部

若手社員の成長を促す仕組みや取り組みなどはございますでしょうか?

内藤さん

ファンコミュニケーションズでは、年に一度「9con」というビジネスコンテストを開催しています。3カ月間でビジネスアイデアを募集し、1次選考、2次選考、最終選考としっかりプロセスを踏みながら審査していきます。

優勝したアイデアについては事業化し、発案者には賞金50万円が与えられます。これは若手社員が自分のアイデアを表に出す絶好の機会となっています。

さらに、部門間を横断した勉強会や、2カ月に1度任意参加の社員交流会を開催しています。社員交流会は「ワイン会」と呼んでいて、社員同士でコミュニケーションを取りながら新しいアイデアが生まれやすい環境を作っています。

編集部

若手社員が自分の思いを発信したり共有したりできる場が豊富にあるのですね。

株式会社ファンコミュニケーションズの「ワイン会」の様子
▲2カ月に1度社員同士で交流する「ワイン会」が開催されている

チャレンジを奨励する風土:株式会社ファンコミュニケーションズが実現する若手主導の新規事業環境

株式会社ファンコミュニケーションズのオフィス内観

編集部

生形さんは新規事業開発に携わられているとのことですが、実際にどのような業務を担当されているのでしょうか?

生形さん

私は新規事業開発部に所属しています。この部署では、新しいサービスの種を見出し、育てていくことを目指しています。具体的には、新規事業の企画立案、事業化に向けた調査や検証を行っています。

現在、私はエンジニアの柿元と共に、インフルエンサー向けのリンクまとめツール「Linkhere」の運営を担当しています。常時5つほどのプロジェクトが進行中で、事業化が難しいと判断された場合は新たな企画を立ち上げるというサイクルで動いています。

編集部

新規事業を企画する際は、やはりファンコミュニケーションズさんの企業理念が後押しする部分もあるのでしょうか?

生形さん

新規事業を企画する際は、企業理念を体現することを意識しています。ただ、新規事業の場合は実際に形にしてみないとわからない部分も多いのが現状です。

例えば、身近な人が抱える課題に気づき、その解決策を具体化してみる。そして、その反応を見ながら自分の実現したいビジョンを磨いていくという過程を経験しています。

編集部

身近な人々の課題がビジネスのヒントになることもあるのですね。生形さん以外の若手の方で新規事業に携わられている方の例も教えていただけますでしょうか?

内藤さん

最近注目されている新規事業の一つに、お笑いラジオアプリ「GERA」があります。このサービスは、2015年に新卒入社した社員が企画したものです。現在、多くの若手社員が新規事業分野で活躍していますが、この社員の成功が若手の活躍を促す雰囲気を作り出したと考えています。

編集部

実際に活躍する若手社員がいて、その後にどんどん続けるような人材が育っているのですね。

エンジニアの成長を支える仕組み:株式会社ファンコミュニケーションズの1on1とオープンな職場環境

緑に囲まれている株式会社ファンコミュニケーションズのオフィス

編集部

柿元さんが所属されているサービス開発部は主にどのような業務をされているのでしょうか?

柿元さん

サービス開発部では、主に「nend」というアドネットワークのシステム開発を担当しています。また、私を含む一部のメンバーは新規事業立ち上げにも携わっています。

ファンコミュニケーションズは現在、第2創業期にあたります。この時期に、会社の新たな柱となるようなサービスを作るべく業務に取り組んでいます。

編集部

実際に柿元さんはどのような業務に当たられているのでしょうか?

柿元さん

私は以前、「GERA」というサービスのシステム運用を担当していました。現在は、生形さんと一緒に新規事業のプロジェクトに携わっています。新規事業開発部と連携しながら業務を進めている状況です。

編集部

仕事を進めるうえでありがたいと思うサポートなどはございますでしょうか?

柿元さん

上司との1on1が月に2回ほど設けられているのは、働く上でありがたいサポートですね。上司からは「話しにくいことがあれば何でも言ってください」と常に声をかけてもらえるので、些細な気がかりなことでも伝えるようにしています。

1on1で話した内容は他の部署にも適切に共有されるため、円滑に業務を進められていると感じています。

顧客満足を追求する「縁の下の力持ち」:株式会社ファンコミュニケーションズの社員像

向き合ってパソコン作業に当たる株式会社ファンコミュニケーションズの社員たち

編集部

ファンコミュニケーションズさんはどんな雰囲気の会社でしょうか?

柿元さん

ファンコミュニケーションズはほんわかとした雰囲気がある会社だと思います。社員同士が「さん」付けで呼び合い、若手社員の意見も尊重される組織です。圧力をかけられることもなく、自由に意見を言える環境があります。

新卒で入社して3年になりますが、どの部署でも同じような雰囲気を感じ、心理的安全性が高い職場だと実感しています。

編集部

温かな雰囲気が伝わってきますが、ファンコミュニケーションズさんの社員さんにはどのような特徴がありますか?

加藤さん

ファンコミュニケーションズには、自己主張が強い人よりも、他者に価値を提供することに喜びを感じる人が多いですね。社員を一言で表すと「縁の下の力持ち」といえるでしょう。

このような人材が集まっているからこそ、「お客さんが喜ぶものを作る」「コツコツと続ける」という企業理念を実現できていると考えています。

私たちが展開しているアフィリエイトは、成果が出て初めて収益が発生するビジネスモデルです。プロシューマーや広告主様に成果が出て、その後に私たちにも成果が出るという順序になっています。

そのため、まずはお客様を喜ばせることを重視する方々が会社に集まっているのだと思います。

「A8.netの強みは何か」とよく質問されますが、機能面で他のアフィリエイト・サービス・プロバイダと比べて優位性があるとは考えていません。むしろ、私たちの価値観に共感するお客様がいらっしゃることが、A8.netの強みだと捉えています。

編集部

社員の人柄がプロダクトにも反映されているということですね。

実践重視のインターンシップ:株式会社ファンコミュニケーションズの企業文化を体感する機会

パソコンに向かいながら話し込む株式会社ファンコミュニケーションズの社員たち

編集部

柿元さんはどのような経緯でファンコミュニケーションズさんに入社されたのでしょうか?

柿元さん

私は学生時代にファンコミュニケーションズのインターンシップに参加し、それをきっかけに入社を決めました。

編集部

インターンシップでは具体的にどのような経験をされたのでしょうか?

柿元さん

1週間のインターンシップに参加し、実際にオフィスで社員の方々と一緒に業務の一部を体験させていただきました。他社のインターンシップでは単なる職場見学で終わることが多かったのですが、ファンコミュニケーションズでは実際の仕事を経験できる貴重な機会となりました。

編集部

インターンシップのときに感じた職場の印象と入社後にギャップはなかったでしょうか?

柿元さん

インターンシップと入社後で会社に対してギャップは感じませんでした。入社後もメンバーの入れ替わりはありますが、同じような雰囲気を持った方が集まるので、良い意味で環境の変化は感じていません。

編集部

現在のカルチャーはしっかりと根付いているということですね。

株式会社ファンコミュニケーションズが求める人材像:変化を楽しみ顧客満足を追求できる人

株式会社ファンコミュニケーションズの内藤さん
▲「IT業界の変化の速さを楽しめる人材を求めている」と話す内藤さん

編集部

ファンコミュニケーションズさんはどのような人材を求めているでしょうか?

内藤さん

私たちが所属しているIT業界は変化が激しいです。システムのバージョンアップなどの小さなことから、業界全体の動向まで、変化が本当に早いのが特徴です。そのため、このような変化を楽しめる方でないと厳しいと感じます。

変化を前向きに捉え、お客様を喜ばせることにやりがいを感じられるような人材をファンコミュニケーションズは求めています。

編集部

最後に、ファンコミュニケーションズさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。

生形さん

ファンコミュニケーションズは、フラットにお客様の視点で議論できる方を歓迎しています。私のチームは日々新しいものを作るべくさまざまな議論を重ねていますが、メンバーに共通しているのは自分のエゴではなく、「ユーザーが何を求めているか」を基本に置いていることです。

お客様の喜びを第一に考え、それを実現するための方法を提案できる方に入社いただきたいですね。

編集部

経営ビジョンである「プロシューマー・ハピネス」を常に心がけられる方がファンコミュニケーションズさんで活躍できるのだと感じました。本日はありがとうございました。

株式会社ファンコミュニケーションズの生形さん
▲「フラットにお客様の視点で議論できる方を歓迎したい」と話す生形さん

■取材協力
株式会社ファンコミュニケーションズ:https://www.fancs.com/
採用ページ:https://www.fancs.com/recruit/