さまざまな企業の新しい働き方や、女性活躍、若手活躍の秘訣を紹介するこの企画。今回は、生鮮流通の新たな循環を生み出すことを目指す株式会社フーディソンにインタビューを行いました。
株式会社フーディソンとは
会社名 | 株式会社フーディソン |
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住所 | 東京都中央区勝どき3-3-7ケンメディアビル5階 |
事業内容 | ・飲食店向けの食品Eコマースサービス『魚ポチ』の運営 ・個人向け鮮魚セレクトショップ『sakana bacca』の運営 ・食品事業者向け人材紹介サービス『フード人材バンク』の運営 |
設立 | 2013年4月1日 |
公式ページ | https://foodison.jp/ |
株式会社フーディソンは「生鮮流通に新しい循環を」をビジョンに掲げ、水産物の商流や物流の不都合を解決しようとしている会社です。飲食店向けの食品Eコマースサービス『魚(うお)ポチ』を中心に、個人向け鮮魚セレクトショップ『sakana bacca』、食品事業者向け人材紹介サービス『フード人材バンク』を展開し、食の業界全体を幸せにするプラットフォームづくりを推進しています。
食産業の大きな課題は、巨大な市場でありながら、物流業務をはじめとしたさまざまな面においてアナログな手法が残っていることです。株式会社フーディソンの進めるDX化は、デジタル技術を活用したサービスを通じて生鮮流通における生産性の効率化と向上に貢献しています。
今回は、フーディソンの3つ目の事業「フード人材バンク」で、業界未経験での入社ながら、人材コンサルタントとして活躍を続ける松本さんと、仕事と育児を両立しながら働き、社内における女性活躍推進にも取り組まれているブランドコミュニケーションデザイン部の松谷さんにインタビュー。若手社員や女性社員活躍の秘訣、それを支える社内カルチャーなどについてお話を伺いました。
食の流通に関わる事業者を支援する『フード人材バンク』
▲フーディソンさんが提供する食産業に特化した「フード人材バンク」
編集部
フーディソンさんの事業のひとつ『フード人材バンク』について、簡単にご説明いただけますでしょうか。
松本さん
「フード人材バンク」はフード業界に特化した人材紹介サービスで、主なユーザー層は飲食店、スーパーマーケット、食品工場などです。「フード人材バンク」は、食産業において人材を探すユーザー様に対して、大きく3つの点から貢献しています。
1つ目は、大手人材会社にはない、食産業に特化したデータベースを持っていること。2つ目は、食産業特有の業界知識に造詣が深いエージェントがつくために、精度の高いマッチングができること。そして3つ目は、アルバイトをターゲットとした採用チャンネルが多い中で、正規雇用の紹介数が多いことです。
特に2つ目の業界知識について、例えば魚屋さんであれば切ったり捌いたりという技術レベルの話が必要になりますが、大手の人材紹介エージェントにはなかなか理解が難しいという面があるんです。しかしフーディソンには魚屋の経営により培ってきた高い業界理解があります。この点が人材紹介においても大きな強みとなっています。
コンサルタントになって初めて知った「魚1匹でもたくさんの人々と繋がっている」こと
▲業界、職種未経験で入社した松本さん。現在はフード人材バンクの人材コンサルタントとして活躍中!
編集部
フーディソンさんでは若手社員の方が多数活躍されているとお聞きしました。松本さんは現在フード人材バンク事業部で人材コンサルタントとして活躍されているとのことですが、入社されてから何年目でいらっしゃるのでしょうか?
松本さん
2021年の8月に入社し、今は1年半くらいですね。
編集部
松本さんの現在の具体的な業務内容をお伺いできますでしょうか。
松本さん
私が現在フード人材バンク事業部で従事しているのは、大きく「マッチング業務」と「新規企業開拓」に分かれます。
マッチング業務は現在は分業制となっており、私が担当しているのは下流工程の面接の設定から企業様への連絡、面接に向けた求職者様へのサポートなどです。新規企業開拓の業務では、新しい取引先様を開拓するために企業様にお打ち合わせの機会をいただき、フード人材バンクの事業内容の説明などをしています。
編集部
人材コンサルタントの業務の中で、松本さんならではのこだわりなどがあれば教えてください。
松本さん
マッチング業務においては、「求職者の方のご経験だけを見て企業を紹介しない」ということには気を付けています。もちろん、その方がどのようなご経験を持っているのかをヒアリングすることは大切です。
しかし、いくら調理人としてのキャリアを持っていたとしても、ご希望の条件が「子どものお迎えがあるので、夕方までには帰宅したい」ということであれば、夜間営業をしている飲食店をご提案しても、ご希望に沿うものにはなりませんよね。
求職者の方が本当に希望に合った企業にマッチできるように、経験を考慮しつつ他の業態や業界など幅広く提案できるよう日々工夫しています。
編集部
なるほど。松本さんはこういった人材コーディネートや新規企業開拓の仕事を元々されていたのでしょうか。
松本さん
いいえ、業界としても職種としても、全くの未経験です。
編集部
そうなんですね!食産業に特化したフーディソンさんに入社してみて、未経験だからこそ面白く感じた部分などはありますか?
松本さん
人材マッチングをする上で、企業様からも技術レベルを求められることが多いのですが、フーディソンでも魚屋を事業として運営しているため、技術レベルの話もしっかり理解した上で対応できるというのは、フーディソンならではのすごく良いところだと感じています。
またフーディソンで働く上で、他部署との連携を通じてお魚の知識が身についたり、求職者様の中でもお魚に関する技術が高い方もいらっしゃるので、そういう方のお話を詳しく聞けるのが面白いですね。
入社して最初に業界知識を学ぶのですが、そこでお魚がどうやってスーパーに入荷されるのかを初めて知りました。自分自身でもスーパーや飲食店など、実際に取引先を見学に行ったりもしましたね。
スーパーに行っても、「今お魚を加工するスタッフの方がいらっしゃるからきっと新鮮なお魚があるはず」とか「ここは加工する方がいらっしゃらないから、センターで加工しているのかな」というところも見るようになりました。魚一つひとつに、たくさんの流通事業者が関わっていて、スーパーで魚を見る視点が変わりましたね。
編集部
これまでスーパーで何気なく見ていたお魚を別の角度から見られるようになるのは、新鮮で良いですね!
未経験でも半年で一人前に!成長を支えるのは「何でも相談できる」サポート体制
編集部
松本さんは未経験で入社されてから現在の業務をできるようになるまで、どのくらいの期間がかかりましたか?
松本さん
主な業務を一通りできるようになり、一人前になったと言えるのは大体半年から1年くらいの間だと思います。
編集部
それまでの間、どのようなサポート体制があったのでしょうか。
松本さん
私がうまくいかないと感じている部分、課題を持っている部分については、上長の方々から積極的にフィードバックをいただいていました。特に私が求職者様にお電話で対応している内容については、「もっとこういう風に伝えたら良いのではないか」など具体的にアドバイスをいただいていましたね。
数字面についても、ビハインドしている部分については具体的な改善方法をアドバイスしてくださったため、そのアドバイスをもとに、自分自身でPDCAを回して改善していくことができました。
働き方の面で言うと、フーディソンではリモートワークも含めてフレックス制、時短勤務など柔軟な働き方ができるのですが、今は出社メインとなっています。上長に電話の内容を聞いていただいて直接フィードバックを受けられる環境があったことは成長していく上で大きかったと思います。
編集部
上長の方からのフィードバックはかなり高い頻度でいただいていたのでしょうか?
松本さん
はい、日々いただいておりました。その背景には、部署内の距離感がすごく近いということがあると思います。上長からも「何かあったら逐一相談してね」と言っていただいていました。困りごとがあればすぐに相談することができる環境があるのが、フーディソンの魅力ですね。
編集部
入ったばかりの社員さんにとって、安心して何でも相談できる環境があるというのはすごく心強いですよね。頻繁に具体的なフィードバックが受けられる環境が、社員の方の成長や活躍につながっているのだなと思いました。
▲こういったイベントも不定期で開催。「距離の近さ」が安心して相談できる環境を生む
産休・育休社員取得の社員多数!ライフスタイルに合わせた働き方が可能
編集部
フーディソンさんの女性活躍への取り組みについて伺います。Wantedlyでのインタビューも拝見しましたが、松谷さんは産休・育休を取られ、復職したという経緯をお持ちですよね。フーディソンさんには産休や育休を取得しやすい環境がありましたか?
松谷さん
はい、フーディソンには産休や育休を積極的に支援する制度や雰囲気があると思います。私自身が妊娠したときは忙しい時期であったため、言い出すには不安があったのですが、いざ報告すると上司からは「言ってくれてありがとう、おめでとう」と第一声で言っていただけたんです。
それですごく安心できましたし、実際に育休を取るのもすごくスムーズでした。
産休に入るまでは悪阻などで体調が悪い時期もありました。しかし、ちょうど社会情勢も重なってリモートワークを取り入れ始めていたこともあり、リモートで働きやすい環境づくりをしていただきました。そのあたりの支援や配慮にはとても助けられましたね。
編集部
制度が整っているだけでなく、思いやりを持って配慮をしていただける環境があることが伝わります。フーディソンさんには、松谷さん以外にも産休や育休を取得された方はいらっしゃいますか?
松谷さん
もちろんいます。直近の2023年4月にも1名復帰して働いていますね。
編集部
復帰にも不安はつきものだと思いますが、松谷さんが職場復帰されたときのご状況はいかがでしたか?
松谷さん
私はずっと働きたいという希望を持っていたため、復帰できたときは本当に嬉しかったです。育休中は赤ちゃんと2人きりで、社会からの孤立感もありました。復帰できて皆とコミュニケーションを取れることがこんなに幸せなんだと改めて実感しましたね。
先ほど松本も触れた通り、フーディソンは時短制度やリモートワーク、フレックス制と柔軟な働き方ができるので、それを活用して、家族と協力しながらやっていました。私も復帰後は時短からスタートしましたが、あえて業務の量は絞らなかったんです(笑)。時間的な制限があるほど、その中で生産性を上げて頑張ろうと思えるので。
編集部
すごいですね!人それぞれいろいろな働き方の希望があると思いますが、その受け皿を会社としてきちんと用意されているのも素敵だなと思いました。
復帰後の不安の解消にもつながった、1on1でのコミュニケーション
編集部
松谷さんのように子育てと仕事を両立しながら活躍される上で、フーディソンさんならではの環境の良さなどがあれば教えてください。
松谷さん
フーディソンには2週間に1回の頻度で1on1ミーティングがあるのですが、そこでコミュニケーションを取りながらいろいろなことを相談できることは大きいのではないでしょうか。私自身の育休からの復帰後の経験を振り返っても、1on1ミーティングの場で、上司と期待値の擦り合わせができたことは、働きやすさに繋がったと思います。
先ほども「業務量を減らさずにやりたい」という話をしましたが、やはり進めていく中でそれなりに大変になってくるんですよね。自分の「やり切りたい」という希望や周囲の期待があっても、限られた時間の中で難しい部分が出てくる。そうすると心の余裕もなくなっていきますよね。
そんなときに上司との1on1ミーティングで「ここまではコミットしたい」という部分をきちんとすり合わせしていくことで、すごく楽になったんです。
フーディションの「コミュニケーションをしっかりと取る」というカルチャーは、いろいろな面で働きやすさにつながっていると思います。例えばリモートワークにおいても、Slackを活用しながら密にコミュニケーションを取ったり、丁寧なフィードバックをするようにしています。それが安心して働ける環境をつくっているのではないでしょうか。
編集部
先ほど松本さんからも、密にコミュニケーションを取ることがすごく成長にプラスになっているというお話がありましたね。丁寧なコミュニケーションが働きやすさ、ひいては社員の方の活躍につながっているんだなと感じました。
女性が少ないからこそ生まれた「女性活躍推進プロジェクト」
編集部
その他に、フーディソンさんの女性活躍のための取り組みがあれば教えてください。
松谷さん
フーディソンはまだまだ女性が少ない職場です。だからこそ女性が働きやすい職場環境づくりに取り組んでいきたいと思っています。
その一環として、「DEI推進プロジェクト」という女性活躍推進プロジェクトを立ち上げました。私はそこのリーダーとして、いろいろな施策を推進しています。現場のリアルな声を聞きながら、皆がいきいきと働ける環境づくりをしていけたらなと思っています。
松本さん
Slackには「子育て相談チャンネル」というものがあるんですよ。私はまだまだこれからですが、機会があったら活用したいなと思っています!
編集部
面白い取り組みですね!松谷さんのような方がいらっしゃることはモデルケースにもなりますし、率先していろいろな取り組みをされているので、女性社員にとってもすごく安心感があるだろうなと感じました。
未経験でも安心して飛び込める!バリューの共有が信頼関係を生む
▲フーディソンさんが掲げる4つのバリュー
編集部
これまでいろいろなお話を聞かせていただきましたが、この記事をご覧になる求職者の方に伝えたい、フーディソンさんならではの魅力を改めて教えていただけますか。
松谷さん
フーディソンの魅力は、信頼関係のある組織が醸成されていることです。その根底には、フーディソンの掲げる4つのバリューの共有があると考えています。
フーディソンでは「型を破ろう」「全力でコミットしよう」「チームでやろう」「誠実であろう」という4つのバリューを行動指針として掲げており、その価値観の共有をとても大切にしています。
年2回実施するオールイン(全社総会)では、フーディソンで掲げる4つのバリューを最も体現した社員を「バリューアワード」という形で表彰しています。今回同席した松本もバリューアワードを受賞しているんですよ。
▲バリューアワード受賞時の松本さん
松谷さん
このバリューが社員一人ひとりに浸透するよう、バリューミーティングなども行っています。業務内容に関するコミュニケーションだけでなく、価値基準を共有するためのコミュニケーションも盛んなことが、フーディソンにおける信頼関係の構築につながっていると考えています。
これまでお話した通り、フーディソンには、信頼関係に基づいた何でも話しやすい環境があります。未経験の方も、女性の方も、チャレンジしたい方は安心して飛び込んできていただきたいと思います。
編集部
人を大切にし、お互いに尊重し合うフーディソンだからこそ成長できるフィールドがあると感じました。本日はお時間をいただきありがとうございました!
■取材協力
株式会社フーディソン:https://foodison.jp/
採用ページ:https://foodison.jp/recruit/
松谷さんのインタビュー記事はこちら:https://www.wantedly.com/companies/foodison/post_articles/488184