ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、創業が明治元年(1868年)という歴史を持ち、鹿児島の地において本格焼酎を製造する濵田酒造株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
濵田酒造は、若手社員による新商品開発や、マーケティング未経験者による業務改善提案など、社員の挑戦を積極的に支援する社風が根付いています。特に注目すべきは、20~30代の若手女性チームが商品企画から価格設定まで主体的に取り組み、新商品の販売にまで繋げた事例です。また、鹿児島中央駅前にサテライトオフィスを設置するなど、働きやすい環境づくりにも力を入れています。
今回は、同社の若手社員の活躍と挑戦を支える風土について、入社5年目までの3名の若手社員にお話を聞かせていただきました。
若手活躍:入社2年目の社員が新商品開発チームに抜擢
▲入社2年目で、新商品を商品化する若手チームに参加した山下さん
編集部
本日は、若手社員が多く活躍されている濵田酒造において2021年以降に新卒で入社された皆さんにお集まりいただきました。自分の中で「挑戦」だと感じた仕事についてお教えいただけますか?
山下さん
私が担当した挑戦的な仕事としては、若手女性3人のチームによる「焼みつき芋(やみつきいも) 和のスイーツリキュール」の企画開発が最初に思い浮かびます。
この商品は2022年、その年できたての新酒を振る舞ったり、試作品を限定販売する恒例イベント「新酒まつり」で試作品として限定販売したところ、大変好評でした。その後、上司から「リキュールは女性を中心に人気があるから、女性メンバーで商品化してみたら」と声をかけられて、プロジェクトがスタートしました。
チームのメンバーは、当時入社2年目で商品企画開発担当の私、20代で新しい酒質などの研究開発を担当する女性社員、そしてECサイト運営を担当する30代の女性社員の3人でした。ボトルデザインについては、協力会社のデザイナーとオンラインで打ち合わせを重ね、社内の女性メンバーや若手にもアンケートを取って、その意見を取り入れながら決めていきました。
▲完成した「焼みつき芋」のボトルデザインと、商品化のきっかけとなった「新酒まつり」の様子
編集部
商品開発ではさまざまな課題があったと思います。若手チームでどのように乗り越えていったのでしょうか?
山下さん
この商品は品質維持のために特別な工程が必要となるなど、コスト面を含めて大きな課題がありました。それを商品開発の責任者にも相談しながら私たちなりの提案をして、何度も会議を重ねて解決策を見出していきました。特に私たちに期待されていた若者視点や女性視点を最大限に活かすため、多少言いづらいことでも率直に意見を出し合うことを心がけました。
その中で、商品名の「焼みつき芋」というネーミングや、価格設定などに社内から疑問の声が出る場面もありましたが、若手女性チームの視点からこだわりと妥当性を説明し、無事に新酒まつりでの試作品販売に至ることが出来ました。
編集部
実際に完成した商品への反響はいかがですか。
山下さん
プロジェクト開始から約1年後、2023年11月に自社オンラインショップ限定商品として正式に発売しました。2024年も「新酒まつり」で特別販売をしたところ、「去年、美味しかったから今年も購入した」という声をいただくことも多く、とても嬉しく感じています。
焼酎になじみのない方々にも手に取っていただいており、新規顧客層の開拓につながっていると感じています。
マーケティング未経験者がサイト流入数を5倍にするまで成長させる
▲Web部門を担当する児玉さんは、入社してから業務に必要な知識を学んだという
編集部
引き続き、若手活躍のテーマで児玉さんにお尋ねします。同じく、入社してから取り組まれた、挑戦的な業務についてご紹介いただけますか?
児玉さん
自分の場合、Webマーケティングが未経験だったのですが、商品の魅力を伝えるためにサイトのコンテンツ改善を実施して結果につながったことが印象に残っています。
あるとき自社サイトの閲覧数のデータを分析する中で、好評の声を多く頂いている芋焼酎「だいやめ~DAIYAME~」は、より詳しい内容を含んだブランドサイトを設置していますが、商品ページからの流入が少ないことに気付き、チーム内に報告したことがありました。
▲芋焼酎「だいやめ~DAIYAME~」
■「だいやめ~DAIYAME~」の商品詳細はこちらから!
https://www.hamadasyuzou.co.jp/daiyame_brand/
児玉さん
そこから具体的にユーザーインターフェイス(UI)の改善や写真の入れ替え、コンテンツの文量の調整、さらに季節ごとの飲み方のコンテンツ追加などを提案したところ採用され、結果的に流入数を5倍に増やすことができました。
編集部
すごいですね。周囲からのサポートもあったのでしょうか。
児玉さん
はい。上長がWebマーケティングの業務を担当しているので、ちょっと疑問点があったら相談をして解消しつつ、そこでも要因が断定できない場合には、Web関連の協力会社に調査をお願いしたこともあります。
また上長からは、より伝わりやすい分析資料の作り方を丁寧に教えてもらいました。例えば先ほどの商品ページの改善において成果レポートをまとめた際にもフィードバックをもらい、改善することができました。月次の分析資料についても、いつも丁寧なフィードバックを受けています。
専門的な方たちに直接指導してもらえたことで、この分野を一から始めた私でも貢献できているのだと感じます。
通信教育や社内研修などのサポートあり。「唎酒士」の社内検定も
▲社内研修制度や社内検定制度など独自の取り組みも。特に「唎酒士」は会社を支える重要な役割を担う
編集部
お二方のご活躍の背景には、会社からの支援もあったかと思います。人事総務部に所属されている大津さんから、具体的にお教えいただけますか?
大津さん
弊社には、通信教育の補助制度や社内研修制度、社内検定制度などがあります。社内検定制度としては、杜氏(とうじ)や唎酒士、蔵案内士などがあります。
特に「唎酒士」は専門の部門を置いており、製造に携わる社員はもちろん、事務方の社員からも人気です。私自身、まだ入社1年目ということもあって通常業務に集中していますが、少し落ち着いたら唎酒士に挑戦してみたいと考えています。
児玉さん
私は大学で歴史系を専攻していたので、入社後にGoogleアナリティクスなどの分析ツールの使い方を一から学んだんです。基本的な教材やWebセミナーを通して基礎を学び、有料のセミナーは会社で負担してもらいました。
働き方:鹿児島市内のサテライトオフィスへ柔軟に出社可能
▲本社オフィス風景。鹿児島中央駅近くのサテライトオフィスも利用可
編集部
働き方の改善やワークライフバランスの向上について、特徴的な取り組みをお聞かせください。
大津さん
ワークライフバランスの特徴として、2点ご紹介させていただきます。
1点目は、鹿児島市内中心部にサテライトオフィスを設置していることです。本社はいちき串木野市にありますが、鹿児島市内近郊に在住の従業員や、市内での業務がある従業員が利用しています。私自身も鹿児島市内在住なので両オフィスを使い分けていて、特に採用イベントや説明会の際には鹿児島オフィスを利用しています。
山下さん
サテライトオフィスについては、マーケティング部門の私も市場調査やイベントの際に利用しています。鹿児島中央駅からすぐという立地で、非常に使い勝手が良いですね。
▲その日の業務内容によって出社するオフィスを使い分けているという大津さん
大津さん
2点目は、オフィスカジュアルの導入です。最近では日本国籍以外の方の採用もみられます。そうしたなか、服装面でも個人の考えや個性を否定しないような環境を整備しており、これが各個人の実力発揮につながっています。もちろん、TPO(Time:時、Place:場所、Occasion:場合)を考慮したコーディネートや、生産現場の作業服着用による安全衛生管理は徹底して行っています。
コミュニケーション:コンパやウォーキングなど社内イベントが充実
▲イベントに出展したときの様子。表情からも雰囲気の良さが伝わってくる
編集部
社内コミュニケーションを活性化させるような取り組みはありますか?
児玉さん
月1回程度の部署単位での「コンパ」を大切にしています。お酒を飲む人も飲まない人も参加しており、貴重な意見交換の場となっています。
また、全社的なイベントも充実しています。例えば健康増進を目的に、個人で設定した距離を期間内に達成するウォーキングイベントを年1回実施しています。イベント中は「いま何キロ?」などと声を掛け合いながら進んでいます。社内交流の良いきっかけになっていますね。
なお、目標のキロ数を完歩すると、景品として自社の焼酎ももらえるんですよ。
山下さん
私の部署は20代から60代まで幅広い年代が在籍していますが、世代を超えて会話が弾み、和気あいあいとしています。昼食を一緒に取ったり、仕事の区切りには飲み会を開いたりしていて、それがミスを隠さず報告できるようなオープンな雰囲気に繋がっていると感じます。時にはジェネレーションギャップを感じることもありますが(笑)。
グローバル:アジア圏出身の社員が活躍。「外国目線」の助言ももらえる
編集部
先ほど少し海外出身の社員さんの話題が出ましたが、どの程度いらっしゃるのでしょうか?
大津さん
海外出身者を特別に募集しているわけではないのですが、現在全社で5名ほどが在籍しています。主にアジア圏の出身者で、商品開発部門の研究室や、国際的な営業部門などで活躍しています。具体的には東南アジアや韓国、中国出身の方です。
編集部
具体的にはどのような業務を担当されているのでしょうか。
大津さん
以前は国際事業部が日本人のみで海外営業を行っていましたが、現在は例えば韓国での商談の際に、日頃研究開発を担当している韓国出身の社員が通訳として同行するなど、より柔軟な対応が可能になっています。今後も本格焼酎の海外市場への挑戦において、こうした多様性は大きなメリットになると考えています。
児玉さん
サイトの改善においても、国際事業課の方に「この表現は、海外でどう伝わるか」などと相談することがあります。外国の方の視点を意識したコンテンツを作る際に助かっていますね。
転職希望者へのメッセージ:自分の考えを積極的に発信できる方を歓迎
編集部
最後にあらためて、御社の仕事に興味を持った読者の方へメッセージをお願いします。
大津さん
当社では若手でも意見を言いやすい土壌があるため、自分の考えを積極的に発信でき、それを実現させたいという意欲のある方が活躍しやすいと思います。社風を含めて、働き方に共感していただける方は、ぜひご連絡ください。
編集部
本日は若手の皆さんの具体的な業務内容や活躍事例を通して、非常に風通しの良い社風を感じさせていただきました。貴重なお話をありがとうございました。
編集後記
濵田酒造株式会社の働き方のまとめ
働き方の特徴 |
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若手の活躍事例 |
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人材育成制度 |
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社風・職場環境 |
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グローバル対応 |
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求める人材像 |
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濵田酒造株式会社の基本情報
企業名 | 濵田酒造株式会社 |
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住所 | 鹿児島県いちき串木野市湊町4丁目1番地 |
事業内容 | 焼酎製造 |
設立 | 明治元年(1868年)創業(昭和26年に法人改組) |
公式ページ | https://www.hamadasyuzou.co.jp/ |
採用ページ | https://www.hamadasyuzou.co.jp/ business/recruit/ |
募集職種 | 時期や状況によって変化 ※営業職は東京や大阪など全国主要都市での採用・配属あり。それ以外の職種は基本的に鹿児島での採用 |