LINEマンガを運営するLINE Digital Frontier株式会社の働きやすさを重視した制度・文化とは

先進的な事業や魅力的なカルチャーをもつ企業にインタビューする本企画。今回は、LINEに連携する電子コミックサービス「LINEマンガ」を運営している企業、LINE Digital Frontier株式会社にお話を伺いました。

市場規模の拡大が続く電子マンガ業界で「LINEマンガ」は大ヒットを連発

LINE Digital Frontier株式会社は、4,000億円を超える市場に成長(※1)している電子コミック業界の中で、国内マンガアプリ累計ダウンロード数で1位(※2)を記録するなど圧倒的なシェアを獲得している「LINEマンガ」を運営しています。
(※1)出版科学研究所:コミック販売額 https://shuppankagaku.com/statistics/comic/
(※2)国内マンガアプリ累計ダウンロード数 (2013年4月~2022年12月) / iOS & Google Play合計 / 出典:data.ai(App Annieより名称変更 )

2013年のサービス開始以降、「LINEマンガ」だけで読めるオリジナル作品や独占・先行配信作品は1,500タイトル以上にのぼります。「LINEマンガ」で配信されたオリジナル作品は、次々と映像化されており、その数はどんどん増えています。LINE Digital Frontier株式会社は、マンガの領域から飛び出す二次展開など、市場のさらなる活性化につながる新しい取り組みに挑戦しようとしています。

「LINEマンガ」は、LINEから独立したベンチャー企業でしたが、2020年よりグローバルでの月間アクティブユーザー数8,500万人(2023年7月時点)を誇る世界最大規模のプラットフォーム、WEBTOON Entertainmentグループの一員となりました。

「webtoon(ウェブトゥーン)」が提供する「縦読みマンガ」の普及は世界的にも進んでおり「LINEマンガ」でも多数の作品でその形式を取り入れています。国内で人気のwebtoon作品は10ヶ国語に対応し、グローバルでもたくさんの方に読まれています。

会社名 LINE Digital Frontier株式会社
住所 東京都新宿区四谷一丁目6番1号
四谷タワー
事業内容 電子コミックサービス
「LINEマンガ」の運営
設立 2018年7月2日
公式ページ https://ldfcorp.com/ja
働き方 ハイブリッド勤務
(出社+在宅勤務)
フレックスタイム制度
(コアタイム11:00-16:00)
裁量労働制

今回は、就業に関連する制度の改善や整備によって、快適な職場環境の構築を担う人材開発チームに所属する佐藤詩織さんと人事労務チームの荒真美さんに、事業の特徴や独自のカルチャーなどについてお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方

LINE Digital Frontier株式会社
人材開発チーム

佐藤 詩織さん

LINE Digital Frontier株式会社
人事労務チーム

荒 真美さん

出社ルールはチームにより様々。柔軟な在宅勤務制度で働きやすく

LINE Digital Frontier株式会社のメンバーが大きなディスプレイの前でミーティングをしている様子

編集部

まずLINE Digital Frontierさんでの働き方についてお伺いさせてください。

佐藤さん

当社の従業員は400名弱いるのですが、全社的に1か月の出社率は1割程度で、あとは在宅勤務をしております。

編集部

在宅勤務には決められたルールなどがあるのでしょうか。

佐藤さん

エンジニアのチーム、コーポレート側でバックオフィスの業務を担うチームなど、チームごとにそれぞれのルールがあります。会社から出社日数を決めるようなことはしていなくて、業務ごとに一番生産性が上がるやり方を採用しています。

業務によって、ほぼフルリモートのチームがあったり、曜日を決めて仲間同士で出社しているチームがあったり、本当に部門にお任せしている感じです。

編集部

400名弱という大きな組織の皆様が、会社から提示されたルールではなく、チームごとのルールで働いていらっしゃるとは驚きました。

佐藤さん

LINE Digital Frontierは、メンバーをプロフェッショナルとして見ています。業務上でも様々な点で主体的に取り組んでいます。当社には、メンバーそれぞれに業務を任せるという文化があるんですよ。

編集部

会社はメンバーの皆様を信頼していらっしゃって、メンバーの皆様は責任を持って働いていらっしゃるのですね。

リモートHQの導入ほか、独自の制度で快適な環境づくり

編集部

LINE Digital Frontierさんには、在宅勤務で働く皆様をサポートする制度はございますか。

佐藤さん

メンバーごとに最適なデスク環境を整えられるよう、備品のレンタルサービス「リモートHQ」を導入しています。チーム内でお互いに「何を借りたか」の情報交換をするなど、便利に使ってもらっています。

また、メンバー同士がオンラインで集まって、ランチミーティングや飲み会をする際に使える「コミュニケーション費用」を支給しています。ランチがてらの1on1でも、チームの枠を超えた規模の大きな飲み会でも使えます。

コミュニケーション費用に限らず、メンバーのための制度は、メンバーたちの「もっとこうだったら使いやすい」というような声によって、随時アップデートしています。

編集部

なるほど。皆様の意見で制度を変えていくベンチャー的な部分があるのですね。

佐藤さん

LINE Digital Frontierは、元々LINEという大きな企業から独立した会社ですので、大企業ならではの安定感のある福利厚生は制度として持っていたのですが、ベンチャーとして自分たち独自で「もっと良くしていこう」とプラスアルファの制度を導入してきました。

大企業から継承している安定感とベンチャーのスピード感の両方がある、良いとこ取りができている会社だと思うんですよね。

編集部

400名弱の規模で、スピード感を持って決め事ができるというのは、とても柔軟な組織なのだなと感じました。

ミーティングや1on1のコミュニケーションにはSlackやZoomを活用

編集部

LINE Digital Frontierさんでは、在宅で働く皆様とのコミュニケーションをどのようにされているのでしょうか。

佐藤さん

日常のコミュニケーションはSlackで行っています。社内全体にZoomを入れているので「顔を見ながら話した方がいいね」となれば、5分、10分だけでも気軽にオンラインでつながれます。

皆さんが、当たり前にオンラインでコミュニケーションをとっていますので「誰が何をやっているか分からない」「話しかけづらい」という状況はありません。

編集部

SlackやZoomを活用して、コミュニケーションをとりやすい環境を整えていらっしゃるのですね。

佐藤さん

チームで定期的にミーティングを行っていたり、積極的に1on1の機会をつくったりもしています。最近では、出社に対する意識も変わってきていて、チームビルディングやワークショップ、研修を行うために出社し、集まりたいという声をよく聞きます。

実際に、チームの皆さんが一堂に会する機会があったときには「一度オフラインで顔を合わせておくと、その後のコミュニケーションがスムーズだよね」という感想がありました。そのようなこともあり、人事からのサポートとして、皆さんが集まれるワークショップの様なイベントを定期的に企画しています。

編集部

時代によって取り組みを変化させて、働く皆様のための環境づくりをされているのですね。

フレックス制と裁量労働制で無理なく。ワークライフバランスを重視して働ける

LINE Digital Frontier株式会社のデスクで仕事をしている様子

編集部

LINE Digital Frontierさんでは勤務時間をどのように設定されているのでしょうか。

荒さん

当社のメンバーは、多くが裁量労働制とフレックスタイム制で働いています。

裁量労働制適用のメンバーであれば、エンジニアであれば障害対応や0時から始まるキャンペーンの監視、編集であれば作家さんと夜に打ち合わせをするときに、始業を昼過ぎにして夜に終業するなどして、バランスを取っています。業務によっては「やむを得ず深夜に緊急対応を行ったので、翌日は昼間に休養を取り、夕方だけ業務を行う」ということもできます。

編集部

フレックスタイム制のコアタイムはございますか。

荒さん

11時から16時がフレックスタイム制のコアタイムとなっています。ですので多くのメンバーが、その時間帯にミーティングをしていたり、勤務していたりしますね。コアタイムはありますが、1時間単位で取得できる有休を使って時間をやりくりすることができます。

編集部

業務に合わせて自由に時間を決められる裁量労働制は働きやすそうですね。フレックスタイム制も、都合に合わせて時間のやりくりができるのが、とてもいいと思いました。

1時間単位で取得できる有休以外にも、嬉しい制度が色々

編集部

1時間単位で取得できる有休について、詳しくお聞かせください。

荒さん

年間5日分の有休を1時間単位で取得できます。コアタイムを中抜けして子どもや家族の通院のためや、発熱した子どもを迎えに行くために取得する事例があるそうです。

有休で中抜けするメンバーがいる場合に、当社のメンバーたちは非常に協力的だなというのが私の体感です。自身が子育て中でもそうでなくても、自然と「私が引き継ぎますよ」という温かい声掛けができる仲間たちです。

もちろん、子育てが理由でなくても取得できる制度ですので、時間単位の有休を利用して早めに終業し、ライブやスポーツ観戦に行くことも可能です。この制度を活用し「M-1グランプリの準々決勝」に駆けつける、お笑いが大好きなメンバーもいます。

編集部

有休は、誰にとっても使いやすい制度として浸透しているのですね。ほかに子育て中の方にとって、働きやすさにつながる制度はございますか。

荒さん

「ベビーシッター利用制度」を活用しているメンバーがいますよ。設定された上限額の範囲内で、会社が利用料金の半額を補助しています。

保育園にお迎えに行く時間帯に仕事を終えられない日に、お迎えから家に連れて帰るまでをシッターさんにお願いしていて、業務を終了したタイミングで子どもの世話を引き継いでいるそうです。

佐藤さん

私のチームのマネージャーも2歳のお子さんが居て、「まだベビーシッター制度は利用したことけれど、いざというときにこの制度があるんだと思うと、それだけで心理的にすごく安心感がある」と言ってました。

このような制度の整備を率先して行う人事労務チームがあって、働きやすさが増していくのは、すごく安心感があるなと思っています。

編集部

育児休暇についてはいかがでしょうか。

佐藤さん

育児休暇の取得率について、女性は100%、男性は43%です。

半年後に育休を取得しようとしている男性社員は「半年くらい取得したい。上司からもOKはもらっている」と言っていました。これから育休に備えて、周りもスケジュールを調整して協力します。そのような体制ができていますので、男性の育休取得率はこれから上がっていくと思います。

メンバーそれぞれが、業務の裁量を任せてもらえていますし、マネージャーや室長といった男性の役職者が育休を積極的に取得しているので、部下も育休の希望を出しやすいのだと思います。

編集部

上の立場の方が積極的に育休を取得しているのですね。有休の取りやすさをお伺いして、LINE Digital Frontierさんには、メンバーそれぞれの事情に柔軟に寄り添うカルチャーがあるのだと感じました。

「LINEとYahoo!」文化の違う組織が統合。お互いを知り、より強い組織に

LINE Digital Frontier株式会社で行われたエンジニアのワークショップの様子
▲開発組織のエンジニア・データサイエンティストが全員参加して行われたワークショップ

編集部

LINE Digital Frontierさんが、組織を構築していく業務の中で、力を入れていらっしゃることを教えてください。

佐藤さん

最近、組織変更・組織統合という動きがあって、LINEとYahoo!の違う文化を持った組織がひとつになっている状況です。そのような中で、新しい仲間をよく知って、お互いのいいところを引き出し合いながら業務ができるよう、相互理解のためのワークショップや、全社集会で行う色々なコンテンツづくりに挑戦しています。

挑戦の一つに、コミュニケーション費用を使って行うランチミーティングを、チームを超えてランダムなメンバーと行う「シャッフルランチ」があります。「子育て」「アニメ・マンガ」「アウトドア」など同じカテゴリーに興味を持つメンバーを、同じ部署が重ならないように選出しマッチングします。

コミュニケーション費用の制度が有効に使われるようになり、また参加したメンバーからは「普段業務では会わないメンバーと仕事の話ができた」や「共通の話題があって楽しかった」という声が届いています。

編集部

新しく仲間になられるメンバーの方との相互理解についてはいかがでしょうか。

佐藤さん

新卒のメンバーたちに相互理解のためのイベント「オンラインのクイズ大会」をリードしてもらいました。私たちもサポートをするのですが、若い人材が一生懸命やってくれているイベントに、メンバーたちは能動的に参加していましたね。このように、様々なアイデアでタッチポイントやコミュニケーションの機会を増やしていこうとしています。

オンボーディングのための取り組みとしては、組織内にスムーズに馴染めるよう、必ず先輩のサポーターが付くことになっています。最初は一緒に出社して仕事の準備を進めます。サポーターのほか、上長もしっかり気を配って新人の成長をフォローします。人事からも、定期的な1on1やミーティングの機会を打診するなどしています。

編集部

新しい仲間について、メンバーの皆様が知れる機会を、積極的に会社側が創出してくれるのはありがたいですね。

採用したいのは、マンガが好きで能動的に考え行動できる方

LINE Digital Frontier株式会社のデスクがたくさん並ぶ広いオフィスの風景

編集部

LINE Digital Frontierさんに入社して活躍できるのはどのような方でしょうか。

佐藤さん

とにかく、一人ひとりに仕事を任せてくれる会社ですので、それを楽しめる方にはすごくマッチするのではないでしょうか。任せてもらえる仕事に、プロフェッショナルとして責任感を持って取り組める方であれば、活躍していただけると思います。

荒さん

プロアクティブに行動できる方、そしてマンガが好きな方が楽しく働ける職場だと思います。すべてを網羅するほど詳しい方でなければというわけではなく、自分の会社のプロダクトに愛を持てる方が良いですね。「LINEマンガ」の未来をつくっていきたいという熱意のある方にご応募いただければと思います。

佐藤さん

たしかに「マンガが好き」だと自分たちのプロダクトにより愛着を感じやすいかもしれませんね。私たちの展開するサービスを好きな方と働きたいです。逆に「マンガは読みません」という方もエンジニアで採用した経験があります。そのメンバーは、たくさんのユーザーに、24時間365日、快適なサービスを提供し守り続けるという使命に燃えて入社してくれました。

マンガが好きな方や私たちの事業を面白がってくださる方が、活躍できるフィールドがあります。ベンチャースピリットもある会社ですので、やりたいことに挑戦もできます。仕事に熱意を持って「こういうことをやりたいんだ」と手を挙げて行動できるような方と、ぜひ一緒に働きたいですね。

編集部

LINE Digital Frontierさんでなら、意欲のある新人が先輩たちと話し合いながら、新しいプロダクトをつくっていけるチャンスもありそうですね。本日はありがとうございました。

取材協力
■LINE Digital Frontier株式会社:https://ldfcorp.com/ja
■採用ページ:https://ldfcorp.com/ja/careers/